われらしんじんのこども

真人幼稚園の子どもたちの日々の様子や、
  楽しいエピソードなどをお伝えしています。

真人幼稚園の先生が選ぶ絵本・12月の絵本(R2年度)

2020-12-22 15:20:10 | Weblog
真人幼稚園の先生が選ぶ絵本・12月の絵本
 皆様いかがお過ごしですか。昨日、無事に二学期の終業式を迎えることができました。保護者の皆様、並びに関係各位の皆様には今年一年も大変お世話になり、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
 
 さて、今年度も真人幼稚園の先生方による絵本の紹介をおこなってまいりました。これは年間二冊の絵本をそれぞれが書店などで選び、教職員同士で読み聞かせをしたり、それぞれ絵本を選んだ理由や見どころなどを発表し合う、教員研修の一環としておこなっている取り組みです。そこで紹介された作品をぜひ皆様のご家庭にもお勧めしたいという願いから、毎年1・2学期末にこのような形で発表させていただいております。
 さあ、今回はどんな絵本が選ばれたのでしょうか? それぞれ作品を選んだ先生がブック・レビューを書いていますので、それらを参考になさって、この冬はぜひ親子で絵本に親しんでみてはいかがでしょうか。なお、それぞれの作品は園の図書に収蔵され、さっそく貸し出しをおこなっています。

*真人幼稚園公式HPの「保護者様専用ページ」では先日行われました『お餅つき会』の模様を動画でお伝えしています。お時間のある時に、どうぞご覧ください。(ご覧になる際には園から発行されたIDとPWが必要です。)


『るすばんかいぎ』 浜田桂子 作   理論社
(田中里奈先生のレビュー)
主人公のゆうきくんは家族でお出かけ中。その時、お家の中では不思議なことが起きていました!時計やゴミ箱、いろいろな道具たちが集まって会議を始めたではありませんか。ゆうきくんが元気で大きくなるよう応援しているみんなですが、実は思っていることが・・・。冷蔵庫は開けっぱなし、靴下の片方はすぐに投げて無くしてしまう。そんな心配だらけのゆうきくんですが、スタンドと引き出しはゆうきくんの優しい心を見つけていたのです。何かができることも大切ですが、それと同じくらい、いえ、それ以上に人を思いやる素敵な心の大切さに気付かせてくれる一冊です。ぜひお子さんと一緒に読んでいただけたらと思います。


『ちいさなメイベルのおおきなゆめ』 キム・ヒルヤード 作  なかのまゆみ 訳  潮出版社
(青木涼香先生のレビュー)
主人公は小さなハエの女の子メイベル。小さなメイベルには大きな夢があります。しかし、メイベルの友達は「ムリ!」「できない」と応援してくれません。それでもメイベルは大きな夢を叶える秘密を知っていました。それは“きみならできる”この言葉を信じると。メイベルの大きな夢はいったい叶えることができるのでしょうか?小さなことでも自分ならできると挑戦することの大切さを教えてくれる絵本になっています。登場人物がハエというのも斬新で面白いので、ぜひ手に取って見てみてください!


『たべものやさん しりとりたいかい かいさいします』 シゲタサヤカ 作   白泉社
(佐藤美樹先生のレビュー)
ある町で「たべものやさん しりとりたいかい」が開かれることになりました。ルールは簡単!食べ物のしりとりを長~く続けるだけ。優勝チームには何でも欲しいものをプレゼント!というわけで、お寿司屋さん、パン屋さん、ケーキ屋さん、ラーメン屋さん、レストラン、果物屋さん、八百屋さんの7つの食べ物屋さんチームが張り切って集まりました。最初は「あ」の付く食べ物から始めます。「はーい!」とアップルパイ→「あいよ」といくら→「はいはいはーい!」とラーメン・・・。ん?ラーメン?しりとりを続けようと頑張る食べ物たちですが、なんだか雲行きの怪しいチームがいくつかあるようです。笑いあり、涙ありの予想外の結末はぜひお手に取ってご覧ください。「食べ物」、「しりとり」と、子どもたちも大好きなものがテーマですので、お子さんとご一緒にお楽しみください!


