われらしんじんのこども

真人幼稚園の子どもたちの日々の様子や、
  楽しいエピソードなどをお伝えしています。

真人幼稚園の先生が選ぶ絵本・12月の絵本 (28年度)

2016-12-26 12:47:47 | Weblog

真人幼稚園の先生が選ぶ絵本・12月の絵本

 今年度も真人幼稚園の先生方による絵本の紹介をおこなってまいります。これは年間二冊の絵本をそれぞれが書店などで選び、教職員同士で読み聞かせをしたり、それぞれ選んだ理由や見どころなどを発表し合う、教員研修の一環としておこなっている取り組みです。そこで紹介された作品をぜひ各ご家庭にもお勧めしたいという願いから、毎年1・2学期末にこのような形で発表させていただいている次第です。

 さあ、今回はどんな絵本が選ばれたのでしょうか? それぞれ作品を選んだ先生がブック・レビューを書いていますので、それらを参考になさって、この冬はぜひ書店や図書館に足を運んでいただき、親子で絵本に親しんでみてはいかがでしょうか。

 なお、それぞれの作品は園の図書に収蔵され、さっそく貸し出しをおこなっています。

 

『とんでもない』

鈴木のりたけ 作  アリス館

(小林明日香先生のブック・レビュー)

 誰もが自分にないもいのに憧れを持っています。しかしあったらあったでそれも大変。良いことばかりではありません。お話では色々な動物たちの特徴ゆえの悩みがたくさん描かれています。一体動物たちの悩みとは? 動物たちのシュールな表情にも注目です!!

 

『そうちゃんはおこってるんだもん』

筒井頼子 文  渡辺洋二 絵  福音館書店

(原 亜里沙先生のブック・レビュー)

 お父さんは妹のなっちゃんとばかり遊んで、そうちゃんに構ってくれません。そんなお父さんにそうちゃんは、「もういいもん!!」と拗ねてテーブルの下にもぐりこんでしまいます。そうちゃんの気持ちに思わず共感してしまいますし、子どもの心の揺れを丁寧に描いたひと作品です。ぜひお手に取って読んでみて下さい。

 

『ちくわのわーさん』

岡田よしたか 作  ブロンズ新社

(松野祐実先生のブック・レビュー)

 ちくわのわーさんはどこかに向かっている途中、お昼寝したり、スパゲッティーとマカロニの兄弟と口笛を吹きながら踊ったり、ドーナツを見て丸くなろうとしてみたり・・・。

そんなみちくさしている場合じゃない! はよ行かんと! シンプルなボディなのに、関西弁を喋るわーさんにきっとやみつき間違いありません。最後に行きつくのはどこなのでしょうか。ぜひお子さんと一緒に関西人になりきって読んでみてください。

 

『あたまのうえのかみさま』

作・のぶみ  サンマーク出版

(板垣里奈先生のブック・レビュー)

 誰もが一度は神様っているの・・・? と考えたことがあるでしょう。この本は神様に関するお話で、色々なメッセージがギュッと詰まった内容となっています。ついつい「できない」、「やだな」と弱気な言葉を漏らしてしまう日ありませんか?子ども達も初めての活動や苦手なことに自信が持てずに一歩が踏み出せない時があります。しかしこの本を読むと、考え方次第で物事を明るく切り開ける!という勇気が出てきます☆ 人の言葉に耳を傾けることの大切さ、誰かを思いやる優しさ、様々なことをユーモアを交えて教えてくれる一冊です。ぜひ読んでみてください。

 

『くれよんがおれたとき』

かさいまり 作  北村祐花 絵  くもん出版

(石山弥佳先生のブック・レビュー)

 ともだちのゆうちゃんがわたしのたいせつなくれよんをおってしまった―。その出来事がきっかけで気まずくなってしまうゆうちゃんとさくらちゃん。友だちといることはうれしいことばかりじゃなく、かなしくなったり、くやしくなったり・・・いろんな気持ちが生まれます。でも心が揺れることはとても大切なこと。素直に「ありがとう」「ごめんね」って言えなかったり、心の中がもやもやしたり・・・。きっと誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。ちょっぴり切なく、最後はホッとする一冊です。ぜひ手に取って読んでみてください。

 

『サンタクロースの11かげつ すてきなきゅうかのすごしかた』

マイク・リース 文  マイケル・G・モントゴメリー 絵   岩崎書店

(山路紫央先生のブック・レビュー)

 12月は子ども達のプレゼント準備に大忙しのサンタクロース。そんなサンタクロース、クリスマスが終わると実は11か月まるまるお休みなのです!!。ビーチに行ったり、学校に通ったり・・・。サンタさんがどんなお休みを過ごしているか気になりませんか?? サンタさんのヒミツも知ることができるかも?!!

