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「食育 1」モノの価格 11

2008年03月03日 | 前ブログ 食の適正価格シリーズ
※初めての方は、是非 2/6 「モノの価格 1 」もしくは 2/18 「モノの価格 7 」からお読み下さい。



今回、「3章 食べ残し」の予定でしたが、
急遽、「4章 食育」を先に書きたいと思います。

というのも、昨夜(3/2夜)フジTVでのプレミアAという報道番組をたまたま見たからです。

現在「食」と「適正価格」をテーマに7章に分けて書いている私にとって、
「食育」に関するタイムリーな内容でしたので、
ご覧になった方もいらっしゃるのでは? と思い、先に4章「食育」を書きます。

それは、小学生の「食」事情です。
二つの小学校に協力を得、朝・昼・夜の小学生自身の食事を写真に収めたものでした(給食を除く)

それは私の想像していた通りでした。
というのは、
「写真に収める」と、親も了解している筈ですので、それなりに「撮ってもいい」メニューにしている筈です。
その筈で、あの内容です。実態はもっと酷いと思います。

見ていない方の為に、

写真は全部で1092枚。(1072だったか?なんせその位です)

朝は殆どがパン食で、トーストと玉子。
それならまだマシで、
菓子パンだけとか、トーストの変わりにロールケーキとかクレープとか、
ふりかけごはんとドーナツという奇妙な組み合わせもありました。
朝だったか昼だったか、アイスクリームとフルーツというご飯と言えない食事。
種類や内容が違えど、とにかく、おやつの様な食事が殆どで、
中でも一番酷いのは、日曜の朝は「スナック菓子の日」などとそれが食事になってるケースもありました。

そして番組の中でもやっていた様に、
「味噌汁」があった食事が、全体の3割以下、
漬物があったのが、全体の1割だった事、
魚を使った料理がとにかく少なかった事。

こんな内容でした。

「撮ってもいい」と分かっててこの結果です。
(ここが重要!)

という事は、私が危惧していた通り、
「親自身」が何が良くて何が悪いか分かってないという事なのです。

このままではあの子達が大人になってその子供にどんな食事を与えるのでしょうか?
考えると恐ろしくなります。

「和食」を見直そう!という動きはかなり前からあると思ってますが、
それがどれだけ浸透し実践されているのでしょうか?
まだまだ・・というか全然です、もっともっと提唱すべきだと思います。

そしてその番組内で注目すべきは、「歯」の健康に大きく左右するという点。
18歳になっても乳歯が残って、永久歯がまだ生えてこないケースを紹介していました。
小麦粉を原料とした、パン・ピザ・麺類の増加で、必然的に「噛む」事が少なくなっている事実。

「噛む」という行為は、歯だけでなく、脳の血流にも関係し、記憶力や思考力を高める効果があります。
また唾液の分泌を促して唾液中の抗酸化物質が活性酸素の抑制や老化防止にも働きます。
ただ「噛む」という行為だけでもこれだけの影響があるのです。


「食育」に関する事を具体的にあげれば、レポートにして50枚以上書けてしまいます(時間があれば 笑)が、
ここでは、簡素化して「食と犯罪」「こ食」という2点に絞って書きます。


まず、「食と犯罪」

犯罪の低年齢化と言われて久しいですが、
「少年犯罪と食生活」という調査データによると、
「犯罪」と「食」は大いに関係があって、
低年齢犯罪を犯した少年の食には一般の少年と比較してある傾向が顕著に現れる。

第一に、子供の好きな物ばかり食べさせているという点。
それと、清涼飲料や肉、インスタントラーメンを多く食べているという点。
そして、野菜が少ない、朝食を抜いていて鍋料理を殆ど食べた事がないという点です。

先に紹介した番組の例からして、大部分の家庭でそういう傾向があるし、世論的にもそうだと思います。
それより、もっと顕著というか、殆どそれしか食べてないという事なんでしょう。

また、食に詳しいジャーナリスト「郡司和夫」さん独自の調査によると、
宇都宮リンチ殺人事件、岡山金属バット母親殺人事件、佐賀バスジャック事件などの
加害者の親や教師に取材した結果でも、同じデータが浮き彫りになっている。
そして「食がおかしいと思う」と答えた人が多く居たそうです。

という事は、
犯罪=善悪の判断がつかない事やキレやすいという事。
それは、イコール性格形成という事です。

「食」という他人からは見えにくい部分でもあり、なかなか科学的なデータが表しにくい性質があるとは思いますが、
全くもってその通りだと思うんです。

基本の「栄養素」の問題、「噛む事」の副産物の問題、食品添加物の問題からしても、
このような食事でまともな「人間形成」が出来るとは到底思えません。


食の崩壊はイコール家庭の崩壊が先にあるかも知れません。

家庭の崩壊は「忙しい共働き家庭」には隣接した問題です。
母子家庭での忙しい母親では、キチンとした食事に割く時間も限られてきます。

映画やドラマで出てくるような「絵に描いた家庭崩壊」でなくとも、
それは、日本中どこにでもある、一歩間違えば誰にでも起こりうる環境なのです。

そして、共働きや母子家庭でなくても「食」という見えにくい部分は、
手を抜こうと思えば、いくらでも「手抜き」が出来るという危険があるのです。


簡単に、手早く、という点では便利になった「日本の現代食」
冷凍食品、レトルト食品、レンジ食品、インスタント麺、それも結構です。

ただ、その頻度をわきまえないと、
「我が子」がとんでもない少年に変貌するかも知れません。
ウチの子に限ってとか、他人事ではありません。
郡司さんの取材では「あの子はそんな事をする子ではなかった」と答えた人も多く居たそうです。

全てを「食」のせいにしているのではなく、
そういう食事をしていては、そういった「危険があってもおかしくない」
という事です。


冒頭の番組での小学生、
親は若くて20代後半から我々と同世代の40代の親だと思います。

その親がまず「食の大切さ」を認識しなくてはいけません。


誰でも、親として「愛する大切な我が子」

間違っても「犯罪者」になどならないよう、
躾と道徳、そして「食」をおろそかにしてはいけません。




あまりに長くなりそうなので続きは次回に。

次は「食育」の根幹部分、
「食育」では定説の5つの「こ食」に加え、濃いの濃を加えた6つの「こ食」
「孤食・個食・固食・粉食・小食・濃食」についてです。

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2 コメント

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親の世代から (つばくろう)
2008-05-03 11:54:06
まっつんさん、こんにちは。
全くそのとおりとおもいます。
食が味覚だけでなく人格まで影響する。
でも、考えてみたらそういう家庭、
そういうレベルの食だけでなく生活が
人格を形成したとも考えられます。

小学生の食事内容には驚かされましたが
実際は親の代からそういう生活をしていたとも
考えられます。
甘やかされて好きなものばかりのメニューで育った。
中年になってもお子ちゃまニューしか食べないとか。
(うちの旦那はこれに近いです(o´д`o)=3 )
親の親が、必ずしもそうだっと言う訳ではないですが
一人暮らしの間に形成されてしまったとか。
そういうパターンが推測されます。

それを考えると給食の役割も大事だと思います。

まず、親の世代からの改善を図らないと
いくら子供の食を考えても無駄な気さえします。


返信する
休日に毎度あり! (まっつん)
2008-05-03 16:28:11
☆つばくろうさん

親からおかしいですよね、実際。
モンスターマザーですね(笑)

給食って、ホント今の時代、有り難いと思って貰いたいですよ、
なのに、未納のバカ親が多く居て・・・。
本当にダメな国です。
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