NPO九州森林ネットワーク

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自ら助けるもの

2006年05月04日 10時55分03秒 | <日々徒然・イベント>
 新長官のインタビュー記事が地元紙に掲載されていました。地元の生まれでなにかを期待しているような記事でしたが・・・。
 答えは、「現状の価格で外材と充分に引き合うようになった」「後は川上がどう供給できるか」「施業単位を集約・大型化し高性能機械を入れコストダウンをはかる」...これが林業再生の柱になる新しい風だそうです。先日の熊本でのフォーラムでの量で勝負のロジックそのままでした。
 私は林業が専門分野ではないので詳しい経緯についての情報は持っていないので、勘違いかもしれませんが、昨年までは「外材と対抗するには無垢の乾燥材」で乾燥機を大量導入し、価格を回復させようとういう方針があったように思っていました。
 でもここに至っての方針は「集成材の原料としての原木生産」に完全に重きをおいて、工場着8千円の原木流通が既定路線であることを明確に示したようです。これまでついてきた山元をなだめるためのB材C材のトリックが、談話にはなかったのがことの深刻さを物語っていて、よほどのA材以外は山元の段階で工場直行になり、つまり大半の素材が超低価格で流通されることがすでに認知されたのでしょうか。
 これもあまり知識はありませんが、「需要過多で市場に木材があふれないようにする」という鳴り物入りの「新生産システム」とは、生産ではなく流通のための再編で”国産材時代”は”集成材の原料の時代”で考えられている気がします。今の経済で通用するか疑わしいケインズ理論のロジックです。
 正直言えば、半世紀前の政策=拡大造林を清算するための処分政策の感は否めず、問題になっている球磨のような禿げ山は、まだまだ増えるでしょう。
 唯一の突破口は、「森を守る木」であることを担保する森林認証システムの活用です。当面はをそれを理解する人に届けることが主になりますが、力を持てばそれを「流通の切符」にすることが可能です。天は自ら助くる者を助く、山は人に頼らず自らの頭で考え行動するしかありません。(諸塚村/矢房)