関とおるの鶴岡・山形県政通信

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後期高齢者医療制度について討論

2007年09月28日 | 医療・介護・福祉など社会保障
 27日(木)の本会議で、後期高齢者医療制度に関して市民団体から提出された請願を「採択すべきである」という討論をおこないました。

日本共産党市議団を代表して、本請願に賛成の討論をする。
後期高齢者医療制度がどれだけ大変な事態をもたらそうとしているか明らかにする。
第一に、保険料額とその徴収のあり方について。
 全国約1300万人の後期高齢者の内、家族の健保の扶養家族となっているは約200万人=年収180万円未満の低所得者が、新たに保険料を徴収されることになる。
 保険料は、「全国平均で月額6200円程度」を「上回る場合もある」。保険料を滞納すると保険証を取り上げられ「短期保険証」「資格証明書」を発行される。
 今、国保で資格証となった方が、窓口での全額負担ができないために医療を受けられず、重症化し、死亡するという事件が全国で問題となっている。
 「国保同様の保険料の軽減制度がある」などと言っているが、国保で滞納が500万世帯に近づき、正規の保険証を取り上げられている方が百万世帯超、保険証を奪われた方が命を脅かされている現状を何と考えているのか。

 第二に、「後期高齢者の心身の特性にふさわしい診療報酬にする」などと言って、高齢者の医療を差別化し、粗悪化しようとしている。
 病名毎に治療費や治療回数の上限が決められ、それ以上の診療は医療機関の持ち出しとなり、「高齢者には早く退院してもらうしかない」という事態がさらに広がる。
 終末期医療は保険外の自己負担を払える人に限るという政府の考えは、「金の無い者は早く病院から出て行って自宅で死ね」と言うもの。
 「在宅死を現在の2割から4割にふやせば、医療給付費を5000億円削減できる」などと試算する厚生労働省の思想には戦慄すら覚える。後期高齢者医療制度にも貫かれている。

 第三に、保険財政についての国の責任を果たさず、現役世代と高齢者世代の反目を図る仕組み。
 現役世代が払う保険料は、現役世代の医療費に使われる一般保険料と、高齢者医療の支援に使われる特定保険料に分けられ、給与明細に明示される。
 しかし、本来必要なことは、加齢に伴って当然増加していく高齢者の医療費にも、現役世代の医療費にも、国が当然の責任を果たしていくこと。
 老人医療費に占める国庫負担の割合は、1984年度の44.9%から、2004年度には33%に激減、逆に患者負担の割合は1.6%から10.4%に急増。経済大国日本の医療費はGDPの約8%とサミット参加国で最低、OECD加盟30カ国でも22位。
 医療保険制度を危ういものにしているのは、高齢者医療費の増加などではなく、国民医療への責任を放棄する政府の政策


 以上、後期高齢者医療制度がこのまま実施をされれば、高齢者と家族に経済的・精神的に耐え難い負担がもたらされ、高齢者の命すら脅かされる事態が広がる。
 日本共産党は、参議院選挙で掲げた公約を守り、また選挙で示された民意に従って、後期高齢者医療制度の実施凍結と抜本的見直しを求めてたたかうものでありますが、いずれかの時期に、なんらかの高齢者医療制度が実施されるとした場合は、本請願の求める事項は必要不可欠のものと考えますので請願の採択に賛成。
 以上、賛成討論とする。

 新生クラブ渋谷議員が反対討論をおこないましたが、「保険料も低所得の方は年間10800円だから負担にならない」など、市民生活の実情からかけ離れて、ただ政府・厚生労働省の政策を支持する意見でした。
 採決では、日本共産党の私、加藤太一、三浦幸雄議員と、無所属の草島進一議員の4人のみの賛成少数で否決となりました。
 毎回おきまりのパターンですが、「自公政権と対決」を謳う、民主党や社民党も地方議会ではオール与党の仲間という状態は全国共通のようであり、市民のみなさんに知っていただきたいと思っています。