関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

2024年鶴岡市平和のつどい

2024年08月11日 | 平和と民主主義・外交

 

8月10日、鶴岡市平和都市宣言関連事業としておこなわれた、「鶴岡市平和の集い」に参加、同じ会場に展示された戦争の資料も見学しました。
 今年は、江戸川区からの学童疎開80周年にあたることから、朗読「疎開児童からの手紙」と「山疎開物語」の上映、学童疎開マップの展示、江戸川区と鶴岡市の交流の紹介、鶴岡江戸川合唱団による「空は今」「島唄」「永遠の花」の合唱などが企画されました。
 

 昭和19年8月10日から1年3ヶ月ほどの期間に、4300名ものこどもたちが家族と離れて遙か遠い鶴岡に疎開。ゴミ箱に捨てられていた渋柿の皮を拾って食べた話、汽車の線路に耳をつけて、「このレールはお父さんお母さんのいる東京に繋がっているんだ」と言って涙を流した女の子の話し等々、空腹と寂しさの中で辛い日々を送った事が胸に迫ってきました。
 また、学童疎開に関わる江戸川区の多くの資料が整理され、わかりやすい展示となってまとめられていました。
 同区と鶴岡市の戦争体験を継承していくための非常に貴重な資料と思いました。
 大変な労を惜しまず作業にあたって下さった有志の皆さまに深く感謝します。
 https://www.city.tsuruoka.lg.jp/shisei/gaiyo/heiwatosi.files/map.pdf
 

 暑い盛りに参加した60,70人位(数えていませんので印象に過ぎませんが)の方々には深く敬意を覚えましたし、心強く思いました。
 しかし皆川市長も「こどもたちが参加できるように、市として取り組まねばならないと反省した」と言っていましたが、子どもを始めとして、より多くの市民が参加できるように、市としての取り組みの抜本的強化を求めたいと思います。
 
 私は市議の時に、富塚市長の「行革」でこの事業の予算が約100万円から10万円に大幅削減されたことを厳しく批判し、予算の復活を求めてきました。
 山形市などの事業との対比も示しました。
 →https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/shiseijoho/heiwajinken/1008371/1011282/index.html

 来年は戦後80年の年になります。
 この集いに取り組まれた市民の皆さんの熱意が市政に、県政に届くように、党市議団と協力して働き掛けていきたいと思います。


2024/07/29

2024年07月29日 | よろず
オリンピックが、災害対策•復旧支援や日米軍事同盟強化等の問題より大事なものとは思いませんが、それでも、スポーツのあり方のみならず、人間と社会の有り様を考えさせる意義あるイベントです。
27日(日本時間)におこなわれた柔道60kg級準々決勝で、永山竜樹選手が絞め技で一本負けしたのは、審判が「待て」をかけた後に相手選手が締め続けたためではないかとして、「誤審で負けた」「相手が卑怯」等など反響が拡がっています。(内容に共感していませんが、Yahooニュースを参考まで)

確かに、「待て」がかかってから技をかけ続けるのは反則であり、「待て」の後に、「失神してた(『落ちた』と言います)からやっぱり一本」等と言う「判定」は、ありえません。絶句。
「待て」がかかって気を抜かなければ落ちなかった可能性もあります(落としたり、落とされたり経験踏まえてます。一応黒帯なんで)。
しかし、永山選手が締め技をかけられてギリギリの状況にあった事は間違いなく、そこで「待て」をかけるという誤審がなければそのまま落とされていた可能性も小さくありません(映像を観ると可能性大と思います)。ここまでの技をかけられてしまったという点で負けても仕方ない状況だったと言わねばならないと私は思います。
締めで一本負けする危機を誤審で免れたものの、待てがかかってからの誤審で負けになったと言う状況からすると、後者の誤審のみを責めるには限界があるのではないかと思います。
また、相手選手は「騒音で『待て』が聞こえなかった」と言っているようですが、これは柔道も含めてオリンピックではよく言われてきた事ですから、国際柔道連盟が対応しておくべき問題だったでしょう(両者に触れて知らせるとかすればいいだけです)。全日本柔道連盟も十分認識していたのですから、こんな問題が発生する前に対応すべきだったでしょう。何やってたのと言いたい。
しかし、この事件の結末として大事な事は、悔しさのどん底にあった永山選手が、凄まじい精神力を発揮して敗者復活を勝ち上がり、銅メダルを獲得した事です。
それは、金メダル以上の価値があり、スポーツの素晴らしさの一端を社会に示してくれたと思います。

