(23.2.5 表題若干変更)
今回の故事諺で、ていわ(蹄窪)が出題されました。勿論出来ませんでしたし、全く知りませんでした。私が解いた問題集にも出題されていなかったと思います。辞書にのっているどうか調べたところ、次の3冊に載っていました。
1,「大漢和」(旧版 親字数48902)
【蹄窪】 牛馬の足跡のくぼんだところ
【蹄窪之内不生蛟竜】 牛馬の蹄跡の窪んだ所には蛟竜は生じない。小さい土地には、大人物が出ない喩。とあり、出典は、「新論」 で「蹄窪之内不生蛟竜、培塿之上、不植松柏」
とあります。
2,「大字典」(親字数14924)にも
【蹄窪】ひづめのあとのくぼみ。馬のあしあと 新論「蹄窪之内不生蛟竜」
しかし、1級学習の為に、「大漢和」や「大字典」を総覧するなんてことはできないでしょう。
3,「新明解漢和」
【蹄窪】ひづめのあとのくぼみ
「新明解漢和」は10年前に準1級の学習を始めたときに使っていましたが、準1級の問題集に出てくる熟語も載っていないものが結構あり、その後「新字源」に乗り換えた記憶があります。ですから、【蹄窪】が載っていたのは少し意外です。ただ、今回の故事諺は載っていないので、仮にこの熟語を学習しても、今回の問題では想起できないでしょう。
その他以下の辞書を捲りましたが、何れも載っていませんでした。
A 故事諺辞典 「成語林」
B 漢和辞典の【蹄】欄 「漢検漢字辞典」、「新字源」(初版)、「全訳漢辞海」(初版)、「漢語林」、「現代漢語例解辞典」、「旺文社漢和辞典」(S39)、「新潮日本語漢字辞典」、「字統」、「字通」
C 国語辞典等 「広辞苑」(第4版)、「日国」(旧版)、「大辞林」、「大言海」、「角川類語新辞典」
結局、この問題で正解に達することは極めて困難ですし、またどのように学習したらいいのかもわかりません。ただ、1級は合格リピーターが鎬を削っていますので、こういう絶対解けないような問題が一問くらいはあってもいいと思います。
漢検協会は、今回から満点賞を授与することになりましたから、1級で何人満点を取ったか是非公表して欲しいなと思います。
馬などの蹄の跡にして、地の窪みたること。蹄の跡の窪み。狭き地の意味。
図書館で見てきました。戦前に発行されて、戦後一冊本で復刻されたのですね。復刻版はとても小さい字でした。確か70万熟語収録とか。日本最大級の辞典ですね。こんな本があるとは全く知りませんでした。「国語辞典のはなし」(「辞典のはなし」所収 角川書店編 S41)には載っていました。有益な情報をご提供戴きありがとうございました。
確かに載っています。
今年買った同じく三省堂の全訳漢字海には
載っていませんでした。編者が違うので、
致し方ないのでしょう。ただ、
前者、新明解は大変に使いにくい辞典で、
わたしも死蔵している感が否めません。
>前者、新明解は大変に使いにくい辞典
私も同意見です。「辞典」に次ぐ辞書としては、私は、「新字源」を重宝しています。
ただ、「新明解漢和」の前身の「携帯 新漢和中辞典」は、私が初めて買って貰った漢和辞典で、思い入れがあります。「この辞典の使い方」に記載があるように、読みがわからない漢字を漢和辞典で引くのは、部首がわからなくて困りました(例えば、相は、目が部首)が、この辞書は、左側、上側を部首として引けばよく引きやすかったものです。
高校のときは、熟語の用例に線を引いていました。[多少]の用例として、杜牧の江南春に線が引いてあったりします。
>わたしも死蔵している
私も、貴コメントの御陰で久しぶりに引っ張り出してきましたが、愛着のあった辞書ですので、大事に死蔵しておきます。
馬蹄の跡の窪んだ所。転じて、狭い土地。
>大字源(角川書店)
私は 持っていませんが、ネットにKO字源というのがありますね。ブックマークにUPしておきました。