獅子風蓮のつぶやきブログ

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乙骨正生『怪死―東村山女性市議転落死事件』Ⅴ章 その2

2023-03-21 01:19:40 | 東村山女性市議転落死事件

乙骨正生『怪死―東村山女性市議転落死事件』(教育史料出版会1996年5月)
より、引用しました。
できるだけ多くの人に読んでいただく価値がある本だと思いますので、本の内容を忠実に再現しています。
なお、漢数字などは読みやすいように算用数字に直しました。

なお、乙骨さんにはメールで著書を引用している件をご報告したところ、快諾していただきました。
ありがとうございます。

(目次)
□まえがき
□Ⅰ章 怪死のミステリー
□Ⅱ章 疑惑への道のり
□Ⅲ章 対立の構図
□Ⅳ章 たたかいの軌跡
■Ⅴ章 真相を明らかにすることは民主主義を守ること
□あとがき


◆怒りの記者会見
だが、12月22日に発表された捜査結果は、事件発生直後の9月2日時点で東村山署の千葉副署長が、報道陣に説明した内容とほぼ同一のものであり、「犯罪性」の有無を証明するよりも、東村山署の捜査のずさんさを証明するような代物なのである。
というのも、第一には、今回の捜査結果には「犯罪性がない」ことを証明する新事実がなにも示されていない。そして、第二には、9月2日の時点で「事件性は薄い。自殺と見られる」と説明していた千葉副署長の示した根拠に対し、関係者およびマスコミがした疑問になにひとつ答えていないからである。
9月2日の記者会見の席上、「事件性は薄い。自殺と見られる」と発表した千葉副署長は、その根拠として「垂直に落ちている」「手すりに指の跡がある」「争った跡がない」「不審者の目撃情報がない」などをあげていた。しかし、そうした発表に対し、マスコミの間から、「なぜ、靴がないのか」「指紋はあったのか」「裸足で歩いたにもかかわらず、なぜ、臭跡が出ないのか」、さらには、朝木さんの最後の電話の声が、「大韓航空機撃墜事件の機長が、ミサイルを打ち込まれたときと同じ、極度の緊張状態を示す周波数」であることなど、多くの疑問が提示されたのだった。
「事件性なし」と判断した東村山署には、こうした疑問に答えて「他殺説」を否定するだけの新事実を示す義務と責任がある。にもかかわらず今回の発表ではこうした点についてはなにも触れていない。今回の捜査結果は、9月2日の時点で明らかにした「事件性は薄い。自殺と見られる」との判断の根拠を、ただオウムのようにくり返しただけの 、説得力のまるでないお粗末な内容なのである。
それだけに、この警察の捜査結果に遺族や関係者は「とうてい納得できない」と猛反発。捜査結果の発表から一夜明けた23日、直子さんと矢野氏は記者会見を開き東村山署の対応を次のように批判した。
「事件発生から3ヶ月余、警察の対応を見守っていましたが、警察は、連れ去られた可能性のある自宅の捜査も行わなかったように、なんら満足な捜査をしていません。捜査をしなかったばかりか、第一発見者に、警察のシナリオに沿った口裏合わせや、「マスコミや遺族に接触しないように」と口止め工作まで行っています。それでいて捜査結果として「犯罪がなく自殺」だという。とても納得できるものではありません」(直子さん)
「まともな捜査もしないで、自殺と結論づけるとは言語道断。しかも自殺の根拠となっている理由は、事件発生当時、警察が示していた見解となんら変わりがなく、国民世論やマスコミの疑問になにひとつ答えていない。はじめに自殺ありきのシナリオであり、まるで靴にあわせて足を削るがごとき内容だ」(矢野氏)
事件後、直子さんは知人の紹介で、第一発見者のアルバイト店員と接触しているが、 その際、アルバイト店員は、警察が自らの捜査結果と符合するよう供述を誘導したこと、また、遺族やマスコミと接触しないよう強要したことを聞いたという。
実際、私をはじめとするマスコミ陣も、第一発見者のアルバイト店員および第二発見者である「モスバーガー」店長に直接取材を試みたが、いずれも拒否され、第二発見者の店長に対する取材は、「モスバーガー」オーナーが取り次ぐという形で行われた。アルバイト店員は接触したマスコミ関係者に対し、取材に応じられない理由を「警察になにもいうなといわれていますので」と答えており、マスコミの接触に極度に脅えていた。遺体を朝木さんだと確認した東村山署の須田係長は、防衛医大病院の滝野医師に対し、マスコミの取材に応じないよう口止めしているが、警察は、第一発見者、第二発見者にも、同様に口止めをしているようなのである。