【五輪柔道】「これは殺人行為だ!」主審の”待て”も絞め技を続け、永山竜樹が失神一本負け!公開された映像に疑念の声(イーファイト)
#Yahooニュース
news.yahoo.co.jp/articles/8eeda…

7月25日からの大雨被害対策

2024年07月27日 | 県政全般
 25日からの大雨被害対策のために、日本共産党山形県委員会として対策本部を立ち上げ、私は副本部長に就きました。
 26日の時点では、大きな被害のあった地域に乗り込むことは不適切と考え、共産党関係者のルートで情報収集を図りました。
 鶴岡市内は14時現在で1847世帯5095人に避難指示が出され、最大87人が避難所に避難しました(行政情報)。
 京田川が氾濫し、午前中の段階で、住民が孤立した三和集落では、ボートによる救助がおこなわれていると聞きました。
 藤島川、黒瀬川でも溢水があったようでした。
 山五十川、大山、加茂なども含めて、避難指示が出された地域の状況は、居住している人に電話で聞きましたが、けが人や大きな住宅被害等は無く、避難所に身を寄せた方々も順次帰宅していると聞きました。
 鶴岡以外で特に心配したのは、住宅への大規模な浸水があった戸沢村蔵岡地区の事です。
 4年前に角間沢川による内水被害(本来川の水が流れ込む最上川の水位が高いために、水が集落内に溢れてしまうこと。蔵岡の場合は国交省が揚水ポンプを設置した直後だったが、増水量が能力を越えて役に立たなかった)があった時に、高橋ちづ子衆議院議員と一緒に集落を巡視し、懇談会もおこない、要望を取りまとめて国・県の対策に繋げた地域ですが、その後、大規模な工事で設置された輪中堤を角間沢川の水が越え、浸水してしまったようです。原因の究明が待たれます。
 午前中に、近くの道の駅:高麗館に避難した知人を介して、自治会長さんから電話で状況を聞く事ができました。
「高麗館には120人程度避難しているが脇を通る国道47号線が浸水して普通の車では動けない。
 行政の救援車両は来ている(午後には報道機関も来たとのこと)。
 ここの他に、中学校と中央公民館に併せて20人程度いるらしく、残り30人位が浸水した集落内に取り残されていると思われる。現在、自衛隊のヘリで救出されていると聞いた。
 朝食が小さなおにぎり一個で、それも自治体等からの支給で無く、高麗館にあったご飯を提供して貰ったものである(その後、昼も同様におにぎり一個だった)。
 トイレは使えるが、集まっている建物からトイレまで高低差があるため、高齢の方等は行くのが困難で、水分の摂取を控える人がいる。
 居住地の水が引いたら、片付けをやらねばならないが、その際の人手が確保されるか心配している。
 停電してテレビも見られず、ニュースを見た県外の知人からの電話で状況を理解している。」
 などです。


高麗館から蔵岡集落を撮って貰いました。



 村にはこれらの事を伝えたということでしたが、私の方から県の担当課にも連絡し、対策の参考にするよう依頼しました。
 対策の優先順位は県全体の被害状況や支援体制によって検討されるべきものではありますが、猶予ならない問題として県の支援による早急な対策を求めました(直接は村の仕事です)。
 今日は終日この対応を断続的におこないました。
 明日以降、状況を見てなるべく早く現地で要望を聞き、対策を図ろうと思います。
 どうやら雨が続くようですが、多量にならないことを祈るばかりです。

