【涼宮ハルヒの憂鬱】佐々木ss保管庫

2chの佐々木スレに投稿されたssの保管庫です

佐々木スレ4-860 ローゼンオーベルテューレ

2007-04-30 | 胸関連

860 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 22:52:53 ID:dC4/OT8G
ローゼンオーベルテューレの真紅と水銀燈のやりとりが佐々木とハルヒに
なってた夢を見た


919 :1/2:2007/04/30(月) 02:14:18 ID:rBunm1Yh
>>860へ捧ぐ

---
佐々木「涼宮さん!」
ハルヒ 「…うそ!?」
佐々木「驚いた? ウフフ…驚くに決まってるわね 前に会った時よりも成長しているのだから」
ハルヒ 「どうして…」
佐々木「私、やっぱりでぃーかっぷだったの のいじ様も認めてくれた
      見て! でぃーかっぷのブラジャー×5もここに!」
ハルヒ 「そんな…そんなこと」
佐々木「今度こそ胸を張って言えるわ 私は佐々木、でぃーかっぷの女 よろしくね涼宮さん♪」
ハルヒ 「うそよ、あなたがでぃーかっぷなんて…そんなこと」
佐々木「どうして?」
ハルヒ 「だってあなたは成長不良だったじゃない… かわいそうなえーかっぷ…
      SOS団はあたしの理想のキョンと遊ぶ為に作られた団、あなたは…私たちとは違う」
佐々木「…やっぱりそうなの 私のこと、ずっとそう思っていたんでしょう
      自分より劣るかわいそうな貧乳だと」
ハルヒ 「それは…」
佐々木「私の言葉をおとなしく聞いていたのも 神人を暴れさせなかったのも
      私を脅威と思っていなかっただけ 上から見下ろして満足していたんでしょう」
ハルヒ 「違う…」
佐々木「自分が上だと…自分のおっぱいはキョンに愛されていると
      そう思って私を笑っていただけなんでしょう」
ハルヒ 「それは違うわ… 違う… 私は…」
佐々木「うるさい! …嫌な女。少しばかり恵まれたおっぱいをしていただけなのに
      たまたまキョンの後ろの席だっただけなのに…
      私の存在なんて、あなたにとっては自分の価値を高めるだけだった」
ハルヒ 「違うわ! 私はせめて、キョンの友達として幸せに過ごせるようにと思って…」
佐々木「それが私を馬鹿にしているといっているのよ! 私をライバルと認めてくれてなかった!」
ハルヒ 「…だってあなたは!」
佐々木「あなたみたいなワガママ女が キョンの彼女になれるわけがない!
      キョンの彼女になるのは…私 誰よりもキョンを愛しているこの私…
      いっぱいキョンに抱きしめてもらうの… 私を見つめてもらうの…」


920 :2/2:2007/04/30(月) 02:15:56 ID:rBunm1Yh
(佐々木、ハルヒを突き飛ばして『朝比奈ミクルの冒険』のマスターDVDを奪う)
ハルヒ 「? …あっ!」
佐々木「この子(=みくる)もキョンに可愛がられた?」
ハルヒ 「返して!」
佐々木「抱きしめられ あなたから庇われ サイズはえ…えふかっぷ…?
      そ、そんな幻想…打ち砕いてあげる! キョンが愛してるのは…」
(佐々木、DVDを力いっぱい握り締める)
ハルヒ 「やめて!!」
佐々木「本当に愛してるのは…   私よ!!」
(DVDが木っ端微塵に砕け散る)
ハルヒ「ああぁ! ああぁぁぁぁぁ!! キョンが撮影から徹夜で編集までしてくれたものなのに…
      キョンとあたしの思い出が詰まっていたのに… ああぁぁ…」
佐々木「ウフフフフフ アハハハハハハハ!」
ハルヒ 「どうして…どうして……… えーかっぷのくせに…」
佐々木「……なんですって?」
ハルヒ 「九曜に大きくしてもらった… えーかっぷのくせに」
佐々木「!」
ハルヒ 「虚乳!!」
佐々木「!!うおおおお!!! 涼宮ぁ!!」
(テテテテーテーテテテテテーテーテミッミッミラクルッテーッ)
ユキ  「何事にも潮時はあるというもの……」
ハルヒ「みくるちゃん! …じゃなくて有希!なんで?」
ユキ  「今の私は悪い魔法使いの宇宙人ユキ。
      朝比奈みくるが未来へ帰還し、朝倉涼子も情報連結を解除。
      この時代でのおっぱい戦争は終了した。
      アップデートデータベースセットバストサイズイコールエーカップウェアパーソナルネームイコールササキ...」
佐々木「何を言っているの? うっ!」
(佐々木の胸がえーかっぷに戻る)
佐々木「ひゃぁぁぁぁぁぁぁん?!!」
ハルヒ 「ふっ…」

佐々木スレ4-788 「僕のおっぱい」 「NHKへようこそ!」

2007-04-30 | 胸関連

788 :『僕のおっぱい』:2007/04/29(日) 15:08:04 ID:K6bsxOUy
『僕のおっぱい』
僕のおっぱいはえーカップ。発展途上国のように夢と希望がたくさん詰まっている、そんなおっぱい。
僕の理想はでぃーカップ。先進国のように周りから羨望の眼差しで見られる、そんなおっぱい。
「とりあえず夏までにはせめてしーカップには…なるかな?」
鏡に映る自分の水着姿を見てそんな言葉が漏れた。だ、だだだだって今年はキョンくんと海に行くんだもん!
キョンくんと海…キョンくんと海…ヤバい、鼻血出ちゃったよ!こうなったら妄想に浸るしかないよね!
ホワホワホワ~ン
キョンく~ん!お待たせ!WOW!なかなか良い肉体してるじゃ~ん!
キョンくんの胸板…キョンくんの胸板…
ハアハア…
キョンくんの腹筋…キョンくんの腹筋…
ハアハア…
キョンくんの海パン…キョンくんの海パン…
ハアハア…ブホッ!
ん?鼻血出てるって?あ、ほんとだ。え、ハンカチ使っていいの?ありがと!
キョンくんのスメル…キョンくんのスメル…
ハアハア…ブボボボボッ!
あ、ごめんねキョンくん。ちょっと貧血みたい。でもとっさに抱きとめてくれるなんて紳士だね!
え?なに?『佐々木はちっちゃいな』だって?
イヤァァァァァアアアアaaaaaa!


789 :『僕のおっぱい』:2007/04/29(日) 15:09:44 ID:K6bsxOUy
だめ!妄想だめ!一刻も早くおっぱいを大きくするための策を練らないと…
とりあえず牛乳?
ゴクゴクゴク…
ちょっと揉んでみたり?
モミモミモミ…
本命はやっぱりバストアップ体操だよね!
まず胸の前で手を合わせて…腕とかに力を入れながら左右に腰を捻って…

俺がその扉を開けて後悔したのは1秒後だった。そして直後に閉めた。まさか佐々木が水着であの体操をしてるとは思いもしなかった。いや、妹はよくやってるんだけどな。
「い、いやぁぁぁぁあああっ!」
なんて叫びが聞こえてきたのは佐々木の部屋の扉を閉めた10秒後だ。佐々木なりに何か思うところがあったのだろう。佐々木らしからぬ叫びを聞きながら「俺はお呼ばれしていたはずだよな?」等と自己を正当化すべく論述を展開していた。
「に、入室を許可しよう」
言われるまま俺は扉を開け佐々木の部屋に入る。佐々木は既に私服へと変化を遂げており目が真っ赤な事だけが気になった。
「すまん」
とりあえず謝る。
「本当にすまない。いや、ごめん」
もう、土下座すらも厭わない覚悟だ。


790 :『僕のおっぱい』:2007/04/29(日) 15:10:57 ID:K6bsxOUy
「顔を上げてくれ。キミを呼んだ事を忘れてあんな事をしていた僕が悪いんだ…」
ははは…
佐々木は最後に普段なら絶対にしないであろう、渇いた声を零した。視線は定まっておらず、あっちへ行ったりこっちに行ったり…
あまりにも崩れてしまいそうな佐々木に、俺は本心を打ち明ける事にしたんだ。


「佐々木聞いてくれ」
「なんだい?」
「俺、実はえーカップ萌えなんだ」
「えっと…どういう事だい?」
「いつぞやの…というより毎日の2人乗りの時に押し付けられるお前のおっぱいはそりゃぁ完璧なまでに俺好みの大きさだったぞ」
「そ、それって…」
「佐々木!おっぱい云々関係無しに愛してるぞ!」
「僕もだよ、キョン。こんな僕で良ければ是非とも幸せになろうじゃないか」

カラ~ン…カラ~ン…
こたえ~はいつもぼ~くのむね(おっぱい)に…♪

その年の7月、彼女の胸は彼の手によって凄まじい変化を遂げる。後の7月革命である。


791 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 15:12:46 ID:K6bsxOUy
唐突におっぱい投下しますた。


792 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 15:15:52 ID:W24tr8W/
風情があるな


793 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 15:37:24 ID:2wfwmZMo
これはGJ
こういうギャグ風味の奴好きだw
てかキョンはどんだけ佐々木のおっぱい揉んだんだw


794 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 15:41:07 ID:K6bsxOUy
>>793
その答えもそれぞれの胸の中にあるんだぜ…


795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 15:59:45 ID:iMLvV/jD
>>788
序盤の詩のような形式に
吹いたww


796 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 16:02:36 ID:8PnqR9sY
風情か!?
風情なのか!?


