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「食品表示」モノの価格 9

2008年02月23日 | 前ブログ 食の適正価格シリーズ
※初めての方は、是非 2/6 「モノの価格 1 」もしくは 2/18 「モノの価格 7 」からお読み下さい。



食品表示問題 (2)


ハイ、やっと一つ目の本題に入ります。



食品の表示は、消費者保護の為に食品衛生法などの法令や基準で決まっています。

既に皆さんは理解されていると思いますが、

現在の食品表示では

     生鮮食品

名称・  一般的な名称
原産地・ 原産地を表示
内容量・ 計量法に規定する容器に入った特定商品に必要
販売業者 

     加工食品

名称・  一般的な名称(商品名ではなく)
原材料名・原材料と食品添加物を多い順に表示
内容量・ 重量・体積・個数などを表示
保存方法・温度や光などの保存方法を表示
期限表示・消費期限や賞味期限を表示
製造者・ 製造者の氏名と製造工場の所在地を表示

あと、アレルギー物質の表示として、
卵・乳・小麦・そば・落花生の5品目は義務。
あわび・いかなどの19品目は可能な限り表示に努める。

という内容になっています。


問題は、加工食品の原材料には「原産地の表示義務がない」という事です。

では「加工食品」とは?ですが、
大きく分けると1次・2次・3次・数次加工食品と4つに大別できます。
定義より分かりやすく品名で示すと、

1次加工食品・缶詰瓶詰果汁、酒類、味噌、醤油、植物油など。
2次加工食品・パン、製麺、マーガリン、マヨネーズ、ソースなど。
3次加工食品・菓子、嗜好飲料など。
数次加工食品・冷凍食品、レトルト食品、カップ麺、レンジ食品など。

これをみると、台所・冷蔵庫にある食品の殆どが加工食品です。

その加工食品の原材料に、原産地表示はいらない事になってるんですよ。

ただ、これまでの8品目(農産物漬物やうなぎ蒲焼等)と
平成18年10月から実施された、20食品群(もち・こんにゃく・フライ用肉・海藻類・フライ用魚等)は義務化されています。

しかし、それらはカッコ内の例が示すように、「殆ど生鮮食品に近い」加工食品です。

そんなまどろっこしい括りは取っ払い、
「全ての加工食品」に「原材料の原産地表示」を義務化しないといけない!と思います。

なくてはならない冷凍食品やレトルト食品などは絶対です。

それを早急に国や関係機関は対処すべきです。

そして、スーパーストア側は、「法律の施行」を待たずに、
そういう表示がない商品は扱わない!と強硬な姿勢をメーカーにすべきです。
それが「最終的に消費者に商品を渡す機関」の小売業がやるべき責任です。

国民の「食」を支えるメーカーとスーパーが「国の対処」などを待たず、
率先して安全意識を高める必要があります。


どの分野でも、日本は法律を管理する機関が別れ過ぎて統一出来ていません。
この場合でも、「食品衛生法」は厚労省、「JAS法」は農林水産省、「不当表示防止法」は公正取引委員会の管轄です。

それらの一本化を求めた報告書案を「国民生活審議会」がまとめ、
3月までに政府の「消費者行政推進会議」に提出する意向だが、

例え、管理機関が一本化しても、「本当に消費者が判断しやすい」表示にならなければ何の意味も持たない。

「国民生活審議会」には是非とも実態に則した有効な案を提出して欲しい。


私も国民の1人として、「原料原産地表示」を全ての加工食品に求めます!
国の機関、メーカー、小売業全てが真剣に取り組まないといけない問題です。



でね、

ここでひとつ考えて欲しいのは、

先日買った「おもちゃチラシ」ですよ。
(れんママさん、有難うございました)

ノンキャラ良品と題して、キャラクター商品は乳児には無意味な事を挙げ、
少しでも安価にしようという製品作りをしています。(無印良品みたいなモンですね)
こういうメーカーの姿勢が好きです。