 アメリカで大人気のアニメ「ザ・シンプソンズ」を手掛けた作者がサンタのヒミツに迫ります。この時期にピッタリの絵本です。ぜひ読んでみてください!

 

『おっちょこちょいのオットさん』

土屋 富士夫 作  佼成出版社

(佐藤美樹先生のブック・レビュー)

 オットさんはとってもおっちょこちょい。めざまし時計を電話と間違えたり、車で遊びに出かけたのにバスに乗って帰ってきたり・・・。毎日失敗ばかりのオットさんですが、でもおっちょこちょいもそんなに悪くはないんです!! オットさんの奇想天外な行動に思わず笑ったり、あきれたりしながらも、最後は温かく前向きになれる、そんな一冊です。

 

『はこちゃん』

かんのゆうこ 文  江頭路子 絵  講談社

(堀川紗楽先生のブック・レビュー)

 はこちゃんの名前は葉子と書きます。はこちゃんは思います。私の名前もお友達みたいに可愛い名前なら良かったな・・・。男の子にも「やーい、やーい葉っぱの子!」なんてからかわれちゃうし。このはこちゃんの気持ち、私も幼いころに味わったことがあります。自分の名前をからかわれてしまうととっても悲しいものです。

 みなさんは名前の由来をお子さんに伝えたことがありますか? きっといろんな想いや願いを込めて大切に選んだのではないでしょうか。何気なく呼ばれる名前。でも一生使う大事なお名前の意味を知ることが出来たら今までよりも自分の名前が大好きになれそうですね。そんなきっかけとしての一冊、いかがですか?

 

『ぼくのジィちゃん』

くすのきしげのり 作  吉田尚令 絵  佼成出版社

(鎌田千秋先生のブック・レビュー)

 小学2年生のヒロシくんは徒競走が苦手です。運動会前にはお父さんと一緒に練習をしますがなかなか上手くいきません。運動会前日には田舎からヒロシくんのジィちゃんがやってきました。ジィちゃんはなんとかヒロシくんが速く走れるようにとアドバイスをしてくれますが、やはり結果はビリでした。そんな中、PTAクラス対抗リレーのアンカーとしてジィちゃんが走ることに!? 周りの人たちの落胆ぶりとヒロシくんの戸惑いの様子・・・さて結果はいかに! ジィちゃんの隠された凄い秘密とは? ピンク色のうさぎさんのTシャツを着たジィちゃんの最高にカッコいい勇姿は爽快です。

 

『オニのサラリーマン』

富安陽子 文  大島妙子 絵  福音館書店

(園長のブック・レビュー)

 「わし、オニでんねん。すんまへん。じごくづとめのサラリーマン。きょうも、げんきにおはようさん。」

 これは、じごくカンパニーに勤める平社員、オニガワラケンさんの日常をユーモラスに描く、楽しくてちょっぴり切ないお話です。この世でも地獄でも、会社勤めのお父ちゃんの悲哀はいずこも同じようですが、それでも今日もお父ちゃんはがんばります。仕事でミスをして閻魔さまに叱られた日などは、帰りにおでん屋さんでちょっと一杯ひっかけて気晴らしなんかしながら。父親の姿を描く絵本は比較的少ないなかで、これはがんばっているすべてのお父ちゃんに捧げられる一冊でありましょう。ご家族でぜひお読みください。

 

『うそつきのつき』

内田麟太郎 作  荒井良二 絵   文溪堂

(佐々木雅代先生のブック・レビュー)

‘クスッ’と笑える駄洒落と「このおじさんはわらいません」の繰り返しが癖になる楽しい絵本です。黄色くて、丸くて、ムスッとしているこのおじさんの正体は・・・? おじさんは本当に笑わないの? 絵本の中を良く見ると楽しい発見もありますよ。気になる方は是非ご覧になってみてください。