797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 16:10:39 ID:K6bsxOUy
GWっていったらおっぱいだもんな。かの松尾芭蕉もこの時期に作った俳句の季語に『おっぱい』使ったらしいぜ。それくらいおっぱいなんだ。


798 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 16:15:01 ID:7/JKmiSf
なぁ、みんな。
俺は思うんだ。

のいぢは、挿絵を描く場合、文中で特に描写が無い限り
胸を小さめに描く事が多いよな?

って事は、佐々木さんがホントに貧乳かどうかは、
まだまだ解らない。
驚愕で流ルンがどう書くかにかかっているんだよ!


799 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 16:15:26 ID:2dULEkw6
>>797
季語だと! き、貴様正気か!?
もしそれが正しいとしたら俺たちは夏や冬や秋はどうしたらいいんだ!?


800 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 16:16:13 ID:eHPppsTH
>>799
別の箇所に注目する。


801 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 16:19:41 ID:8PnqR9sY
乳房とか?


802 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 16:21:34 ID:K6bsxOUy
夏→鎖骨or二の腕
秋→うなじ
冬→太もも(ニーソ)

こうですか?わかりません>!


803 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 16:22:18 ID:2dULEkw6
春はおっぱい  *貧乳でも可
夏はくびれ   *ビキニ推奨
秋はうなじ   *ポニー推奨
冬はおしり   *厚着でも可

こうか!? >>800


804 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 16:23:15 ID:2dULEkw6
しまった、>>802とネタがかぶったorz


805 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 16:23:54 ID:2wfwmZMo
>>798
スニーカーの佐々木のイラストでは胸が結構大きく見えた。
佐々木の胸はCぐらいかもな。


806 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 16:30:27 ID:K6bsxOUy
>>804
いや、お前が一枚上手だよ…そうだな。くびれやおしりも大事な要素だ。だが鎖骨も忘れちゃならん(分裂の佐々木)
太もも忘れちゃならん(スニーカーの佐々木)
>>802&>>803合わせて日本俳句協会的な所に季語登録しなきゃな!おっぱいは登録されてる。

>>805
俺、今まで佐々木のひんぬーネタしか投下してこなかったけど改めなきゃな…(日本貧乳協会ネタとか)


807 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 16:37:53 ID:2dULEkw6
>>806
登録されてるのか!?w 


808 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 16:42:33 ID:K6bsxOUy
「NHKへようこそ!」
佐「日本俳句協会へようこそ!ここでは僕たちにちなんだ俳句を受け付けているよ」
橘「季語として登録されているのは以下の通りで~す!」
>おっぱい
>コペルニクス
>わかめ
>こんぶ
長「まだ募集中」
九「―――私の――――あだ名は―――こんぶで―――FA?」


809 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 16:49:57 ID:K6bsxOUy
春眠を
おっぱいもんで
まぎらわす
朝比奈みくる、授業中眠りそうになった時の俳句

おいわかめ!
お前ばかりが
出しゃばるな!
朝倉涼子、心の底からの俳句


810 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 16:52:04 ID:K6bsxOUy
五月雨の
光に輝く
こんぶかな
藤原、隣の宇宙人に対しての俳句

佐々木スレ4-785 ある日の夏休み

2007-04-30 | その他佐々木×キョン

785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 14:55:39 ID:NdvJs3KG
ある日の夏休み

キョン「佐々木、そのアイスくれないか?財布を忘れてな。
買う金が無いんだ。」
佐々木「そうか。でもこれは今僕が食べて・・・」
(はっ!待て私。もしかしたらこれはいわゆる間接キスになるのではないだろうか?)

キョン「そうか、やっぱりだめか。そりゃそうだ今日はこんなに暑」
佐々木「い、いや、やはりなんでもない。キミにあげよう。」
キョン「そうか?悪いな。」

佐々木「・・・」
(私が食べたアイスの部分にキョンの口が・・・ドキドキ)

がぶっ

佐々木「!?」

しゃりしゃり

佐々木「・・・」

キョン「うーん、やっぱアイスは一気に食べるのに限るな。
ん、どうした佐々木?やっぱり食べたかったのか?」

佐々木「いや・・・なんでもないよ」
(これは間接キスなんだろうか?)




という電波をなんとなく書いてみた。


786 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 15:04:54 ID:K6bsxOUy
>>785
フラグクラッシャーの名に恥じない働きをしますね。さすがですよね…っもうっ!佐々木さんももっと積極的に行けばいいのにっ!

佐々木スレ4-752 「宣戦布告?」(1)

2007-04-29 | 佐々木×キョン×ハルヒ

752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 09:21:51 ID:Lcq9Zwfn
では修正と推敲が終わったので投下します。
他スレで投下したものを修正したものです。
10レスほどを予定。原作158ページからの分岐です。

「宣戦布告?」

δ-1

『もしもし』
こだまのように返ってきたその声は、今朝聞いたばかりの女の声だった。
こいつの声を聞いて、なぜかはわからないが、俺にはこいつからそろそろ電話がかかって
きそうな予感がしていたし、実際かかってみると最近同じように電話で話をしたような錯
覚にとらわれた。
それはいいんだが。

「佐々木か?」
「正解だ。キョン、キミが僕という個体を第一声で認識してくれたことには痛快の念を禁
じ得ないよ。先日涼宮さんにキミの親友だと宣言した手前、僕の声をキミのシナプスが伝
達することに齟齬をきたすとなると、少々居心地が悪いのでね」
それを聞いて俺の脳内42型モニターに、先日の佐々木との邂逅の映像がビュンビュンと3
倍速で再生された。音声付きでだ。
だがなぜか、縁日で買い求めた変身ヒーローの出来損ないのお面のような、不思議とも何
とも表現しかねるハルヒの表情までもが再生され、理由もなく頭の中がチリチリした。

「ところでキミは入浴中のようだね。すまない、今さらだがかけ直した方がいいかい?」
いやかまわないと答えると、
「そうかい、では手短に話そう。キョン、キミは明日暇かい?」
俺が忙しいということは世界の危機が訪れているか、それともコペルニクス的大転回に巻
き込まれていることだろうぜ。
つまりは暇だ。

「そうだろうと思ったよ。いや、失礼。実は今、僕の手元に映画の鑑賞券がある。それと
いうのも、かつて東インド会社から発祥した市場主義経済における人類にとって重要な発
明の一つである株式の恩恵を享受できうる立場に僕の父がいるのでね」
つまりはどういうこった。
「端的に言うと、僕はある映画会社の一株主である父から映画の優待券の提供を受けたの
さ」
佐々木はそこで言葉を一度切り、一呼吸おいて再び話を続けた。

「昨日キミにはやや不愉快な思いをさせた詫びということもあるし、再びキミとの友誼を
厚くしたいという僕の願望もある。よければ明日、共に映画を見に行かないか?」
意外な提案だが、こいつと遊びに行くというのも悪くはないな。
別に躊躇することもないので即決した。
「ああ、いいぜ」
「そうか、承諾してくれてほっとしたよ。……では明日、いつもの駅前で午前9時に集合
でいいかな?」


753 :宣戦布告?:2007/04/29(日) 09:22:54 ID:Lcq9Zwfn
佐々木は修学旅行の予定表でも見ているかのようにそう提案した。
別に異論はない。
明日ならハルヒが来ることもないだろうしな。
かまわないぜと俺が返答すると、次に佐々木はまさにコペルニクス的大転回とも言うべき、
予想もしなかった提案を投げかけてきた。
「そこでキョン、キミに頼みがあるんだが……。明日、涼宮さんを誘って連れてきてくれ
ないか?」

俺には一瞬、佐々木が何を言ったのかわからなかった。
すまん、なんだって?
「キミが驚くのも無理はないが……ではもう一度言おう。明日僕とキョン、そして涼宮さ
んの3人で映画を見に行かないか?」
……なんと言おうか、次の日に台風と地震と大津波がやって来ると分かってしまっている
のにもかかわらず、しかもそれでも決行されることになっている遠足の前日のような心境
にさせる提案だ。

