東京城北サイクリング

東京の城北エリアおよびその近辺の道路事情や再開発を紹介します

城北エリアで相次ぐ商店街の再開発

2017年06月04日 | 再開発
5月末に相次いで城北エリアにおいて、商店街を巻き込んだ市街地再開発の報道がありました。
『十条駅西口地区』、『川口栄町3丁目銀座地区』、『大山町クロスポイント周辺地区』
の3ヶ所です。それらを簡単に紹介していきます。

[地図] (クリックで拡大します)


これらの再開発地区の共通点は、
商店街を含んだ再開発であること
 (それも地域の商業の中心地と言える場所)
道路事業と合わせた開発であること
駅に近い立地であること
超高層マンションを建設すること

いずれも歴史があり今現在も活気のある商店街なので、それを一旦リセットして再構築するという計画ですから、どうしても少なくない反発が生じます。
計画の立案自体はかなり以前から行われていて、数年という時間をかけて議論や計画の調整が行われ、ようやく最近になって具体化の目途が立ち一斉に公表されました。
これまでなかなか進まなかった計画が相次いで具体化したのには、オリンピックを契機とした昨今の再開発ブームで、開発に対する理解が進んだという背景があるのかも知れません。

[十条駅西口地区第一種市街地再開発事業]
 ※アーケードのある十条銀座は再開発には含まれません。
都市計画決定:2012年10月
組合設立認可:2017年 5月
建築工事着手:2018年 6月(予定)
工事完成:  2022年 7月(予定)
[現地写真]

[計画概要]
 地区面積:約 1.7 ha
 延べ面積:約 79,460 ㎡
 階数・高さ:地上40階/地下2階・高さ約147メートル
 主要用途:商業、業務、住宅
 住宅戸数:約540戸
 公共施設等:
  都市計画道路 補助第73号線(幅員20メートル、延長約85メートル)
  都市計画道路 補助第85号線(幅員30メートル、延長約170メートル)
  都市計画道路 北区画街路第7号線(幅員20メートル、延長約40メートル)
  都市計画北第4号十条駅西口地下自転車駐車場(約1,200台)
 事業協力者:新日鉄興和不動産、東急不動産、前田建設
[関連リンク]
 新日鉄興和不動産 ニュースリリース 2017.05.26
 http://www.nskre.co.jp/company/news/2017/20170526.html
 十条駅西口地区市街地再開発組合の設立認可について(都市整備局 2017年05月25日)
 http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/05/25/05.html
 北区>都市計画>十条駅西口地区再開発
 http://www.city.kita.tokyo.jp/jutaku/toshikekaku/saikaihatsu/index.html

[川口栄町3丁目銀座地区第一種市街地再開発事業]
都市計画決定:2017年5月
組合設立認可:2018年(予定)
建築工事着手:2020年(予定)
工事完成:  2022年(予定)
[現地写真]

[計画概要]
 区域面積:約 1.1 ha
 建築面積:約 5,400 ㎡
 延べ面積:約 67,300 ㎡
 階数・高さ:28階程度・最高限度100m
 主要用途:住宅、商業、業務施設
 住宅戸数:約480戸
 事業協力者:野村不動産、清水建設
[関連リンク]
 野村不動産プレスリリース(PDF版)
 https://www.nomura-re-hd.co.jp/cfiles/news/n2017052401271.pdf
 (PR TIMES によるHTML版)
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000025694.html
 川口栄町3丁目銀座地区地区計画 都市計画決定(川口市公式)
 http://www.city.kawaguchi.lg.jp/kbn/Files/1/40050001/attach/20170501sakae3gin.pdf

[大山町クロスポイント周辺地区第一種市街地再開発事業]
都市計画決定:2017年10月(予定)
組合設立認可:2018年 6月(予定)
建築工事着手:2019年 7月(予定)
工事完成:  2021年12月(予定)
[現地写真]

