嵐のような2ヶ月が去った。
やるべきことをやり、得るべきものを得た。
そして、取り返すべきものを取り返さねばならない。
19(SAT)
校舎に運び込んでの作業。ただし夜は教室を使えないのが痛い。
20(SUN)
引き続き朝から運び込み。ロボットの頭脳であるH8マイコンが故障(実は2個目)。時期としては最悪である。どうも週末に加速度センサ用回路をつけたあたりでおかしくなったようだ。
21(MON)
1,2限微積と4限仏会話の試験をサボる。17時提出の化学実験のレポートを書き忘れる。こんな時にかまってられるものか。・・・とかいいつつも、夕方過ぎに京大に来た友人を案内させられたりする。オーケストラのコンサートのチケットを売りにきたのであるが、久々の再会ということもあり手早く追い返すわけにもいかなかった。
絶望に打ちひしがれながら秋葉原の秋月電子へH8キットを注文する。H8を手に入れるには現段階でこの手段しかないというのが困りものである。週初めなので注文が多く、2,3日以内に発送するとのこと。それって2日以内か3日以内のどっちなんですか?僕の運命変わるんですけど。さらにH8のLSIを単体で売っている京都の会社にアタックをかけてみるが、個人向けには販売していないという。途方にくれていると先輩が使っていないH8を貸そうと言ってくれた。感謝感謝。
22(TUE)
1限線型の試験をサボる。勢いで2限英語の出席も忘れる。3限ロシア語と4,5限心理学実験は休講である。
4限終了後からNF前夜祭。みんなすごく楽しそう。どこでもやはり祭りとなるとウキウキするものだ。もっと模擬店めぐりをして雰囲気を味わいたいところだが、我々は日が暮れる前から展示会場の教室に運び込んでまた調整である。さすがにNF中は時間を最大限に使える。徹夜でイライラ棒を作っている隣で僕はトレーサの最終調整に入る。またH8を壊したくないので加速度センサを取り外すことを決定。加速度は積分して速度や移動距離として使おうと思っていたのであるが、先輩によるとライントレースをするだけなら大して必要ではないという。ようやくマシンがラインを読んでトレースするようになるが、皮肉にも一番よく走ったのはこの日であった。何にせよ、夜の作業にとって暖かい教室ほど有難いものはない。
23(WED)
NF一日目。朝一番から熱心な客が入ってくる。教室の後ろの方でぶっ続けで調整している僕らには客に構っている余裕はないのだが、応対しないわけにもいかない。即席のイライラ棒(火花や煙が出るほど派手ではないが結構楽しめる)、先輩たちのマウス(迷路探索マシン)やラジコン制御のロボ、5月の知能ロボコンの優勝したマシン、それから新作の二足歩行ロボなどを見て楽しんでもらう。模擬店と大道芸を少し回って休む間もなく調整。朝に2時間ほど椅子の上で寝たが背中が痛い。
24(THU)
NF二日目。前輪のステアリングを切るためのサーボモーターが故障。無理な電圧を加えたか無理な力を加えたかのどちらかだろう。サーボを付け替えてギアを組み直す時間がもはやないのでやむなくサーボも切り捨てて前輪をボールキャスターにし、3点接地で走ることにする。ステアリングを切れなくなったのは致命的だ。そのまま自宅で荷造りをし、22時に大学を出て京都駅発のバスに乗る。
25(FRI)
朝7時東京駅着。バスは窮屈で寝心地が悪い上に2時間おきに起こされるので辛い。安いのと昼の時間を最大限に使えることだけが取り柄だ。秋葉原のカフェで朝食をとり、ノートPCの電源をとれるところを探すがなかなかみつからない。ようやくネットカフェに入りプログラムを少し書く。それからパーツ屋に入ってセンサやLEDやスイッチの面白いのを買いだめする。
会場は有明のパナソニックセンターである。駅名が国際展示場というだけあってビッグサイトなど面白い建物が目立つ。台場といえばフジテレビ、みたいなところがあるが、ゆりかもめの無駄にくねくねした路線なんかを見ても分かるとおり、台場自体がビッグサイトや船の科学館など建物の陳列場といった雰囲気で、それはそれで楽しい。
この日は大会ではなく昼からの試走会だったのだが、レベルが高すぎた。トレースだけに限っていえば、上澄みだけが挙ってやってきたといった感じだった。自信のない人は試走会には参加しないものなのだろうか。コースを完走するのは当たり前で、ラインからわずかに外れることすらないマシンが大半だった。こんな上位層の中にいてもモチベーションが上がるに上がらない。こちらはまともにトレースするプログラムすら組めていないし、おまけに原動力であるDCモーターも二つのうち一つがたまに回らない。これはひとえに回路の問題である。
