【涼宮ハルヒの憂鬱】佐々木ss保管庫

2chの佐々木スレに投稿されたssの保管庫です

佐々木スレ3-109 佐々木×キョン

2007-04-16 | その他佐々木×キョン

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/17(火) 01:52:41 ID:ouyuJ4yW
「九曜さんがキミと半径2メートル以内の空間範囲で
同時存在してみたいと言っていたけどね、
意味合いが多少変わってしまうが、それには僕も同意する所だよ。
以前、僕はキミが話し相手には最高の相手だと話しただろう?」

「あの時は正直、褒められた気がしなかったがな」
「くっくっ、そういうなよ僕は素直に褒めていたんだから」

「そして、だ。
それを差し引いてでもキミには何か、
人を惹きつけるモノがあるよ。
九曜さんの言葉を拝借させてもらうが
僕はキミと半径2メートル以内の空間範囲で同時存在していたい。
素直にそう思うよ。いや、1メートル以内でもでも問題無いくらいだ」

「そうか、でもお前確か学校の方が忙しいんだろ?」
「あ、いや、そうじゃ、

肩透かしを食らう佐々木様。
九曜のセリフにトキメキを感じたので使わせてみたかったのですが、、、
ok、クンフー足りてませんでしたorz
とりあえず、椎名林檎の「17」が個人的に佐々木ソング

佐々木スレ3-104 プールサイドに佇む佐々木

2007-04-16 | プールss

104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/17(火) 01:11:16 ID:zhGznGFa
俺は中学校のプールサイドに佇む佐々木の水着姿を思い出した。
確かに女だったよな、こいつは。
他の女子と比べれば明らかに傾斜のない体だが、所謂スクール水着を着ているから女なのだろう

「どうしたんだいキョン?僕に見惚れてしまったのかい?」

あぁすまない。人はどうしてここまで不公平を背負って生まれてきたのかを
俺なりに考えていたんだ

「キョンは妙なことを妙な時間に考えるんだね」

そう言うと佐々木は俺の背後に回り込んでってぇぇ!おい、なにをしている!

「これでどうだい?これでも僕は不幸の星の下に生まれてきたのかな?」

あの、佐々木さん?当たっていますけど?

「もちろん当てているのさ」




SS初めて書いたけど、反省はしていない

佐々木スレ3-96 「天体観測」

2007-04-16 | その他佐々木×キョン

96 :天体観測 :2007/04/17(火) 00:42:57 ID:zsZg9u7/
>>53

やぁキョン、聞こえるかい。
もし聞こえていたとしたらそれは異常だよ。今すぐ病院で精密検査を受けることをお勧めする。
もしかしたらあらゆる項目の世界一を載せた本に名前を残せるかもしれないね。

ところでキョン、キミは覚えているかな。
去年の今ごろ、僕たちはこうして恒星が輝く夜空を眺めていたよね。
正直、こんな夜分に外に連れ出すキミの心境が知りたかったが、あの時はそこまで気が回らなかったよ。
そんな考えより、キミと二人で天上の星を見上げていることの方が遥かに重要だったんだ。
今思えば、その気持ちを疑うべきだった。ただ、僕は心のどこかでそれを否定していた。
キミに精神病だと豪語してしまった以上、認めてしまえばキミを裏切ることになると思ったんだ。


それだけは、いやだった。


君を親友だと思っていた。だからキミを裏切りたくない。
そんな手前勝手なプライドのために、僕は「親友」であることを選んだ。
その選択が間違っているとは思わなかった。だからそれからもキミと普通に接していられたんだ。
だから、僕は正しい道を歩んだんだと信じていた。



