正林寺法華講員手引書

『折伏・家庭訪問・教化育成・法統相続・教学研鑚・邪義破折・支部組織の充実強化に活用』 法華講正林寺支部 正林編集部

人生を優雅に飾る智慧の「慧」

2005-11-21 | 手引書⑦

 幸せになるためには、正しい智慧である「慧」がなければいけません。智慧を得るためには、御本尊様に御題目を唱えることです。「戒」と「定」に依って得た、悪心の戒めと心の落ち着きを定めたことで、正しい智慧である「慧」を御本尊様から「以信代慧(いしんだいえ)」で頂くのであります。
 御本尊様は三大秘法である「戒定慧の三学」です。我見や我欲によって筋が通らなければ御利益を頂くことが出来ません。御本尊様に間違った祈りを捧げても御利益は当然ありません。御利益は正しい信心によって現れます。
 『御義口伝』に、
 「一念三千も信の一字より起こり、三世諸仏の成道も信の一字より起こるなり。此の信の字は元品(がんぽん)の無明を切る所の利剣なり。其の故は、信は無疑曰信(むぎわっしん)とて疑惑を断破(だんぱ)する利剣なり。解とは智慧の異名なり。信は価の如く解は宝の如し。三世の諸仏の智慧をかうは信の一字なり。智慧とは南無妙法蓮華経なり。信は智慧の因にして名字即なり。信の外に解無く、解の外に信無し。信の一字を以て妙覚の種子と定めたり。今日蓮等の類南無妙法蓮華経と信受領納する故に無上宝聚(むじょうほうじゅ)不求自得(ふぐじとく)の大宝珠を得るなり。信は智慧の種なり、不信は堕獄の因なり」(御書1737)
と仰せです。智慧を得るには「信」が大事であります。
 智慧には、聞慧、思慧、修慧という三つの智慧があります。聞慧とは教えを聞くということです。聞いて考えるところに湧いてくる智慧が思慧です。更に御本尊様を受持信行して三大秘法の妙法の功徳が根本となり、顕れてくる智慧が修慧であります。
 また「四智」があります。仏が具える四種の無漏智です。世間法に染まっていない智慧であります。唯識論で説く智慧と大智度論に説かれる智慧があります。天台大師は大智度論の四智を四仏知見に拝しています。
 唯識で説く四智は、八識の大円鏡智・七識の平等性智・六識の妙観察智・五識の成所作智です。更に日蓮正宗では、九識で中道実相の真の智慧「法界体性智」があります。大智度論では、道智・道種智・一切智・一切種智を説きます。「本門の題目」が、最高の「慧」であり、御題目の南無妙法蓮華経を唱えることで最高の智慧を得ます。智慧は、疑うことなく御本尊様を信じることです。間違った我見や我欲を払拭させるところに、有り難い智慧が湧きます。
 世の中には、邪な智慧を振り絞って生きている人がいます。善悪の判断力が出来ていないため、邪智による悪道を進むのであります。邪な智慧・邪智が不幸を生みます。頭の回転が好く閃き智慧が湧いても、善知識における智慧と悪知識における智慧があります。充分に識別し「戒」と「定」の意義を持って判断することが大事です。判断する大切なときが勤行唱題です。成仏は自分自身の邪智を止め、折伏でも邪智を止めることが大切です。
 「戒定慧の三学」を具える三大秘法の御本尊様に御題目を唱えれば、正しい智慧が湧き生活を安穏にしていくのであり、それが平和と幸福に繋がります。その修行が寺院で行われる唱題行です。