発達障がい者支援の講演会~早期支援、ゲームとのつきあい方~

2024年07月21日 | 子育て・教育
児童発達支援や放課後デイサービス等を運営する株式会社メグシィの「早期からの親子サポート事業講演会」に出席しました。
「早期からの親子サポート事業」は、発達障がい児とその家族への支援の1つとして県内4地域で県が民間事業所等に委託して実施しているもので、今回は鶴岡協立病院附属クリニック所長の石川充先生の「発達障がい児への早期からの適切な関わり方」と、東京工業大学理学院数学系助教の吉川翔先生の「ゲーム依存症にならないための関わり方について」というテーマでした。
 講演の内容はもちろんのこと、メグシイ社から説明された同社の事業も興味深く、地域に於いて重要な役割を果たしておられることが理解できました。
 同社は2016年の設立から8年、公認心理師、認定心理士、精神保健福祉士、小中校の教員免許取得者等々多くの専門職を中心に51名の従業員で6つの事業所を運営し、利用者は235名と、庄内では有数の質と量を備えた事業所となっていました。
180名もの方々が来場したのもその現れと受け止めました。
メグシィ-山形県鶴岡市の発達支援メグシィ | 個性にあった発達支援を。 (megusi.jp)

  

石川先生は講演の中で、「自分が鶴岡で診療を始めた30年前は、発達障がいについてほとんど知られておらず、非常に苦労した」と話されましたが、そこから見れば今日まで支援施策は一歩一歩進んできたと言えます。
 しかし、幼児期から学校、就労、地域生活まで、ライフステージのすべての局面で当事者と家族にもたらされる困難は、未だ重いものがあります。
 当事者が差別を受ける事無く、安心して暮らして行ける社会をめざして、同社と関係者の方々の取り組みが一層発展する事を祈念するとともに、私も引き続き県の支援策の推進を求めていかねばという思いを強くしました。
 

2024/07/14

2024年07月14日 | 平和と民主主義・外交
まちキネで「戦雲(いくさふむ)」の初日上映を鑑賞、併せて行われた三上智恵監督の講演を拝聴しました。
 https://ikusafumu.jp/

 沖縄が日米両政府の戦争体制づくりの犠牲になっている・・。そういう事を本土の国民に知らせようという映画かなと思い込んでいました。
 確かに、与那国島、石垣島、奄美大島、宮古島、沖縄本島の美しい自然が、自衛隊ミサイル部隊、弾薬庫配備等で破壊される姿、島の人々の抗議が無視され踏みにじられる姿が描き出されていました。
 しかし肝心な事は、沖縄が蹂躙されるだけではなく、日本の平和な未来が、国民の平和の願いが、知らない内に蹂躙されているという事でした。
 監督は講演の中で、「映画を観た人が『沖縄は大変ですね』と言うが、沖縄問題では無い、あなたの服に火がついているんですと気づいて欲しい」とお話されていました。

 同時に、映画が描く島の人々の暮らしは、楽園のような青い海と空の下で、伸びやかで輝きに溢れ、行ってみたいな~、と強く思わされました。

(ヤニ下がるとはこの事です。お恥ずかしい)
 監督さんも、勝手に抱いていたイメージとは全く違って、優しい笑顔で、明るく軽やかにお話する方でした。70分間、ノンストップでお話されました。
 重いお話を深く考えさせながらも、一緒により良い明日に進もうと感じさせてくれるお話に心が暖まる思いがしました。

 鶴岡では、26日まであと13日間上映されます。是非とも多くの方に観て頂きたいものです。





山形県の2024年度事業等について〜県政報告を発行しました〜

2024年04月04日 | 県政全般

山形県議会2月定例会と2023年度の活動について報告する県政報告を作成し、3月31日付け赤旗日曜版と、3月29日付けコミュニティ新聞に折り込みました。

日本共産党県議団は

①山形新幹線米沢トンネル実現のための基金を設置し、初年度五億円を積み立てる条例に反対して私が反対討論、

②県政史上初めて新年度予算案が常任委員会で否決されたフルーツステーションに関しては、態度表明の機会(採決)は無かったものの反対の意向を明らかにして議案撤回の結果をもたらしました。

③15年間の吉村県政に最も厳しい対応になったと言えますが、予算案全体は、県民の暮らしを守る種々の施策を評価して賛成しています。

④議会の活動に関しては、海外視察の復活に反対して、議長に申し入れをおこないました。


その他の記事は項目のみの記載になっているものが多いですが、是非ご覧下さり、どんなことでも結構ですのでご意見ご感想をお寄せ下さいますようお願い致します。

 




 

 

 


決まってもいない米沢トンネルのために基金を積む?