「一応聞いておこうか。誰が、そしてなぜ誘うんだ?」
「誰がと言う質問にまず答えよう。もちろん、誘うのはキミに頼みたい。僕はいくら涼宮
さんが有名でも彼女の電話番号を書き留めているわけではないし、またそこまでの間柄で
はないからね」
俺がどう言ったものか呻吟していると、佐々木はまるで交差点で一時停止を忘れた車のよ
うにとどまることなく話を続けた。

「次に何のため、だが、キミがツレと称した涼宮さんに興味を覚えてね。出来れば彼女の
人となりを知りたいと思ったのさ」
「確かに興味深い存在だが、ハルヒは端から見ていれば笑っていられるのであって、実際
に近くにいると、荒れ狂う台風の勢力圏にいるのと同じで、否応なく巻き込まれるんだぜ。
無闇に関わらない方がお前のためだ」
佐々木はくくっと一笑いし、
「キミの忠告には謝意を表したいが、僕はむしろますます会ってみたくなったよ。君がそ
こまで言う人にね。すまないがキョン、頼めるかな?」

世の中には人が見向きもしないようなモノを蒐集したがる好事家がいるというし、ハルヒ
に積極的に関わろうとする阪中のような物好きだっている。
佐々木がどういう気持ちで言ったのかはわからんが、まあそういったことだろう。
それとも、昨日の橘京子や周防九曜が関わっているんじゃないだろうな?
「キョン、その心配はしなくてもいい。今回の件に関しては彼女たちは無関係だ。この提
案は純粋に僕の願望から来るものさ。だが形而下ではなく形而上ではあるがね」

小難しい言葉を羅列しないでくれ。俺の青カビが生えたような脳みそではフル回転させて
も理解するのに小一時間はかかりそうだ。あまりの混乱で、俺の灰色細胞が創作ダンスで
も踊りそうだぜ。
すると何がツボだったのか、佐々木は再びくくっと笑い。
「いや、すまない。だが、そう言った切り返しをしてくれるのはキミしかいないな。ああ、
つまらないことを言ってしまったな。では涼宮さんの件はよろしく頼むよ。それと、キミ
のかわいい妹さんにもよろしく」
そう言い残して佐々木は受話器を置いた。
どこが手短だ……? 
結局長湯になっちまった。茹だりそうだ。


754 :宣戦布告?:2007/04/29(日) 09:23:45 ID:Lcq9Zwfn
しかも佐々木のやつ、厄介な宿題を出してくれたもんだぜ。
ハルヒを誘えだって? それはなんて罰ゲームだ? 残念ながら、俺にはわざわざ虎穴に
入るような趣味はないぜ。
俺は長嘆息して首を振り、湯船から足を浮かせてそのまま風呂場を出た。

風呂場を出ると、手早く部屋着を着て自分の部屋に戻り、子機を手にってハルヒの携帯番
号をプッシュした。
回線がつながり、ワンコール目の鳴り始め、まるで西部劇の抜き打ちガンマンのようにわ
ずか0.5秒ほどの素早さで電話に出るハルヒ。
早過ぎるだろ。お前は携帯電話を監視でもしているのか?

「キョンよね。なあに? いったい何の用なの?」
出るなりそれかよ。
ふて腐れた面をしたハルヒが目に浮かぶようだぜ。
「では単刀直入に言うぞ、ハルヒ。……明日は暇か? 別に暇じゃなければそれで良いん
だが」
どっちかというと暇じゃない方が有り難いぜ。俺にとってはな。
だがハルヒは思ってもみなかったことなのか、3秒半ほどのシークタイムの後、やや怪訝
そうな声色で返答した。
「そうね。明日は特別何か用事があるってわけじゃないけど……。だったら何? また不
思議探索でもやりたいっていうの? それとも小テストに備えて、勉強を見て欲しいのか
しら?」
そのどちらでもないさ。

「話というの他でもない、明日映画を見に行かないか? 実はチケットがあるんだが、
佐々―――」
「映画を見に行こうって誘っているの? しょうがないわね。あんたじゃ他に行ってくれ
る人もなさそうだし、いいわ、一緒に行ってあげるわ。これもあたしの団員たちへの優し
さの表れよね」
まるでうんうんと頷く姿が電話の向こうに見えるようだぜ。
「ちょっと待て、だからなハルヒ、佐々―――」
「良い? 明日の9時にいつもの場所で待ち合わせだからね。遅れたら死刑だから。じゃ
あね、早く寝なさいよ」
「おい、待てハル―――」

切っちまいやがった……。
ハルヒのやつ、俺と2人で行くものだと思っているんじゃないだろうな……?
しかもそんなに嬉々として切ることもないだろうに……。
だが考えても仕方がない。なるようになれだ。とは思いつつ、まるで目的地も聞かずに
突っ走ってしまうタクシーに乗ってしまったような、言いしれぬ不安でいっぱいだった。
俺は両手を広げ古泉のように肩をすくめ、部屋の壁に向かってそこに誰かがいるかのよう
に溜息を投げつけた。
結局、明日のことに思いを至らせ、それに苦悩しつつも普段よりやや早めにベッドに入っ
た。
あまり眠れなかったがな。


755 :宣戦布告?:2007/04/29(日) 09:24:42 ID:Lcq9Zwfn
翌日、波状攻撃のごとく襲い来る睡魔に負けそうになり、妹の実力行使で名誉の戦死を遂
げてしまいそうになりながらも、普段より心持ち早めの起床と相成った俺は、身支度を調
えると一段一段踏みしめながら階段を下り、ダイニングへと向かった。
ダイニングのテーブルに着くと、妹はすでに口いっぱいにパンをほおばって間抜け面をさ
らしているところだった。
みっともない顔はやめなさい。
「キョンくん、今日はハルにゃんとデート~?」
そううそぶく妹に即座にハリセンでツッコミを入れたいところだったが、面倒なので黙殺
した。

それに、下手に答えようものなら勝手について来かねない。こいつには前科がありすぎる
からな。
タイミングよくトースターの焼き上がりのブザーが鳴ったのをこれ幸いにと、焼きたての
トーストを妹から受け取りそれをかじった。
未だ脳がよく働いていないせいか、ハルヒが見ていればおそらく罰ゲームをありがたくも
授かるであろう表情でトーストをくわえながら、今朝のニュースをぼんやりと眺めた。
そうして一度ブルブルッと頭を振ると、眠気覚ましを兼ねた苦めのコーヒーで残りのパン
を流し込み、朝恒例のイベントが終了だ。

それからしばらくソファーでくつろいだ後、時間になったので今日薄くなることが約束さ
れているマイ財布をポケットに突っ込み、ショルダーバッグを引っ掴んで玄関に向かい外
へ出た。
そこで玄関前に用意していたママチャリに跨り、目的地に向けてゆっくりと発進させた。




穏やかな春の匂い立つ風が吹く中、いつもの不思議探索とは違いゆったりとしたスピード
で駅前にたどり着いた。
そのまま自転車を駐輪場に預けると、佐々木かあるいはハルヒが待っているであろう公園
に向かう。
俺は昨日と寸分違わぬその風景を瞳から俺の脳に流し込みつつ、ゆったりとした足取りで
公園に到着した。
そこでは、予定の時間より20分も前だというのに佐々木がすでに待っていた。
律儀なやつだ。ああ、そういえばそうだな、佐々木はこういう女だった。
しかし、どうやらハルヒはまだのようだ。
俺は佐々木に近づくと、舞い散る桜の花びらのように手をひらひらとさせて合図した。

「やあキョン、約束通り来てくれたね。しかし、君が先に来るとは意外だったよ。まさに
青天の霹靂だ」
そこまで大げさに言うこともないだろうに、親しい仲とはいえなかなか失礼な発言ではあ
る。
すると佐々木は手を口にやり、くくっと一笑いするとさも楽しそうに俺を仰ぎ見た。
「これは失敬。親しき仲にも礼儀ありとはいうが、僕はキミに対すると、どうもあまり考
えることなく気安く発言してしまうようだ」


756 :宣戦布告?:2007/04/29(日) 09:25:44 ID:Lcq9Zwfn
まあ、久しぶりに会った今でもあの頃と同じように気安い会話が出来ると言うことも悪く
はないがな。
しばらくの間俺たちが談笑していると、佐々木が不意に俺の背後に向かって微笑みかけ軽
く会釈をした。
なんだ、背後霊でもいるのか? と思ったのもつかの間、突如シベリアの永久凍土に放り
込まれたかのように猛烈な寒気と怖気がゾクゾクと俺の背筋を襲い、わけもなく血の気が
引いた。

「キョン、いったいこれはどういう事?」
振り返ればハルヒがいた。
ハルヒは顔つきこそはっきりとした喜怒哀楽は示していないものの、ハルヒが周囲にまと
わりつかせている空気というか雰囲気は、明らかに異質のものだ。
……やっぱり勘違いしていやがるぜ。ハルヒのやつ。
「よ、よう、ハルヒ。今来たのか」
何をどもっているんだ俺は……?