 

『おしりだよ』

乾 栄里子 作   西村敏雄 絵   教育画劇

(井関麻衣先生のブック・レビュー)

 子どもたちが笑顔になれる言葉ベスト3に入る「おしり」。この絵本はその大好きな「おしり」がある日喋りだします。「おしり」との会話を楽しんだり、けんかをしたり、苦手なものに力を合わせて挑戦したりと、ユーモアのつまった作品になっています。

 

『ぼくだってウルトラマン』

よしながこうたく 作  講談社

(井関麻衣先生のブック・レビュー)

 子ども達が大好きなカッコいいウルトラマン。しかしこの絵本の主人公は少し弱虫なウルトラマンです。怪獣を倒そうと頑張りますが、あまりの怖さに逃げ出してしまいます。そんな時に出会った子ども達に励まされ特訓を重ねます。果たしてウルトラマンはカッコいいウルトラマンになれるでしょうか? 絵の可愛らしさと楽しいストーリーに心が温まる一冊になっています。

 

『ごめんなさい』

中川ひろたか  文  長 新太  絵  偕成社

(青木涼香先生のブック・レビュー)

 誰もが人生で必ず言う「ごめんなさい」の言葉。この絵本では‘ひとのうちにあがりこんでごはんをたべるでんしゃ’や‘ほんとうはくつなのにステーキだよってうそをつくひと’など、少しおかしな「ごめんなさい」がたくさん出てきます。当たり前のことでも子どもは分からずしてしまったり、してはいけないと分かっていてもしてしまったりしますよね。「ごめんなさい」と言えばいいわけではありませんが、「ごめんなさい」としっかり言えることは大切ですよね。少しクスッとなりながら「ごめんなさい」の大切さが分かる一冊となっております。ぜひ読んでみてください。

 

『ママのスマホになりたい』

さく・のぶみ  WABE出版

(猪俣愛先生のブック・レビュー)

 ブロックのすごいのが出来たから「ママ見て!」って言ったのに、ママはスマホを見ていて僕の事を全然見てくれません! 怒ったかんたろうは・・・? そして大きくなったらママのスマホになりたいとは一体・・・? 

 今、子ども達にとっても楽しく遊べる存在のスマホ。楽しそうに遊んでいると思いきや、子ども達はこんなことを思っていたのかと、ハッとさせられるそんな一冊です。シンガポールの小学生の作文「スマホになりたい」を元に描かれた作品になっています。

 

『かわ 絵巻じたてひろがる絵本』

かこさとし さく・え  福音館書店

(園長のブック・レビュー)

 山間の源流から海へとたどり着く河口までの様子を、川の流れと共にその周辺の町や村など人々の営みも丹念に描いた本書は、かこさとしさんの代表作を全長7メートルの絵巻仕立てに仕立て直した自然科学絵本の金字塔と言えましょう。子どものためでなく、何を隠そう私はじぶんのためにこれを買い、毎日ニヤニヤしながら一人で眺めています。そしてどれだけ眺めていても飽きることがありません。『からすのぱんやさん』に初めて出会ってから四十数年、加古さんの生み出された素敵な作品たちにどれほど想像力を刺激され、心を耕され、育まれてきたことでしょう。そしてこの絵巻仕立ての「かわ」でもう一度出会わせてくださった。ありがとうございますと心からお礼を申し上げたい気持ちでいっぱいです。この素敵な絵本を皆様もぜひ一度お手に取って開いてみてください。

 さて、今回の先生方が選んだ絵本の紹介はいかがでしたか? しんじんようちえんの子ども達はみな絵本が大好きです。元気いっぱい遊ぶときは遊び、思い切り体を動かす。一方で、集中して絵本を読んだり、何かを作ったり、友だちや先生の話に耳を傾けたり、そういったこともとても得意です。その静と動の両輪が子どもの成長にはとても重要なのだと思います。そのような意味においても、心と体を鍛えるために絵本はとても大切なツールです。ぜひこれらのレビューを参考にして頂きながら、本屋さんに親子で足を運んで頂き、お子さんと自分だけのお気に入りの一冊を見つけてみてはいかがでしょう。書棚の片隅で絵本たちは皆さんに発見されるのを待っています。

  それでは皆様、良い休暇をお過ごしください!

 

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