『でんせつのじゃんけんバトル』 ドリュー・デイウォルト 文   アダム・レックス 絵   河出書房新社
(猪俣愛先生のレビュー)
あるところに「グリグリ」というおとこがいた。グリグリはその国で最強の戦士。あまりに強すぎて勝負してくるものがいないことに
寂しさを感じていた。こうなったら骨のある強い相手を探しに他の国へ旅に出た。同じように2人目の戦士「パーペ」、3人目の戦士「チョッキンナ」も強すぎる自分、戦う相手がいないことにつまらなさを感じて旅に出た。こうして3人は出会い、対決が始まる・・・。子どもたちにとっても生活の中でおこなわれるじゃんけん。身近なじゃんけんを題材にした絵本は多くありますが、この絵本は登場人物(人?)の表情も豊かで、何度も何度もくり返し読みたくなるおすすめの一冊です。


『ここは』 最果タヒ 文   及川賢治 絵   河出書房新社
(園長のレビュー)
『ここは、おかあさんのひざのうえです。まちのまんなかでもあります。こうえんのちかくでもあります。』という書き出しで始まるこのお話は、お母さんの膝の上の僕がいまどこにいるのかを、様々な視点から客観的に教えてくれようとしています。例えば僕はお母さんの膝の上で温かい胸に抱かれているのですが、そこは同時に街の真ん中でもあり、大地の上でもあり、空の下でもあり、地球の表面でもあり、この広い宇宙の真ん中でもあるのだと。やがて宇宙と母のイメージが一つになるとき、宇宙の中心のような母の胸に抱かれ、すべてが自分を中心に回っていた幼い日の遠い記憶をふと呼び覚まされることに読者の皆様は気付かれるかもしれません。これはそんな懐かしい記憶を呼び起こす試みに満ちた絵本であるといえるでしょう。新進気鋭の詩人・最果タヒさんの記念すべき処女絵本作品でもあります。どうぞお手に取ってご覧ください。


『なんで?』 トレーシー・コーデュロイ 作  ティム・ワーンズ 絵  ブロンズ新社
(池田和先生のレビュー)
小さなサイのアーチーは、知りたがりやの男の子。まわりには不思議なことがいっぱい!「なんでジャムはべとべとなの?」「なんでクモには足がたくさんあるの?」など、なんでかな?と思っているうちにますます分からなくなって、お父さんとお母さんはアーチーを博物館へ連れていくことにしました。アーチーのお父さん、お母さんに共感する保護者の方もいらっしゃると思います。「なんでだと思う?」とお子さんに聞いてみると、私たちには想像できない答えが返ってくると思いますので、ぜひ楽しみながら読んでいただきたいと思います。


『しあわせなクレヨン』 丸山陽子 作   BL出版
(鎌田千秋先生のレビュー)
子供たちの身近にあるクレヨンたちが主人公のお話です。使われて段々小さくなってしまっても、それがとても嬉しそうなクレヨンたち。しかしその中でも“しろいクレヨン”だけはいくら待っても使われず、寂しく思っていましたが、ある日、エマという女の子に出会い、ようやくニッコリ笑顔に・・・。新しいクレヨンの箱を開けるときのワクワク感や好きな色のクレヨンで画用紙に描く楽しさを思い出させてくれる一冊です。寒い冬のこの季節、ぜひお子さんと一緒にご覧いただき、ほっこりとした時間をお過ごしください。


『ぱんつさん』 たなかひかる 作  ポプラ社
(湯浅美咲先生のレビュー)
これはいろいろなぱんつを履いた「ぱんつさん」たちのお話。題名が「ぱんつさん」と不思議な名前だったため、手に取ってみると、
ぱんつさんの見た目もなんだか不思議。この「なんでやねん!」とつい突っ込みを入れたくなる不思議さが癖になってしまいました。
また、わかば組さんや年少組さんの好きな面白い擬音が盛りだくさんで、ついつい真似してみたくなるはず!年中組さん、年長組さんはどんなぱんつを履いているかをじっくり見てお気に入りのぱんつさんを見つけてみてください。楽しみ方が様々なぱんつさんワールド!ぜひお手に取ってみてください!