◆警察発表への反論
23日の記者会見の席上、直子さんおよび矢野氏は、東村山署が「事件性はない」とした根拠についても逐条的に、次のように反論している。

「●警察発表【結論】
『他人が介在した状況はなく、犯罪性はない』
○朝木遺族側・反論
全く新事実もなく、決定的な根拠もないまま、9月の事件発生直後と全く同様で、無理に『自殺説』の理由付けを試みようとした稚拙な推理以下でしかない。
初動捜査でミスをおかし、カギの指紋さえ保全しないで、朝木議員の靴さえ発見できす(ママ)、事件に蓋をしようとする意図がありありで、全国の市民、国会や報道機関が指摘した多くの疑問や疑惑に対して何の説得力もない結論に過ぎず、疑惑を持たれている創価学会に配慮を加えたかのような印象さえあり、警察自体のあり方に疑問を感じる。
●警察発表 【動機】
『万引き事件で地検に出頭を求められたのを苦に自殺したのではないか』
○朝木道族側・反論
 ①遺書がなく、動機もないから、他殺。
 ②8月半ばに支持者に、万引きデッチ上げの真相糾明に断固闘うという残暑見舞いを出していること。
 ③地検には4月からの一連の嫌がらせ事件について事情を話すため同僚の矢野議員と9月上旬に出向くことが8月初めには弁護士と地検の間で、決まっていた。
以上から、『万引きを苦にして自殺』説は、警察作シナリオにすぎない。
●警察発表 【自殺説の根拠】
1、ビル周辺の聞き込みによると、事件発生当時、『キャー』という悲鳴と落ちる音以外に、争ったり、助けを求めたりする声がなく、第三者が介在したといえず、他殺ではない。
○遺族側の反論・他殺の根拠
 ①覚悟を決めて自殺しようとする者が、『キャー』という悲鳴はあげない。警察は、事件直後の初動捜査では、朝木議員があげた『キャー』という悲鳴をマンション住人が聞いた事実さえ無視しており、報道陣から指摘されて初めて事情聴取するという捜査方法であって、事件当初から自殺説以外の他殺につながる事実は全て捨象した。従って、他殺の結論は出てくる余地がない。
 ②催眠ガスなどで抵抗を奪われるなどして、意識が朦朧としている場合は『キャー』という悲鳴をあげるのが精一杯ということもあり、事件現場まで正常な状態で拉致されたと考える方が不自然。
 ③事務所の鍵が、翌日極めて不自然な形で発見された他、靴がなお発見されておらず第三者が事件に介在している以外にない事実があり他殺である。
●警察発表
2、①防護壁(手すり)は0・9メートルから1・3メートルで、身長160センチメートルの朝木議員には越えられる。
 ②手のこすった跡が、防護壁の階段側に向いてついており、突き落とされた痕跡はない。
○遺族側の反論
 ①指紋が出ていない以上、朝木議員の指の跡がどうか不明。
 ②乗り越えられるかどうかが問題ではなく、仮に、乗り越えられるとしても、手形や指の跡が全くないのは不自然。警察の主張は理由がなく他殺は否定できない。
 ③仮に、防護壁の階段側に向いてついていた手のこすった跡が、朝木議員のものだとしても、朦朧とした中で落とされながらも、朝木議員が必死に助かろうとした証拠であるという見方もできる。
●警察発表
3、朝木議員は、裸足で歩いて現場の5階に昇った。根拠はストッキングが破れていたからだ。
○遺族側の反論
 ①現場付近または自宅付近から現場までの道路で、通行人や顔見知りの住む地域で『ハダシで歩いている朝木議員』を見たという目撃証言がない。この事実は、自由を奪われて箱詰めにされ外部から見えない状態で殺害現場まで運ばれた以外にない。
 ②朝木議員が『ハダシで歩いている』状態は、すでに異常なノイローゼ状態というほかなく、 そのような事態を想定すること自体が常軌を逸している。
 ③ストッキングは、すでに現場で血糊で汚れており、防衛医大病院での救急救命措置の際に、体からハサミなどで剥されており、破れていたかどうか不明。
 ④警察は当初、『朝木議員の足の裏が汚れていた』と発表したが、その事実もなかった、これと同様の論理」

以下、警察が「犯罪性なし」と断定する根拠としてあげた4から7についても1から3同様、具体的に反論しており、その6と7には次のようにある。

「●警察発表
6、①争った時にできる『破れ』や『ボタンが飛んでいる』など衣服に争った跡がない。
 ②体に皮膚の剥離など、争った時にできる傷がなく、争った跡がないなどから、他殺ではない。
○遺族側反論
 ①睡眠ガス等で、体の自由を奪われていた可能性が高く、争うこと自体が不可能な状態だったと考えられる。
 ②ズボンには通常の方法で歩いた場合につくはずのない傷(TBS『ニュースの森』指摘)がついており、拉致された証拠と考えられるが、警察は一切捜査の対象にはしていない。
 ③録音された最後の電話の音声には、生命を奪われる危険を前にした異常な周波数変化が見られるが、全く警察は無視している。
 ④NTT発信記録から拉致現場は諏訪町の自宅と考えられるが、警察は電話を事務所に最後にかけた自宅の室内など拉致現場の捜査を、一切していない。
以上から、捜査は全く不十分で、他殺は否定できない。
●警察発表
7、事件の現場で、事件の前後には、不審な人物や不審な車両の目撃証言がない。
○遺族側反論
 ①事件発生頃、現場直近の西側住民が、現場駐車場に不審車両と不審者二、三人がいてボソボソ話しているのを目撃した事実を、聞き込みにきた刑事に伝えたが、無視しており、警察発表は事実に反する。
 ②事件の現場で、事件の直後には、不審な人物や不審な車両の目撃証言がないということは、朝木議員が『ハダシ』で歩いているという極めて異常な状態を、午後9時から10時の間に、路上で見かけた市民が一人もいないことを示している。目撃証言がない以上、警察の『ハダシ』で歩いて5階まであがり自殺したとの『推理』には根拠がない」
記者会見の席上、矢野氏は、東村山署の捜査結果の発表を「はじめに自殺ありきのシナリオであり、まるで靴にあわせて足を削るがごとき内容だ」と批判しているが、私も同感である。
おそらく東村山署は、事件発生直後の9月2日時点で、朝木さんの死を自殺として処理したかったのだ。鶴見刑事課長が、遺族に対し、「これは自殺なんだ」とくり返し主張したこと、また、解剖を行おうとしなかった事実がそのことを端的に物語っている。だが、それでは、他殺を主張し、多くの疑問点を指摘する遺族、関係者、マスコミから激しい反発や批判を浴びることが予想される。そこで、「捜査をする」との発言で時間稼ぎをし、自殺説に疑問を呈する“ウルサイ”週刊誌が、年末年始の休みに入って後追いができなくなるタイミングを狙って、幕引きを図ったというのが、今回の捜査結果発表の背景とも考えられる。

 


解説
矢野氏は、東村山署の捜査結果の発表を「はじめに自殺ありきのシナリオであり、まるで靴にあわせて足を削るがごとき内容だ」と批判しているが、私も同感である。

とありますが、私も同感です。
東村山署は、なぜか事件発生直後から朝木さんの死を自殺として処理したかったようです。

獅子風蓮


乙骨正生『怪死―東村山女性市議転落死事件』Ⅴ章 その1

2023-03-20 01:04:22 | 東村山女性市議転落死事件

乙骨正生『怪死―東村山女性市議転落死事件』(教育史料出版会1996年5月)
より、引用しました。
できるだけ多くの人に読んでいただく価値がある本だと思いますので、本の内容を忠実に再現しています。
なお、漢数字などは読みやすいように算用数字に直しました。

なお、乙骨さんにはメールで著書を引用している件をご報告したところ、快諾していただきました。
ありがとうございます。

(目次)
□まえがき
□Ⅰ章 怪死のミステリー
□Ⅱ章 疑惑への道のり
□Ⅲ章 対立の構図
□Ⅳ章 たたかいの軌跡
■Ⅴ章 真相を明らかにすることは民主主義を守ること
□あとがき



