ある朝、朝食を摂りながらぼんやり眺めていた朝刊一面の広告欄。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/1b/a1f22ad9cb7375d39e496f302a66a5d2.jpg)
”でも・・・ほんとうは すごくしんぱいなことがあるの。それは 男の子はもう7さいになってしまったの。
みんな 子どもが ぬいぐるみに あきるのは そろそろだっていうんだ。
ぼくはどうすれば ずっとなかよしでいられるかを いつもかんがえているの。”
この文章を読んだとたんに、自然と涙が溢れてきて、寝起きの視界はさらにぼんやりしてしまった。
ヒグチユウコさんという人気の画家さんの描いたこの絵本。”ニャンコ”と呼ばれるねこのぬいぐるみが主人公。
大好きな男の子と、その子がまだ赤ちゃんのときからずっとなかよしで いつもいっしょ。だからよごれているし くたびれている。でも、そんなぼくはきっと せかいいちしあわせなぬいぐるみだと思う。
と、言うニャンコは、もう大きくなってしまっただいすきな男の子と一緒にいるために、本物のねこになりたいと願う。
すると、ともだちのタコとヘビが言う。ねこのヒゲには魔力がある。それをたくさん
集めて、おなかのわたと合わせるとほんもののねこになれると。
そしてニャンコはヒゲあつめの旅に出る。
その先にたくさんの(本物の)猫との出会いが待っている。
その優しい猫達との出会いを通して、ニャンコは考え成長していく。。。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/37/80f6bb6b30af9dc2b7ede883c9cac74d.jpg)
何故、こんなに惹きつけられてしまうのかというと、うちの小さい人(4歳)にも、この絵本の男の子と同じように、まだおっぱいが離れる前から、ずっとなかよしの
”ねこのぬいぐるみ”がいる。
いまも、寝るときや、夕方テレビを見るとき、どこかへお泊まりで出かけるときには
必ずいっしょ。なので、かなりくたびれていて、うちに来たばかりの頃のようなふわふわ感はない。
でも、そう。
小さい人にとってたいせつな存在で、それだけぼろぼろになるほど愛されているしあわせなぬいぐるみなんだ。
小さい人は、つい3ヶ月前まで、寝付く前に指しゃぶりをしていた。それはそれは器用に、右手にねこのぬいぐるみを持って、左の親指をちゅっちゅする。
その仕草が可愛くて、無理に止めさせようとはしなかったのだけれど、やはり歯並びのことも気になる…。
というわけで、
「指しゃぶりでできた
”タコ”をオニが食べに来るんだってぇ~」と脅してみたところ、効果てきめん✨
ものの3日で指しゃぶりが無くなった。
そしたら、ねこのぬいぐるみなしで寝ちゃうのかな…と心配していたわたしを他所に、それまでと変わりなく、寝床には必ず連れて行き、ぬいぐるみをにぎにぎして眠るようになった。
小さい人の成長をずっと見守ってきてくれた大事な相棒なのだ![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0101.gif)
かく言うわたしも、幼い頃、彼と同じように小さなぬいぐるみを愛していた。
手触りと、そのにおいが好きで、洗濯すると泣いて怒っていたと母が言う。
そのため、薄汚れてボロボロ。ちょうど同じころに鼻炎がひどくなったわたし。見かねた母が、「よごれた”ペケ”(ぬいぐるみの名前)持ってるから、鼻がわるなったんやで。もう、さよならしよか?」と。
別れは突然にやってきた。
母とわたしは、きれいなガーゼにペケを包んみ、庭に掘った小さな穴にペケを埋めたんだ。2人とも号泣…![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_naki.gif)
母となった今、別の視点でそのときのことを思い出すと、また泣けてくる。。
と、それと同じことがきっとあと何年か後にやってくるのかと思うと、せつなくてたまらない。
ぬいぐるみを与えてしまったときから、そのときがくることを覚悟しなければいけなかったなぁ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/b1/038d6dafb81cf554ea0a87261cfad9ea.jpg)
さて、絵本の結末はというと。。
ねこのひげをたくさん集めてきたニャンコは、からだにそのひげをぜんぶいれた。
その姿を見たタコくんとヘビくんは、へんな顔をしている。
ふしぎにおもったニャンコは、その男の子のうちに飼われている”いじわるねこ”(いじわるなんかじゃなかったと、わかるのだけれど)にその姿を見せにいく。
すると、いじわるねこはハリネズミのような姿になったニャンコに言う。
「すごく気持ち悪い。そんなヒゲなんかなくても もうたくさん 子どもに愛されているんだから。」
そして、
「おれたちねこは 人間より寿命が短いからたいてい先にいなくなるんだ。
でも おまえはずっといっしょにいられるじゃないか」
「おまえの不安なきもちは おれもほかのねこももっているんだよ
だいじょうぶ。おまえは もうりっぱなせかいいちのねこだから。
だって おまえの大好きな人間にとって いちばんのねこだろうよ」
と。
いのちあるのもの、そうでないものも
限りある時間の中で縁あって出会えるものは広い世界の中でほんの一握り。
永遠に続いていくものはない
だからこそ、そのときに一緒にいられる
ひと、もの、かたちのないものだって
精いっぱい愛して、そして、
せかいいちだと思い、思ってもらえたら 幸せなのだな。
どんなに、抜けてるお母さんでも
そんなお母さんのありのままの姿を、子どもが大好きだと言ったら、せかいいちのおかあさん。
そんなふうに、自分を囲むいろいろをたいせつに想っていこうと、
