昨日書いた記事の概要(トップページに出る文章)に書いたように、京大の小出裕章先生(助教)は、これまた先日私が書いた記事で扱ったウラジーミル・バベンコ氏の発言にきれいに釣られている。つまり、自分自身でネットなどで、ベラルーシの食品安全基準値を調べていない「科学者」なわけだ。そのアーカイブをしておこう。
昨日の記事と同様、このサイトからの書き起こしを使わせていただく。
小出裕章がキッパリと否定!福島県佐藤知事の米の安全宣言に「間違っています」。日本より低いベラルーシの食品規制値について 10/12(3)(ざまあみやがれい! 2011年10月13日13:05)
音源(毎日放送「たね蒔きジャーナル」)
(前略)
水野「うん……。でですね、チェルノブイリの原発事故による放射能の影響をしらべている、ベラルーシの専門家が来日しまして。」
小出「はい」
水野「日本記者クラブで記者会見したんですが」
小出「はい」
水野「そのかたは、こんなことを言ってはります。『日本政府が設定した食品の暫定規制値は、高すぎる』と。」
小出「はい」
水野「『日本の数値は驚きで、全く理解出来ない』と、おっしゃったようです」
小出「はい」
水野「これは小出さんの意見と合致するもんなんですかねえ」
小出「(笑)。ベラルーシの基準は日本に比べると、遥かに厳しいですから、そういう指摘は正当だと私は……」
水野「すいません。ベラルーシの方が、チェルノブイリに近いところのほうが、日本よりずっと厳しい規制値を持ってるんですか」
小出「そうです。」
水野「はあ……」(後略)
次に、NHKの科学文化部(かぶん)のブログより、日本の食品等の暫定基準値のまとめ。
【放射性ヨウ素】
■飲料水=1リットルあたり300ベクレル
■乳製品=1kgあたり300ベクレル
■牛乳=1kgあたり100ベクレル
原乳=1kgあたり300ベクレル
■1歳未満の乳児が飲む粉ミルク=1kgあたり100ベクレル*放射性ヨウ素は1歳未満の乳児への影響が大きいため特に厳しくなっています。
(中略)
【放射性セシウム】
飲料水=1リットルあたり200ベクレル
牛乳・乳製品=1kgあたり200ベクレル
野菜や肉、それに卵や魚などそのほかの食品=500ベクレル
【ウラン】
■飲料水=1kgあたり20ベクレル
■牛乳・乳製品=1kgあたり20ベクレル
■乳幼児用の食品=1kgあたり20ベクレル
■野菜やコメなどの穀類=1kgあたり100ベクレル
■肉や魚、卵、そのほか食品=1kgあたり100ベクレル
【プルトニウム】
飲料水、牛乳・乳製品、乳幼児用の食品で=1kgあたり1ベクレル
野菜やコメなどの穀類、肉や魚、それ以外の食品=1kgあたり10ベクレル
(ここまで)
次に、当ブログによる、ベラルーシの安全基準値がわかる画像を。この記事にも貼っているので、しつこくなるがご容赦。
ベラルーシの牛乳の安全基準値も、100ベクレルである(下から2枚目の写真より、放射性セシウムだとわかる)。
改めて、日本の牛乳の安全基準値を。
【放射性セシウム】
牛乳・乳製品=1kgあたり200ベクレル
チェルノブイリは、大事故を起こしてもう25年。一方で福島原発は、大事故を起こしてもまだ7ヶ月。放射性セシウムの半減期は10年から30年とされている(by wikipedia)。だとすると、大事故を起こしてからもう25年も経つのに、未だに牛乳の安全基準値を「キログラム当たり100ベクレル」としているベラルーシの方が、現在の日本の基準値よりはるかに高いと言わざるを得ない。
にもかかわらず、小出裕章助教は、こういうリサーチをご自身では全く行わずに、
>小出「(笑)。ベラルーシの基準は日本に比べると、遥かに厳しいですから」
と、笑いながら抜けシャアシャアと言えるわけだ。さすが、「原子力ムラ」とやらに睨まれているせいで全然昇進できない万年助教だけある(笑)←一応言っておこう。皮肉ね。
ここまでで明白なことは、「少なくとも牛乳については、ベラルーシの基準が日本と比べて、はるかに厳しいということは全くのウソ」ということである。
この結論が崩れるとすれば、NHKによる上の映像がウソだったときだけであろう。
しかも、これまた以前当ブログでアーカイブした、週刊新潮2011年9月29日号の「御用学者と呼ばれて-原子力と放射能の専門家座談会」という記事には、
「セシウムの被曝でがんになったという事実もない」(p.58、東京女子医科大学 放射線腫瘍学講座 主任教授 三橋紀夫氏によるもの)
と明記までされている。少なくともセシウムについては、発がん性が認められない可能性が高いわけだ。こういう「事実」を伏せたまま、
「日本の基準値は高すぎて信じられない!」
などと平気でウソをつく「自称科学者」の発言を平気で鵜呑みにすることができるのは、やはり「自称科学者」だけである。
また、別の部分ではこうも語っている。
>小出「ただし、どこまで規制値を決めようと、危険はあるのです。ベラルーシの規制値が安全だというわけではありません。問題はどこまでを我慢して受け入れざるを得ないか、ということですし。私としては何よりも大切なのは、どの食べ物がどれだけ汚れているかということを、正確に知らせることだと、思っています。えー……、ベラルーシの基準が低いということはもちろん賛成ですけれども。低い、低い基準値を下回っているから安全だというのであれば、またそれも間違えていますので。なによりも正確に情報を知らせるということに力を注いで欲しいです」
ということは、小出先生の考え方では、どんなに低い放射線も有害であると。
だとすると、たちまち、以下のような質問がわき出てくる。
・小出先生、バックグラウンド放射線は人体に有害じゃないんですか?
・小出先生、全ての食品の放射線量を計測することが本当にできると思っているんですか?
・小出先生、ご自身は、自分が飲食する全てのものの放射線量を、この原発事故が起こる前から計測なさってるんですよね?今までの累積被曝線量は何シーベルトなんですか?
小出先生が「自称科学者」ではなく「科学者」というのであれば、上の質問に答えていただきたいものだよ。