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ボクシングとキックボクシング

2007年12月22日 | ボクシング

K-1ファイナルもどっちらけで終わり、大晦日恒例の格闘技祭りが近づいてまいりました。

K-1の前後になると、ヤフー掲示板やスポナビなどではキック選手とボクシング選手のパンチ技術について語っているのを見ると、見当はずれな見解などが違う意味で面白い。

両競技ともボクシングと名はついているものの、全く違う競技。

そこらを分かっていない格闘ヲタクとかじった程度のにわか経験者がパンチの技術を語るのは滑稽だ。

キックボクシングは当然「蹴る」事を前提(主体)として戦うので、軸足荷重もウェイトシフトも瞬時に変わります。

ボクシングにおいて、足は攻防の対象ではないが、パンチ(ナックル)に全身のパワー(瞬発力)を伝える為の「土台」としての役割です。

そういう両競技を横一線に「パンチ」だけで比較する事自体、
全くもって「ナンセンス」なのです。

キックは両手両足の4つをストレート・フック・アッパー、ロー・ミドル・ハイ・前足奥足・前蹴りなどの多種多用の攻撃がある故、マットに立つ足の力さえも一瞬にして変化する性質上、「決めパンチ」以外にしっかりと正確にナックルに全身の力を集約するには難しい気がします。

単純に腰の強さではキック選手の方が強いでしょうが、パンチを生み出す「土台」としての足腰の強さはボクシングとは比較にならないでしょう。

ボクシングでは足腰は「土台」としての訓練しかしません。
キックではそれだけではなく他に沢山する事があります。

パンチを生み出す「土台」が違うのに、それから上の上半身「発射台」の比較が出来る筈がありません。
(格闘ヲタクやエセ経験者にはこの正確な意味すら分からないでしょう)

それを堂々と、「○○選手はボクシングでも上まで行ける」とか全く馬鹿げた理屈を並べているブログやコメントを目にすると鼻で笑ってしまいます。


私は選手時代フライ級(51Kg)でした、しかもアマチュアです。

私がたまに指導に行く、某キックジムの筆頭選手は、
ライト級(62Kg)で某キック団体の上位ランカーです。

その彼のパンチの軽い事軽い事・・・しかも遅い!キレがない!(笑)

私如きのパンチより全然軽い!

私が重いんではなく、私はアウトボクサー寄りのボクサーファイターで、私なんかより重いパンチを打つフライ級の選手は全国レベルではゴロゴロいたと思います。

彼が特別かというと、他の選手のミット指導しても大差はない。
ボクシングとはパンチを打つ事に対しての基本指導の違いからか、そのキックジムの選手でボクシング的にいいパンチを打つ選手はいません(キック界全体がそうだと断言しているのではないのであしからず)

仮にランカーの彼がアマチュアの全日本選手権にでれば、まず1回戦負けでしょう。

それほど「パンチ」だけの競技とキックを交えた「パンチ」では、
「ナックルを当てる事」に対する「意識と知識」の違いがあります。

なにも、ボクシングのパンチ自慢をしたい訳ではありません。

逆に私が選手時代、プロキックの試合にでれば1分で足を壊されるでしょう。

よく言う「ルールの違い」が言いたいのではなく、

ルールが違うがゆえの練習での、「内容と意義と質」が違うので、
全く比べるに同じ議論上にない という事なのです。

キックボクシングとボクシングをパンチで比べるなかれ!です。

 

参考記事 K-1に物申す!


 


コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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なぁ~るほどぉ~ (つぼです)
2007-12-24 10:51:49
さすがは経験者ですなぁ。

説明もわかりやすいです。

そうですよねぇ・・・スポーツってなんでもそうだとおもいますが、そのスポーツによって鍛える場所や意味ってちがってきますよねぇ。

返信する
あざ~す! (まっつん)
2007-12-24 16:57:49
毎度!

一般に分かりにくい「格闘技カテ」へのコメントありがとうございます。

ボクシングでは、
まず構えからスタンスを覚え、スタンスの状態から上下の跳びステップ、
次に前後のステップだけを何ヶ月もやって、
最終的に、どの方向から押されても瞬時にバランスの取れる自分に合ったスタンスを徹底的に身体に覚えこませます。(よける動作と次の攻撃の態勢の意味)
そういう訓練を引退するまで永遠とします。
※あくまで基本です。足の訓練は他に山ほどあります。

これが、「必ず両足を着ける競技」ボクシングの「土台」の基礎です。

頻繁に片足になるキックボクシングとは、
「パンチ」だけに限って言えば、
パンチをかわして打つスピード、連打のスピード、カウンタータイミングの取り方が、同列な訳がありません。

だから記事内のプロキック日本ランカーとボクシングのアマチュアでも、「パンチ」に限っては格差があるんです。

ランカーの彼と、ボクシング対決では、現在の私でも余裕で勝てます。(勿論スタミナを戻す必要はあるが)
高校生でもインターハイ入賞クラスならボコボコにされてしまうと思います。

K-1では、よく引退した選手や、世界チャンピオンと言って地域レベル程度のマイナー団体のボクシング選手を招へいし、まんまとK-1側が勝利し、K-1>ボクシング、「K-1最高」のアピールをしますが、
(K-1ルールなので当たり前です)
馬鹿げてます。

付け焼刃のキック練習で、ボクシングしかしていない選手が勝てる訳がありません。
長年、足は土台であり、
蹴ったり守ったりする為の訓練などしていないんですから。

返信する
mma (お前)
2012-12-22 08:49:41
舐めてるな?

お前、ボクシングしかしてないのにどれだけ上から目線。

お前キモイ
返信する

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