店主のだらだら草子

スローライフを目指すi-sumi.com店主の気ままな日記

原生林を歩く 59

2014年07月05日 | 自然
記事がちょっと遅くなりましたが、6/22に恒例の原生林鳥類生息調査に行ってきました。久しぶりに雨の中での調査となりました。
梅雨だというのに雨が少ないので、いいお湿りになりましたが、やはり雨だと鳥の出はあまり良くなく、いつもより少なめ。それでも31種を確認できましたのでまあまあかな。

夜には久しぶりにヨタカの声が聴けました。ギョギョギョギョギョギョと抑揚のない独特の連続する鳴き声は、夜の静寂(しじま)を裂くような同化しているような、不思議な音色です。

雨も影響もあると思いますが、かなりさえずりは減っていました。もうヒナが巣立っている時期ですからねえ。


この時期は白い花がメインです。

ヤマボウシ(花じゃないけど)


ツルアジサイ


オオバアサガラ シカが好まないので、どんどん増えてます。先月もご紹介しましたが、最近は食べるものがなくなってきたのか、このオオバアサガラの幼木も食するシカが現れているようです。



モリアオガエルの卵塊  これも白い花と言えなくもない。(笑)
ただ、下に水があまりたまっていない状況でした。無事に孵るでしょうか?


バイケイソウの群落。もうじき白い花が咲くところです。

このほかにも白い樹の花は、
エゴノキ、ハクウンボク、ウツギ、イワガラミ、ヤブデマリ、リョウブ、ネジキなど。
白い草花は、イチヤクソウ、ミズタビラコ

腐生植物も入れると
ギンリョウソウ、キヨスミウツボ

まさに白い花ばかりです。


キヨスミウツボ


白くない花(笑)
木も草も腐生植物も含むと、コアジサイ、タツナミソウの仲間、コナスビ、チャルメルソウ、ショウキランなど




コアジサイ 一時シカに食べられて激減していたけれど、少し回復してきました。


今回、林内でテンを見ることができました。糞や足跡はあったものの、姿を見たのは林内では初めてかもしれません。(林道ではたまに見ます)
シカも駆除している割にはよく声を聴きました。少なくとも5~6頭はいたようです。

動物ネタでもうひとつ。

峠で、新鮮なクマハギがありました。まだそんなに日は経っていない。もしかしたらこの日かも。木の幹を歯でかじりとっているようですね。
でもクマが歯で木の幹をかじりとるかなあ?ひょっとしたらシカ?
でもシカがこんなに大胆に木の皮を剥ぐとも思えないしねえ。
クマハギの後、シカがかじった? いろんなことが想像できます。(笑)


キノコもいくつかご紹介します。

チチタケ 割ると乳のような白い液が出る。


テングタケ


ベニタケの仲間


相変わらず変なものも見つけてます。

粘菌の仲間 ムラサキホコリ? 足のようなものがたくさん見えます。


これも粘菌の仲間。名前はわかりません。


オオヤマカワゲラの抜け殻


陸貝 オオギセル


林道の落石ですが、良く見ると割れ目に木の根が・・・。
まさか根によって岩が割れたんじゃないでしょうね。



緑と白の中で一際鮮やかだったのがカラスシキミの実。
京都府では絶滅危惧種らしいです。


梅雨は?と思うくらいこの森の近くの川の水も少なく、今回の雨はこの森にとって恵みの雨になりました。年々乾燥化するこの森が、早く以前のような湿潤な豊かな森に戻ることを願ってやみません。

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現在、この森への立ち入りは厳しく制限されています。
私たちは20年近く前からこの森で野鳥調査をしています。調査ということで入林を許可されていますので、そのついでに、その風景や自然の営みをご紹介しています。

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2 コメント

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Unknown (tidori)
2014-07-06 19:21:11
芦生の豊かな植生をたんまりと見せていただきました。ありがとうございました。

今日の雨は芦生にも恵みの雨ですね。
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tidoriさま (scops)
2014-07-07 17:16:45
一時は林床部がすっかり無くなって、どうなることやらと思いましたが、まずシダが増えだし、ちょっとづつ植生も変化してきているようです。
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