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40代ブロガーの日常+アルファです。アクセス数よりも長寿を目指していきます。

ゆとりオフィス

2014-10-18 21:12:01 | ふぁいんどあうと
職場も秋を迎え、人事異動があり退職する人もいて、新しく入ってくる人もいて・・・
10月は台風が多くてびっくりです。台風の数は例年よりも多い気がする。

今から時をさかのぼること20年くらいであろうか。
皆さんは「ゆとり教育」という言葉を覚えているだろうか?

昔のように学校へ行って頭に勉強をたたき込んでいく勉強の取り組み方では無くて
登校拒否や校内暴力などの問題を背景に考え、勉強にもゆとりを持って取り組んでいくというもの。
その方針に沿って学校の授業数を減らしたり、教科書がフルカラーで30%薄くなり、円周率は3、14ではなく3に。
台形なども教えることは無く土、日に学校に行ったことも無い。
こんな「ゆとり世代」と呼ばれる当時の学生たちが社会人になってしまったのだ。

そもそも、ゆとり世代というのは昭和62年~平成16年生まれまでを言う。
学校の通知表の評価の対象も「勉強がよくできる」「テストでいい点が取れる」から「どれだけ努力しているか」に変化してしまっている。
もっともこのゆとり世代の全員がそうというわけでは無いが、少なくとも今、私の職場には2人の困ったちゃんがいます。

ちょうど時代背景のキーワードを思いつく限りならべてみると・・・
就職氷河期、モンスターペアレンツ、経済ゼロ成長、リストラ、バブル崩壊、携帯電話、インターネット、勝ち組、負け組、ローリスクローリターン、サブプライムローン、消費税増税などでしょうか。

そんな中で育ったからこそクセのある人間が育ってしまいます。なんとなく、「足踏みするのがよい」と判断せざるを得ない言葉のような印象を受けます。

彼らの困った行動としては
・叱られるのに弱い
・話を聞かない
・謝らない
・肝心なことを相談しない
・言われたことしかやらない
・自ら考える力に乏しい

私が新社会人になったばかりのときは、今振り返ってみればまるで奴隷のようだったと思います。ちょっと忘れただけで怒鳴られるくらいのことは日常茶飯事でそれを乗り越えてこそ根性が培われるといったようなものでした。
現在では少子化のせいなのか子供が親の夢を叶えてやるような時代では親も優しい、モンスターペアレンツのため、学校の先生も怒るに怒れない。怒られることに対して耐性が低いようです。
インターネットの普及によりSNSなどの発達により人と話すことになれていない、年齢差なんて気にしなくてもよいことから、相手の顔を見て話を聞かない、注意を受けても「はい」とは返事をするが「すいません」とは言わない。
パソコンが復旧していることからメモを取る習慣が無く自分の頭の中に記憶はすべて入るものだと思っており実際にやらせてみれば半分以上忘れている。
また、小さい頃からインターネットに慣れているせいか、正解は探すものだと思っており、正解の無い道徳のような問題に弱い。

また、失敗すると言うことを嫌い、恐れています。ゆえにすべてに対して「受け身」です。
「失敗は成功のもと」や「あすなろ精神」という辞書は彼らの頭の中には無いようです。
言われたことしかやらないというのもその延長だと考えています。
ちなみに、「どうしてこんなことしちゃったの?」と聞くと「教えられていなかったので」と答えます。
例えばお盆の上に食器がのっていて「お盆持って行って」というとお皿をどけて、お盆だけを持って行くような感じです。
そのような思考回路をしているせいか、困ったちゃんの一人は入社して半年が過ぎるのに未だに内線ができません。
理由を聞いても答えないので当ててみると「電話の会話で言葉を間違えて叱られるのが怖いから。」
私の価値観では、はっきり言ってあり得ないです。

もう一つは報告文書類が書けないといったことです。
答えを探す能力はありますが考える能力に乏しいため、例えば事故報告書やヒヤリハットなどが考えながら書けないということです。
そのため、文章内での矛盾が生まれることがあります。
例えば「活発で歩き回り、いすに座りながら過ごす。」といったものです。

この困ったちゃんを教育するのにはとても根気がいります。
わかってくれるとは思いますが、いつも返事は「うんうん」、間違えても「すいません」の言葉は無く相談や質問はせずに間違える。
何回言ってもメモは取ることは無く言われたことしかやらない。
一緒に仕事をしているとだんだん腹が立ってくるのが自分でもわかりました。
しかし、怒ってしまったり怒鳴ってしまっては私の負けになってしまう。