宿は蒲田の小さなビジネスホテル。近くの商店街らしきところでそばを食って、デパートで買った材料で部屋に試走台を作ったところで力尽きる。『2001年宇宙の旅』に出てくる世界の最果ての部屋にいるような心境。久々にベッドでまともな睡眠をとったのもあるのかぐっすり眠れた。
26(SAT)
マイクロマウス全国大会予選。
マウスのフレッシュマン競技、エキスパート競技、それからロボトレース競技の3種目がある。2回生の先輩2人はマウスのエキスパートで上位20位前後に食い込み決勝進出。何度か書いたようにマイクロマウスはスタートとゴールの与えられた迷路を探索し、最短経路を算出し、突っ走って時間を計るというものである。ルール自体は極めてシンプルでありながら、探索アルゴリズム、経路計算アルゴリズム、機体が滑ったときのバックアッププログラムとハードの特性(重量、サイズ、モーターのスピード・トルクなどの性能と制御方法、タイヤの数とグリップ)、斜め探索・斜め走行をするかどうか、そして会場の照明とコースの滑りやすさ、迷路の難しさへの対処が複雑に絡み合う競技である。最短距離でも10mくらいあるような迷路を、上位レベルになると5,6,7秒台で争うようになる。映像を見た方が早いのだがこれには目を見張るものがある。参加者も国内だけでなくシンガポールやアメリカからやってきて技術を競い合う。僕には敷居が高いと思って今回は見送ったのであるが、来年は挑戦してみようと思う。
ロボトレースの方は1回生4人のうち1人だけが完走した。僕のマシンはついにラインセンサからの出力も途切れ、プログラムは間に合わずラインも読めずモーターも確率的にしか回らないという情けない状態で出場し結局リタイアせざるを得なかった。
夜は飲んだが、何故かすっきりした気分だった。今後への決心がついたためだろうか?
ただ疑うべくもないのは、全てが終わったということと、全てを注ぎ込んだということだ。
27(SUN)
決勝。マイクロクリッパー競技があったが、これはマウスの迷路に置いてある空き缶をひっくり返すという、より高度な競技である。さらにパックマウスといって、パックマンゲームを開発して25年になるナムコがマイクロマウスの実行委員会と協同で企画した競技のデモをやっていたのだが、試走台をどうやって作るねん(正直NHKロボコンより大変そう)といった感じであまり関心は持てなかった。
午後に始まったマウスの決勝では先輩2人とも探索走行だけで終了し、1分強という記録を残したもののポテンシャルを出し切れなかった。しかし、機械研初の参加にしてはこれ以上ない好成績である。なんだか心が奮い立つ。
マウス決勝をもっと見たかったが、ちょうど東大の駒場祭があるというので行ってみた。旧友に会ったり京大で充分できなかった模擬店めぐりをした後、東大RoboTechの展示を見に行った。これはNHKロボコンを専門にしている団体で、うちの機械研とは基本スタンスが異なる。展示しているロボットは京大の方がバラエティに富むが、NHKロボコンのフィールドの模型が既に作ってあって気迫の差を感じる。さすがは国内大会を2連覇し今年の国際大会も優勝した東大、何をどうやってもかなわないものがある。
再び秋葉原で買い物と晩飯を済ませる。
9月頭に本郷で見つけた古本屋を探したが見つからず。駅の地下にあるはずなのだが、間違って御茶ノ水で探していた。古代教会スラヴ語のテキストがあったので少し欲しかったのだが。まぁまた次の機会にしよう。どうせあんなマニアックな本買う人いないだろうし。
22:20東京駅発のバスに乗る。何故か爆睡できた。
28(MON)
朝6時京都駅着。4限仏会話の試験を受けるが、無勉なのでしどろもどろである。というか、最後に授業出たの18日の化学実験じゃなかろうか。
29(TUE)
1限線型に少し出る。Jordan標準形を通り越して2次型式に入っている。思ったよりハイペースだ。2限英語休講。3限ロシア語。17日の中間試験で成績がよかった(20人中1位)のでまだ安心していいと思うが、そろそろ名詞の活用を覚えなければならない時期に来ている。4,5限心理学実験が休講なので倉庫の片付けを手伝う。京大の方も26日までNFがあったのでその後の打ち上げのゴミがたまりっぱなしだったのだ。倉庫も使えなくなる前に一度大掃除をしてやりたい。
satzz reboots!
