われらしんじんのこども

真人幼稚園の子どもたちの日々の様子や、
  楽しいエピソードなどをお伝えしています。

真人幼稚園の先生が選ぶ絵本・七月の絵本

2013-07-20 11:09:28 | Weblog

真人幼稚園の先生が選ぶ絵本・7月の絵本

 

 今年度も真人幼稚園の先生方による絵本の紹介をおこなってまいります。これは年間二冊の絵本をそれぞれが書店などで選び、教職員同士で読み聞かせをしたり、それぞれ選んだ理由や見どころなどを発表し合う、職員研修の一環としておこなっています。それをぜひ各ご家庭にもお勧めしたいという願いから毎年おこなっている取り組みです。

 さあ、今回はどんな絵本が選ばれたのでしょうか? それぞれ作品を選んだ先生がブック・レビューを書いていますので、それらを参考になさって、ぜひこの夏は親子で絵本に親しんでみてはいかがでしょうか。

 なお、それぞれの作品は園の図書に収蔵され、さっそく貸し出しをおこなっています。

 

『うれないやきそばパン』

富永まい 文  いぬんこ 絵  中尾昌稔 作 金の星社

(佐々木雅代先生のレビュー)

 ‘‘三丁目の・・・’を思わせる、なんだかとても懐かしく昭和的な感じ漂う絵。テレビの子ども番組でこの絵を見て一目惚れ。これはおじいさんがやっている古くて潰れそうなパン屋さんのお話。毎日、ゴミ箱から売れ残りのパン達の悲鳴が聞こえる。それでも一番売れないやきそばパンのピョンタは、いつか誰かが食べてくれると信じて待っているのだ。ところがそんなある日、お店にやって来たのはラテン系の匂いムンムンのデニッシュパンの派手男ポール。期待通りの人気であっという間に稼ぎ頭に。ピョンタの願いは叶うの?救世主は現れるの?パン屋さんに寄りたくなってしまう、そんな一冊です。

 

 

『ぶたのたね』

佐々木マキ 作  絵本館

(吉田ひろ子先生のレビュー)

 ぶたよりも足が遅いせいで野菜と木の実しか食べたことがない可哀想なオオカミが主人公のお話。

 ぶたを食べるためにキツネ博士からもらった、ぶたのなる種を植えるのですが、次々と起こるハプニングにページをめくるたびにクスッと笑ってしまいます。果たしてオオカミはぶたを食べることができるのでしょうか・・・!?

 ユーモアたっぷりのお話は3巻までシリーズ化されており、思わずオオカミを応援したくなってしまう一冊です。

 

 

『ルンバさんのたまご』

さく・え モカ子  ひかりのくに

(山路紫央先生のレビュー)

 ひよこが大好きなルンバさん。そんなルンバさんのもとにある日、大きな大きな卵が。中から出てきたのはなんと105匹のひよこちゃん達。みんなで泥団子を作ったり、ご飯を食べたりと、何気ない日常が面白おかしく描かれています。読み終わった後はなんだか心がホッと和むような優しい絵本です。「明日は何して遊ぼうかな」と最後は明日がまた楽しみになるような物語になっています。小さいお子さんから楽しめる内容になっていますので、ぜひ読んでみてください。

 

 

『もうおおきからなかないよ』

ケイト・クライス 文  M・サラ・クライス 絵  福本友美子 訳  徳間書店

(本間笑美子先生のレビュー)

 バタバタした日常の中で、ついつい「すぐ泣かないの!」と言ってしまったことはありませんか?この絵本を読むと不思議と‘‘素直に泣いてくれることのありがたさ’を実感できます。心がポカポカする、優しさがあふれでる、そんな一冊です。

 

 

『たこしんごう』

作・絵  赤川 明  ひかりのくに

(眞柄香澄先生のレビュー)

 この絵本はハイテンションでお話が進みます。主人公はたこの孫とたこのおじいちゃんです!「じーちゃんとさんぽ!じーちゃんとさんぽ!」とウキウキしている孫と、「まーごとさんぽ!まーごとさんぽ!」とウキウキしているおじいちゃんが散歩をしていると、すごい数の魚たちと遭遇します。とても渡れない状況ですが、おじいちゃんが信号になれば!!と思いつき、何とか赤くなって赤信号になります。しかし息が続かないおじいちゃん。そしたら孫が…。そんなハイテンションでお話が進みますが、おじいちゃんと孫のほほえましい散歩のひとコマなお話です。

またこのお話では面白おかしく単純な信号のルールも学べることができるのではないでしょうか。暑い夏に涼しげな絵も特徴ですし、おじいちゃんと孫の表情にも注目です。(笑)思わず大人もほっこりとするお話ですので、ぜひ読んでみてください!

 

 

『おとうさんがおとうさんになった日』

長野ヒデ子 作  童心社

(高橋沙季先生のレビュー)

 『おかあさんがおかあさんになった日』という絵本が幼稚園にあります。

「お母さんは赤ちゃんが生まれてお母さんになったの?」「じゃ、お父さんはいつお父さんになったの?」「なんで?」「どうやって?」ある男の子が疑問に思いました。確かに…!お父さんはどのように自覚するのでしょうか? お父さんの心境がちょっぴりわかります。

 

 

『じゃがいもポテトくん』

長谷川義史 作  小学館

(岡部望美先生のレビュー)

 普段、私たちに美味しく食べられているじゃがいも。そんな彼らも実は家族もいて一つ一ついろんな気持ちがあるようです。野菜が苦手な子もこの絵本を見て、少しでも野菜に親しみを持ってもらえたらと思います。この絵本…いつ読むの? 今でしょ!!