Ⅴ章 真相を明らかにすることは民主主義を守ること

朝木事件をめぐる創価学会と東村山署の連携プレー

◆東村山署の最終判断
暮れも押し迫った1995年12月22日、東村山署は朝木さんの不可解な転落死について緊急記者会見を行い、事件後の95年9月下旬に赴任してきた山田正治署長が「転落について他人が介在した状況はなく、犯罪性はない」との捜査結果を発表した。
「犯罪性」がないのだから他の可能性はゼロ。要するに朝木さんの死は自殺だというのである。
東村山署が、朝木さんの死に「犯罪性」がないとした根拠は、以下の3点。
①転落現場近くで争う声や不審な目撃情報がない。
②朝木さんの着衣に突き落とされた形跡がない。
③第一発見者に「大丈夫です」と話し、被害を訴える言葉がなかった。
12月22日の記者会見の席上、山田署長は、「犯罪性はない」と断定した根拠と自殺とすればその動機を、より具体的には次のように説明している。
【動機】
万引き事件で地検に出頭を求められたのを苦にしたのではないか。
【根拠】
1、ビルの聞き込みによると、事件発生当時、「キャーッ」という悲鳴と落ちる音以外に争ったり、助けを求めたりする声がなく、第三者が介在したとはいえない。
2-①、ビルの壁(手すり)は、0・9メートルから1・3メートルの高さであり、身長1・6メートルの朝木さんなら乗り越えられる。
 ②、手のこすった跡が、防護壁(手すり)の階段側に向いてついており、突き落とされた痕跡はない。
3、朝木さんは、裸足で歩いて現場の5階に昇った。根拠はストッキングが破れていること。
4、放物線状ではなく、直下に落下している。突き落とされたのであれば放物線状になる。
5-①、「大丈夫ですか」と聞かれた際、朝木さんは「大丈夫です」と答えている。
 ②、「落ちたんですか」と聞かれて「いいえ」と答えている。
 ③、「急車を呼びましょうか」と聞かれて「いいです」と断っている。
6-①、衣服に争ったときにできる「破れ」や「ボタンが飛ぶ」などの形跡が見られない。
 ②、身体に皮膚の剥離など争ったときにできる傷がない。
7、事件の現場で、事件の前後には、不審な人物や不審な車両の目撃証言がない。


◆“自殺”に歓喜する人々
この捜査結果に、朝木さんの死への関与を疑われていた創価学会は大喜び。捜査結果発表の翌23日、機関誌(ママ)『聖教新聞』に、
「東村山市議の転落死問題 警視庁が『自殺』と最終結論 『学会が関与』とデマ宣伝したマスコミ、自民党議員 問われる重大な責任問題」
との見出しを掲げて次のように速報した。

「警視庁東村山署は22日、東村山市議の朝木明代氏が今年9月、同市内のマンションから転落死した問題の犯罪性を否定し、同市議は飛び降り自殺だったと断定する最終的な捜査結果を発表した。
その理由として同署は、転落現場近くで争う声や不審な目撃情報がないこと、市議の着衣に突き落とされた形跡がないこと、第一発見者に『大丈夫です』と話し被害を訴える言葉はなかったことなど具体的な根拠を示し、『転落について他人が介在した状況はなく、犯罪性はない』としている。
朝木市議は、今年6月、同市内の洋品店でTシャツを万引きした窃盗容疑で、7月に書類送検されていた。
転落死に関し、自民党の穂積良行(旧福島1区)、熊代昭彦(旧岡山1区)の両氏は、警察の調べで「自殺の可能性が極めて高い」とされていたにもかかわらず、週刊誌記事など(『文藝春秋』11月号、『週刊新潮』10月12日号、『週刊朝日』)をもとに、学会が関与したかのようなイメージを抱かせる悪質な中傷質問を国会で行なった(11月7日、宗教法人特別委員会)。
また、『週刊現代』(9月23日号)が、同問題に関して事実無根の学会記事を掲載したことについて、学会本部は、同誌編集長と朝木市議の夫と長女の3人を名誉棄損で警視庁に告訴(すでに正式受理)したほか、同3人と講談社らを相手取り、名誉棄損に対する『謝罪広告』の全国紙5紙等への掲載と1億円の損害賠償を求め、民事裁判を東京地裁に起こしている。
今回、捜査の最終結論が出たことにより、同市議の家族らによる荒唐無稽な話を利用し、学会に対する意図的なデマ宣伝にしたマスコミと自民議員の倫理と責任問題が厳しく問われることになろう」

さらに創価学会は、12月27日付けで、
「東村山市議の『転落死』に決着=警視庁が『自殺』と断定」「学会関与と騒いだ責任重大」「糾弾される悪質マスコミのねつ造体質」
との大見出しをつけた青年部機関『創価新報』の号外を発行。同紙を東村山市内で大量に戸別配布するなど、東村山署の捜査結果の発表を契機に、朝木さんの死は“やっぱり自殺だった”と大々的に宣伝している。

 


解説
朝木事件をめぐる創価学会と東村山署の連携プレーが、このあと明らかにされます。
さらには、検察内部にも創価学会員が……

獅子風蓮


正木伸城さんのインタビュー記事(2) 週刊文春WOMAN Vol.16

2023-03-19 01:54:58 | 正木伸城

正木伸城さんは創価学会元理事長・正木正明氏の息子で、創価中学校、創価高校、創価大学と一貫して創価学園に学んだ経歴を持ち、創価学会本部職員として働いた経歴をお持ちです。
組織のあり方に疑問を持ち本部職員を退職した後も創価学会にとどまり、ライターとして活動していらっしゃいます。

「週刊文春WOMAN」 Vol.16 2023創刊4周年記念号(2023年1月12日発行)に、正木伸城さんのインタビュー記事が載っていました。

以下、「週刊文春WOMAN」の記事の引用のつづきです。

 


「なぜ教団職員を辞めたのですか?」
鈴木エイトが創価学会元理事長の息子
正木伸城と話した“政治と宗教”(つづき)

