鑿壁偸光 漢字検定一級抔

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「辞典」に、意味による音読みの使い分けの記載がある1級漢字一覧

2009年09月25日 | 様々な一覧

 21-1の読み問題で、玩愒(がんかい)が出題され、「辞典」の愒の親字欄に、意味による音読みの使い分けが明示されていることは、従前記事にしました

 「辞典」の1級親字の意味欄に、意味による音読みの使い分けが明示されているものは、他にどのくらいあったかなと思って、全部捲ってみました。次の6字です。

 なお、訓読みについて見出し語があるものは、太字括弧無し、見出し語のないものは太字で括弧でくくりました。太字にしていないものは、意味にはありますが、訓読みとはなっていないものです。また、「辞典」・「四字熟語」の見出し語にあるものは、【 】で括りました。


1, 複数の音読みについて、孰れも見出し語があるもの 2字


キ (お(いる))
 【耆旧】、【耆儒】、【耆宿】18-1K 21-1K、【耆徳】、【耆老】  

シ たしな(む) 【耆欲】


シャ し(く) か(す) か(りる) 【藉口】、【慰藉】、【蘊藉】15-1Y 17-3Y 20-2Y、【温藉】、【倚藉】、

セキ ふむ 【藉藉】、【藉田】、【狼藉】、【杯盤狼藉】11-2K、【落花狼藉】、【乱暴狼藉】、【声名狼藉】

シャでもセキでもよいもの 【枕藉】


2, 複数の音読みについて、一方は見出し語があり、一方は過去問に出題されたもの 1字


カイ むさぼる。玩愒
カツ (おど(す))。【恫愒】


3, 複数の音読みについて、一方は過去問に出題されたが、一方は、見出し語がなく、小熟語しかないもの 1字


エン まる(い)圜冠5-2Y  
カン めぐ(る) 圜繞(カンジョウ)、圜流、大圜(タイカン)


4, 複数の音読みについて、孰れも、見出し語も小熟語もないもの 2字

 この2字は、「辞典」に訓読みはありますが、見出し語も小熟語もなく、過去問にも出題されていません。従って、 △の漢字ですから、出題可能性は小さく、高得点狙い用です。熟語は、「捷径」・「大漢和」等他の辞書から摘記しました。

 
オ いか(る) 喑噁(インオ) 喑も△の漢字です。 
アク 鳥の声 噁噁(アクアク)

 
ソウ たずねさがす この意味の音熟語は見当たりませんでしたが、「不足を補う」という意味のときもソウと読み、找給(ソウキュウ)という音熟語がありました。

カ (さおさ(す)) これに該当する音熟語は見当たりませんでした。漢検は、過去には、「大漢和」にも載っていない短雋(たんしゅん10-1Yなる音熟語を出題したこともありますから、どこからか音熟語を探してくるかもわかりませんが、出題可能性は極めて低いと思います。

 
 6字しか明示されていないのは意外でした。意味による音熟語の読み分けについては、「新字源」には結構載っています。「辞典」に明示された上記6字の最後は、654頁の藉ですから、「辞典」の編集者は、これ以降は手抜きをしたのかもわかりません。

 1級漢字で音読みが複数あるものは相当数あり、複数の音読みそれぞれについて見出し語のあるものも結構あります。過去問でも、について以前記事にしました。

 音の読み分けについては、意味によるのか、音熟語の読み癖にすぎないのかよくわからないものもあります。「捷径」には、複数の音読みの読み分けに注意という記載がありますが、これもかなりの数があり、学習するのは困難です。最近は、×の漢字の学習もうっちゃっていますので、また気が向いたら、×の漢字の学習でもしながら、複数の音読みの読み分けをぼちぼちと学習することにします。



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