そんなことを気づかせてくれた絵本でした。
MOEの絵本
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”でも・・・ほんとうは すごくしんぱいなことがあるの。それは 男の子はもう7さいになってしまったの。
みんな 子どもが ぬいぐるみに あきるのは そろそろだっていうんだ。
ぼくはどうすれば ずっとなかよしでいられるかを いつもかんがえているの。”
この文章を読んだとたんに、自然と涙が溢れてきて、寝起きの視界はさらにぼんやりしてしまった。
ヒグチユウコさんという人気の画家さんの描いたこの絵本。”ニャンコ”と呼ばれるねこのぬいぐるみが主人公。
大好きな男の子と、その子がまだ赤ちゃんのときからずっとなかよしで いつもいっしょ。だからよごれているし くたびれている。でも、そんなぼくはきっと せかいいちしあわせなぬいぐるみだと思う。
と、言うニャンコは、もう大きくなってしまっただいすきな男の子と一緒にいるために、本物のねこになりたいと願う。
すると、ともだちのタコとヘビが言う。ねこのヒゲには魔力がある。それをたくさん
集めて、おなかのわたと合わせるとほんもののねこになれると。
そしてニャンコはヒゲあつめの旅に出る。
その先にたくさんの(本物の)猫との出会いが待っている。
その優しい猫達との出会いを通して、ニャンコは考え成長していく。。。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/37/80f6bb6b30af9dc2b7ede883c9cac74d.jpg)
何故、こんなに惹きつけられてしまうのかというと、うちの小さい人(4歳)にも、この絵本の男の子と同じように、まだおっぱいが離れる前から、ずっとなかよしの
”ねこのぬいぐるみ”がいる。
いまも、寝るときや、夕方テレビを見るとき、どこかへお泊まりで出かけるときには
必ずいっしょ。なので、かなりくたびれていて、うちに来たばかりの頃のようなふわふわ感はない。
でも、そう。
小さい人にとってたいせつな存在で、それだけぼろぼろになるほど愛されているしあわせなぬいぐるみなんだ。
小さい人は、つい3ヶ月前まで、寝付く前に指しゃぶりをしていた。それはそれは器用に、右手にねこのぬいぐるみを持って、左の親指をちゅっちゅする。
その仕草が可愛くて、無理に止めさせようとはしなかったのだけれど、やはり歯並びのことも気になる…。
というわけで、
「指しゃぶりでできた
”タコ”をオニが食べに来るんだってぇ~」と脅してみたところ、効果てきめん✨
ものの3日で指しゃぶりが無くなった。
そしたら、ねこのぬいぐるみなしで寝ちゃうのかな…と心配していたわたしを他所に、それまでと変わりなく、寝床には必ず連れて行き、ぬいぐるみをにぎにぎして眠るようになった。
小さい人の成長をずっと見守ってきてくれた大事な相棒なのだ
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かく言うわたしも、幼い頃、彼と同じように小さなぬいぐるみを愛していた。
手触りと、そのにおいが好きで、洗濯すると泣いて怒っていたと母が言う。
そのため、薄汚れてボロボロ。ちょうど同じころに鼻炎がひどくなったわたし。見かねた母が、「よごれた”ペケ”(ぬいぐるみの名前)持ってるから、鼻がわるなったんやで。もう、さよならしよか?」と。
別れは突然にやってきた。
母とわたしは、きれいなガーゼにペケを包んみ、庭に掘った小さな穴にペケを埋めたんだ。2人とも号泣…
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母となった今、別の視点でそのときのことを思い出すと、また泣けてくる。。
と、それと同じことがきっとあと何年か後にやってくるのかと思うと、せつなくてたまらない。
ぬいぐるみを与えてしまったときから、そのときがくることを覚悟しなければいけなかったなぁ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/b1/038d6dafb81cf554ea0a87261cfad9ea.jpg)
さて、絵本の結末はというと。。
ねこのひげをたくさん集めてきたニャンコは、からだにそのひげをぜんぶいれた。
その姿を見たタコくんとヘビくんは、へんな顔をしている。
ふしぎにおもったニャンコは、その男の子のうちに飼われている”いじわるねこ”(いじわるなんかじゃなかったと、わかるのだけれど)にその姿を見せにいく。
すると、いじわるねこはハリネズミのような姿になったニャンコに言う。
「すごく気持ち悪い。そんなヒゲなんかなくても もうたくさん 子どもに愛されているんだから。」
そして、
「おれたちねこは 人間より寿命が短いからたいてい先にいなくなるんだ。
でも おまえはずっといっしょにいられるじゃないか」
「おまえの不安なきもちは おれもほかのねこももっているんだよ
だいじょうぶ。おまえは もうりっぱなせかいいちのねこだから。
だって おまえの大好きな人間にとって いちばんのねこだろうよ」
と。
いのちあるのもの、そうでないものも
限りある時間の中で縁あって出会えるものは広い世界の中でほんの一握り。
永遠に続いていくものはない
だからこそ、そのときに一緒にいられる
ひと、もの、かたちのないものだって
精いっぱい愛して、そして、
せかいいちだと思い、思ってもらえたら 幸せなのだな。
どんなに、抜けてるお母さんでも
そんなお母さんのありのままの姿を、子どもが大好きだと言ったら、せかいいちのおかあさん。
そんなふうに、自分を囲むいろいろをたいせつに想っていこうと、
そんなことを気づかせてくれた絵本でした。
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