―――――信じていた、はずなのに……


どうしてだろう、こんなにも胸が痛いのは。
思い返せば、キョン――キミと別れてしまってからだった。
それでわかったんだ。僕のあの時の選択が間違いであったことに。


――――――――どうして、今ごろになって気づいてしまったんだろう


とりあえず冒頭部分を投下してみる。
続きはまだ途中


121 :天体観測(2):2007/04/17(火) 06:19:29 ID:zsZg9u7/

知っているかいキョン、この星の外である宇宙はいずれ消滅するという説があるんだよ。
もちろんこれは可能性の一つでしかない。
有力な説としては、「宇宙は無限に広がり続ける」というのがある。
つまりこの宇宙は文字通り無限に広がり続けるということさ。
一般相対性理論から導出される、いわゆる「開いた宇宙論」では
宇宙は永遠に存在しつづけることになるらしい。けど、膨張を続けるうちに
いずれはいかなる生命体も存在できない状態に安定化する。
すべての恒星が燃え尽きるまで1014年
すべての惑星が公転軌道から蹴りだされてしまうまで 1015年
銀河系が崩壊するまでは1019年
そして全ての物質がブラックホールに飲み込まれるまでは
――――短く見積もって10の1026乗年かかるんだよ。
これと反するのがさっきの説だ。ビッグクランチ理論では膨張を停止させ、
収縮に転じさせるのに十分な質量が宇宙には存在すると仮定している。
このとき何が起こるかは誰も予想できない。
それは宇宙が誕生した瞬間何が起こったのか、それを知る事とほぼ同義であるとされるからね。

ただ、どちらにも共通して言えることはそれまでに至る時間が果てしないことだよ。
明日や1年後なんて話じゃない。
少なくとも僕たちが生きている間は決してお目にかかれない事象であることは間違いない。
そのことを考えれば、僕たち人の人生とは星の寿命と比較するだけであまりにも微細なものでしかない。これが宇宙スケールになるともはや滑稽としか言いようがないよ。
けれど、たとえどんなに小さくてもそれが僕たちに与えられた時間なんだ。
僕たちは、この宇宙にとっては一瞬ですらない時間をまるで永遠に続くような錯覚を持って生きているんだよ。


……きっとキミが聞けば、「何が言いたいんだ?」と言うだろうね。
だから答えるよ。僕の言葉が届くことを願って


――――キミと一緒にいた時間は、僕にとっても、あまりにも短い時間だった




他の人のssを見ると滅茶苦茶鬱になるorz


122 :天体観測(3):2007/04/17(火) 06:22:16 ID:zsZg9u7/


あの夜の時と同じように、僕はこの場所で待っていた
あの夜の時と同じように、僕は同じ服装で待っていた
あの夜の時と同じように、僕は――――ただキミを待っていた
直前に聞いたラジオの予報では、雨は降らないらしい。これもまた、全く同じ

約束の時間、午前二時

キョン――――キミがいないことだけが、違っていたんだよ

『――悪い佐々木、待たせちまったな』
『問題はないよ。時間には間に合ってるからね……とはいえ、
 こんな時間に呼び出しておいてギリギリで来た理由は気になるところだがね』
『すまん、こいつを探すのに時間がかかっちまって』
『……キョンに計画性が無いのは知っていたが、せめて電話をかける前に
 準備をしておいてもバチは当たらないと思うんだが』

目を閉じれば、あの時の様子が鮮明に浮かぶ
一年も前の出来事だというのに、僕はキミの顔を思い出せるんだ
キミの声を、思い出せるんだよ

『それで、その望遠鏡で何をするんだい。まさかとは思うが他人の行動原理を
 調査するために被験者を探すことに使うつもりかい? そうなると僕は
 キミを矯正するために携帯で3桁の番号を押すことになるんだが』
『遠回しに"覗き"と言っているのはわかったが、俺はお前からいつも
 そういう風に見られていたのか』

僕と交わしたキミの言葉は、今でもなお僕の耳に届いてるんだ

『くっくっ、もちろん違うとも。しかし人間は時として思いも寄らぬ一面を
 持つ事がある。それは激情という名の本能に突き動かされたもので、
 男であるキミがそんな陳腐な電気信号に逆らえなくなってしまう可能性も
 ある。キミが自身の肉体を制御下におく事ができなくなった場合、僕が
 とれる最良の行動を言ったまでだ』
『言っておくが俺はそんな趣味も無ければ野蛮でもないからな。
 それより、さっさと始めようかね』