正木 昔は学会も他の宗教団体に対してガンガン批判して攻撃してましたけど、最近は他宗教に対して、そういうことはしなくなりました。学会は時代に応じて変化しています。かつての過激さを引き合いに出して、それこそ統一教会と同じように批判するというのは間違っていると思います。
鈴木 今、学会の会員数というのはどうなっているんですか。
正木 公称は827万世帯ですが、実数はかなり減っているはずです。学会には『大白蓮華』という雑誌があるんですが、その部数が減っているという話はしばしば耳にしています(※創価学会広報室は「公表しておりません」と回答)。『大白蓮華』は大抵の活動家が携帯するものなので、その部数から類推して、私は会員数を300万世帯前後だと見ています。
鈴木 先日、元学会員で芸人の長井秀和さんが『週刊新潮』で学会における高額献金----学会では「財務」というそうですが----の問題を告発しましたよね。あの中で学会員である長井さんの両親は数千万円単位の寄付をしていて、〈統一教会の“100万円の壺”なんて安すぎて〉とありましたが、あれについてはどうなんですか。
正木 長井さんのご家庭は相当特殊な事例だと思います。仏壇を3基購入していたという話がありますが、仏壇を複数所持している家庭は、あったとしてもかなり少数です。また、創価学会の中で過剰な財務により家庭が経済的に破綻するという例もほぼないとは思います。ただし、高額な財務をしている会員に対して、その会員のご家族が反対しているというケースは、たまにあります。
鈴木 正木さん自身は、いわゆる「宗教二世」としての葛藤はなかったんですか。
正木 ありました。例えば修学旅行で日光にいったときに、母から「鳥居をくぐっちゃだめ」と言われたり。幼いころから、そういった信仰の教育みたいなことがやっぱりあるわけです。あるいは小学校で「お父さんの仕事を調べて作文で発表しましょう」とか。
鈴木 あれ、ヒドいですよね。
正木 宗教専従職員の息子からするとつらい宿題です。母親に添削されながら「お父さんは世界平和のために世界中を駆け回って……」と書いたら、友達に「えっ、お前の父ちゃんってヒーローなの?」ってツッコまれて(笑)。
鈴木 やっぱり両親ともに信仰生活に熱心だと、ネグレクト的な状況も起こるんですか。
正木 子ども時代に両親が家にいなくて、イヤな思いをする子は、結構います。僕自身もイヤな思いをしました。それで高校生のときに父親に「世界平和と家庭の平和とどっちが大事なんだ!」ってキレたこともありました。
鈴木 正木さんは、「現代ビジネス」の記事でリチャード・ドーキンスの『神は妄想である』について書かれてましたよね。実は僕も無人島に一冊持っていくとしたら、ドーキンスなんです。
正木 えっ、そうなんですか。
鈴木 ドーキンスは『悪魔に仕える牧師 なぜ科学は「神」を必要としないのか』において、キリスト教のような既成宗教であっても、それを子どもにそのまま強制させることの問題点を非常にわかりやすく書いているんです。
正木 彼は、まだ判断能力がない子どもに本人の意思とは関係なく信仰を教え込む行為は「虐待」だとまで言っていますよね。
鈴木 今、「宗教二世」という言葉がよく使われるんですけど、僕はあの言い方、あまり好きじゃないんです。本当は「カルトの二世問題」と呼ぶべきなんです。統一教会が「カルトという言い方はヘイトスピーチだ」と盛んに主張し、当事者の二世への配慮などからもあまり使われていませんが、現実に組織として人権侵害を起こしているわけですから、ちゃんとカルト呼ばわりしないといけないと思う。
正木 その通りですね。
鈴木 いわゆる「宗教二世」問題って、本当は宗教の問題じゃないんですよね。宗教に限らず、色んなある程度極端な思想とか思考の枠組の中で、親の影響で子どもが被害を受けているという構造自体を捉えないといけない。
正木 僕自身、学会の本部職員は辞めましたが、まだ脱会はしていないんですね。やっぱり物心ついてからずっと学会員で、親戚もみんな学会員というコミュニティの中で生きてきたので、そこから抜けるのは正直つらい。でも、だからこそ創価学会の二世信者に「信教の自由はあるのか」と問われると首を傾げてしまう部分がある。教団内では「二世信者が違和感を持つのは信仰がおかしいから」という考えが前提になることもあるので、二世の声は中々響かない。
鈴木 正木さんは山上徹也容疑者の事件に宗教団体が関わっているときいてどう思われましたか?
正木 私の記憶だと、最初〈ある特定の宗教団体への恨み〉と報じられていたのが、途中で〈ある特定の団体〉に変わったので、もしかして政治的に不都合な宗教団体が関係しているのかなと一瞬思いました。
鈴木 そうだったんですか。
正木 僕自身はやっぱり山上容疑者に同情する気持ちがちょっとはあります。もちろん殺人は許されないことですが、その人生遍歴を聞くにつけ、宗教二世として人生が行き詰まっちゃった閉塞感とか、動機については理解できる部分もあるなと感じました。
鈴木 僕は最初はとにかく感情移入しないようにしたんですよね。この事件を機に自分が取材を受ける立場になって、二世たちがどういう境遇に置かれているかを説明しているうちに、感極まっちゃうようなことがあって、これはマズいな、と。第三者であるはずの僕でさえ、ここまで感情を揺さぶられるので、当事者の二世の子たちには、SNSから離れて、事件の報道を見ないように、と言ったんです。
正木 この事件が起きたことで、エイトさんがこの20年以上調べてこられた自民党と統一教会のズブズブの関係の実態を国民が知ることになりましたよね。
「政治と宗教」はなぜ結びつくのか。例えば創価学会の場合は、自分たちの理想----それこそ、学会だけの利益というよりも、普遍性のある理想----を実現する一つの「手段」として政治に関わっていくという感覚でいる会員が一定数います。ところが統一教会と自民党の関係は、それとは明らかに違いますよね。
鈴木 もともと統一教会は「反共産主義」という旗を掲げて、自民党の保守層、例えば安倍晋三元首相の祖父である故・岸信介氏などに接近していくわけです。政治家のもとに人を送り込んで選挙を手伝ったりするのと引き換えに教団の体制の保護を求めてきた。それが安倍政権の頃には、統一教会を日本の国の宗教にしてしまおうというところまでエスカレートしていた。政治家への浸食の仕方としてはかなり特殊ですよね。
正木 これだけ深く癒着していると、成立した「救済新法」にしても、政府は「やってる」感を出しているんですけど、「骨抜き」にされるんじゃないかと危惧しているんです。やっぱりマインドコントロールに関する規定がないのは、その定義が難しいとはいえ、問題になり得ますよね。その難しさを盾にして、被害の実態に寄り添わない法案になってはいけない。
鈴木 信者はマインドコントロールされているのに、形としては「自主的に献金」していることになっている、という実態に即して ないんですよね。 なぜ救済法案が「骨抜き」にされるかといえば公明党の存在があるからですよね。本当は公明党が乗って来れるように、この法案は宗教という枠組みでやらないほうがいいと思うんです。宗教とは関係なく、継続し て人権侵害をやっている団体を規制するという方向にしないと難しいのではないでしょうか。
正木 フランスの反セクト法ではカルトかどうかを見極める10の基準、例えば〈精神的不安定化〉〈法外な金銭要求〉〈児童の加入強要〉などが定められていますよね。それは一つの参照軸になりますし、カルト教団そのものを規制するというよりも、カルト的な逸脱行為 を規制するという風に線引きをするなどして、実のある法にしていく必要はあると思います。
鈴木 だから今の自民党みたいな「今後、統一教会と一切関係を断ちます」というやり方は実は非常にマズいんです。統一教会の中に取り残されている被害者としての 二世ごと切り捨てることになって しまうから。
正木 個々の政治家と統一教会との間でどういうギブアンドテイクが為されてきたのかという検証がなされないまま、「幕引き」しようとする思惑が透けて見えます。
鈴木 やっぱり「本筋」を見失っちゃいけない。個人的には山上容疑者への不可解な鑑定留置延長も 気になります。 拘置所の中で口封じされちゃうんじゃないか、とイヤな感じがしているんです。教団と政治家たちが「共存共栄」を続けてきたという事実を闇の中に葬りさられないように、我々は注意しないといけないと思います。