[計画概要]
 地区面積:約 0.85 ha
 施設規模
   A街区:27階建て 約 26,600 ㎡
   B街区:13階建て 約 1,990 ㎡
   C街区:3階建て  約 700 ㎡
   D街区:26階建て 約10,750㎡
 主要用途:A街区…住宅、店舗、駐車場、公益施設
      B、D街区…住宅、店舗、駐車場
      C街区…店舗
 事業協力者:住友不動産、フージャスコーポレーション
[関連リンク]
 日刊建設通信新聞の記事(2017-05-23)
 https://www.kensetsunews.com/archives/61282
 大山町クロスポイント周辺地区(板橋区公式)
 http://www.city.itabashi.tokyo.jp/c_kurashi/076/076377.html

ざっと概要だけ並べてみましたが、興味のある方は各関連リンクで詳細を確認してみてください。
それぞれプロジェクトが動き出したら逐次紹介していきたいと思います。

29年度予算案にみる新年度の北区の街づくり方針

2017年02月19日 | 再開発
各自治体の予算案が上がってくる時期になりましたね。
今回は十条再開発や補助83,73号線、木密不燃化事業で注目している東京都北区平成29年度予算案の内容を見ていきたいと思います。

東京都北区予算案の概要

まずは資料の冒頭の「29年度予算案の特徴」を見てみましょう。
1、予算編成方針 では「待機児童対策」「オリンピック対策」という、社会的にも特に注目を集める項目と並んで、「十条駅、王子駅周辺のまちづくり」が取り上げられています。
28年度の予算案の資料では「まちづくりの一層の推進」という広範な表現でしたが、29年度ではよりピンポイントに言及しています。

29年度に 十条駅西口の再開発 に投じられる予算は 4.65億円 となっています。
それに関連して埼京線の連続立体化の 十条駅付近立体交差事業 予算も計上されています。


それ以外に まちづくり基金 として 10億円 も計上されています。
十条駅周辺まちづくりの財源としてここ数年継続して10億円の積み立てを行っていますが、29年度も継続して積み立てが行われます。29年度はその中から1.68億円を取り崩して活用するとのこと。
年度末の十条再開発基金の累計残高は 93億円超 になる見込みです。

私のブログで建設の経過を追っている補助幹線道路では木密不燃化関係の予算も道路事業に関係してきます。それらを合計した予算は 約17億円 となり、この額は年々上昇を続けています。


全体としては微減となっている北区の平成29年度予算ですが、そのような中でも十条を中心としたまちづくりに関わる予算は大きく増額となりました。
今回の予算編成資料を見ると"十条"というワードが再三登場します。これまで赤羽や王子と比べ後回しにされてきた十条ですが、新年度では行政が十条に注目していることがうかがえます。
近く十条駅西口再開発の本組合も設立されるということで、29年度は十条の開発が本格的に動き出す年になりそうです。

十条駅東側のまちづくりについて

2017年01月22日 | 再開発
十条駅西口の再開発ばかりが目立つ十条駅周辺のまちづくりですが、実は駅東側でも『十条駅付近沿線まちづくり』という名称の整備計画が策定されています。


実際はもう少し南北に対象エリアが広がっていますが、駅付近については、この薄赤く塗った範囲が『十条駅付近沿線まちづくり』の対象になります。

「賑わいの拠点の整備」を目的として以下のような基本方針が示されています。
1 東口駅前の基盤整備
 駅前にふさわしい広場、歩道、道路の整備を行う。

2 安全で良好な環境の住宅地形成
 防災性・住環境の改善をはかるため、老朽住宅の共同建て替えを推進する。
 まちの顔にふさわしい街づくりを行う。

現在のところ具体的な計画として決まっているのは、埼京線東側の側道と、1から3までの主要生活道路の整備です。(主要生活道路4というのもありましたがどうやらそちらは廃止されそうです。)
共同建て替えによる再開発建築も計画されているとは思いますが現在のところ情報は出てきていません。

現地の今の様子を紹介します。

[十条駅南口の現状]

現状は駅の改札口として最低限の機能があるだけで、交通の結節点と言うにはほど遠い状況です。
将来的には鉄道の高架化と同時に、自動車が相互通行できる側道と駅前広場が整備され、タクシーや送迎の車が駅前に入ってくることができるようになるでしょう。

[駅前広場になると思われる敷地]

駅前に6階建てのマンションがあるのですが、その東に隣接する土地は以前から空き地のままになっています。上の図で「交通広場?」と文字が書かれている場所がちょうどここにあたります。
駅前ロータリーとしては少々手狭ですが、タクシーが回転できる程度の広さはあります。