ユーモアあふれる作品です。ぜひ読んでみてください。

 

 

『チョーシンくんのだいぼうけん』

二見正直 作  偕成社

(堀川紗楽先生のレビュー)

 時計の針のチョーシンくん。はるこちゃんのお家にある時計の長い針のチョーシンくんは実は考えることもしゃべることもできます。「ぼく、時計の針なんかやめて、違うものになるよ」そう言ってはるこちゃんの家の時計を飛び出しました。さて、チョーシンくんはどんなだいぼうけんをするのでしょうか?いつも当たり前のように見ている時計。チョーシンくんと共に時計の針の仕事を学べる一冊です。まだ時計に興味の少ないお子さんにも読んでもらいたい一冊です。ぜひご覧になってください。

 

 

『ひまわりさん』

くすのきしげのり 原作   いもとようこ ぶん・え   佼成出版社

(新保奈津美先生のレビュー)

 「夏の花」といえば・・・ヒマワリですね。私の大好きな花でもあるので、書店にずらーっと並んだ絵本の中から手に取って読んでみました。可愛い猫のミャーとミューが種をまき、芽が出てつぼみを膨らませ、花を咲かせ大喜びします。きれいに花を咲かせているときは色々な人の目に留まりますが、この絵本の良いところはその後です。見頃といわれる時期が終わり、頭を下げたように見えるヒマワリはどんな様子に見えますか? 最後まで読むと、今年の夏の終わりにはしみじみとヒマワリを見つめてしまうでしょう。

 

 

『パンケーキをたべるサイなんていない?』

アンナ・ケンプ 文 サラ・オギルビー 絵 かどのえいこ 訳 BL出版

(長谷川繭子先生のレビュー)

 デイジーの家に大きなむらさき色のサイが入ってきて、突然、パンケーキを食べてしまいました。デイジーはパパとママにそのことを話そうとしましたが、ふたりとも忙しくて全く聞いてくれません。話を聞いて!聞かなきゃ!という思いになること間違いなし!

 

 

『いいから いいから4』

長谷川義史 作  絵本館

(原 亜里沙先生のレビュー)

 何が起きても「いいからいいから」とマイペースなおじいちゃんと男の子のぼくのお話です。ある日、家にお父さんがにんじゃを連れて帰ってきます。泣いているにんじゃに話を聞くと、忍術が下手でにんじゃをクビになったというではありませんか。そんな忍者にもおじいちゃんは得意の一言、「いいからいいから」。この日から忍者の修業がスタートします。あるひとを手裏剣の的にしたり、思わぬところから現れたりと、笑ってしまうような忍者の修業も見どころのひとつです。ぜひお手に取って読んでみてください。

 

 

『へちまのへーたろー』

二宮由紀子 作  スドウピウ 絵  教育画劇

(佐藤美樹先生のレビュー)

 ある日、へちまのへーたろーがつるの下でぷらぷらしていると、人間の子どもがやってきて「きゅうり」と、へーたろーのことを見て言いました。きゅうりに間違われるたびにへちまのプライドを守るためもりもりファイトを燃やして涙ぐましい努力を重ねるへーたろー。太ってみたり、洗顔してみたり、人間の言葉の練習まで・・・!?そんな前向きなへーたろーの姿と人間の子どものやりとりに、思わずクスクスしてしまう今の季節におすすめの一冊です。

 

 

『おいしいぼうし』

シゲタサヤカ 作  教育画劇

(鎌田千秋先生のレビュー)

 朝、起きてみょうな物を見つけたおじいさんとおばあさん。木の上に引っかかっていた物は・・・「ぺとぺとしていて」「うっすら透けていて」「つやつやしていて」「まあるいもの」で、ちょっぴりなめてみると、うっとりするような美味しさだったのです。

 さて、その日の夜のこと。お客さんがやって来てふたりはびっくり!!落し物を探しに来たそのお客さんとは一体誰だったのでしょうか?平穏な日常に突然起こった出来事に二人は大慌て。そしてお客さんの困った様子には哀愁さえ感じてしまいます。「まさかそんなことが?」と空想の世界を楽しむことのできるお話です。ぜひお子さんとご一緒にお楽しみください。

 

 

『ぼくのこえがきこえますか』

田島征三 作  童心社

(園長のレビュー)

 私たち日本人にとっての夏は戦争の記憶と結びついている。そう遠くない昔、広島と長崎への原爆投下があり、日本は戦争に負けた。8月15日は終戦の日であると同時に多くの罪のない日本人が戦争の恐怖と残酷さから解放された日でもある。だが、それで戦争が終わったわけではなかった。戦争によって損なわれた人々の心から悲しみの消える日はあまりにも遠かったのである。

  この絵本には、戦争を知っている田島征三さんから、戦争を知らない私たちへの大切なメッセージが託されている。戦争がいったいどんなものであるか、端的に示してくれている。楽しいだけが絵本ではない。目をそむけず、時にはまっすぐ見つめなければならないと思う。戦争を知らない私たちが私たちの子どもたちに伝えなければと思う。

 

 

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