 


解説
学会は時代に応じて変化しています。かつての過激さを引き合いに出して、それこそ統一教会と同じように批判するというのは間違っていると思います。

という正木さんの意見、私も賛成です。
長井さんの言動についての冷静な評価も、私の意見と通じるものを感じます。

創価学会内部にとどまっての批判活動。いろいろ大変でしょうが、頑張ってください。
組織が風通しの良いものになるために、正木さんに惜しみないエールを送りたいと思います。

 

獅子風蓮


正木伸城さんのインタビュー記事(1)週刊文春WOMAN Vol.16

2023-03-18 01:00:55 | 正木伸城

正木伸城さんは創価学会元理事長・正木正明氏の息子で、創価中学校、創価高校、創価大学と一貫して創価学園に学んだ経歴を持ち、創価学会本部職員として働いた経歴をお持ちです。
組織のあり方に疑問を持ち本部職員を退職した後も創価学会にとどまり、ライターとして活動していらっしゃいます。

「週刊文春WOMAN」 Vol.16 2023創刊4周年記念号(2023年1月12日発行)に、正木伸城さんのインタビュー記事が載っていました。

以下、「週刊文春WOMAN」の記事の引用をもとに解説します。

 


「なぜ教団職員を辞めたのですか?」
鈴木エイトが創価学会元理事長の息子
正木伸城と話した “政治と宗教”


正木 実はエイトさんにお会いするの、今日が2回目なんですよ。
鈴木 えっ?
正木 漫画家の菊池真理子さんの出版記念会(『「神様」のいる家で 育ちました~宗教2世な私たち ~』)で名刺交換させていただいて、少しお話もしました。
鈴木 マジですか。ちょっと記憶が……すいません!
正木 いえいえ(笑)。たくさん人も来てましたし。エイトさんはあっという間に有名人になられて……街で顔を指さされたりしませんか?
鈴木 それが実はそんなにないんです。ただ僕、閉店間際のスーパーで半額シールの貼られたお惣菜とか買うのが好きなんですけど、この間ちょうどカゴに入れてるときに「鈴木エイトさんですか?」と声をかけられまして……。 それはちょっと困りましたね。
正木 (笑)。ちなみに「エイト」という名前の由来は何ですか?
鈴木 ああ、僕ずっとバンドやってて、そっちでは数字の7にちなんだ名前を名乗っていたんですね。音楽は才能なかったんで潔く辞めて、次に不動産業をしながら、こういう(執筆)活動をするようになって、7の次は8だろう、とエイトと名乗るようになったんです。ちなみに「鈴木」も、あるシンポジウムで苗字をつける必要があって、コーディネーターの方が適当につけてくれたんです。
正木 あ、じゃあ鈴木も本名じゃないんですね。僕は最近よく友達に「お前も『正木ナイン』になれば」と言われていて(苦笑)。
鈴木 そんな由緒正しい名前をお持ちなのに。「伸城」というお名前はあの池田大作さんが名付け親なんですよね?
正木 はい。ちょうど父(正木正明氏。「創価学会」元理事長)が幹部として勢いが出てきた頃に僕が産まれて、父が池田氏に名付けを頼んだそうです。
鈴木 池田大作さんについて世間の目下の関心は、果たして存命しているのか、というところだと思うんですが、どうなんでしょうか。
正木 正直僕も今の状態についてつぶさにはわからないんですけど、学会内では「お元気な池田先生」というワードが現在も飛び交っています。もし亡くなったとしたら、7日以内に死亡届を出さないといけないとか、いろいろと違法のラインがあるので、ちまたで陰謀論的に語られるような形で死亡を隠すということは、さすがにないんじゃないかなと思います。 鈴木 正木さんのお父様は、学会の組織ではナンバー2だったわけですが、どうやって教団内で頭角 を現してきたんですか。
正木 いろいろ要因はありますよね。演説が上手かったことも一因だと思います。学会では「指導」と言うんですが、会員さんが喜ぶように、信心の理解が深まるように喋ることができるというか。
鈴木 それは息子である正木さんにも引き継がれている?
正木 と、言って下さる方はいましたね。僕は教団内では学生などの若い世代に向けた教義解説をする立場で、29歳のときには、その部門のトップをやっていました。
鈴木 その正木さんが、なぜ教団職員を辞めたのですか?
正木 これもさまざまに要因があります。大きかったことの一つは、「政治と宗教」の問題です。例えば2015年ごろに注目を集めた安保法制では、僕から見ると公明党の振る舞いが自民党にすり寄っているように見えた。決定的だったのは、そこに抱いた僕の疑問に対して、教団内でちゃんと答えてくれる人がいなくて、頭ごなしに「信心が足りないからだ」と否定されてしまったことです。そういうことが積み重なって、また、うつ病で倒れたりもして、学会本部の組織文化が肌に合わないと痛感し、退職したという流れです。
鈴木 その後、転職活動で非常にご苦労された経験をライターとして「現代ビジネス」に書かれてましたね。あれ、非常にタメになりました。僕もちゃんと就職したことがないんで、200社に応募して全滅とか、転職活動ってこんなに大変なんだ、と。
正木 あれは心、折れました。
鈴木 で、唯一見つかった仕事が 他の宗教法人の職員で(笑)。
正木 エージェントの方が「ピッタリの仕事が見つかりました!」って(笑)。それでも最終的に広報・マーケティング関係の仕事で別の会社に転職することができたのは、本当に奇跡的でした。
エイトさんはもともとどういう経緯で統一教会をテーマにされるようになったんですか?
鈴木 2002年に渋谷駅で偶然、統一教会の信者が手相の勉強と言って勧誘している場面に出くわしたんです。もともと私の身内にも信者がいて興味があったので、「あ、これが統一教会の勧誘だ」と反射的に割って入ったのが最初ですね。以来街頭とかで張り込みして、勧誘を阻止する活動を始めて、今に至るという感じです。で、そうやって偽装勧誘から助けた中に、一人、九州から出てきたばかりの19歳の女子大生がいたんです。それで結構仲良くなって、いろいろアドバイスとかしてあげてたら、急に彼女が「渡したいものがあるんですけど」と言って、一枚の紙を差し出しまして。
正木 おお。
鈴木 「泥の中に花は咲く 池田大作」って書いてあって(笑)。
正木 ああ、それは「如蓮華在水」という法華経に出てくるワードですね。
鈴木 で、僕も学会に勧誘されたので丁重にお断りしたんですけど、彼女を見ていて思ったのは、創価学会というのはいわば巨大な互助会みたいなものなんだな、と。
正木 確かにそういう側面はあると思います。
鈴木 だから田舎から東京に出てきても、とりあえずフォローしてくれる。逆に、学会二世が東京に出てきたのを機に縁を切ろうとしたのに、なぜかポストに聖教新聞が投げ込まれていて恐怖したという話も聞いたことがあります。
正木 「統監」という名簿管理のシステムがあるんです。転居した場合も統監に記録されて、転居の情報が回ることがある。だから転居先でいきなり(見知らぬ)地区のリーダーから電話がかかってきて、「引っ越してきたなら顔出してよ」と言われるというのは、「学会あるある」ですね。
鈴木 今、正木さんがこうやって学会と距離を置いた立場でいろいろ発言していることに対して、学会側の反応というのは?
正木 警戒はされていると思います。息子の私が言うのもアレですが、父は人気があった幹部なので、「正木派」が誕生して盛り上がることを学会本部が恐れていたという話は聞いたことがあります。その関係からなのか、私を敵視している人もいるらしく……。
鈴木 そうなると監視とか尾行の対象になるわけですか?
正木 そこまではないとは思いますが(笑)、例えば、私が今、(学会の本部がある)信濃町に行ったとしたら、監視されるということがあるかもしれません。警備の人たちが周辺をよく見て回っていたので、その体制が変わっていなければ。
鈴木 そのへんは学会のお家芸という気はしますね(苦笑)。ただ、じゃあ統一教会みたいなカルト教団と創価学会を同一に並べて語れるかというと、ちょっと難しいかな、と思うんです。学会は巨大な互助会として、かなり日本の社会の隅々まで溶け込んでいて、その実態が大きすぎて捉えづらい。もちろん「二世」問題とか、多額の寄付問題とかはあるんだろうけど、統一教会のように組織構造的に人権侵害が起こっているカルト教団とは区別しないといけないな、と。