[主要生活道路予定地]

演芸場のある十字路の一角です。(向いてる方向の反対側に篠原演芸場があります。)
2016年に角に建っていた建物が解体され道路用地が確保されました。

[公園予定地]

上十条一丁目の公園予定地です。写真はその西端になります。
ここから東の奥の方まで細長い空地が続いていて、すでに用地は確保されているように見えます。

まだ始まったばかりの計画ですが、ちらほらと実行に移されている様子がうかがえました。
池袋方面に向かうために時々通りますが直線で行ける道が無く、幅員も狭く、交通の面でも防災の面でも不安を感じる街並みです。
現在計画されている道路だけでは正直なところ不十分に思えるのですが、最低限計画の内容だけでも早期に実現されることを望みます。


西口再開発についてはこちら>十条駅西口地区市街地再開発の縦覧

十条駅西口地区市街地再開発の縦覧

2017年01月07日 | 再開発
十条駅西口地区の市街地再開発組合設立認可申請に係る事業計画の縦覧
が、1月4日~18日に行われているとのことで行ってきました。

(十条駅西口再開発相談事務所 付近の様子)


春までには本組合が設立されるということで、これでいよいよ事業が実行に移されますね。
都内のほかの事業地を見ると本組合設立までくればほぼ実現していますので、5年後の2022年には十条の駅前が新しく生まれ変わっていることでしょう。

下に再開発相談事務所でいただいたパンフレットを掲載します。

(1/4)



(2/4)

(3/4)

(4/4)


あと住宅フロアの平面図のラフを書き写させてもらったので、それを清書したものをアップします。
正確さは全く保証できませんので大体こんな感じかー、程度で見ていただければ。


タワーマンションでも北側はコアを設けたり、空間を開けたりすることがありますが、こちらは完全にぐるっと一周住戸が配置されてます。540戸を40階建ての中に詰め込まなければならなかったので北側を開ける余裕はなかったんでしょうね。
なお予算的には総事業費と補助金などから換算すると、ハード部分だけでも一戸あたり平均4000万は下らない計算になります。マンションデベロッパーは利益を出す必要がありますし、広告費、その他を勘定するとなかなかのお値段になりそうです・・・

今年は権利変換などで外からの見た目はしばらく変わらないでしょうが、なにか動きが見えてきましたら続報お伝えしようと思います。

補助第73号線については過去記事でたくさん紹介してますのでよかったらそちらもご覧ください。
・73号線記事まとめ(その1) ↑古い
・73号線記事まとめ(その2)
・73号線記事まとめ(その3) ↓新しい

検索タグ:十条 再開発 道路 立ち退き 補助73号線

栄町3丁目銀座地区における地区計画原案の縦覧

2016年12月07日 | 再開発
きゅぽら内で行われている縦覧に行ってきました。
場所と日時
住所と名前を記入してから担当の方に資料を見せてもらうという形なので、気軽にふらっと見に行くという感じでは無いですが、どなたでも縦覧させてくれますので興味があればぜひ行ってみてください。質問にも優しく答えていただけます。



資料の内容的には説明会以上のものは特になく、簡単な配置図以外には外観パースのようなビジュアル的な資料はありませんでした。
そういったものを期待すると拍子抜けしてしまうかもしれませんが、時間が限られる説明会とは違って、市役所のかたに気が済むまで質問してお話をうかがうことができます。

反対意見は出てますか?と質問したところ少し意味深な間をおいて(まあ少なからずあるんでしょう)日照の件で近隣の方からのご意見は伺っておりますが、開発によって地域が発展するということで概ね歓迎されているとのことでした。

入居する店舗については、今ある店舗でも風俗店に類するものやパチンコ店、すぐに業態を変えてしまうようなあやしげな店は入れられないとのこと。

マンションの分譲価格については周辺の相場よりも高くなるとのことで、結構なお値段になりそうですね…

スケジュールは以前からと変わらず平成34年度竣工目標です。
特に遅れは無いようで一安心。

あまり新しい情報はありませんでしたが以上報告でした。

--栄町3丁目銀座地区に関する過去ログ--
前回の記事
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