2024年03月17日 | 県政全般

 
 3月15日の本会議で私が討論をおこなった、山形新幹線(仮称)米沢トンネルのために基金を造成する条例案に反対する討論に少し説明(括弧内)を加えて報告します。
 いつもながら討論時間が3分に制限されていますので、なかなか十分な主張ができません。

<要旨>
○基金は、仮称米沢トンネル整備に向けて、R6年度に5億円、その後6年程度、30億円程度までの積立を想定している。豪雨、豪雪などによる運休・遅延などを減らす事と、10分間のスピードアップのため。
○一、もし実現する場合でも最短で7年程度、実際にはいつ始まるか、始まらないのか見通しが無い。
 コストの低い代案、速やかに実施できる代案が検討されるべき。
○二、国の支援を得るには費用対効果を満たす事業である必要があるが、その説明が無い。
○三、整備費用1500億円、恐らく本県の負担は巨額に及ぶ。効果不明瞭で多額の投資を要する事業より、県民の切実ニーズに応えるために全力を挙げるべき。
○実現の見通しも無い中、「政府にやる気を見せる」などとして、基金を積むというやり方は、合理性を欠く。

<全文>
 山形新幹線新トンネル整備基金条例の制定に反対します。この基金は、仮称米沢トンネル整備に向けて造成し、R6年度に5億円を積み立てるというもので、R6年度から6年程度、30億円程度までの積立が想定されています(担当課長の説明です)。整備の効果は、豪雨、豪雪などによる運休・遅延などを減らす事と、10分間のスピードアップといいます。
 しかしトンネルの構想には何点か疑問があります。

 一つは、運休・遅延対策について。安全・安定運行が重要な課題であることは言うまでもありませんが、豪雨、豪雪、動物等の対策は、トンネルほどの効果は無いにしろ、よりコストの低い方法がないのか代案が検討されるべきです。
 また、トンネル整備はもし実現する場合でも最短で7年程度、実際にはいつ始まるか、始まらないのか見通しがありません。速やかに実施できる安全・安定対策が検討されなければなりません。
 羽越線の運休・遅延対策も強く求めたい。

 二つ目に、費用便益、いわゆる費用対効果が示されていないということです。鉄道のみならず公共事業全般について、国が費用便益1に満たない事業に財政支出をおこなう事は想定されない中、この事業がそれだけの費用便益を満たすという説明はありません。
(県は「トンネルは防災対策でもあり、費用便益だけでは決められない」と言いますが、防災といってもこの路線の場合、決定的な危険が頻発する訳では無く、運休・遅延ですから、やはり費用便益抜きに国が取り組むとは考えられません。
 そこを明らかにすれば、実現可能性が薄い事が明らかになるので、県は示さないのかも知れません。国が負担しなければ整備はできませんので、現時点では可能性が無いということです。)

 三つ目に財政負担の問題です。整備費用1500億円に対して、国は一部でも負担するとは言っておらず、当然、本県とJRとの負担割合も不明です。例えば、本県が費用の3分の1を負担するとした場合でも500億円と言う巨額に及びます。
 厳しい財政状況によって、暮らし関連を始めとする県民の切実なニーズに十分対応できない中では、効果不明瞭で多額の投資を要する事業より、切実ニーズに応えるために全力を挙げるべきと考えます。
 以上のように、代案の検討無く、費用便益にも目をつむったままで、実現の見通しがない現段階で、「政府にやる気を見せる」などとして、基金を積むというやり方は、合理性を欠くと言わざるを得ません。
(30億円というのは「最短コース」で実現した場合の仮定の額であり、そこで実現しなければ、10年で50億、20年で百億と増やしていくのでしょうか? 実現すると仮定した場合百億円でも県負担の一部にとどまります。「山形県財政の中期展望」によれば、「財源確保対策を講じなければ令和8年度に財政調整基金が枯渇してしまいます」とされ、令和10年度には390億円の不足・財政赤字になるという厳しい状況であり、数百億円という財政をハード事業につぎ込む事が可能とは思えません。また、トンネルが実現しなかった場合、県の貴重な資金をただ積立てて寝かせておいた責任は誰が取るのでしょうか。)

