彌彦神社はバラマキ事件で有名である。といっても政治家がやらかしたそれではなく、初詣の餅まきに殺到した人民が将棋倒しになって120人以上が死んだ事件である。そろそろ、餅まきとかナニまきかしらないが、そういう類がニュースになる時期である。神職やお相撲さんが上からなげるものに、群がる人民の姿をみていると、日本人の何かを感じる。クレクレ体質というか、こういうときには、まさに上から何かが与えられているにもかかわらず「上から目線」とか批判しないところが笑える。どこでわれわれはこういうさもしい根性を身につけてしまったのであろう。奴隷としか言いようがない。
こういうことを言うと、またホ★エ▼ンのまねをした中年の若者が、「あれはじいちゃんばあちゃんだけでしょ」とか一見冷静な意見をしたりするのであるが、まったくそんなことはない。考えてみりゃ、恥も顧みず、モチに群がって将棋倒しになるみたいなのは、まだかっこをつけてないだけ見どころがあるような気がする。自分が奴隷的であることを素直に行為できる人間と、自分が奴隷でないと思っている自意識をこじらせた奴隷と、どっちがエゴイスティックであるかといえば、圧倒的に後者なのである。要するにニーチェ言うところの「奴隷の反乱」こそ、奴隷性の本質である。