『ライオンになるには』 エド・ヴィアー 作  きたむらさとし 訳   BL出版
(伊藤美希先生のレビュー)
「ライオンは獰猛である」という考え方のように、私たちは固定的な考え方をしていることがあります。「こうでなくてはいけない」とみんなは言うけれど、本当はそんなことはないのかもしれません。そんな時、一言でも伝える勇気が出たり、考えるきっかけにしてくれる、そんな絵本です。「大人だから見てほしい」、「子どものうちに見てほしい」と感じる絵本です。優しいライオンが私たちに新しい考え方を教えてくれます。ぜひ一度手に取って読んでみてください。


『ジョニーとマーガレット スーパー恋ものがたり』 三遊亭白鳥 作   魚戸おさむ 絵   講談社
(本間愛梨先生のレビュー)
あいしあうとうふのジョニーと、クリームチーズのマーガレット。スーパーの売り場を巡って2つの一家が大げんか。恋の行方はいったいどうなるのか?そして私たちが何気なく行くスーパーの売り場でも違う食材が他の売り場へお邪魔していたら、もしかして食材たちが何か話し合っているかもしれません。今はなかなかお子さんと行きづらいスーパーにもこんな楽しみがあるかもしれない!と、手に取って読んでいただけたらと思います。食材の成分も載っているので、子どもたちの学びや発見にもつながるかもしれません。


『でんしゃにんじゃ』 藤本ともひこ 作  交通新聞社
(新保欣位先生のレビュー)
この絵本の主人公は世にも珍しい忍者たち。その名も・・・でんしゃ丸!しんかん丸!きしゃ丸!おとのさまの大切な姫を救いだすべく様々な忍術で相手の目を欺き、どんどん先に進んでいきます。そんなでんしゃにんじゃたちはガタンゴトン・・・ではなく、
こう走る!!「すーはっは!すーはっ!すーすーはっ!」きっと皆さんもこの言葉にはフフッと笑ってしまう・・・。そんな大人も子どもも楽しめる一冊です。ぜひ手に取って読んでみてください。


『たぬきのひみつ』 加藤休ミ 作   文溪堂
(櫻澤弥佳先生のレビュー)
「だれにもいっちゃいけないよ」と自分のとっておきのひみつを話すたぬき。するとたぬきのひみつを聞いた動物たちも次々と自分のひみつを話し出します。でもたぬきにはもっとすごいひみつがあったのです。動物たちのひみつ、そしてたぬきの驚くべきひみつとは・・・。予想外の動物たちのひみつに大人も子どももクスッと笑ってしまうはず。動物たちがひみつを話すときの得意げな表情にも注目してみてください。ぜひ次のページの展開を予想しながら読んでみてくださいね!!


『ゴリラのパンやさん』 白井三香子 作   渡辺あきお 絵   金の星社
(鈴木有咲先生のレビュー)       
とっても優しく正義感のあるゴリラが美味しいパン屋を開きました。しかし、強面の見た目や声を聞くとお客さんはパンを買わずに逃げ帰ってしまいます。そんな中でも、「愛想がなかったのかもしれない」、「笑顔がなかったのかもしれない」と、ゴリラはパンを売るため、そしてお客さんが来てくれるように毎日反省し、試行錯誤します。
次の日、子うさぎ達がパン屋を訪れますが、ゴリラはカウンターから姿を見せず、指人形を使って応対します。
子うさぎ達は大喜び。しかし、それを見ていたキツネがやって来て、子うさぎ達に悪さをします。ゴリラは思わず「こらあ!」と
顔を出して怒ってしまいますが、ゴリラの姿を見た子うさぎ達の反応とは…。
ゴリラの諦めず何度もチャレンジしているところ、ゴリラへの動物たちの反応など、子どもだけでなく、大人が読んでも省みることがある一冊だと思います。お時間がありましたらぜひ手に取っていただけたらと思います。

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 さて、今回の先生方が選んだ絵本の紹介はいかがでしたか? 
 真人幼稚園の子ども達は本当に絵本が大好きです。元気いっぱい遊ぶときは遊び、思い切り体を動かす。一方で、集中して絵本を読んだり、何かを作ったり、友だちや先生の話に耳を傾けたり、そういったこともとても得意です。その静と動、集中と発散のバランスが子どもの成長にはとても重要なのだと思います。そのような意味においても、心と体を鍛えるために絵本はとても大切なツールです。そしてなにより、お気に入りの特別な一冊があるということは、子ども達にとって何物にも代えがたい宝物であり、生涯にわたりその子どもを支えてくれる(時に本当に勇気づけてくれる)、大切な財産になるはずです。ぜひこれらのレビューをご参考になさって、本屋さんに親子で足をお運び頂き、お子さんと自分だけのお気に入りの一冊を探してみてはいかがでしょう。書棚の片隅で絵本たちは皆さんに発見されるのを待っています。
 それでは皆様、新年1月にまたお会いいたしましょう!


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