流雲片々   ~ 香川県・高松市 曹洞宗 祥福寺 ~

おりおりの風光とよしなし事を思いつくままに。栗林公園の南西、小高い山の中腹に閑居する禅寺和尚の雑記です。

独遊

2012年05月16日 | 日記
先日
うかがったお家の庭で
一株の花が咲いていました

どこからか
種が運ばれてきて
たまたま花を咲かせたのだそうです

草丈は
30センチほど
庭を見渡してみても
同じ花は見当たりません
凛とした 立ち姿のきれいな花でした



孤独ではない 孤立でもない 孤高ともちがう ・・・ などと考えながら 

今日
ふと思い立って 「独」 で、辞書を引いてみると

独是 独遊 独楽 ・・・ なるほどなぁ

同じ 「ひとり」という意味でも
「孤」 と 「独」 どちらが一文字目にくるかで、 語感がまるで違ってきます

日本人は とかく
「ひとり」ということを 嫌ったり よくないものと しがちですが
「ひとり」をよし(独是)として、 「ひとり」であそび(独遊)、 「ひとり」をたのしむ(独楽) 

そんな人生の送り方も 是 じゃないか
いやいや むしろ
そんな人生の送り方のほうが 豊 なんじゃないか

それはけして
物理的な 「ひとり」 とは限りません
精神的な 「ひとり」 もまた しかりです

物理的に 精神的に
どれだけ独立 あるいは自立して生きるのか
そのためには それなりの覚悟も必要になります
そんな姿を表すのが 「凛」 という言葉なのかもしれません


今日の一枚を見ながら そんなことに思いを馳せた和尚です

コメント
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