  主に以上の3点から、本条例案には賛同し兼ねるものです。

  なお、予算全体については、県民の暮らしを守る諸施策を評価して賛成する立場であることを付言して、討論とします。


フルーツステーション議案撤回は適切~王道の果樹農業振興を~

2024年03月14日 | 県政全般

県産フルーツの情報発信拠点整備の予算案が否決 | YTS山形テレビ

「フルーツ・ステーション」関連事業予算案撤回へ 山形県|NHK 山形県のニュース  
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamagata/20240314/6020020014.html

共産党県議団は農水常任委員会に所属していませんのでそこでの態度表明は無かった訳ですが、この事業には反対であり、県が「再議」で突破を図る方法は止めて原案を撤回すべきであるという考えを、県担当課と議会他会派の然るべき議員を通して伝えていました。知事の撤回表明は、私共の提起と合致する適切な判断であり、英断を歓迎します。

私が事業に賛成できないのは、
第一に、事業が目的に掲げている県産フルーツのブランド力向上による高付加価値化は、箱物建設ではなく生産者への支援で消費者のニーズにあった高品質のフルーツ生産が発展する事を通して実現されるものであるということであり、それは県自身が策定した県果樹農業振興計画にも明記されています。フルーツステーションはそこから外れたものであること。
第二に、事業の柱である寒河江に建設される新施設も、県内各地に設置されるステーションも、内容と実現性が不明瞭だと言う事です。

県内の果樹生産者は、食料主権を放棄する輸入自由化と、競争に勝つ農家だけ支援するという新自由主義的な政府の農業切り捨ての元で長期に渡る苦境におかれてきました。
加えて今、コロナ禍に続く、肥料・資材・農薬等の高騰に見舞われ、「あと一年だけ頑張ろうか」というギリギリの決断の繰り返しで何とか営農が維持されている状況です。
こうした中で県に求められる事は、政府に対して食糧自給率向上に責任を持って価格保障・所得補償を中心として、家族農業を始めとした全ての生産者を支援する政策への転換を求める事、
県自身が、生産者のニーズに応える伴走型の支援を手厚くしていくことです。

それは、元々県が掲げていた王道の施策であり、そこに邁進することを引き続き求めていく所存です。



山形県民笑いの努力義務条例?

2024年02月10日 | 県政全般


 先月24日付の山形新聞等で報じられましたが、県議会自民党会派が、「山形県笑いで健康づくり推進条例」(案)を公表し、県民から意見募集をおこなった上で、2月定例会での制定をめざすという考えを表明しました。
 条例案は、県民に「1日1回は声を出して笑う等、笑いによる心身の健康づくりに取り組むよう努める」と、笑うことを努力義務として課しています。
 また、県には「笑いによる心身の健康づくりに関する意識の啓発に努める」と、県民の意識の変容に取り組む事を求めています。

 笑いが暮らしと人生に幸福感をもたらすものの一つであり、健康の維持・増進にも資する事については、社会に一定の共通認識があり、笑顔で暮らせる社会をつくっていく事は、多くの県民の願いであると考えます。

 しかしながら、いかなる理由であれ、笑うことについて行政が県民に義務を課すような事があってはならないと考えます。
 条例案が別の項目で「個人の意思の尊重」を記載し、発案者自身も努力義務を打ち消す必要があるという認識を示してしているように、努力義務規定は軽視できない問題です。

 北海道では「道民笑いの日」を制定していますが、「要領」に拠るもので、主な活動は、講演会の開催や健康づくりの普及・啓発活動等にとどまっています。
 (※「要領」とは、行政機関内部の規律で、「条例」のように国民の権利義務に関する定めとしての性質を有さず、議会の議決を要しないものです。)
 日本共産党山形県議団は、笑いの推進についての取り組みをおこなうとしても普及・啓発の範囲のものにとどめるべきであって、本条例の制定には問題があると考えます。
 笑いに関わった行政の仕事があるとすれば、誰もが生きやすい社会をつくることで、自然に笑顔が生まれる条件を整備する事ではないでしょうか。