(つづく)


解説
警戒はされていると思います。息子の私が言うのもアレですが、父は人気があった幹部なので、「正木派」が誕生して盛り上がることを学会本部が恐れていたという話は聞いたことがあります。その関係からなのか、私を敵視している人もいるらしく……。

という正木さんの発言。
興味ありますね。
お父さんの正木正明氏は、正木伸城さんの言動をどう評価しているのでしょう。
父子が連携することはあるのでしょうか。
注目していきます。

獅子風蓮


対話ブログ【番外編】むこうではダイナム疑惑をどう見ているのか (7)

2023-03-17 01:54:40 | TSさんとの対話

アンチの中にもファンが多いTSさんが、鯛焼きさんのブログのいちコーナーを借りて、アンチの方との対話を呼びかけていました。

 

●はTSさんの記事「対話ブログの常連さんへ」についたコメントのつづきです。

 


●オレンジさんへ (TS)

退会されたあとにも、配達してくださったとのこと、申し訳ない思いと同時に感謝の想いがいりまじり考えさせるお話しであります、、、。

 会員の幸福のための組織というのが、学会の目的であり、幹部の本来の使命なはずなんですが、逆じゃないの?と疑問に思うことは残念ながらよくありますよね、、、。

 手作りで築いた血の通った信頼関係の強い組織と、出来上がった組織の上にあぐらをかいて打ち出しを無難にこなすお役人的な組織と、両方関わってきましたが、正直自分の責任範囲において、前者の考えにこだわりまくってやっていく以外しかないのが現実です、、、。

 あちらのブログでは創価にも良いところがあるといったら、暴力団にも良いところがあるといっているものと、全否定されてしまうでしょう。(暴力団から足を洗って蘇生させてきたのが創価なんですがね、、、笑い)

 せっかくこちらのブログにコメントされたのも何かの縁でしょうから、創価がはちゃめちゃと思っていることをこちらで全部はき出したらいかがですか、、、?

 私はお話は伺いますよ、、、。退会された方にまで傷に塩を塗るようなことは考えておりませんから、、、。

 私もこのように考えているくらいの意見を述べさせていただき、お互いの触発になるような話ができればと思っております、、、。

 monotarosanのような方が第一線の現場の学会を支えているわけですから、その方の冷静な視点に中枢がもっと耳を傾けるようになれば、一皮むけた開かれた組織になると私は思っています、、、。
2018/11/20(16:07) 


●一つ目の感想 (TS)

退会された理由のご返事お話しいただきありがとうございます。

 オレンジさんのように思うことはむしろ自然なことではないでしょうか、、、?