やるべきことをやり、得るべきものを得た。
そして、取り返すべきものを取り返さねばならない。
19(SAT)
校舎に運び込んでの作業。ただし夜は教室を使えないのが痛い。
20(SUN)
引き続き朝から運び込み。ロボットの頭脳であるH8マイコンが故障(実は2個目)。時期としては最悪である。どうも週末に加速度センサ用回路をつけたあたりでおかしくなったようだ。
21(MON)
1,2限微積と4限仏会話の試験をサボる。17時提出の化学実験のレポートを書き忘れる。こんな時にかまってられるものか。・・・とかいいつつも、夕方過ぎに京大に来た友人を案内させられたりする。オーケストラのコンサートのチケットを売りにきたのであるが、久々の再会ということもあり手早く追い返すわけにもいかなかった。
絶望に打ちひしがれながら秋葉原の秋月電子へH8キットを注文する。H8を手に入れるには現段階でこの手段しかないというのが困りものである。週初めなので注文が多く、2,3日以内に発送するとのこと。それって2日以内か3日以内のどっちなんですか?僕の運命変わるんですけど。さらにH8のLSIを単体で売っている京都の会社にアタックをかけてみるが、個人向けには販売していないという。途方にくれていると先輩が使っていないH8を貸そうと言ってくれた。感謝感謝。
22(TUE)
1限線型の試験をサボる。勢いで2限英語の出席も忘れる。3限ロシア語と4,5限心理学実験は休講である。
4限終了後からNF前夜祭。みんなすごく楽しそう。どこでもやはり祭りとなるとウキウキするものだ。もっと模擬店めぐりをして雰囲気を味わいたいところだが、我々は日が暮れる前から展示会場の教室に運び込んでまた調整である。さすがにNF中は時間を最大限に使える。徹夜でイライラ棒を作っている隣で僕はトレーサの最終調整に入る。またH8を壊したくないので加速度センサを取り外すことを決定。加速度は積分して速度や移動距離として使おうと思っていたのであるが、先輩によるとライントレースをするだけなら大して必要ではないという。ようやくマシンがラインを読んでトレースするようになるが、皮肉にも一番よく走ったのはこの日であった。何にせよ、夜の作業にとって暖かい教室ほど有難いものはない。
23(WED)
NF一日目。朝一番から熱心な客が入ってくる。教室の後ろの方でぶっ続けで調整している僕らには客に構っている余裕はないのだが、応対しないわけにもいかない。即席のイライラ棒(火花や煙が出るほど派手ではないが結構楽しめる)、先輩たちのマウス(迷路探索マシン)やラジコン制御のロボ、5月の知能ロボコンの優勝したマシン、それから新作の二足歩行ロボなどを見て楽しんでもらう。模擬店と大道芸を少し回って休む間もなく調整。朝に2時間ほど椅子の上で寝たが背中が痛い。
24(THU)
NF二日目。前輪のステアリングを切るためのサーボモーターが故障。無理な電圧を加えたか無理な力を加えたかのどちらかだろう。サーボを付け替えてギアを組み直す時間がもはやないのでやむなくサーボも切り捨てて前輪をボールキャスターにし、3点接地で走ることにする。ステアリングを切れなくなったのは致命的だ。そのまま自宅で荷造りをし、22時に大学を出て京都駅発のバスに乗る。
25(FRI)
朝7時東京駅着。バスは窮屈で寝心地が悪い上に2時間おきに起こされるので辛い。安いのと昼の時間を最大限に使えることだけが取り柄だ。秋葉原のカフェで朝食をとり、ノートPCの電源をとれるところを探すがなかなかみつからない。ようやくネットカフェに入りプログラムを少し書く。それからパーツ屋に入ってセンサやLEDやスイッチの面白いのを買いだめする。
会場は有明のパナソニックセンターである。駅名が国際展示場というだけあってビッグサイトなど面白い建物が目立つ。台場といえばフジテレビ、みたいなところがあるが、ゆりかもめの無駄にくねくねした路線なんかを見ても分かるとおり、台場自体がビッグサイトや船の科学館など建物の陳列場といった雰囲気で、それはそれで楽しい。
この日は大会ではなく昼からの試走会だったのだが、レベルが高すぎた。トレースだけに限っていえば、上澄みだけが挙ってやってきたといった感じだった。自信のない人は試走会には参加しないものなのだろうか。コースを完走するのは当たり前で、ラインからわずかに外れることすらないマシンが大半だった。こんな上位層の中にいてもモチベーションが上がるに上がらない。こちらはまともにトレースするプログラムすら組めていないし、おまけに原動力であるDCモーターも二つのうち一つがたまに回らない。これはひとえに回路の問題である。
