送り火の薪、使用中止に・・・

以前ご紹介した被災地陸前高田市の被災松を使うという「追悼の送り火」ですが、一部の人たちのクレームがあって中止になってしまいました。


私を含め大多数の京都市民は今回の中止に関して憤っていると思いますし、被災された方々の気持ちをさらに悲しませることになってしまい、京都市民の一人として本当に申し訳なく思っています。


クレームの件数には、まだ放射能が検出されなかったという発表の前の物も含まれているでしょうし、クレームを付けた人の中には、放射能がないと言われても今までの経緯から信用できない方もおられるでしょう。
それでもクレームは数十件程度と少ないのに、この程度の数でなぜ五山送り火保存会が中止を決定したのか定かではないのですが、周りに惑わされることを嫌って純粋に宗教行事として執り行いたいという会員もいらっしゃったのではないかと推測しています。

それぞれいろんな立場から、いろんな考えがあって当然なんですが、今回の最初の趣旨は震災で犠牲になられた方々の追悼・供養であったことからすれば、クレームを付ける方も保存会も、もう少し冷静に寛容に対応してほしかったと思います。


ネット上では、京都バッシングが目に付き、とても悲しい思いをしています。
すべての京都市民や京都の文化までを悪く言う人や、京都不買運動などと煽る人もいて、必要以上に問題を複雑にしているようにも思います。
一部マスコミも、「抗議殺到」とか「根拠なき不安」などと決め付け、煽りに近いような表現をしているところもあります。ネット社会の怖いところですね。自戒を込めて気をつけないと・・・


保存会の理事長が陸前高田市へ向かい、地元の方と一緒に思いの書かれた薪を「迎え火」として燃やされました。　　岩手日報
これは宗教行事ですから、思いは同じはず。
私も１６日の送り火の際には、犠牲になられた方々のご冥福をお祈りして御霊を送ろうと思います。


追記（8/10　12：00）
陸前高田で直接保存会の方たちと関わっておられた方のブログをご紹介します。　　高田松原の「松」を巡る想い


追記２（8/12　12：30）
結局、また陸前高田の薪を使用することになりました。大文字山だけでなく、五山全部で。これはこれで、また批判の対象になるのでしょうか。

また、一連の経緯と報道についてまとめたページがありましたのでご紹介します。　　京都府と岩手県陸前高田の送り火偏向報道問題まとめ