「キョン、どうして佐々木さんがここにいるわけ?」
声が冷たい。まるで太陽系の果てのように冷え冷えとしている。
「ハルヒ、お前が何を誤解しているのかはわからんが、昨日俺は佐々木と一緒に映画を見
に行かないかとお前を誘おうとしていたんだぜ」
「はぁ? どういうことなの。あんた、あたしを映画に行かないかって誘ったじゃない」

「そもそも、それがお前の早とちりなんだ。だいたいお前は人の話を聞かなさすぎる。頼
むから最後まで俺の話を聞いてくれ」
しかし、俺とハルヒのそんな諍いをしばらくは静観していた佐々木までもが、胡乱な表情
で口をはさんだ。
「キョン、キミはいったいどう言って涼宮さんを誘ったんだい? これではどうも、僕が
君たちのデートの邪魔をしてしまったように見えるじゃないか」

「佐々木、お前は何を言っているんだ。俺はこいつを誘うとき、きっちり説明しようとし
たさ。だが……」
と言いかけたところでハルヒがそれを遮って口を出す。
少し頬に朱が差して見えるのは俺の気のせいか?
「そ、そうよ。佐々木さん。あたしは別にそういうつもりじゃなくて、キョンがどうして
も映画に一緒に行って欲しそうだったから、仕方なくつきあってんのよ。だから、デート
だなんてとんでもない誤解よ。天地がひっくり返ってもありえないことだわ!」

そこまで言うこともないだろう。さすがに凹みたくなるぞ。たとえハルヒが相手でもな。
しかし勝手なことを言う女だ。そもそもハルヒが俺の話もろくすっぽ聞かずに勝手に早合
点して電話を切っちまったんじゃないか。
俺のつぶやきを耳にした佐々木はくくっと笑い、俺の耳に口を近づけ囁いた
「そうかい。それを涼宮さんはキミと二人きりで出かけるのものだと思ったわけだね」
まあ、そういうことだ。

佐々木はそれを聞いて頷くと、今度はハルヒに向き直り、その透き通った瞳でハルヒを見
つめた。
そして佐々木はハルヒに簡単に事情を説明すると、すかさず、
「ごめんなさいね、涼宮さん。キョンがきっちり説明しなかったせいで勘違いさせてし
まって」
佐々木の女言葉での謝罪にハルヒは一瞬戸惑い、なぜか俺を一度ねめつけた後すぐに佐々
木に向き直り、そしてかぶりを振った。
「ううん、佐々木さん。あなたが謝ることはないわ。悪いのはこのバカキョンだから」
待て。俺か? 俺が悪いのか? いや、どう考えても悪いのは勝手に勘違いしたハルヒだ
ろ。


757 :宣戦布告?:2007/04/29(日) 09:26:39 ID:Lcq9Zwfn
まるで犯人はヤスとでも宣告された気分だぜ。だがそんな俺の心の叫びにはまるで斟酌す
ることなく、ハルヒと佐々木は笑顔を向けあった。
今度は佐々木が再び口を開く、
「涼宮さん、よければ私たち3人で映画を見に行かないかしら? それともキョンと2人
きりがいいのなら、私はここで失礼してもいいけど」
「そ、そんなわけないでしょ。別にキョンと2人が良いってわけじゃないんだから……い
いわ、佐々木さん。みんなで一緒に行きましょう」
佐々木はすかさず首肯。

ともかく、これで丸く収まったな。
ハルヒが単に佐々木にうまく乗せられたようにも思えるが、気にしないことにした。
ともあれ、俺たちは連れだって駅の改札へと向かうことにした。



俺たちは私鉄を利用してここらで一番の大都市に向かった。
電車の終点でもあるそのターミナル駅を後にすると、お目当ての映画館へと足を進める。
その間地下に潜り階段を上るなど、複雑な道のりを経て歩くこと10分少々、さすがに地
下街のジャングルにも飽きが来たところ、俺たちはまるで姫がとらわれている塔を探し求
める勇者一行のように、やっとのことで目的地に到着した。
本日の目的地であるその映画館では、常時3本ほどの映画が上映されており、今回俺たち
が入館するのはそのうちのひとつの劇場で、そこではどうやら恋愛ものの映画をやってい
るようだ。
それにしても、恋愛否定組の2人にしちゃ似合わない選択だが、これしかなかったのか?

「たまにはこういったジャンルも良いだろう? キョン。自分の主義主張とは全く真逆の
ものにも関心を持つということは、個々の感性の幅に厚みをもたせるものさ」
そう言いつつ、佐々木とハルヒがずんずんと入り口へと進んでいく。
そこで佐々木が例の優待券をバッグから取り出し、受付のもぎりのバイトに引き渡して中
へと進んだ。




館内が暗闇に包まれて約2時間、上映はつつがなく終了し、俺たちは劇場を出た。
ああ、映画の内容だが、俺は途中で新大陸を探し求めるコロンブスのごとく船を漕いでし
まっていたので、ほとんど覚えていない。
なにしろ内容と言えば、古泉のごとく人類の敵のようにツラのいいやつと、朝比奈さんに
も似た可憐な一輪のヒナギクのような女性との恋愛模様だ。
気分のよいであろうはずがない。
やれやれ、古泉が朝比奈さんを口説いているところを想像してしまったぜ。
まったく、むかっ腹が来る。明日古泉に一発お見舞いしてやろうか。
チケットを提供してくれた佐々木には悪いが、見ていられなかったな。

もしハルヒか佐々木に感想を聞かれれば、適当に「よかった」とでも答えておくか。
それでごまかせるとも思えんが。
俺は護送中の容疑者のように二人に両側を固められ、映画館を後にした。
普通の男なら両手に花だと喜ぶんだろうが、相手が相手だからな。
俺たちは映画館の外へ出たあと、これから昼飯でも食いに行こうかと足を地下街へと再び
進めていると、ハルヒが道路沿いの植え込みの近くで立ち止まり、おもむろに口を開いた。
「キョン、映画どうだった? 感想を100字以内で述べなさい」
さっそく来たぜ。つうか、記述式の問題かよ。


                                  「宣戦布告?」(2)に続く

佐々木スレ4-752 「宣戦布告?」(2)

2007-04-29 | 佐々木×キョン×ハルヒ

758 :宣戦布告?:2007/04/29(日) 09:27:31 ID:Lcq9Zwfn
それでもさっき考えていた感想を口に出してみる。
「ああ、中々よかったんじゃないか?」
だがハルヒは俺に続きを言わせず、下手人を裁く名奉行のように即座に切って捨てた。
「嘘ね。あんた、1ミリ秒も考えずに用意していた答えを出したでしょ? わかってんの
よ。キョン、あんた映画が始まって15分ぐらいからずっと寝てたでしょ」
ばれてたのか……。
しかも、佐々木が歩兵の援護を行う砲兵のようにさらに追い打ちを掛ける。
「その後クライマックス寸前で目を覚ましていたみたいだけど、ラブシーン直前で再び意
識レベルがゼロに限りなく近づいたようだね。キョン、僕はキミに仮眠室を提供したつも
りはないのだが、それほど環境の良い寝場所だったかい?」

俺の行動が逐一二人に監視されているような気がするが、まあいい。
だが幸い二人は特段怒ってはいないらしく、俺をからかっているだけのようだ。
「すまん、佐々木。なにしろ座席の座り心地はいいし、劇場内は眠気を誘う暗さだったも
んでつい、な。悪かったよ、せっかく誘ってくれたのにな」
本当の理由は言わないでおく。
俺の弁解を聞いて、佐々木は少し表情を緩めると俺を悪戯っぽい目線で捉えながら、
「薄々予感はあったよ。映画に行く前からね。僕が言うのも何だが、キミが関心を持ちそ
うな映画ではなかったからね。僕の選択ミスかな」
それなら別の映画にしてほしかったのだが。

「でも、悪くはなかったわね、あの映画。ちょっとご都合主義が過ぎるところもあるけど、
及第点はあげられそうだわ」
などと、おべっかを使えない辛口の映画評論家のようなことをのたまうハルヒ。
さらにハルヒの批評が続いた。
「なかなか的を射た批評ね」
そう言うと佐々木は、ハルヒに対して微笑みかけた。
俺は堪能したがね

往来で談笑するその二人の姿は、実にほほえましい情景で、しかも黙ってさえいれば絵に
なりそうな美少女と言えなくもない二人が並んで立っているのだ。
そのせいか、他の通行人たちがこの二人と、そしてなぜか俺に対しても好奇の視線を無遠
慮に投げかけている。
これではどうも、尾てい骨の辺りがむずむずして仕方がない。アイドルのマネージャーに
でもなった気分だ。
ハルヒはアイドルって柄じゃないが。

だが俺は、これ以上衆目にさらされてしまうと羞恥心を感じる程度にはまともな人間なん
だ。瀬戸物のような不導体のハルヒと違ってな。
俺としては、ここから逃げ出したい気分で一杯だ。
そこで耐えられなくなった俺は、ハルヒと佐々木の二人を促し、再び地下街へと足を踏み
入れることにした。



俺たちは多くの人が行き交う地下街でひとしきり飲食店を物色し、あれでもないこれでも
ないと迷ったあげく、ハルヒの鶴の一声で、卵料理を出す店に入ることになった。
こいつも意外に、普通の女性が好むものを食おうと思うんだな。
トンカツなんかをガツガツ食い散らかしそうなイメージがあるが。
俺の思いこみ、というか偏見か?