困ったので私は本屋へ行きゆとり世代の本を立ち読みしてみるとなんと解決策があったのです。
彼らの良い面と解決策が書いてある本を見つけたのです。
彼らの良い面は
・基本的に従順である。
・気づきは悪くない
・情報整理能力は高い
・専門的知識を探求する精神がある
・知的レベルが高い
・根拠を大事にする
・認められると力を発揮する

聞いた話によれば、ゆとり世代というのは運動会の徒競走などでも順位を決めずに最後はみんなで手をつないでゴールするとか。
私は幼少の頃から足が遅く、悔しい思いを何回も重ねてきた。悔しければ速く走れと言われ、有効な方法が無いまま時が過ぎていった。
そのせいか、競い合うという精神が薄く仕事でも「あいつに負けたくない」という思いが無く、むしろ一緒に力を合わせて頑張るという気質の方が強い。
言われたことしかやらない反面、型にはめた教育はしやすいのかもしれない。同じことを繰り返すうちにパターンを覚えていくケースが多い。
すべての物事に対して足踏みをしてしまうせいなのか、自己主張や意思表示が弱く物事の伝達力も弱い。誰かから聞いた業務連絡を自分の職場に連絡(徹底)できない場合が多い。連絡できなくても職場のトップに報告するなどの方法をとってくれれば良いのだが、「自分は連絡した」という考えがあるので弱い連絡のままで終わってしまう。大した連絡でなければいいのだが、重要な連絡だった場合の方法を考えなければならない。
ただ、こちらから聞いてあげないとはっきりとした回答や返事は聞けないようです。

また、情報世代だけあって、情報整理能力は高く自分にとってわからない情報でもなんとかまとめておこうという姿勢は見られます。一生懸命記事を書き、数時間の情報を随時まとめて記録に残していこうという姿勢はあるようです。勤務中にわからない言葉を聞いてきた場合は宿題にして調べさせるようにしています。すると後日、高い確率で調べてきています。それが、彼らの頭の中に残っているかどうかは別問題なのでしょうが、多少の効果はあるようです。インターネットが彼らの先生だけあって、調べようと思えばとことんまで調べられるので気に入ったものに関しては自分の納得がいくまで調べられる環境が整っていたので専門性も高いのでしょう。

あと、行動を見ていると人がカラスを見るような「(ずる)賢さ」が備わっているように感じます。
カラスがどのようにクルミの殻を割るのか、どのようにウォータークーラーの水を飲むのか少し感心させられるように、彼らの気づきにも少し感心させられるところはあります。いいわけが多いタイプだとそこにずるさが加わります。そして賢い分だけプライドも高いのです。
ゆとり世代の社会人というのはやはり物事に対して足踏みをするタイプ。足踏みをする分、自己防衛という面は長けているのかできるだけ客観的に見る能力や冷静に見る能力は備わっているようです。客観的なデータを元に自分はみんなと同じという共感を持ち安心するタイプのようです。
こちらが興奮して「いいからやれ」「とにかくやれ」では指導する方が負けてしまいます。彼らは根拠の基準が自分の考えの中にあるのではなく、周囲の人間にあり彼らの考え方は「みんなができていないなら自分もそこまでやる必要はない」「明確な根拠がないならばやる必要がない」と考えますが根拠が明確であれば逆に「みんなができるのならば自分もできないとマズイ」と感じて頑張るようです。最初のうちは根拠を教えますが半年もたってきたのでそろそろ自分で考えさせようかとも思っています。

ゆとり世代というのは「お前なんか辞めてしまえ!」などのように厳しい叱責をすると「自分の存在価値はない=自分の居場所はここにない」と判断し、怒鳴られたとたんに会社を辞めてしまったり、家に帰ってしまったり、トイレに1時間くらいこもったりという行動があるようです。中には家に帰らないように厳しく叱られたら表彰する会社もあるとか・・・
自分の存在を認めてもらえないとモチベーションが下がる分、周りから自分の存在を認めてもらえると力を発揮するのではないかと思います。
盲導犬訓練のようにいいことをしたらほめる、いけないことをしたら叱るといった小さな指導を繰り返していくのが有効のようです。

私も新人指導はしてきましたが、このようなケースは初めてだったので驚きました。
なかなか「言うことを聞かない」と嘆くには相手を理解していないともいえます。
でも、解決策があって良かったと思います。

とりあえず、私にできる方策の一つとして「肝心なことを相談しない」という性質を打開するために、毎朝5分間のミーティングを始めるようにしました。

全国のゆとり世代を教育する方の参考になれば幸いに思います。


次回更新予定は11月下旬頃の予定です。
嫁の手術が気になるところです。本人から病気のことを書かないでほしいと言われているので詳しくは書きませんが。







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