ykimata氏の記事を読んで見つけたのだが、あのきっこが、浅野氏を支持する記事を書いている。正確には、「浅野氏が好きだ！」と叫ぶ記事を書いている。
この記事の中で、彼女（？）は膨大な文字数を使って、石原都知事とその応援者を徹底的にこき下ろしている。
＞選挙のたびに、その弟の石原軍団を勢ぞろいさせて、自分の応援をさせてたんだから、まったくもって、 厚顔無恥とはこのことだろう。そんな、東京の恥であり、ニポンの恥であり、地球の恥であり、 人類すべての恥である大ウツケ者の石原慎太郎が、今度の都知事選に向けて、またまた「他人のフンドシ」を利用しまくってる。
こういう選挙運動が「恥ずかしい」と思うのなら、彼に投票しなければ済む話である。自分自身の価値観に合致しないヤツを「東京の恥であり、ニポンの恥であり、地球の恥であり、人類すべての恥である大ウツケ者」とまで罵倒することこそ、彼女（？）が批判している石原慎太郎のふてぶてしい発言や態度そのものである。
＞北島康介に至っては、「石原さん、東京でオリンピック絶対やって下さい」だなんて、 耳から水が入ったみたいなことノタマッちゃって、アホか？全国でもっとも孤独死するお年寄りの多い東京で、 これほど生活に困ってる人たちがいる東京で、お遊びなんかに莫大な税金を使う前に、やるべきことはマウンテンだろが？ お前みたいに平泳ぎだけしてりゃいいカエル野郎なんか引っ込んでろ！
などと、調子に乗って北島康介を誹謗中傷してみたり、義家弘介については、
＞あんまり詳しく書くことはできないけど、コイツは、政治家になりたくてなりたくてしょうがなくて、前に、日本テレビの「ザ！ 情報ツウ」に出演してた時に、木曜日の「言いたい放談・福岡ゼミ」や「福岡政行の一言コラム」を担当してた政治学者の福岡政行に、 顔を合わせるたびに、「誰でもいいから政治家の先生を紹介してくださいよ～」って何度も何度もシツコク頼んでて、その上、 「なるべく自民党の先生を紹介して欲しいんです」だなんて、ふざけたリクエストまでしてたのだ。
などと、「あんまり詳しく書くことができない」にもかかわらず、根拠やソースを示さずに、「こいつはこんなことをしてたんだぜ」と平気で書くことができる。こういう発言こそが「デマ」に他ならないわけだが（※）、
＞ネットに増殖してる自民党の工作員や右翼のバカどもが、必死になって、 浅野史郎さんのイメージをマイナスにするようなデマを流し続けてるみたいだけど、
このように、浅野史郎批判を全て「デマ」と決めつけることは平気でできるらしい。このヒトは、自分が根拠やソースをつけずに書いたことは「真実」であり、他人が書いていることは、根拠やソースがあっても「デマ」だと思いこめる、実におめでたい類の人間らしい。
＞石原慎太郎がヤッキになって「オリンピック！」「オリンピック！」って１人で騒いでんのは、東京でオリンピックをやれば、 その広告からデザインから何から何まで、みんな自分の息子と「トーキョーワンダーサイト」に丸投げして、 莫大な税金を石原家にキックバックさせられるからだろ？今まで石原慎太郎がやって来た悪行の数々を見れば、 そんなことくらい猫にでも分かるよ。それなのに、お得意の口先だけのペテンで、「夢」だ「希望」だって、 どこまで東京都民をバカにすれば気が済むんだろう？
…広告からデザインから何から何まで石原氏の息子に丸投げできるくらい、石原延啓（のぶひろ）氏が有能だとこのヒトが思っているのであれば、それこそ延啓氏に仕事を委託することは何も問題がないはずだが。
また、「莫大な税金を石原家にキックバック」って、そんな事実はどこにも報道されていないが。例えばこちらの記事を読んでも、
＞石原知事がトップダウンで始めた若手芸術家を支援する事業「トーキョーワンダーサイト」の企画した「能オペラ」 の調査を目的とした海外出張（０３年３月）に、延啓氏は「アドバイザリーボード委員」として参加。パリ（フランス）、ケルン、ベルリン （ともにドイツ）などを９日間周遊した。延啓氏が委員を委嘱されたのはこの年の３月１日から１カ月だけで、庁内では 「海外出張のための委員委嘱ではないのか」と疑問視する声も上がっている。
＞航空運賃や宿泊費は全額、都の補助金で、旅費は当初４０万１２３５円だったが、ブリュッセル（ベルギー） に急きょ足を向けたため１５万３５８０円が追加支給され、計５５万４８１５円となった。「能オペラ」 は０４年２月に行われる予定だったが、結局、中止となっている。
wikiのこちらを読んでも、
＞トーキョーワンダーサイト本郷（東京都文京区）のステンドグラスは四男・石原延啓が原画を描き、 300万円の制作費が都の公費から投じられた。
＞2003年3月には石原知事が脚本を執筆した「能オペラ」制作準備のため、四男・ 石原延啓は東京都のアドバイザリーボード委員として海外出張（パリやベルリンなど9日間）に参加した。 この旅費55万円も都の補助金から支給された。