759 :宣戦布告?:2007/04/29(日) 09:28:19 ID:Lcq9Zwfn
テーブルに着いた俺たちはメニューをためつすがめつし、各々が好きなものを注文した。
しばらく談笑していると、注文の料理が運ばれてきたので俺はスプーンを手に取り、一口
それを運ぶ。
うん、なかなかいける。
ハルヒと佐々木も満足そうだ。
すると佐々木は俺に向かってある提案をした。

「キョン、よければキミのを少し交換してくれないか?」
ああいいぜ、と言って俺は佐々木の、そして佐々木は俺の皿から互いに一口掬って自分の
口に運ぶ。
これもなかなか美味いな。
「…………」
「どうしたハルヒ?」
なぜか表情が失せている沈黙のハルヒに声を掛けてみたが、あわててかぶりを振った。
「なんでもないわ!」
ハルヒはなんとも表現しがたい表情で、だがことさら感情を消しながら俺たちを見つめて
いたが、すぐに何もなかったかのように振る舞った。
わけがわからん。

その後昼飯を食べ終えた俺たちは、若い女性向けの服を扱っている店へと足を運んだ。
俺は激しく遠慮したかったんだがな。
女性向け店舗の中で男が一人で待っているという状況は、針山に座禅を組まされているよ
うな居心地の悪さを感じるものだ。
我慢大会か罰ゲームか、どっちでもいいからそろそろ勘弁して欲しい。

いいかげん耐え切れなくなりそうになったころ、試着室から佐々木が真新しい服に身をつ
つんで出てきた。
白地にグレーチェックのサマーニットで、チュニックタイプというらしい。
らしいと言うのは佐々木がそう言っていたからだ。もちろん俺が知っているわけがない。
「キョン、この服はどうだろう。キミに意見を求めたい」
俺に聞かずにハルヒにでも聞けばいいのにと思いながらも、
「ああ、よく似合っているぜ。お前のその細身の体には、そういった服が似合うのかも知
れないな」

そう答えると、佐々木はやや複雑そうな表情で、
「ほめてもらうのは光栄だが……。キョン、キミは今、僕の身体的特徴を遠回しに貶さな
かったかい? これでも多少は身体的数値は増しているんだがね」
なんのことだ? 俺にはまったく覚えがない。
「分かっていないのか。いや、それなら良いんだ。それでこそのキョンだものな」
佐々木は頷きながら俺を見上げ、そしてくくと含み笑いをした。
何やら俺がバカにされたような気がする。
だが俺は気の利いた言い回しが思い浮かばず、呆気にとられた表情のままだった。

「…………」
ここでもそうだ。
すでに買い物を終えたハルヒは、沈黙したまま俺たちのやりとりを見つめていた。
なんだろうな? 
「ハルヒ、トイレにでも行きたいのか?」
我ながら間抜けな質問だと思う。
「違うわよ、バカっ!」
案の定こういう切り返しに合うんだ。


760 :宣戦布告?:2007/04/29(日) 09:29:10 ID:Lcq9Zwfn
途端にハルヒからはやや怒気を含んだ視線が感じられて、頭の中の火災報知器がイタズラ
押しされたようにジリジリと鳴った。
妙な汗が噴き出してきた。
不穏な空気を感じとった俺は、佐々木がレジをすませたのを見計らって二人を促し速やか
に店を出た。
そこでとりあえず、茶店にでも入ってハルヒの機嫌直るのを待とうと思い、一休みしない
かと俺が提案して、適当に見繕って落ち着いた雰囲気の茶店に入った。
しかし俺と佐々木が中学の頃のことを話していると、見てもわかるほどにハルヒの表情が
変化していき、ストローをくわえたまま仏頂面で俺たちに視線を固定させている。
そして時折『ズゾゾッ』とストローで氷を吸い、穴を穿った。

しかし何に対して怒っているのか、ハルヒは自分でも分かっていないように見受けられた。
もちろん俺にもわからない。わかるはずがない。
ただ俺と佐々木が思い出話しに花を咲かせていただけじゃないか。何の問題もないはずだ。
ハルヒを不機嫌にさせる要素はないのだからな。
佐々木は気づいているのかいないのか、平然としているが、これ以上はまずいと俺の動物
的本能が告げている。いや、経験則と言っても良いのかも知れない。
まるで虐げられることが予想されている少数民族のように紛争の匂いを嗅ぎ取った俺は、
敵国に送り込まれた使者のごとく適当な理由を並べ立てて茶店を後にした。
ともあれ、俺たちは今日一日、楽しいひとときを過ごしたことを手みやげに、再び私鉄の
電車に乗り込んで、北口駅前まで戻ることになった。



電車を降り立ち、北口駅の改札を出た俺たちは、最初の集合場所である駅前の公園に解散
場所として向かうことにした。
ハルヒは支線でそのまま帰ればよかったのだが、一度そこに戻りたいということらしい。
それほど余分な電車代があるのなら、たまには俺にもおごって欲しいもんだ。
まあ、気まぐれなハルヒらしいが。
俺は二人に先んじて駅の階段を下り、預けていたママチャリを引き取りに向かった。
地上に降り立つと、やや風が強めなのか公園に植わっている緑なす木々が揺れている。
そういえば少し寒くなってきたか? 俺は引き上げてきたママチャリを押しつつそう感じ
た。
だが遅れて公園にたどり着き、俺を待っているハルヒはその強風に身じろぎひとつせず、
仁王立ちで、また彼女の極小スカートも翻ることなく、まるで5キロの錘を下げているか
のようでこの風にも揺らめく程度だ。

この重力スカートを解明できればノーベル賞でももらえそうだ。
佐々木はといえば、そのサラサラとした髪の毛を抑えながら風に耐えている。
佐々木もミニスカートだが、例によって捲れ上がることはない。
別に期待しているわけではないが。念のため。
俺はその様子を目の端にとめながら、ママチャリを二人が待つ公園まで運んできた。

ハルヒは俺の到着とともに不機嫌そうな表情を続けつつ顔を見据え、やおら口を開くと、
「じゃあ、そろそろお開きにしましょう」
その一言を言いたいがためにわざわざ公園まで来ることもなかろう、と思いつつも俺と
佐々木はうなずき、それぞれ体を帰り道の方向へと向けた。
そこで俺がママチャリのサドルに跨り漕ぎ出そうとしたところ、佐々木が思い立ったよう
な表情で俺に近づき、
「キョン、よければキミの自転車に乗せていってくれないか? あのころのように」
気のせいかも知れんが、ハルヒの表情が険しくなったように感じた。
いや、見てはいない。いわゆる心眼というやつだ。


761 :宣戦布告?:2007/04/29(日) 09:30:30 ID:Lcq9Zwfn
少し躊躇したが、佐々木を乗せるくらいは訳ないだろうと考え直し、佐々木に頷きかける
とママチャリの荷台からホコリを払い落とした。
「すまないね」
といいながら佐々木は俺の後ろに座り、俺のサドルに手を添えて体を固定する。
「…………!!」
だが、またしてもハルヒの体から滲み出ている、どんよりとした雷雨でも降り注ぎそうな
空気が、俺の肌をタワシでこするようにガシガシとまとわりついてきた。

その雰囲気に俺は振り返ることも出来ず、ハルヒ向かって「じゃあな」の言葉だけ置き捨
てて、手をひらひらと振りつつ自転車を発進させた。




公園を後にした俺は、ほぼ1年ぶりに佐々木を荷台に乗せ、帰り道をゆったりとしたス
ピードで走り出した。
口には出せないが、後ろに座っている佐々木は1年前より重くなったように感じる。
成長の跡が感じられたようで、まことに喜ばしいことではあるが。
だが、漕ぎ始めてしばらくの間は佐々木は考え事をしているのか何も話しかけてはこな
かった。
何を考えているんだろうな。失礼な振る舞いをしたハルヒに憤ってでもいるのか?