 私の知る範囲の活動家レベルで、先生はお元気ですよと聞いて、今まで通りの健康状態で弟子に任せていると思うような方はおりません。

 一言で言うなら、大人の事情があるのだろうと察しているのだと思います、、、。

 私の会社の会長が、脳卒中で倒れその後ガンも患い三年の闘病生活のあと、お亡くなりになりました、、、。

 詳しい病状は身内と社内だけに留め、判断能力もしっかりされてご本人の意向もあり、いろいろな影響を考慮して、社外にはお知らせしておりませんでした。

 当初は

 「会長最近見ないけど元気なのか?」

 「え、まあ元気でやってますよ、、、。」

と私もごまかしておりましたが、何回も突っ込まれる親しい方がいまして、

 「いろいろな事情があり、詳しいことは言えないんですよ、まあ私の立場も察してくださいよ、、、」

 こんな受け答えをしておる内に、新年のあいさつ回りで、会長不在でもそのことで突っ込む方は自然といなくなりました、、、。

 相手の状況をおもんばかり、あえてそっとしておく、、、。

 これが世間の常識的な接し方であろうし、大人の事情というものと思っております、、、。

 少年少女部には通用しない論理ということも重々承知のことです、、、。

 敵意のあるシニフィエさんくらいじゃないでしょうか、、、?

 先生が何年も公に出なくても上からのお元気ですの言葉に、何の疑いも持たず、自分の頭で考えることができない創価脳なんて、的外れなことを延々と言っている方は、、、。

 先生の現状が内の会社の会長と同じとまでは、わかる立場ではありませんので、誤解されても困りますが、あえて触れる必要なことではないと思っている方が多いのではないでしょうか、、、?

 続きます、、、。
2018/11/22(06:59) 


●二つ目の感想 (TS)

 宮田氏の動画は、脱会をすすめる宗門の方からも伺っております、、、。

 教義のことですから、創価の公式見解では物足りないと思っている私には、個人的見解(我見)を組織人の鑑である鯛焼きさんのブログで披露するのは、内外からも攻撃されるきっかけになり躊躇してしまうんですよ、、、。(笑い)

 宗祖を学術的に研究される宮田氏の学者の立場としてはありだろうというのは理解しておりますし、元副教学部長の須田氏は、信仰者の立場として宮田氏に対し否定的な見解を示されていることも理解しております、、、。

 私が創価学会が優れて高く評価している点は、仏法の教義の難しさを大衆に分かり易い表現で、実生活の上において役に立つものに解釈していることと思っておりますし、だからこそここまで世界に妙法が広まったと認識しております、、、。

 一回目の離婚騒動のときは、会員の機が熟していなく頭を下げて事態を収拾しましたが、衛星中継でダイレクトに会員に自身の仏法観を語ることにより、二回目の離婚騒動のときには大勢に影響が出なかった要因になったと思っております、、、。

 世界の識者と対談しアカデミズムを理解する先生にとっては、宗門の伝統的な解釈は水と油くらいの価値観の相違があったと想像いたします。

 教義に関しての中枢の本音は、時代遅れの宗門の教義から脱皮したいけど、登山世代が動揺しないよう少しづつ変えていくしかないと考えていると想像しております、、、。

 宮田氏の日蓮本仏論を否定するようなことは、中枢はしないと思いますが、海外の仏教理解度に応じて敢えて本仏論に固執する必要もないというのは私個人は理解できます、、、。

 おまえは教義に関して緩すぎだと、宗門に行かれた友人からよく言われるんですが、解釈なんていうのは百人いれば百通りの解釈があり、それぞれの宗派独自の解釈があるのは当然だろうと反論しております、、、。(笑い)

 例えとしてよくいうのは、歌は作詞作曲家の手を離れた瞬間から、その歌を聞いた方々のそれぞれの想いの解釈がありますよね、、、。

 少し前の卒業ソング「贈る言葉」の武田鉄也が話していたのは、この曲には自分の思い入れがあるが、敢えてその思いは言わないことにしていると、、、。

 私の想いを言うことで、聞いた方々のそれぞれの想いを否定してはいけないことをわかっているからだと話していました、、、。(なるほど)

 人を信じて傷つくほうがいい、、、私は失恋の痛みを和らげる方に勝手に解釈して浸っています、、、。(笑い)

 カラオケで嫌われているらしい私の大好きな歌、

 谷村新司の「昴」、、、(笑い)

 アジア、中近東でも大ヒットしているそうですが、

 わ~れはいく~、、、昭和のおっさんの男のロマンをくすぐりませんかね、、、。マイウェイも好きですが家族から顰蹙ものです、、、。(笑い)

 それぞれの方々がそれぞれの夢を思いながら歌っていると思います。谷村新司の想いとは別に、、、。

 しかしラジオで聞くご本人はとんでもないエロ親父ですよ、、、。(笑い)

 よくこんな男からあんないい曲を作れるもんだ、、、。(笑い)

 作品と人間性、人格は立て分けるべきと考えるきっかけにはなりましたよね、、、。(笑い)

 話は逸れたように思うかも知れませんが、実は先生に対する否定的なアンチの主張に対しての見方にも通じるものがあるんです、、、。

 谷村作品の人に与える影響の大きさを考えれば、谷村本人の人徳とは別問題と捉えること。

 私は先生の実像を知る由の者ではありませんが、その解釈された作品(スピーチ、指導性)によって、人生に多大な好影響を与えていただいておりますので、そのようなアンチの風評に左右されることがないということも、ご理解いただけるかなと思います、、、。

 参考になったかわかりませんが、私のこのような考え方もあるということも、頭の隅に入れていただければ、この対話も価値あるものと考えております、、、。
2018/11/22(08:46) 


●補足 (TS)

 毎日新聞紙上に出ている疑問も私の見解をお話しします。

 先生もマンモス教団の責任者ですから、何から何まで自分一人で対応できないのは想像がつくと思います。

 おそらく先生の意を介したスタッフというかグループの方々が、実務を処理していかなければ、物理的に不可能と思われます。(表に出ているときも同じと思います。)

 スピーチ、書籍、メッセージなども、そのような方々との協力により成り立っていることが、アンチの方がいうゴーストだ、会員をだましているという悪いこととも思っておりません、、、。

 創価学会にとって池田先生というのは、ある意味生死を超えた存在になっており、死してもなお会員に対しての信仰の原点に立ち返るべきものを残された方だと思っております、、、。

 師弟フニャな私でも、ポスト池田大作の次も、ポスト池田大作なんだと思っております。

 ここまで日蓮仏法を世界中の方々に受け入れやすいよう、応用展開された指導者は今後も現れないかも知れません、、、。

 ですから表に出られない状況があろうとも、今後も新聞紙面から消えることはないでしょうし、孔子の論語や孫氏の兵法のごとく、後世の方々にも影響を与えていくと思われます、、、。
2018/11/22(11:38) 


●オレンジさんへ 2 (TS)

