蓮舫「２番じゃダメなんですか」発言の総括

「２番じゃだめなんですか？」（正確には「２位じゃだめなんですか？」だったが）

これは言わずと知れた、民主党蓮舫議員が事業仕分け第１弾でぶっ放した発言だ。もう昨年、2009年11月のことである。


近々、独立行政法人（独法）を対象にした事業仕分け第２弾が行われる前に、上記の蓮舫発言の総括をしておきたい。


たまたま４／５（月）のＴＶタックル３時間スペシャルで、自民党の河野太郎がこの発言を擁護していた。曰く、

河野「あれは彼女が質問しているわけですよ。だから文科省は答えなければならない。それは、半年前にうち（自民党）のチームが全く同じ質問をして答えられなくて、半年経って同じ質問を彼女がしたらまた答えられないっていうのは、要するに答えがないわけだ。だから、あの事業仕分けで、科学技術がうんぬんという話ではなくて、科学技術予算だというと無条件で通ってたんですよ。」

たけし「こりゃ間違いなく一位じゃなきゃダメですよ。一位じゃなきゃ、売れないんだから。（このとき話題に上っていたロケット技術について）」

泉健太（民主党衆議院議員　内閣府政務官）「悪かったのは、あの事業仕分けボクも同席してたんですけど、１分１秒でもいいから１位でいたいって言ったわけです。そりゃどうですか。」

たけし「あら、何」

泉「それじゃあひどすぎるって話で、もっと戦略性を持ってやってくれと」

この程度の発言でビートたけしが「あら、何」とひるむのが情けない。自民党の河野太郎も含め、そもそも「なぜ一位でなければならないのか」という質問に答える必要性自体がない。科学技術は、トップを取ったところが特許を得ることができ、そこに需要も集まる。これほど自明なこともない。だからこそ、各国はトップの技術を開発することを目指し、国家や企業の区別なく、ときにはトータルで兆単位の予算をつぎ込み、技術競争を展開しているのだ。

しかも、日本は自然資源が極端に足りない。他国に売るほどあるロシアや、資源のいくつかをそこそこ自給できる中国やアメリカ、小さいが石油が出ているイギリスとは違うのだ。自然資源がない国だからこそ、技術で他国に先んじようとする努力＝一番になろうとする努力が、日本にカネをもたらすためにどれだけ重要なことなのか、この偉そうな国会議員様たちは、自らは全く理解しようとしない。それだけでなく、ただでさえ足りない日本の政府による科学技術予算をさらに削ろうとしている（後述）。

・・・それとも、河野太郎や蓮舫、そしてここに出ていた泉健太議員は、「トップ＝一番」ということすら理解できない真性の白痴なのだろうか。だとすれば、こんな白痴を衆議院議員として当選させている日本の国民はどれだけ知能が低いのか。漢字が読めないと連日こづき回された麻生太郎の比ではない。


泉の言う「１分１秒でもいいから１位でいたい」という文科省の返答が、「戦略性のない答え」であるという発言も全く理解できない。

できるだけトップを取りたい、トップを追求したい＝１分１秒でもいいから１位でいたい

ということに過ぎないのだから。何もおかしい点はない。

ここでも、民主党お得意の、「クチだけの言い返しで素人をケムに巻く作戦」が発動している。しかもこの泉、「どうですか？おかしいでしょ？」とでも言わんばかりの笑顔で上記の発言をしている。私に言わせれば小学生レベルのバカである。こんなバカが内閣府政務官などをやっているのが、「正義の味方、民主党政権」の内実なのである。あきれて空いた口がふさがらない。


あのさ、もう政権取って半年以上経ってるんだから、もうすこし脳みそも成長したら？民主党議員諸君よ。


このあと、みんなの党に移籍した浅尾慶一郎が、研究費の割合における政府負担の割合を図で示した。

＜GDPに占める研究費の割合＞
日本　　　3.67％
アメリカ　2.68％
ドイツ　　2.53％
フランス　2.08％


＜GDPに占める政府負担の研究費の割合＞
フランス　0.81％
アメリカ　0.74％
韓国　　　0.74％
日本　　　0.64％

≪日本の研究費は８２％が民間投資、政府分は17.5％のみ≫

上記の河野太郎の、「科学技術予算だというと何でも通っていた」結果がこれである。科学技術予算だというと何でも通していた結果、日本の科学技術予算は、GDP比で言うと、韓国にも及ばないくらいに低くなっているわけだ（笑）しかもバブル後はGDPも伸び悩んでいる。「GDP全体が増えたから、見かけ上の割合が減っているだけだ」という論法は全く通らない。


私は基本的に自民党を支持しているが、こんなに頭が悪く、民主党並みに小理屈ばかりをこね回している河野太郎が、最近幹事長代理に就任したことに大きな危機感を覚える。自民党も与謝野馨などが離党したが、いい加減に、小泉次男やどこが美人すぎるのかまったくわからない藤川ゆりなどの「根拠のない人人気（ひとにんき）」を作ろうとするのではなく、自民党として政治や経済で何を追求するのかという理念や方向性をしっかりと提示すべきだ。河野太郎が幹事長代理に就任したこと自体が、自民党が理念的に迷走していることの証左であろう。

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確かに、蓮舫の「２番じゃだめなんですか？」発言の部分は、テレビ的に言えば絵になる瞬間である。だからこそ、何度も繰り返し放送され、我々の記憶に強く焼き付くようなものにはなっている。だからこそ、「この部分だけをとりあげて批判するのはおかしい」という批判こそが正しいと思っている人は多いかも知れない。

しかし、上記のようなその発言のいきさつを知ると、「どんな質問でも、とにかく質問したら、された側は理路整然と答えられなければならない」というタテマエだけを盾に、

鋭く責める「必殺（笑）仕分け人」　ｖｓ　説明できずにオロオロする無能なバカ官僚

という図式を絵になるように作りあげ、その図式を、マスゴミを通して頭の悪い衆愚どもにすり込もうとしていたのは、他ならぬ蓮舫をはじめとする民主党側であったと言わざるを得ない。


ああ、日本は先端研究をもっと行わなければならないという「大前提」を全く理解していないからこそ、子どもなどそっちのけで、勤務時間に平気で政治活動をしていた日教組などと選挙協力ができていたわけか（笑）。


何回でも書こう。表面的な「民主党は正義の味方」報道にきれいに釣られて、昨年の選挙で民主党に投票した国民は、頭の悪い衆愚の典型なんだよと。違うというのなら、今年度予算が昨年度と比べて、どれだけ増えたか理解してますか？それが、将来、一人当たりいくらの増税につながるかも理解できてますか？その増税を正当化する、経済成長モデルを理解できていますか？と聞きたいね。