佐々木はそれを気配で察知したのか、俺が緩やかな勾配をえっちらおっちらペダルを踏み
込んで上りつつあるときに口を開いた。
「キョン、別に僕は彼女の態度に対して怒りを覚えたわけではないよ。実はね、今日僕は
涼宮さんと共に行動していて、一つ感じたことがある。そのことを考えていたのさ」
こんな息の切れそうな状況で話しかけてこなくてもとは思いつつ、
「それはなんだ?」
「僕と涼宮さんには一つの共通点があることが分かったよ」

何を言いだすんだ……。お前とハルヒじゃ性格も考え方もまるで違うだろう。

それを聞いて佐々木はくくっと笑うと、
「表層的には確かにね。彼女は動的、例えるなら興味津々に対象物に好奇をぶつける猫か
な。それに対して僕は内向きの思考で籠の鳥だね。それは静そのものだ。確かにそうだ」
何を言いたいのかわからない。ハルヒの精神分析でもやろうというのか?

「だがね、彼女と僕とは共通する点が一つある。今日、彼女を見ていてよくわかったし、
身につまされもしたよ」
聞こうじゃないか。その共通点とやらを。
後ろで頷くような気配がして、佐々木が話し始めた。
「涼宮さんの心の中には、こんなものはまやかしだとは思いつつもそれが積もり積もって
どうにもならない感情が、まるで崩れる寸前の土砂のように堆積しているのさ。だがそれ
を肯定するには彼女の主義が許さないし、かといって否定ももはやできない。今も彼女は
知らぬふりをしながら、いや、頑として認めずに土砂崩れしそうな山道を通り過ぎている
のさ。本当は崩れそうなことを知っているのにね。……本当に、一年前の僕と同じさ」

口を挟むべきか否か、そもそも俺には理解しかねる話だ。
「すまないね。だが、キミはわからなくてもいい。それでも聞いていてくれないか?」
俺は佐々木の確固たる意志のようなものを感じ取り、黙って頷いた。
「最後にもう一つ、僕の中にもあの頃の揺らめきが蘇ってしまったよ。一年前に胸の奥に
しまって置いたはずなのにな。改めて再認識してしまったよ。ふふっ、キミたちと一緒に
いたせいかな。本当はこれも予想できたことなのだがね」


762 :キョンと変な女 その4:2007/04/29(日) 09:32:11 ID:Lcq9Zwfn
佐々木は自嘲気味にそうつぶやいた。
だが俺は言うべき言葉も見つからず、ひたすらペダルに回転運動を与えていた。
佐々木は少しの間沈黙し、そして意を決したように再び口を開いた。
「キョン、明日涼宮さんに会ったら伝えてくれないか?」
ああ……いいぜ。なんて言うんだ?
「『あなたから取り戻す』と、そう伝えて欲しい。ああ、キミは理解できなくてもいいよ。
理解できればなおさらよかったのだがね」
俺は相変わらず佐々木の言う内容の10%も理解できず、それでも伝言を伝えることを承
諾した。

その後は会話をすることもなく、俺は太陽が沈みゆく赤らんだ空を背にして佐々木を自宅
まで送り届けた。
途中からサドルを掴んでいた佐々木の手が、俺の腰に回されていたことに気づかないふり
をしながら……。



その日の夜から翌日まで、いろいろとやっかいな事が我が身に降りかかってきた。
まずはその日の夜、ハルヒから怒りの電話だ。

「キョン、彼女のどこが親友なのよ!? あれじゃあ、まるで……」
まるで、なんだ?
「うっさい。バカキョン!」
そう喚いて切りそうになったところあわてて呼び止め、佐々木から言付かっていた伝言を
伝えた。
ハルヒは10秒ほど沈黙し、
「……これは……ううん、何のことかよくわからないわね。でも、無性に腹が立つわね。
……それじゃ、もう切るわよ。それからあんた、明日打ち首だから」
打ち首かよ。やけに具体的だな。


そして翌日の学校―――

「あなたは僕に死ねとおっしゃるのですか?」
神人退治(通常の倍ほどを相手にしたそうだが)で一睡もしていない古泉に問い詰められ、
「…………」
全てを見透かしているんだろう、氷室から出たばかりのように凍り付きそうな視線でまん
じりともせず俺を見つめ続ける長門。
朝比奈さんはと言えば、俺がなぜ責められているかまるでわからず、キョトンとした表情
で俺たちの諍いを見守っていた。

これではハルヒが来ても誰も擁護してくれそうにないな。

打ち首決定だ。



俺は朝比奈さんから給仕されたお茶をすすりながら、嵐の前の静けさというやつを満喫し
た。
あの日の夜、佐々木から再び誘いを受けたことは、決してハルヒには漏らさないようにと
誓いながら……。

終わり

**


以上で終わりです。
長くなって申し訳ない。では。


763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 09:35:39 ID:Lcq9Zwfn
>>762
タイトル間違えてしまった。

佐々木スレ4-750 ハルヒ神人が暴れて苦しむ佐々木

2007-04-29 | その他佐々木×キョン

750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 08:29:11 ID:KdD7vkmR
些細なことが原因でハルヒの閉鎖空間に神人大量発生
あまりにたくさんなので一部を佐々木の閉鎖空間に移すことに

古泉「ご協力感謝します佐々木さん」
佐々木「なに一刻を争う事態だそうだからね、仕方ないさ」
古泉「じゃあお願いします、橘さん」
橘「はい…」

ハルヒ神人が暴れて苦しむ佐々木

佐々木「うっ!……ゲホゲホ……くるし……ハァハァ」
橘「さ、佐々木さん!大丈夫なのですか!?」
藤原「ちっ!もう見てらんねーぜ、僕が涼宮ハルヒごとぶっ殺してやる!」
橘「やめるのです!」

佐々木の手を握るキョン

佐々木「き、キョン…」
キョン「佐々木!大丈夫か!?」
佐々木「キョン………僕はもうだめだよ…わかるんだ」
キョン「な、なにいってやが―」
佐々木「何もキョン泣くことなんてないさ…僕なんかのために……
     むしろ喜ばしいことだと思わないかい?僕一人が犠牲になることで世界が救われる。願ったって出来ることじゃないよ、くっくっ……げほげほ!
     ねぇキョン、ひとつだけお願いがあるんだ…いささか恥ずかしいお願いだけど聞いてくれるかな?
     もう少しでお別れだろうけど、その時まで僕の手をずっと握っていてほしいんだ。
     死ぬのは怖いってずっと思ってきたけど、全然そんなことないんだね…キョン、君がいてくれたら僕に怖い物なんて―――」

キョン「さ、佐々木!?佐々木ーーーーっ!!!!!!!」



てなかんじのss誰かよろしくお願いします


751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 08:43:08 ID:1zKZRj/U
「―――死ぬんじゃない。何でも言うこと聞いてやるから!」
 本当かい?それは良いことを聞いたよ。心なしか体が楽になったように感じるぐらいにね。
 ………でも、こんな貴重な機会をその場の勢いに任せて消費すれば僕とキミとの友情に遺恨を残し兼ねないし、
 そもそも、いち高校生であるキミに出来ることに絶対的な限度があることは火を見るより明らかだ。
 そうだね、差し当たっては二人っきりで食事でもしながら、今後の予定でも話すとしようか、くっくっ」

「「「「―――仮病/かよ/ですか/だと/―/.!?」」」」
「失礼だな。楽になったと僕は言ったはずなのだが」

佐々木スレ4-747 小ネタ

2007-04-29 | 佐々木視点のss

747 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 05:51:05 ID:iMuQ7SIZ
暦の上では十分に秋と言える時期だったが、気候の上ではまだそれなりの暑さを残した程度の時候。
リフレッシュを兼ねた日課としている休日早朝ジョギングの最中、妙なものが落ちているのに気が付いた。

