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「適正価格問題 まとめ 1 」モノの価格 15

2008年03月11日 | 前ブログ 食の適正価格シリーズ
※初めての方は、是非 2/6 「モノの価格 1 」もしくは 2/18 「モノの価格 7 」からお読み下さい。



「7章 まとめ」モノの価格 最終章



長期に亘った「モノの価格」も最後のまとめの章となりました。

冷凍ギョーザ問題をきっかけに、食品事情を見つめ直し、
現在の「異常な低価格」に諸悪の根源があると思い、
その原因である、
食品業界を取り巻く情勢や消費者意識、「食」に対する考え方という方向から、
流通業界に従事した経験を交え、問題点を掘り下げました。

私は、民○党や社○党のように「ただ文句だけを言う」という事はしたくない。

「食べ残しと自給率」の関係について、
学習院中等科の入試問題になっていて、「食べ残しを減らすとなぜ自給率が上がるのか答えなさい」
という問いに対して、「そんな訳ない!」などと「苦情」をブログやコメントなどで、
非難囂囂、盛り上がっているところもあるようだが、
そりゃそうだ、そんな一方向の話しではないが、あながち間違いでもないと思う。
一方向では自給率に直結しないが、子供にそういう認識を与えるのは善い事ではないか。

それを、「問題がおかしい」とか「逆に自給率が下がる」とか、非難をする事は簡単だが、
「じゃあ、そこまで非難囂囂と批判するなら提案してみろ!」と思うのだ。

大々的に大みえを張るなら、それ相応の提案がないといけないと思う。
(別にこんなブログで書いたからって何にも大々的でもないが 笑)


それで私は、大きく6つに分けた題材から「適正価格」と「あるべき食」という意味で、
「モノの価格」というお粗末なタイトルでの切り口とした(笑)

今回、その大まとめです。


改善すべき優先順位として1~6章の順としましたが、
まとめとしては方向性の順位で書きます。


まず一番の根源は、

「冷凍食品のほうが味が良くって、私の手作りより子供の食が進む」
といった、親御さん方の食の認識。

味覚の発達していない子供が食が進むのは「味が濃い」「分かりやすい味」になってるからであって、
決してそれが「旨い事ではない」事を親が分かっていない。

しかも、手早く便利ときてるから、何の躊躇もなく冷凍や加工食品を多用してしまう現実。
今は問題が解決していないので、控えてるかもしれないが、
終息すれば、また大量に日々冷凍食品や加工食品に頼った食生活にすぐ戻るだろう。

そういった食の認識が「食育意識の低下」と直結している。

まず、これらの「認識」がまともな方向に向かないとなにも改善しない。

今から「色んな味覚を覚える子供」に、
「本来の味」を覚える前に、「過度な味」を「当たり前」にしては、
50年後の「日本の和食」はどうなっているのか。

ちょっと余談になるが、
スナック菓子などは本当に多種多様な「味つけ」がある。
これらを当たり前に子供の頃から食べていると「虚」が「本来」と逆転してしまわないかと思う。

どういう事かというと、
例えば、○○スナックの「サザエの壷焼き味」というのがあったとする。
それがおいしくてすっかり子供達の定番になってから、
のちに本物の「サザエの壷焼き」を食べたら、こう言うだろう。

「あっ!○○スナックと同じ味がする~!」
「○○スナック食べてるみたいでおいすぃ~!」ってね。
そして翌日学校に行って、
「ねえねえ、昨日、海で○○スナックみたいな味のを焼いて食べたんだよ~」
「グニョグニョしてちょっと気持ち悪かったけど、○○スナックみたいで、まいう~だったよ~」
って友達に自慢したりして(笑)

こういう逆転が恐い。
こういう会話を「まともな認識でない親」なら、不思議に思わず笑って見ているに違いない。

こんな時代がそこまで来ているようで、本当に恐いと思う。

そして、私は「マクドナルド」という会社が大嫌いだ(ハンバーガーは食べますよ)
会社運営や商品が嫌いなのではなく、企業理念が大嫌いなのだ。
今はもう変えたかも知れないが、一時「日本からキッチンを無くす」というのを大々的に謳っていた時期がある。

仮にマックで日本食を含め、色んなメニューが食べれてテイクアウト出来ても、
「家庭の味を無くそうとする企業とはどうなんだ!」
「日本の文化まで壊す気か!」と一人嘆いていた。


余談になったが、
要はそういう事で、家庭も企業も「守るべき文化や食の大切さ」を、
便利さや手軽さ、時間の短縮といった「表面的」な要素を「重要」とシフトしているからだ。

作り手売り手もそういった「流れ」に沿った部門の商品開発に勤しみ、
「価格競争」の激化の中で、そういう商品で利益を確保するには、
食品の国内生産工場や弁当業界では「中国産食材」となり、
大手冷凍食品メーカーや加工食品メーカーは工場そのものを「中国」に置く事になる。


こういった「悪循環」を、今、この機会に止めなければ、
今の子供が大人になったら、大変な世の中になる。

栄養はサプリで、食は味覚が主で濃い味の加工食品で空腹を満たせばいい、という食文化。
食文化がおかしくなれば、他の文化まで必ずおかしくなる。

食糧危機がもっと世界的な問題になれば、真っ先に日本は飢え死にしてしまう。

そんな「日本」を貴方は望んでますか?


この機会に、冷凍食品や加工食品ばかりに頼る「食文化」を見直さなければ、
遠からず、日本は「飢え死に」します。




「まとめ」の章になってもまた続きます。

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