店主のだらだら草子

スローライフを目指すi-sumi.com店主の気ままな日記

鎮魂の五山送り火

2011年08月17日 | 京都
いろいろと物議を醸した今年の五山送り火。
私がいつも見ている場所でも、例年よりはるかに多い人で溢れました。


いつもの年より、手を合わせている人も多かったようです。
送り火はイベント化しているという指摘がありますが、今回の騒動で送り火本来の意義を見つめ直した方が増えたのではないでしょうか。




20:03
それでもまだ、点火15分ほどで帰りだす人も多く、京都以外の人も多かった事もあるようですが、30分後には1割ほどしか残っていない。
30分後には半分以上消えているので帰る事は仕方がないのかもしれませが、せめて私たち京都に住むものは、京都の伝統としてのプライドを守るためにも、親やご先祖様を思って送り火に手を合わせようじゃありませんか。



20:06
本来の送り火は、旧暦の16日に行われていたそうですが、これには理由があったそうです。
それは、旧暦の16日には大文字山(如意が岳)の上から、点火後に月が昇るんです。
これは先人たちが考えた演出のようですが、今年の送り火は、旧暦の17日。
TOPの画像のように、点火数分後には「大」の字の上から赤い月が現れました。



私はこのことを私は知っていましたが、知らずに訪れた方々は、皆さん一様に驚いておられました。
曇りがちだったので雲に隠れながらでしたが、まさしく精霊が天へ昇り帰っていかれるような光景でした。時間ごとに移りゆく厳かな光景を、大文字の火とともにご覧ください。


20:09


20:11


20:18 このころに半分以上の人が帰り始める。


20:25 ここまで残っていらっしゃる人は1割ほどか・・・  
月の周りの雲が神秘的。


20:26


20:27


20:28


20:29


20:30 火もかなり小さくなってきた。残っている人も僅か。


20:32


20:33 いっとき、一段と輝いて・・・


20:34


20:35


20:36 雲の中へ・・・


20:37


20:41 この時点でも、少ないながらも例年以上の方々が手を合わせたり頭を垂れたり・・・



すべて消えるまで1時間近くかかりました。
最後まで残っておられる方々は、本来の送り火としての意味をよくご存知なんだなと思います。
数は少ないながらも、こういう風景をまだ見られたことは救いになりました。


今年は震災で多くの方が犠牲になられた年、心を込めてお送りしてきました。

最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
合掌 (moriyume)
2011-08-17 14:54:37
紆余曲折はあったものの今年も先祖の霊を無事お送りできたものと思います。
保存会の会長さんは私もよく知っている方ですのでご苦労だったと思います。

それにしても先人の演出にはいつも感心させられます。森羅万象の観察力や分析など、今でも通じるものがありますね。銀閣寺の造りも満月の動きを計算に入れたものだと聞いたことがあります。

写真もいいのが撮れましたね。場所は平安神宮の辺りからですか?去年は母親を車椅子に乗せて連れて行けたのですが、今年はちょっと状態がよくないので連れて行けていません。
返信する
満月が? (ちどり)
2011-08-17 16:28:05
お叱りを受けるかもしれませんが、私も点火から20分ほどで帰りました。
先祖の霊と被災で犠牲になられた方の霊にしばし手を合わせてからです。
うかつにもあんなきれいなお月さまには気づきませ
んでした。

いつも荒神橋から見ていますが、建物や大きくなった樹木で見づらく、
同じ荒神口通でも河原町通に近くないと全体が見えなくなりました。

それにしてもこの人出の中、交通規制はなされず、
荒神口通は車と人
で大混雑。せめて点火されている間だけでも規制したらいいのにと、
近所の方とプンプン・・・。
返信する
moriyumeさま (scops)
2011-08-20 15:48:23
保存会の皆さんも大変でしたね。
前の記事に追記したような経緯が、ちゃんと周知されていなくて、よく知られていないことも騒動の一因かと思います。

それにしても、ネット上でのバッシングはすごいですね。何かひとつことがあると、よってたかって叩く最近の傾向は、反対に言えば扇動されやすいとも言え、空恐ろしい気がします。

お母様思いのmoriyumeさんには、今年は歯がゆかったでしょう。ご回復を祈念いたします。
返信する
ちどりさま (scops)
2011-08-20 15:52:29
それは残念でしたね。
でもちゃんと手を合わせておられるところは、さすがに昔から京都にお住まいのちどりさん。
あ、昔からは余計でしたか。(笑)

この時間はどこの道もすごいことになっていたようですね。
返信する
五山の送り火 ()
2011-08-21 23:20:34
写真がきれいです。月がのぼるころに火が燃え始めるとは、心憎い演出ですよね。
今回の騒動で、人の心はそれぞれだと改めて思い、考えさせられました。

素敵な写真にぜひ実際を見てみたいと思いました。
返信する
風さま (scops)
2011-08-22 21:05:05
昔のように毎年旧16日に送り火をしていたら、毎回このような光景が見られるのでしょうね。
周りにおられた人たちも興奮気味に「こんなん見たことない」とおっしゃっていました。

実際は数年に一度あるんですが、大震災の年に重なって、より神秘的に見えたんでしょう。

今回の騒動もすでに過去のことになりつつありますが、薪を燃やす燃やさないといった些末なことより、一日も早くその原因を作った原発事故を収拾できる事を祈るばかりです。
返信する
美しい。 そして 儚い。 (ジョルジュ)
2011-08-23 13:50:45
大文字に 月に むら雲。
いい写真が撮れましたね。素晴らしいです。

何度も記事の追加をしていただき、ありがとうございました。
私も 何度も追加のコメントを入れようと思ったのですが、
二転三転、意外な結末に疑問もあったり、で
結局、書きそびれてしまいました。

京都にお住まいの人達の気概もうかがい知る事も出来ましたので
それは良かったと思っています。
皆さん 特別な思いで 手を合わせてくださった事と思います。

私はこの日のこの時刻、すっかり忘れて 車でイバラキへ向かっていましたが
お月さまの様子は 同じようでした。
返信する
ジョルジュさま (scops)
2011-08-23 22:40:10
今回の騒動は、それぞれがもうちょっと慎重に、また、それぞれのことをもっと理解していたならば、少なくとも被災地の人たちを傷つけるような対応にはならなかったと思います。

ただ、大切なのは犠牲になった方々を思う気持ち。その気持ちは薪を燃やす燃やさないで変わるものではないと思っています。
返信する

コメントを投稿