何これ――鳩の羽根? 白い鳩なんてこの辺には居ない筈だったけど。

好奇心からか、その羽根を摘み上げ、まだ柔らかい日光に透かしてみる。
空が高いな――
羽根の向こうに見えた巻積雲が視界に収まり、私はただそう思った。


卒業式のあの日以来、私達は会う事も言葉を交わす事も無かった。
「じゃあ、またな――」
「――ああ、またいつか」
『いつか』は、まだ来ていない。

彼の事が好きでは無かったと言えば嘘になるだろう。
友達としての好意は当然のようにあったし、彼と言う人間に惹かれていた事も事実。
でも――
彼との関係が途切れる事に比べたら、あの頃はそれは大した事では無いように思えた。
彼と一緒に居る時間は、私にとって最上の時間だったのだから。
それ以上を考える事など、意味の無い事だと思っていたのだ。

「キョン――」
「ん」
「――いや失敬、何でもない。忘れてくれ」
「どうした、珍しいな。何か悩み事でもあるのか?」

あの頃、彼に自分の真意を伝えるべきだったのか。そうではないのか。
ただ彼と一緒に居たかったから、私は『彼の友達』としてのロールを選び、それは為された。
切っ掛けさえあれば『彼の彼女』としてのロールを選び直す事だってできたかもしれない。
それをしなかったのは私の弱さだ。彼と一緒に居たかったからこそ、私の真意を圧殺してきた。
幾夜の間を煩悶とし、それでもなお今の関係こそが最善なのだと、そう自分を納得させながらも
どうしようもなく抑えられない気持ちが今も心の奥底で疼く。

――恋愛が精神的な病と言うのなら、私は完全にインヴァリッドだ――

彼と離れたのに、否、だからこそ、それが実感としてよく判る。
いつも近くにいたせいで、そんな事にも気付かなかったんだ――


――突然の突風が全身を煽り、私は我に返った。どれほどの間、空を見上げていたのだろうか。
右手で摘み、空に翳していたあの白い羽根は吹き飛ばされてしまっていた。
天球で控えめに光を反射し輝く月の彼方へと、まるで舞い踊っているかのように。

この空の下にいるキミに、いつか私の思いが伝わりますように――
願を掛けるなんて柄ではないけれど、飛び去る羽根を見送りながら、私は思った。


---

ネタ元は茶太の『誓い』。歌から膨らませるの難しいな……
『俄雨』とかもいい感じだと思ったのだけれどPart3の678-680『雨宿り』が
相当にそのまんまだったので見送り。あれはGJだ。

というか連休初日から何やってんだ俺

佐々木スレ4-741 佐々木×キョン

2007-04-29 | その他中学時代ss

741 :小ネタ1/2:2007/04/29(日) 02:50:47 ID:7stgfy8G
女子A「ねぇねぇ、佐々木さんってキョン君と付き合ってるの?」
佐々木「キョンとは別にそういうのじゃないよ」
女子B「えーっ!付き合っちゃいなよ~!いっつも二人で仲良く喋ってるじゃん」
佐々木「だからって、付き合う必要ないでしょ?」
女子A「ん~そうだけどさぁ。塾も一緒なんでしょ?」
佐々木「ソレは本当に偶然だよ」
女子B「ふーん」
女子A「キョン君ってさ、結構面倒見良くて頼れるよね」
女子B「わかるわかる!結構いいよね~」
佐々木「え……そうなの?」


744 :小ネタ2/2:2007/04/29(日) 02:55:48 ID:7stgfy8G
女子A「そうよ。モテモテって程じゃないけどね。あたし狙っちゃおうかな~」
女子B「ルックスも悪くないもんね」
佐々木「ち、ちょっと待って。この受験のさなかに恋愛なんかにうつつを抜かしていいの?」
女子A「受験だからこそよ!お互い励ましあって頑張れるんじゃない」
佐々木「その発想は無かっ……いやいや、恋愛感情なんて物はね、一種の精神病だよ
一時の感情に任せて自分を見失うなんて、この時期一番やっちゃ駄目じゃない。
止めた方がいいよ。あなた達の為に言ってるんだよ。いや、ホントよ」
女子A「ふぅ~ん」ニヤニヤ
女子B「へぇ~」ニヤニヤ
佐々木「うっ…い、いや、だかr」キーンコーンカーンコーン
女子A「あっ、残念~休み時間終わっちゃった」
女子B「佐々木さん、後でね~」



放課後
佐々木「今日から一緒に塾に行かないかい?」
キョン「えらく突然だな…別に構わんが」
佐々木「くっくっ、よろしく頼むよ、キョン」

佐々木スレ4-739 「佐々木の日記帳」

2007-04-29 | 胸関連

739 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 02:27:34 ID:EFQGhH4V
>>735
あー、表現が悪かったかな
鬱と言うより切ない系な感じだ


甘いやつではないが
ちょいと気分変えたネタを投下



『佐々木の日記帳』

〇月×日
キョンの家で勉強をすることになった
そこでなんとエッチな本を発見してしまった
胸がバイーンでボイーンな外国人が載っている本だった
その場はなんとか誤魔化せたけど…

やっぱりキョンも胸が大きいのがいいのかな?
私の胸は…

よ、よし!牛乳買ってこよう!








続く?

佐々木スレ4-732 僕っ子萌え

2007-04-29 | その他中学時代ss

732 :小ネタ:2007/04/29(日) 01:39:10 ID:7stgfy8G
「キョン、実は…大事な話があって……」
「何だ?」
「えっと…あの、その…つまり…」
「じれったいな、じゃあ俺の話を聞いてくれるか?」
「えっ?何?」
「実は俺…僕っ子萌えなんだ」
「そ、それって…つまり…」
「あぁ、好きって事さ」
「キョン…」
「国木田…」



佐々木「ハッ!……なんて夢だ……しかし、僕っ子か…………」



翌日
キョン「あれ?佐々木って前から僕だったか?」
佐々木「くっくっ、僕は前から僕じゃないか」

佐々木スレ4-716 佐々木の質問

2007-04-29 | その他佐々木×キョン

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 00:15:49 ID:1zKZRj/U
「キョン、実は先日ネットサーフィンをしている時にぬるぽという単語を目にする機会があったのだが、
 ぬるぽとは一体どんな意味なのか僕に教えてくれないかな?
「ガッ」
「………………………(´;ω;)ブワッ」

佐々木は逃げ出した!!

佐々木スレ4-703 「For Nothing」

2007-04-29 | その他佐々木×キョン

703 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/28(土) 23:52:56 ID:LnnOETqM
>>674の流れでSSを書いてしまった。
パラレルワールドだと思って、簡単に流していただけるとありがたい。


704 :1:2007/04/28(土) 23:53:48 ID:LnnOETqM
自分が消えてしまう―
その重大な事実に対しても、特に大きな感慨はわかなかった。
現実感がなさ過ぎる。
悲しいのか、寂しいのかもわからない。
私はこの事実に対して、悲嘆に暮れるべきなのだろうか、それとも自らの存在のために必死にもがくべきなのだろうか。
橘京子、そして周防九曜の告白によると、私は4年前に涼宮ハルヒの世界改変によって創造された存在、いや分裂した欠片と言ったほうが正しいのかもしれない。
そして、涼宮ハルヒの改変された精神世界が補完されるとき、私もまた補完される。
再び彼女の中に私は還る。
4年前、当たり前のように私が存在したように、当たり前のように私は消える。
そして、涼宮ハルヒでなく私の精神世界が補完されるとき、この分身は涼宮ハルヒと取って代わることができる。
消えるのは涼宮ハルヒ、私は―消えない。
その補完の鍵はあの人。
涼宮ハルヒの、そして私の初恋の人―
私の中学校時代の親友。

気がつけば私は彼の家の前に来ていた。
どうしても彼と会って話がしたかった。
インターフォンを押す。
スピーカーから彼の声が聞こえた。
汗ばんだ手の緊張が少し和らぐ。
少し話がしたい、彼にそう伝えた。
そう、話がしたい。
彼と話がしたい。
確認したかった。
私の存在意義を、そして私の心を。

彼は普段と変わらない笑顔で私を出迎えてくれた。
こんな夜に一体どうしたんだ、そう言う彼の少し困ったような優しい顔。
いつも言い負かされそうになると、その顔をするよね。
私の大好きな顔。
その顔が見たくて私はいつもあなたを言い負かそうとしていた―

話したかったはずなのに、何を話せばいいかわからない。
とりあえず、私たちの中学校まで歩こう。
あの1年間の思い出の詰まった道を、辿っていこう。
帰ろう―
帰りたい、あの頃に。


706 :2:2007/04/28(土) 23:54:58 ID:LnnOETqM
どうしたんだ、とか勉強は大変なのか、とかあの人は話題を振ってきてくれた。
でも、私はうまく応えられない。
きっと私の話したいこととは違ったから。
気がつけばお互い言葉を交わすことがなくなっていた。
でも、あの人は何も言わずに私の隣を歩いていてくれる。