＞2003年6月から2004年3月まで東京都は都知事の四男・石原延啓をトーキョーワンダーサイト事業の 「キュレーティングアーティスト」（学芸員）として委嘱。企画などに携わったとして、 2003年12月に都は活動報酬約28万円を支払ったが、四男はその3カ月後に返還していたことも判明した。
＞2004年1月に石原知事の四男で画家の石原延啓は和太鼓奏者の舞台背景の「鏡板」を描くために渡欧し、 都の公費から約120万の費用が支給された。
四男の延啓氏が受け取ったのは、仕事つきで、300万＋55万＋28万＋120万 ＝ 500万弱である。しかもこのうち、どのくらいが製作用の経費なのかすらわからない。要するに仕事をするための全てが込み込みで500万円弱。
その一方で、浅野史郎氏は、県職員給与はきっちり減額しておきながら、宮城県知事の退職金として、三期分１億5000万円をきっちり受け取っている。有田芳生氏のブログでもこう指摘されている。
＞驚いたことは退職金のこと。 知事３期でそれぞれ約5000万円を受け取ったことは職員の賃金カットをしていることと矛盾しないかとまず訊ねた。すると浅野さんは 「知事の給与は少ない」と言ったのだった。たしか120数万円だと答えたので、ならば「どれほどが必要だったのか」 とさらに聞くと200万円以上と言うのだった。職員の給与はカットするけれど知事は少ないというのだからおかしい。 「都知事になれば上げるんですか」と聞くと真っ正面からは答えず。ちなみに現在の宮城県知事は131万円、全国で６位。 1位は145万8000円の石原都知事だ。
延啓氏にせよ浅野氏にせよ、どちらも報酬に見合った仕事をしているのなら、「どちらも問題ナシ」なわけであるし、どちらも「仕事以上の報酬」を得ているとしたら、単純に延啓氏の１０倍以上もの報酬を受け取っている浅野氏の方がよほど「私腹を肥やすひどいヤツ」になるはずだが…。 少なくとも、この件で、「東京にオリンピックを招致すれば、石原家がボロ儲けする」と主張するには材料が足りなすぎる。
この一方で、浅野氏を支持する理由はといえば、この程度しか書いていない。
＞ネットに増殖してる自民党の工作員や右翼のバカどもが、必死になって、 浅野史郎さんのイメージをマイナスにするようなデマを流し続けてるみたいだけど、百万歩ゆずって、 それらのデマがすべて事実だとしたって、それでも、都民の税金で身内を引き連れて豪遊しまくってるような前代未聞の恥知らずよりは、 地球とイスカンダルほどの距離があるほど、遥かに「いい人」だと思ってるから、あたしは、浅野史郎さんのことが、「大好き」だ！（笑）
…前代未聞の恥知らずとは、このヒトの論理で言えば、県職員給与はカットしても、自分の報酬はカットせずに、１億5000万円もの退職金を受け取っておきながら、「選挙費用が1900万円足りないからカンパしてくれ」とのうのうと言う浅野氏の方だと思うのだが。
うーむ。こうしてみると、このヒトは、民主党のお家芸である「ブーメラン」をやらかすのが、とても好きみたいだ。
まあ、このヒトは、石原氏を批判するときに、徹底的に誹謗中傷を繰り返しておくことで、「こんなヤツよりは浅野氏ははるかに好きだ！」という主張がすんなり通るような「図式」を心がけたのかも知れないが、同じ論理で、なぜ吉田万三氏が好きだ！と言えないのか。同じ論理で、なぜ外山恒一が好きだ！と言えないのか。疑問は募るばかりである。
それほどこのヒトが嫌いな石原慎太郎に比べれば、ドクター中松だって桜金造だって、はるかに「石原慎太郎より好きだ！」ということになるはずだ。だとしたら、この残りの中で、なぜ浅野史郎なのかという説明がほしいところなのだが、残念ながら、そういう説明はどこにも出てこない。
このヒトのこの記事に限らず、浅野氏を支持する人の文章には、「なぜ他の候補者より浅野氏が適任なのか」という説明が足りない点が共通していると感じている。愚考するに、
１． とにかく石原が嫌い
２． 吉田万三は、「共産党候補」であり、「共産党員ではない」自分としては腰が引ける
３． 他の候補者は（根拠もなく）論外
この三点セットで、「反石原なら浅野」というムーブメントを作りたがっているようにしか見えない。
東京を愛している一人として、その程度の「論法」で浅野氏を支持するのは無責任すぎると思う。
…とまあ、この記事を書いていたら、やってくれた。ついさっき、きっこ自身が元記事を削除した。いろいろな事情があるのかも知れないな。まさか、自分が北島康介を誹謗中傷したことを後悔したわけでもあるまいに。
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※ 私も義家弘介にはかなり批判的だが、根拠やソースも示さずに、「こいつはこんなことやってたんだぜ」的なことを書くつもりはない。「批判さえできれば手法は問わない」という発想を私は持っていない。
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