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目眩く思想世界擬きと言霊フロンティア
Depuis 2005/05/19

A.K.S.

2006年10月31日 01時12分35秒 | Diary
30(MON)
2限力学続論。3限仏語宿題ができてないのでサボる。もうだめぽ・・・この調子じゃ。4限スパコン。

バイト先の地下鉄に変な人が乗ってくる。ピンクの長いカツラと女装のようなコスプレみたいな衣装。これがちょっとイカれた京大生や寮生だったら許しただろう。あるいは美少女だったら一点も減点せずに許しただろう。しかし現実目の前にいるのはオッサンである。大阪産の、死んだ魚みたいな目をしたオッサン。仮に相当変なイベントかなんかがあったという言い訳が聞こえたとしても、こっちゃ疲れててもう何がなんなのかわからん。意味がわからん。空気が読めん。ってかお前空気読め。なんともなかったかのようなそんな顔でその車両に存在するな。いやこれが大阪か。大阪はこれが普通なのか。確かにあたりを見渡せば、京都だと普通に気持ち悪いと思われても仕方ないような髪のオバさんとかがうようよしている。ふと信号を見たら黄色と黒と紫だった、そんな感じ。

小さな子供が駅のエレベータが動くのをじっと見つめている。特急の待ち行列に割り込みをかけてきた外人がPDAでソリティアをやっている。夜行バスのごとく静かな列車に乗り、街中に溢れる白い安っぽいイヤホンケーブルでナンバガを聞いてみる。少し気持ち悪いがそのうちクセになるかもしれない。まるで、普通の肉と思いこんでラムを食ったときの感じ。

電車を降りて鴨川を上がる。夜の土手で愛を語る複数形のつがい。対峙するは仏語を聞いて自転車を漕ぐ自分。全く、人の帰り道でイチャイチャしないで欲しい。それともまさかまさか、踏み込む領域を間違ったのは貴様の方だとでも彼らは主張しているのだろうか。どうにも自信がなくなってきた。それに何だ?なんで仏語なんか聞いてるんだ?「ジャックがとても親切」だろうと、いかに「そのフランス人男性が箸を使うのが巧」かろうと、そんなこと自分には関係ないじゃないか。だめだ。このままだと遅かれ早かれ凍え死ぬ。アジカンシンドローム再発。惨めに凍え死ぬよりは絶頂のただ中で車に跳ねられて死ぬほうがまだマシだ。呼吸困難に陥る前に重低音のエアを纏う。誰もいなくなった世界で歌を歌う。

途中寮に寄ってみたら、寮生が焼け跡で何かの映像を投影していた。11年前に寮が焼けたときの映像だった。よくわからないが自分の住処が焼ける映像を肴に寒空の下で秋刀魚を焼く難民たちの神経に乾杯したくなった。能天気なようでいて、実はただごとではないのかもしれない。ひょっとしたら何かのネゴのための戦略を吟味していたのかもしれない。いずれにしても絵になる。

金に困る友人から6000円の借金をとり立て、にやけ顔で家へ向かう。この紙切れは明日への燃料だ。

それは感情論のSOS ( Asian Kung-Fu Generation )