彼の存在を感じながら、私は自分の存在が消えることについて考えていた。
いつだったか、自分が死ぬときを考えたとき、その痛みや苦しみが怖かった。
世界から痛みも苦しみもなく消え去るように死ぬことができたら、どれだけ幸せだろうと思っていた。
橘京子の言うように、私は自分の存在にしがみつくべきなのだろうか。
周防九曜は言った、涼宮ハルヒと私が同時に鍵に接触した今、間もなく選択は行われるだろう、と。
いつまで私は存在できるのだろう。

気がつけば中学校はもう目の前だった。
懐かしいな、彼はそう言った。
何も変わっていない、あの頃のまま。
中へ入ろう、と私は言った。
校庭のフェンスに人が出入りできる穴がある。
それもあの頃のままに。

私には自分が涼宮ハルヒにとって代わろうという考えは全くなかった。
所詮自分は分裂した存在の欠片―
そう、私の理性、いや存在が理解していたからかもしれない。
なぜ、私が存在することになったのかはどうでもよかった。
ただ、私が何のために存在してきたのか―
それを知りたかった。
証明したかった。

誰もいない校庭は私たち二人には不相応に広かった。
私は校庭の中心へと向かう。
ここがきっと最後の舞台。
ここでクライマックスを迎える。
私にとっての。

彼は何も言わずについてきてくれた。
あたりを見回す。
周りには誰もいない。
祝福してくれる人も、見守ってくれる人もいない、分裂した欠片の最後の舞台。


708 :3:2007/04/28(土) 23:58:40 ID:LnnOETqM
「ねえ、キョン。懐かしいよね、何も変わっていない。」
ああ―
と彼は応えた。少し訝しがるような表情。
私はどんな表情をしているのだろう。
せめて最後ぐらい自分の一番いい表情を彼に見せたいのに。

佐々木、どうしたんだ―
彼の言葉はやさしい。
私はどうしたいのだろう、どうしたかったのだろう。
ただ、一言「好き」と言えばよかった?
でも、ずっとその一言を言ってしまえば世界が壊れてしまうようで、ずっと怖くて言えなかった。
ずっと勇気がなかった。
もしかしたら、それすらも私にはそう決められていたことだったのかもしれない。
彼に恋をしたことすらも。

どうしてずっとうつむいているんだ、何があったんだ―
やさしい言葉を掛けないで欲しい。
つらくなるから。
気がつけば私は顔を彼の胸にうずめて、そして抱きしめていた。
佐々木―
「お願い、しばらくこのままで―」
私の目から何か熱いものが流れていた。
彼の匂い、彼の温もり、彼の存在―
このまま彼とひとつになれたらいいのに。
私自身が創られた存在だとしても、この感情すらも創られたものだとしても―
彼に私のことを忘れて欲しくない、私がいたことを、私といたことを忘れて欲しくない―
この想いだけは私自身のものだけだと信じていた。
両手に精一杯の力を込める。
彼の心に、彼の存在に私を刻み込めるように。
記憶からは消えてしまっても、そのどこかに私がいるように。

静かに私は誰かの鼓動の中へ消えていく。
当たり前の日常をずっと退屈だと思っていた、
でも今なぜこんなにも懐かしいのだろう。

『For Nothing』


709 :708:2007/04/28(土) 23:59:48 ID:LnnOETqM
もしも、ありえないけどそうだったら、程度で流しといて。

佐々木スレ4-700 もう僕を1人にしないで

2007-04-29 | その他佐々木×キョン

700 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/28(土) 23:41:25 ID:4bMhfJz4
ササッキーが泣きながらキョンに抱きついて
「お願いだから、もう僕を一人にしないで・・・」
と囁く勇気があれば今でも簡単に撃沈できると確信している俺がいる


701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/28(土) 23:44:52 ID:mDmG31DO
>>698
そういう時じゃなくてもありえると思うけどな

>>700
よう、俺


702 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/28(土) 23:51:09 ID:zizSQDxF
>>700
K「わかった、今度どっか行く時は皆で行こうな」


705 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/28(土) 23:54:33 ID:kOjS+DzL
>>702
ササッキーの好意を…
ここまで鈍いと殺意が沸くなw
まぁさすがのキョンもここまで鈍くないか


674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/28(土) 21:40:52 ID:N1t/1bl0
「彼女は涼宮ハルヒに統合された。最初の情報爆発で生まれたものの
一つが彼女。既存の人間に能力を付加するのではなく、存在そのもの
が創造された。彼女は涼宮ハルヒの一部。よってこの回帰は規定事項」


707 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/28(土) 23:57:45 ID:z9GoI4g9
>>700
「佐々木…お前がそんなに思い詰めるなんてな……、よし!佐々木もSOS団に入れよ。楽しいぜ!」
と空気の読めない慰めをするキョン


718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/29(日) 00:19:41 ID:wBtcc1vB
「お願いだキョン。もう、僕を1人にしないでくれ」

「1人じゃないだろ。お前には忌々しいがあの橘がいる。いけ好かないが藤原がいる。
よくわからないが九曜だっているじゃないか」

「でもそこにキョン、キミはいないじゃないか」

泣き崩れる佐々木を、俺はただ抱いてやることしかできなかった。
俺の胸の中で泣き続ける佐々木の頭を撫でてやる事しかできなかった。

「もう、あの頃には戻れないんだね」

「そうだな。一度こぼれた水はもう戻せないんだ」

「あの時キョンが涼宮さんではなく僕を選んでいたら…
 いや、過ぎてしまったことを口にしても意味がないね」

「佐々木、俺は――!」

「もういいんだよキョン。それより少ししゃがんではくれないか?」

「一体なにを――んっ!」

目の前に佐々木の顔がある。唇になにかが触れている感触がある。
なにが起きているか俺だって判るさ。
唇を離した佐々木は背中を向けて

「ありがとう。そしてさよならだ」

俺の前から消えてしまった。




>>700の台詞でとっさに浮かんだが、なにこの最悪な未来('A`)

佐々木スレ4-695 佐々木×キョン

2007-04-29 | その他佐々木×キョン

695 :小ネタ 試験当日 :2007/04/28(土) 23:28:05 ID:E5tC1ImY
試験官が来た、そろそろ開始か……あ、電話の電源切らなきゃ

『新着メッセージが1件あります。』

ん? 誰だろう――

----------------------------------------
FROM:キョン
TITLE:おはよう

そういえば今日試験だったよな?
お前なら絶対大丈夫さ、がんばれよ。
----------------------------------------

――うん、がんばるよ。


---
とりあえずキョンがこんなメールを送るとは思いにくいがついカッとなって書いた。反省はしていない。

佐々木スレ4-674 佐々木の正体

2007-04-29 | その他

674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/28(土) 21:40:52 ID:N1t/1bl0
「彼女は涼宮ハルヒに統合された。最初の情報爆発で生まれたものの
一つが彼女。既存の人間に能力を付加するのではなく、存在そのもの
が創造された。彼女は涼宮ハルヒの一部。よってこの回帰は規定事項」


676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/28(土) 21:51:00 ID:9/cVoCQE
>>674
それは悲しすぎる


679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/28(土) 22:02:07 ID:i/YRgPWi
佐々木の可愛さは永遠に残るよ。
消失長門だって扱いは似たようなもんだし、別に妄想するのは各自の自由じゃないか。


680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/28(土) 22:04:15 ID:BXApkp2P
ぐわあああぁ
→勝手に続けてみる
佐「この世界には…終わりの無いコトワリが存在するんだよ…キョン
僕が消えても僕の存在そのものは消えない」

佐「なぜなら…僕は…」

佐「……してるから」


681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/28(土) 22:07:17 ID:N1t/1bl0
「釣れた。大漁」
あの長門さん、こんなところで釣らないでくれますか?
「どうして?」
どうしてって、ここは佐々木のスレだし、できれば佐々木に幸せに
なって欲しいと思う奴が集まってるわけで。
「私が語ったのは、根拠のない予想。すでに私は未来への同期は
不可能。また、彼女についても情報が不足している。私が確度の
高い予想を語る可能性は、あなたが原作において古泉一樹と恋
人関係になる程度しかない」
あのなあ。
「危機管理において、最悪の予想をしておくことは必要。彼女の
存在が消えてしまう可能性は、常に存在している。しかし、涼宮
ハルヒの中に帰る展開は、最悪よりは少しだけ・・・マシ。私も」
私も?何だ?
「私も常に消滅の危険がある。それならば、涼宮ハルヒの中に、そ
の残滓でも残れるのなら、それは完全な消滅に比べれば、幸福な
こと」


682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/28(土) 22:11:39 ID:pSw39Sl0
そこで佐々木は、自分が存在した証を残す為に
キミの子種が欲しいと言う理論武装でキョンを襲うんですね!!