★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

諸葛亮大地震の前触れがひどい

2012-07-15 23:10:32 | 文学
前に「三国志」のドラマ観ていると書いたけど、昨日、第2部の終わりまでたどり着いたので覚書をしておこう。

第2部は、呂布の死後から、劉備が諸葛亮を見出す(あ、逆か……)直前までであった。この「中原逐鹿」の部分というのは、ドラマ的にいって、おそらくこのあとのレッドクリフ「赤壁の戦い」の為のステップであって、それぞれの人物達が、いまいちの活躍をみせる。主な人物達のいまいちさは以下の通り。

・曹操……頭痛持ちのふられ専門キャラ。呂布からうばった貂蝉をいつもの趣味で奪おうとしたところ自害されてしまう。関羽が大好きなので、呂布の赤兎馬までくれてやるが、やっぱりふられる。

・劉備……負け戦専門キャラ。よく考えてみたら、こいつ、50にもなってなんにもしてないじゃないか……。最近いきなりキレたり、泣いたりする。義理や恩を重んじる余り危機管理能力に欠けることが判明。ついに、いままで自分がいまいちだったのは「軍師」がいなかったためだと、人に言われてようやく気付く。遅いわ。張飛と関羽を見て気付けよ。

・関羽……千里行専門キャラ。あるいは、主人公格は裏切りも正義に見えるキャラ。一度曹操にくだり、袁紹軍の大物をぶった切ったりしていた。だいたい、劉備が生きていなかったらどうなっていたか。曹操のもとで出世街道まっしぐらだ。この後ろめたさがあるから、もう千里行でも何でもするしかないわな。

・張飛……一歩まちがえばやはり山賊以外の何物でもないキャラ。噂だけで関羽を斬り殺そうとしたり、梅の木に八つ当たりしたり、お前は一体なんなのだ。

・袁紹……いざとなれば驚くほど頭の回る男だと言われつつそういう場面は一度もなかったキャラ。70万で5万の曹操軍に負けるとは……、真似した日本軍がアメリカ軍に挑んでとんでもないことになったじゃないか。変な前例つくるなや。

・漢献帝……めそめそキャラ。いつも泣いてる。

・許攸……寝返り自慢キャラ。袁紹が自分の進言をまったく聞かないので曹操に寝返る。しかもそれを曹操本人に向かって自慢したので許褚に首をはねられてしまう。一体、軍師の癖になんという見通しの悪い奴であろうか。

・除庶……天才だがマザコンなので一話しか活躍しなかったキャラ。劉備の初代軍師でなぜ片田舎でくすぶっていたのかわからない天才。しかし、曹操が「母親を人質にとったぞ」と噂を流すと、すぐに劉備を捨てて曹操の下へ。長く「ドラマ三国志」をみてきたが、ここまでのアホは初めて見た。下は、劉備を捨ててゆく場面。このアホは劉備にまで感染する。劉備曰く「除庶の後ろ姿を遮ったあの木を切り倒せっ」←狂ったな。



……というわけで、第2部最終話は、除庶が母親に会うために劉備から去るところで終わった訳である。第1部は、アホスギ呂布の死で終わり、第2部は、マザコン除庶のトンズラで終わる。明らかに、もっとまともな英雄の活躍を見たいと思わせてひっぱる、弁証法的なやり方である。最近、いろんな軍師の失態が多かったのもあからさますぎる。さあ、お待たせ致しました……。