そして、このパッケージ裏面の親切な注意書きですよ。

環境ホルモンの説明から始まって、現在の環境ホルモンと言われる物質も、
人体への悪影響が実証された訳では無い事。
環境ホルモン疑惑物質も67種から更に増える可能性がある事。
この商品対策も現時点での出来る限りの応急対策である事。
専門家の助言を得、「玩具から溶出・蓄積される可能性があるか」の観点で、
人体に与える影響が特に疑われる物質を避け、材料・塗料・接着剤等から全て見直した事。
結果、残念ですが、やや割高になった事。

を丁寧に書かれています。

そういう考慮の下、作られ説明されて「450円」ですよ。

そういう意味でリーズナブルと言いました。
本当に「いい商品で適正価格」だと思いました。
これが、「適正価格」です。


そしてね、誰しもママさん(パパさんも)なら、生まれたての自身の子供には、
こうして人体に悪影響がないか気にして当然だと思うんです。

それはそうでしょう、そうでないと逆に困ります。



ところがどうですか、

その子供が3年経ち5年経ち、10年経つと・・・一番大事な「食」に対して、
どれだけの知識と意識で望んでましたか?という事を問いたい。

「食」は間違いなく人間そのものを形成します。

「裏」をよ~く見て買ってましたか?
異常に安くなった食品に不思議に思いませんでしたか?
危ないと思われる「価格」の商品は避けてましたか?

「食」にそういう意識を持っていましたか?と言いたいんですよ。


これを機会に「食」に対しても、

赤ちゃんの時と同じ気持ちで、
我が子の「食」に、今一度「安全意識」を高めて欲しいと思います。




一つの章でこれだけ長くなりました。
長々と読んで下さり、有難うございました。


次回は「消費者も選ぶ目を養おう!」の巻。
まだまとまってないですけど、うまく書けるかなぁ・・・?

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2 コメント

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消費者次第 (つばくろう)
2008-04-29 23:13:04
まっつんさん、こんばんは。

消費者に必要なもの、意識、知識、行動。
他にもあるかもですが思いついただけ書いてみました。
でもこれが備わった消費者がどれだけいるか甚だ疑問です。

でも知識だけあっても、まっつんさんが書かれているように表示の仕方とか、それが加工品になると
ザルのようになるなどおおもとのところが
揺らいでしまっているのでどうしようもないですね。
本当に安全を求めるならば、全部手作りをするしか
ないということになります。
ここは消費者が声を上げて改正するよう求めるべきだと思います。ここで行動が必要になります。

あと、日本人のブランド意識、イメージに流されやすい国民性。これも問題でしょう。
ブランドは最近は、雪印や不二家などある程度その進行は崩れてきたのかもですが。

記事の中の「おもちゃチラシ」の会社のような
良心的な会社は少ないのが現状でしょう。
お話を聞いてこの会社に感心してしまいました。

人任せでは済まない事態にもなりかねない昨今。
自分の身は自分で守るしかないのでしょうね。
表示偽装などはその根本を揺るがすものですから
もっと厳しい罰則を設けるべきと思います。

まっつんさんの専門的な知識は本当に勉強になります。

返信する
毎度有難うございます (まっつん)
2008-04-30 07:56:58
☆つばくろうさん

いつもコメントすみません。
ホントに宿題みたいで恐縮です。

高度成長からの経済第一主義がもたらした罪でしょうね、元をたどれば。
売れさえしたら原材料は2の次、表示は3の次という風潮が残っていますね。
このシリーズでは触れていませんが、魚介加工品なども酷い現状にあると思っています。

輸入に頼るのを早期の段階で「なんとかしよう」と思わず、
海外で似たような商品を探しては「ドンドン輸入する」という形態が出来上がってしまってるので、
現状からの脱出はかなり困難でしょう。

しかし、脱出しなければ、日本は本当に将来、飢え死にします。

そんなに専門的でもないのですが、
いつも丁寧にコメント下さり恐縮です。
有難うございます。
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