NHKスペシャル 立花隆 最前線報告
SFのなかの出来事であったサイボーク技術が既に実現しているという驚きのドキュメントである。
サイボーグとは機械と人間との融合で、例えば人口器官などがある。これは事故や先天的な理由で障害をもった人の希望となるだろう。
1.脳で義肢をコントロールする
最近の技術の進歩では、義肢を直接脳からの指令でコントロールできるようになった。
猿での実験が紹介されていたが、脳に電極を埋めこみそれを義肢に接続し、制御している。エサを出されると巧みに義肢でエサ受け取り、口に運んでいる。
猿での実験を10年経て、アメリカは人間への使用を許可したそうです。
これが驚きです。実際に人間に使われているのです。
被験者は脊椎を損傷し首からしたが動かなくなってしまった。彼の脳に電極を埋め込み、その指令をパソコンや義肢におくりカーソルを動かして図形を描いたり、
テレビのチャンネルを変えたり、義肢を動かすことができる様子が紹介された。
これはすなわち、ネットワークを介して、実際の体を使わず、遠く離れたところの
義肢をコントロールし作業を行うことが、既に実用化していることを示している。
2.軍事技術への転用
この技術は軍事目的にアメリカで研究されているそうである。ラットに電極を
埋め込み、「右にいけ」「左へ行け」などの指令を無線で伝え、操ることができるのである。この様子はゾッとした。自分の意思に関係なく、誰かの意のままに操られ
殺戮を行う人間の姿が想像されるからである。
ラットを右に行かせたい場合は、脳の右のひげを司る箇所を刺激し、
その通りに行動すると快楽中枢を刺激する、つまり報酬を与えるわけである。
こうしていくうちに進んで指示に従うようになっていくのであろう。
3.記憶のデータベース化
記憶を司る海馬をICチップ化する技術も実現しているそうである。海馬を薄くスライスし、電流を流しその反応を解析し、これをチップ化する。
これは記憶を他人と交換可能であることを示唆している。
これは知識などの学習が容易になるという利点が想像できる一方、
人格をも変えてしまいうるのではないかという危惧も生じる。