宿は蒲田の小さなビジネスホテル。近くの商店街らしきところでそばを食って、デパートで買った材料で部屋に試走台を作ったところで力尽きる。『2001年宇宙の旅』に出てくる世界の最果ての部屋にいるような心境。久々にベッドでまともな睡眠をとったのもあるのかぐっすり眠れた。
26(SAT)
マイクロマウス全国大会予選。
マウスのフレッシュマン競技、エキスパート競技、それからロボトレース競技の3種目がある。2回生の先輩2人はマウスのエキスパートで上位20位前後に食い込み決勝進出。何度か書いたようにマイクロマウスはスタートとゴールの与えられた迷路を探索し、最短経路を算出し、突っ走って時間を計るというものである。ルール自体は極めてシンプルでありながら、探索アルゴリズム、経路計算アルゴリズム、機体が滑ったときのバックアッププログラムとハードの特性(重量、サイズ、モーターのスピード・トルクなどの性能と制御方法、タイヤの数とグリップ)、斜め探索・斜め走行をするかどうか、そして会場の照明とコースの滑りやすさ、迷路の難しさへの対処が複雑に絡み合う競技である。最短距離でも10mくらいあるような迷路を、上位レベルになると5,6,7秒台で争うようになる。映像を見た方が早いのだがこれには目を見張るものがある。参加者も国内だけでなくシンガポールやアメリカからやってきて技術を競い合う。僕には敷居が高いと思って今回は見送ったのであるが、来年は挑戦してみようと思う。
ロボトレースの方は1回生4人のうち1人だけが完走した。僕のマシンはついにラインセンサからの出力も途切れ、プログラムは間に合わずラインも読めずモーターも確率的にしか回らないという情けない状態で出場し結局リタイアせざるを得なかった。
夜は飲んだが、何故かすっきりした気分だった。今後への決心がついたためだろうか?
ただ疑うべくもないのは、全てが終わったということと、全てを注ぎ込んだということだ。
27(SUN)
決勝。マイクロクリッパー競技があったが、これはマウスの迷路に置いてある空き缶をひっくり返すという、より高度な競技である。さらにパックマウスといって、パックマンゲームを開発して25年になるナムコがマイクロマウスの実行委員会と協同で企画した競技のデモをやっていたのだが、試走台をどうやって作るねん(正直NHKロボコンより大変そう)といった感じであまり関心は持てなかった。
午後に始まったマウスの決勝では先輩2人とも探索走行だけで終了し、1分強という記録を残したもののポテンシャルを出し切れなかった。しかし、機械研初の参加にしてはこれ以上ない好成績である。なんだか心が奮い立つ。
マウス決勝をもっと見たかったが、ちょうど東大の駒場祭があるというので行ってみた。旧友に会ったり京大で充分できなかった模擬店めぐりをした後、東大RoboTechの展示を見に行った。これはNHKロボコンを専門にしている団体で、うちの機械研とは基本スタンスが異なる。展示しているロボットは京大の方がバラエティに富むが、NHKロボコンのフィールドの模型が既に作ってあって気迫の差を感じる。さすがは国内大会を2連覇し今年の国際大会も優勝した東大、何をどうやってもかなわないものがある。
再び秋葉原で買い物と晩飯を済ませる。
9月頭に本郷で見つけた古本屋を探したが見つからず。駅の地下にあるはずなのだが、間違って御茶ノ水で探していた。古代教会スラヴ語のテキストがあったので少し欲しかったのだが。まぁまた次の機会にしよう。どうせあんなマニアックな本買う人いないだろうし。
22:20東京駅発のバスに乗る。何故か爆睡できた。
28(MON)
朝6時京都駅着。4限仏会話の試験を受けるが、無勉なのでしどろもどろである。というか、最後に授業出たの18日の化学実験じゃなかろうか。
29(TUE)
1限線型に少し出る。Jordan標準形を通り越して2次型式に入っている。思ったよりハイペースだ。2限英語休講。3限ロシア語。17日の中間試験で成績がよかった(20人中1位)のでまだ安心していいと思うが、そろそろ名詞の活用を覚えなければならない時期に来ている。4,5限心理学実験が休講なので倉庫の片付けを手伝う。京大の方も26日までNFがあったのでその後の打ち上げのゴミがたまりっぱなしだったのだ。倉庫も使えなくなる前に一度大掃除をしてやりたい。
satzz reboots!