★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

生目八幡宮を訪ねる(香川の神社122)

2017-11-24 17:30:45 | 神社仏閣


仏生山町。「生目さん」である。祭神は、藤原兼清。



案内板に曰く、

「屋島合戦の「しころ引き」で有名な悪七兵衛景清は、源平合戦に敗れたのち視力を失い、琵琶法師となって諸国をさまよったと伝える。」


景清物が出来てしまうほどの、みんなが大好きな景清さんである。屋島の合戦のとき、【狸】那須与一【のおかげ】のまぐれ当たりで調子に乗った【ちび】義経【だけどすごい】が、「あれもやってしまえ」と言って与一に人間まで打たせたので、なんだか錯乱した両軍がざわざわしていると、真っ先に源氏に突撃していったのが【正義】藤原景清【の味方】である。ある敵の大将の兜の錣を引きちぎって、

その後兜の錏をば、薙刀の先に貫き、高く差し上げ、大音声を上げて、「遠らん者は音にも聞け、近くは目にも見給へ。これこそ京童部の呼ぶなる、上総の悪七兵衛景清よ」と名乗り捨てて、御方の楯の陰へぞ退きにける。 平家これに少し心地を直いて、「悪七兵衛討たすな、者ども、景清討たすな、続けや」

確かに、こういう乱暴者というか突撃馬鹿はいつの世にもいるはずであり、最近はどこに行ったことやら、活躍の場を失っていると思われます。こういう輩にスカしたコミュニケーション能力を要求するからいじめが発生するのでしょう。それはともかく、景清は壇ノ浦でも死なず、一説によると、「源氏の世の中を見るのはイヤだ」とか言って、自分のめんたまをくりぬいて寺田か神社に奉納したとか……。申し訳ありませんが、完全に狂ってます。こんな誠実なテンションでは、日本はアメリカの占領下で全員自決しなくてはなりません。また一説によると、壇ノ浦以来、頼朝の暗殺を何回も試みてつかまり、どこかに幽閉されていたとか……。これも申し訳ありませんが、完全に狂ってます。こんな誠実なテンションでは、日本人は、占領下で一億総テロリストになってマッカーサーを狙わなくてはなりません。しかし、そんな奴はほとんどおらず、ちゃんとアメリカ文化の良いところをまねして「えいじゃないか」という感じで今に至ります。実際、景清もどこかで戦死したか、何もせずに平穏に暮らしていたのでしょう。目なんかほっといても悪くなりますよ……。

そして最期のとき、「自分を神にまつれば眼病に効き目を表すであろう」と言ったということで、目の神様として人々から信仰されている。内部には「かべきよさま」と呼ばれる古い木像と神鏡がまつられている。

自分を祀れとは最後まですごいお方です。残念でした。いまは眼科というものがあり……しかし、わかります、目の病気というのは、すごく絶望感があるのです。

  

真言が拝殿にかいてあった。「オンタカセイセイタカセ高山ソワカ 目をなでながら(三回)」

昭和十三年の『香川神社誌』には、応神天皇を祀っていることになっている。八幡ということになってるからね……。


最新の画像もっと見る