それなのに――目を開けてしまえば、キミの姿が無いんだよ
確かに聞こえていたはずなのに、目の前にキミはいなんだよ

キョン、君に言ったことがあるよね。
「恋愛なんて、精神病の一種だ」と。
皮肉なことに、幻聴という形でたった今それを僕自身が証明してくれたよ。

――――キミの声が、聞こえたんだからね




まだ続きます
残りは帰ってきてから書く予定


171 :天体観測(4):2007/04/17(火) 20:59:59 ID:sjnW3RT/
遅くなってスマン。

『とこれでキョン、どうして僕を誘ったんだい。
 天体観測とはキミ一人でもできるとても簡単な行為だと認識しているんだが』
『いや何、お前があまりにも理屈っぽいことを言うもんだから実際に見せて
 やろうと思ってな』
『くっくっ……なんだいキョン、昨日話した[観測論]がそんなにお気に
 召さなかったのかい?』
『あぁ、流石にそんな突拍子も無い理論だけは納得できないな。誰かがそれを
 見た時点で存在が左右する世界なんて勘弁願いたい』


あの頃の僕は、こんな事になるとは思わなかった
だから、今の僕が胸を痛めているんだ


『だから実際に目で確かめる。それは決して悪いことではないと思うけど、
 観測論を根本的に否定するのは難しいと思うんだ。それじゃたった今
 キミがある星を見たとしよう。そしてその星は肉眼では認識できないほど
 遠くにあるとする。キミが今その筒を覗いて見たそれは、他人が見たとき
 本当に同じ星であるという保障はないんだよ。いや、もっと厳密に言って
 しまえばその星はキミが見た瞬間に観測した状態のまま存在し続けるわけ
 じゃないんだ。だからキミが目を離した瞬間に、その星はキミが観測した
 状態と一致することはなくなるんだよ。観測論はそれを極端にした理と
 言っていい。これに基づけば、今キミが目を放した瞬間に僕という存在が
 消えるということも十分にありえ――――』
『佐々木』


暗闇の中で、僕は初めてキョンの真剣な声を"聞いた"
それは一年前の僕に宛てた言葉。一年前のキミが言った声

今の僕には、何も返ってはこなかった
ただ、この閉じられた目の先にいるキミだけが、何も変わらずにそこにいた

――――――――それは、観測論
キミの声が聞こえるのは、僕がキミを観測していないから
だから、僕が目を閉じている限り、キミは目の前にいるんだ
観測してしまった時点で――――――キミが――――――――消えてしまうんだ


172 :天体観測(5):2007/04/17(火) 21:01:32 ID:sjnW3RT/
キョン、僕はあの頃から随分と変わってしまったようだ
そして、僕を変えてくれたのは他ならぬキミなんだよ
キミに伝えたいことが、見つかったんだよ
キミに言いたかった言葉も、崩れてしまうほどに増えていったよ

ただ――――――――ひとつだけ、今も思い出していることがあるんだ


『――――くそ、降ってきたな』
『そうみたいだね。予報では雨なんて言ってなかったんだけど』
『ま、天気予報なんてそんなもんさ』


本当に、あの時と全く同じだよ
頬に感じる雫の滴り。予報外れの雨。
困ったような表情は、僕の知っているキョンと全く変わっていなかった。


『家まで送るぞ』
『必要ないよ。ここから家は近いわけだし、キミの翌日の行動に支障をきたすのは気が引けるからね』
『悪いが言い分は却下だ。元はといえば俺がお前を呼び出したわけだし、何よりお前を一人で帰す
 こと事の方が心配だ』
『くっくっ、キミはこんな時だけ僕を女性扱いするのかい?』


――――今、こうして思い出すことで気がついた
キョンは、きちんと僕のことを女の子として扱っていたじゃないか
それなのに、どうしてこの時言えなかったんだ
どうして、彼を止めようと思わなかったんだ

もう二度とやり直すことのできない過ち
それを今になって振り返ることが、こんなにも苦しいことだったなんて……


『それじゃ走るぞ。だんだん強くなってきたしな』


それが、この場所におけるキミの最後の言葉であることは、僕自身がわかっていた
だがそれは、一年前の僕に向けた言葉。今の僕に向けた言葉じゃない。
僕に向ける背中、あと4拍もしない内にキョンは僕の幻影と走り出してしまうだろう

――――そして、僕を置いていってしまうのだ


173 :天体観測(6):2007/04/17(火) 21:05:32 ID:sjnW3RT/



いやだ
キョンと離れたくない。離れたくなんか無い!