 なお、笑いの日として定めるという8月8日とその日を含む8日間は、長崎原爆投下の日、終戦記念日を含んでおり、日程設定も好ましくないと考えます。  

 県議会自民党会派が意見募集をおこなうとしていた期間は1月24日から2月6日まででしたが、そのような短期間にとどまらず、この問題に広く県民の声が寄せられる事を期待していますし、
 私共もご意見をお伺いしたいと考えております。

 条例案はこちらで拝見できるようです。
 自由民主党山形県支部連合会 http://www.jimin-yamagata.com/



吉村知事に2024年度予算要望

2024年01月30日 | 県政全般

 1月30日午前、2024年度県予算への要望を知事に提出しました。61項目に渡る要望の内、当日は4項目について知事から考えを聞きました。

①賃金引き上げと中小企業支援。
知事 県賃金向上推進事業支援金で企業の賃金引き上げに取り組んだ事業者に支援給している。
 特に女性賃金が47位。どういうふうにすれば、賃金向上になるか、業界にも話を聞きながら、踏み込んでいきたい。
 全国一律最低賃金制度創設に向け、ランク制度廃止が重要。政府に、中小事業者への支援とあわせて今後もしっかり提案していきたい。

②国保税引き下げ、子どもの均等割り撤廃。
知事 国保は、国民皆保険を支える大変重要な制度。現役世代が加入している協会けんぽと比べると、年金生活者、パート、アルバイトなど、低所得の加入者が多いという構造的な問題を抱えている。市町村と協議をし、加入者の負担を軽減するため国保財政安定化基金を活用していく。
 また、政府に、国保事業への財政支援措置をいっそう拡充することと、子育て世帯の負担軽減の観点から、子どもの均等割保険料免除を提案している。

③小中学校給食費無償。
知事 学校給食は児童生徒の心身の健全な発達に大変大事なもの。学校給食法で「食材費などは児童生徒の保護者が負担する」となっている。生活が困窮する家庭に対しては、生活保護法による教育扶助として学校給食費の全額が援助され実質無料。準要保護世帯には県内市町村で2/3が全額を援助している。
 県内すべての市町村で、地方創生臨時交付金を活用し、学校給食の原材料費の高騰などに伴う保護者負担が軽減されている。
 学校給食法制定後半世紀以上が経過。少子化の進行など社会情勢変化する中で、学校給食が栄養のバランスなど一定の質を確保しながら、安定的に実施されるように、負担の在り方を整理し、法改正などと共に、経費については、全額国庫負担とするよう政府に要望していく。
 それは今の流れだなと思っている。政府も流れていくだろうと思うので、しっかり押していきたい。

④土砂崩れ、地震の経験を踏まえた防災・減災対策強化
知事 防災減災。本県地域防災計画は、東日本大震災での課題などを元に、平成23年度に全面改定。その後も県内外の大規模災害などの教訓を踏まえ、必要な手直しを行ってきている。
 近年は、平成30年7月西日本豪雨、静岡県熱海市土石流災害を始めとした令和3年7月1日からの大雨災害などを教訓として、「自らのいのちは、自らで守る」という意識の徹底。医療的ケアを必要とする方への配慮など新たに明記した。
 今般の能登半島地震でも、今後政府等における振り返りなどで様々な課題が明らかになると思う。本県としても教訓として、本県での対策など検証し、その結果を県地域防災計画などに反映させて、生かしていきたい。

 61項目の多くは、これまで県議団が議会でも取り上げてきたものですが、今日の知事の回答はほぼ議会での答弁を踏襲したものでした。 
 各項目について、政府に提言する姿勢は引き続き重要です。
 特に学校給食では、これまで「食材費は保護者負担とする」という学校給食法の規定に拘泥してきたところ、「無償に進むのは社会の流れ」とし、「必要な法改正」を政府に求めるというスタンスへの転換は意義があります。
 女性の賃金向上についても、「踏み込んでいきたい」と意気込みを感じさせるものでした。
 切実な要望に応える取り組みを更に進める事を引き続き求めていきます。