北海道の四季登山と読了記

週末の休みを利用して登山しています。ときどき本も読みます。

(081-0802)ロシアについて

2022年08月05日 | 四季の山登り(2022.1.1~2022.12.31)

「ロシアについて 北方の原形」(司馬遼太郎著 文春文庫2022.4.10 第32刷 259ページ)
ロシアとはどんな国なのか。
「ともかくも、日本とこの隣国は、交渉がはじまってわずか二百年ばかりのあいだに、作用と反作用がかさなりあい、累積しすぎた。国家にも心理学が適用できるとすれば(げんにできるが)、このふたつの国の関係ほご心理学的なものはない。つまりは、堅牢な理性とおだやかな国家儀礼・習慣だけでたがいうをみることができる(たとえば、デンマークとスウェーデンの関係のようになる)には、よほどの歳月が必要かと思われる。」(あとがき)
単行本として出たのが昭和61(1986)年6月。著者が没したのは 平成8(1996)年2月72歳で、その10年前に著された。
広大な領土とそれをたえず防衛せねばならぬという緊張が内部の変質を生むのだ、というのが本旨だったように記憶している(241P)。ウラル山脈から東がシベリアであるという。「隣人とうまくつきあってゆくしかない」と書かれているが、先の戦争後、捕虜としてシベリアで過酷な重労働をさせられた者とソ連領から引き揚げてきた身内がいる私としては「はいわかりました」というわけにはいかない。

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