あの時、"私"はキミの手を握れなかった。こんな感情は嘘なんだと、ずっと思い込んできた! 
キミとの親友という関係を壊したくなかった。だからこれが正しいんだと信じてきた。
それが間違いであると気付かずに!

キミと別れたことで、"私"は変われた
今なら言える。キョン、キミが好きなんだと
今なら握れる。親友という関係を壊してでも欲したキミとの関係を




「――――――キョン!」



もう仮面なんかいらない。こんなものを付けていたがためにこんなことになってしまったのだ
"僕"ではなく"私"として、ただ"私"の本心を伝えるだけだった
キミの手を握ろう。そして受け止めて貰おう
それだけが私の望みだった




手を伸ばした
そこには何の感触も無かった


目を開けた
そこにキョンはいなかった


174 :天体観測(7):2007/04/17(火) 21:08:48 ID:sjnW3RT/


涙が止まらなかった
これが恋愛という精神病なのか


私はずっと見えていたものを見落としていたんだ。わかっていた事を理解しようとしなかったんだ
だからここへ来た。ここに来れば、もう一度キョンと会える。そう思っていたから
それ自体が幻想だったというのに、私はそれにすがってしまった
そうして結局、その幻を私自身が壊してしまったんだ

幻でもいい。それだけで私は十分救われるはずだった
それなのに、それを現実にしようとしてしまった
それが夢の終わりであることを知っていたのに、私は彼を求めてしまった


私は、胸を刺すこの思いをどうしていいかわからず
涙を流しながら一年前の帰り道を走り抜けた







あれ、なんか最後キャラ変わってね?

佐々木スレ3-57 マタアイマショウ (仮)佐々木ver

2007-04-16 | 佐々木ソング

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 23:12:44 ID:YjCratlx
マタアイマショウ (仮)佐々木ver


あの時の2人輝いてた この恋は永遠と思ってた
僕のとなりには君がもういない 君のとなりには僕はもう…


※今まで見た事ない 表情(かお)を見て 僕は含み笑いをしてみせた
この手を離せば もう逢えないよ 君と 笑顔で別れたいから言う
マタアイマショウ マタアイマショウ


君の前では強く凛々しく 頼られたかったよ まさしく
負けず嫌い 強がる芝居 最後の最後も素直になれない
あなたの言葉に感嘆し あなたを言葉で翻弄し
言葉の魔法はもうすぐ いい思い出となって消え去る
そして傷つけた事は謝らない でもありがとう これ以上は言えない
目的地なんてなかった たどり着いたの あなたの健気さ
君はそんなにも鈍くて 悲しみ我慢してるのに
泣いてもいいかな 証書握り締め 「今日だけは許してよ神様」

(※くり返し)

いろんな人に愛されて 常にあなたは眩しくて
だから嫉妬し 罵しり 涙し これからはもう それも出来ない
君は違う人好きになって お互い違う人生歩んで
僕はとっても幸せでした?(キョン部分省略)
いつか心からいなくなるかも だからしたいよ 素晴らしい過去に
この恋を未来に誇れます 涙まみれ笑顔でめくる明日
そしてまずこの場で別れ わかってる きっと逢う事ないって…
だから言います マタアイマショウ 僕なりのサヨナラの言葉だよ

(※くり返し)

気持ちは割り切れないよ 簡単に 反対にその思いを大切にすればいい
整理が出来るまで 思えばいい 会えなくて 側に居なくても
思うだけ 忘れない事だけ…

あなたと過ごした大切な日々 この僕を優しく包んでくれた
でも明日からは もう逢えないよ 君と
生まれ変わっても必ず マタアイマショウ

(※くり返し)

悲しい別れがあるから 楽しい時笑えるよね
逃げ出さず現実を受け止めた もちろん君に出会えてよかった


67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 23:38:16 ID:XEBu58sC
あとジャンヌなら月光花も


ふと見上げた星空
また君を探してた
いくつ夜を越えれば
涙は強さになる?