会内の多くの方々が私と同じと思われても困るのですが、個人的見解として参考にしていただければ、、、。

 またオレンジさんの決めた判断を、とやかく申すつもりもありませんし尊重は致します、、、。

 創価90年近い歴史をみても、時代社会の変化に対応して変わってきているのも事実と思います。

 ただ変わっていないものは、四苦八苦という人の根本命題の悩みに対して、日蓮大聖人の妙法の信仰によって、自身の内面の可能性を開き、悩みに負けない人生を生きていこう、という姿勢は不動のものと思います、、、。

 そのためにとかく縁に紛動されやすい私どもを、一生成仏の道から外れないよう、切磋琢磨し触発していく組織の必要性も、組織嫌いな自由人思考を持つ私でさえも、感じておる次第です、、、。

 信仰の対象が池田先生に変わったり、創価学会仏と呼ばれる組織に変わったりすれば、私も脱会する可能性は高いと思います。

 時には組織の暴走、リーダーの判断の誤りもあるでしょうから、すぐに脱会というより様子をみながら、オレンジさんの立ち位置に行くこともないわけではありません、、、。

 代々坊主の世襲を批判してきた学会が、世襲するようなら悩ましいところではありますが、人材が枯渇して会内が一番収まりやすいということなら、一代限りのワンポイントリリーフであれば、目をつぶって距離を置くかもしれません、、、。

 それでも現場でやる私の行動は今までと何も変わらず、大聖人にお叱りを受けることのないよう仏子を大切に守り、創価学会の看板を背負っている以上、それに恥じない行動をしていくことしかないと思っております、、、。
2018/11/24(06:48) 


●オレンジさんへ 3 (TS)

オレンジさん、やはりブログは閉じられてしまったのですね、、、。

 純粋な信仰を続けられてきたオレンジさんの退会の想いは、残された私たちにとっての課題として真摯に受け止めていきたいと思いました、、、。

 会員のための組織か、会員を利用する組織か、
日々自身の心に問いかけ、精進していくことしかできませんが、今後の行方を暖かく見守っていただければと思います、、、。

 嫁さんにオレンジさんの想いをお話ししたところ、組織から離れて信仰を続けていこうという気持ちはよくわかると話しておりました、、、。

 それと今気づきましたがsironeko(白猫?)のお名前、純粋なオレンジさんに相応しいHNですね、、、。また白猫の話題を取り上げたのも何かの縁なのかもしれないなとも思いました、、、。

 短い間ではありましたが、女性とこんな胸襟を開いてお話をしたことがありませんでしたので、貴重な経験をさせていただきました。(男性の方と誤解していたことは本当に申し訳ございませんでした。ごめんなさい、、、。)

 本当にありがとうございました。(返信は不要です。)
2018/11/28(05:03) 


●嫁の話、、、。
オレンジさん、ご自身のブログ閉じていたのでもうコメントこないと思っていたので、うれしい気持ちになりました、、、。

 夫婦でオレンジさんのことで語り合っていたところでしたので、、、。

 嫁は三世の福子で、高等部の責任者とウマがあわず(怨嫉というものです、笑い)、組織から離れたそうです、、、。

 社会人になり独り立ちし、仕事、人間関係で行き詰まるようなことがあり、御本尊に祈りたくなり組織に戻ってきたそうです、、、。

 私と結婚して地区婦になるまでは、私と違って素直に活動するタイプでした。(笑い)

 性格もおとなしく細かいところにも気を使って、家事もきっちりやってくれ、ズボラな大雑把な私には出来過ぎの可愛い嫁をもらい功徳と思っておりましたが、、、。(笑い)

 地区婦で忙しくなり家事を手伝うようになり、その家事の細か(神経質)すぎる高いレベルを私にも要求するようになったのです、、、。(笑い)

 タオルは四隅そろっていない、洗い物に汚れが残っている、トーストにマーガリンを塗ったナイフはティッシュで拭いてパンかすを入れるな、新品のソファーを買った日には加齢臭つくから頭シャンプーしてから座って、、、等々、、、。(愚痴ですね、笑い)

 そんなチョットしたことでイラッとくる、こんなタイプの嫁が地区婦任命されたら、どうなるか想像してみてください、、、。(笑い)

 子どもが小さかったので、我が家を拠点にしたところ、(私は男子部が自由に遅くまで使える拠点にすることが夢でしたが、女性ばかりなので諦めました)まあ報告、書類、雑務の多いこと、毎週月曜の協議会には、配るものが山積み会合終われば私以上の加齢臭の香り(笑い)、低血圧で朝起きるの苦手な嫁に対しての配達してほしいプレッシャー(嫁の負担軽減のため私が代配するきっかけにもなりました)、、、。玄関先で趣味のお花を手入れしていればそんな暇な時間がよくあるねと、姑のような先輩婦人にお小言を叩かれる、、、。

 嫁の組織活動の愚痴を聞く機会が自然と多くなりました、、、。

 打ち出し、報告に追われ一家に一部の新聞の我が家にも、マイ聖教という悪しき風習が忍び込み、私の制止も壮年のように甘いとこじゃないのよ婦人部は、と一括される始末、、、。(笑い)

 だんだん面の皮が厚くなって如是相もきつくなってきているのが、身近で見ていてもわかるくらいです、、、。

 嫁の性格では荷が重すぎる、相談しようかと思った矢先に地区合併になり、ようやく地区婦の任から外れました、、、。

 後数か月続けていたら、気持ちが切れて組織不信になり、オレンジさんのようになっても不思議ではないとも話しておりました、、、。

 今は随分常識的に変わってきたとは言っていますが、もう責任職はやりたくないとも話しています。

 前任者の突然の引っ越しから、急遽白羽の矢が立ったのですが、私は絶対向かないからやめなと反対したのですが、試食も断れず買ってしまうタイプの主婦でしたので、断り切れず受けてしまったようです、、、。(笑い)

 福子や三世の方が組織から離れても信仰は続ける気持ちはよくわかるとも話しておりました。

 こんな他愛もない夫婦の話ですが、オレンジさんにも報告しようかと思いコメントいたしました、、、。
2018/11/30(07:00) 

 

 


解説
オレンジさんのコメントは、対話ブログで読めるのでしょうか?
私には見つけられませんでした。
オレンジさんのコメントに対するTSさんのコメントには興味深いものが見られましたので、収録しました。


(このシリーズは終了です)

文章の引用を許していただいた鯛焼きさん、TSさんありがとうございました。


獅子風蓮