会いたくて愛しくて
触れたくて苦しくて
届かない伝わらない
叶わない遠すぎて
今はもう君がいないよ…

佐々木スレ3-22 「バレンタインと鈍」

2007-04-16 | バレンタインss

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 21:34:22 ID:aswHNgWc
2月、早いやつはすでに進学先を決め受験勉強から解放されてる奴もいるが
俺はというといまだ受験という地獄のまっただ中にいる
蜘蛛の糸でも垂らされたら真っ先に飛び付くぐらいに追い詰められてはいるが
そんな殊勝なことをしてくれる奴がいるはずもなく
この苦行が報われるのを信じて今は勉強という苦しみに耐えるしかない

午後のホームルームがそろそろ帰るかと教室を一瞥したが
しかし、何故か今日は空気の浮ついている奴と淀んでいる奴の落差が激しい
しかも今までと違い進学が決まっている奴とこの先試験が控えている奴といった
部類別に別れているわけではない
これはいったいなんだ?
「くっくっくっキョン、君らしいといえばそうだが。今日は何日だい?
いくら何でもこの質問の意図ぐらいわかるだろう?」
俺の前にはすでに進学を決めている組の佐々木がおかしそうに笑っている
「今日は2月14日…ああ、バレンタインデーか」
なるほどようやくクラスの雰囲気の謎が分かった
それにしても、まだ先が控えている奴もいるというのに
別のことに気が裂けれるとはな
「まぁ、年頃の男女はこういった恋愛関連のイベントには敏感なものだよ
特に意中の人がいる場合は卒業式前の大事な前哨戦といったところだろうね
その点キョンはバレンタインということすら忘れていたのだからね
そんなに余裕がないのかい?」
「ほっとけ」
もともと家族以外から貰えるなんて期待していない
それよりも試験を受けずに合格する方法が知りたい
「くっくっ、まったく君と言う奴は。
キョン、君のその怠け癖は早く矯正したほうがいい
おっせかいなその性格とその怠け癖は相性が悪い
近い将来しなくていい苦労をするだろう
まぁ、苦労は買ってでもしろと言ってる人もいるから
結果的にはキョンの為になるかな?」
佐々木よ、お前はいったい何がが言いたいんだ
いったい俺は苦労しない方がいいのかした方がいいのかどっちなんだ?
それに今俺は非常に苦労しているぞ
お前の言うとおり今日がバレンタインだということすら忘れるほどにな
いや別に貰えないから悔しいなどとは思ってないぞ
期待なんかこれっぽっちもしていないんだからな
「そんなに卑下することもないだろう
せこまで言われると渡しづらいではないか
一年近く一緒にいたんだから、僕だって形だけでも用意はしてあるよ」
そう言って佐々木はカバンからブツをとりだした
「さぁ、受け取ってくれ。これでも随分と苦労したんだよ」
「…佐々木さん?これはなんの冗談ですか?いったいこれはなんですか?」
「冗談とはひどいな。バレンタインプレゼントだよ
人の好意は素直に受け取ってほしいな」
よし、ちょっと待て
正直佐々木がバレンタインなんてイベントに参加するとは思わなかったがそれは百歩譲ろう
それにバレンタインプレゼントがチョコだけとは限らないからそこも譲ろう
「だがな、チョコの代わりが数学のテキストなのはどういうことなんだ?」
「なに、今のキョンに最も必要だろうものを用意したまでだよ
キョンの苦手箇所を補強するように作ったんだ
言っただろう一年近く一緒にいるって。それぐらい僕にも分かるさ
しっかり取り組めば試験が大分楽になるよ」
そう言われても俺はなかなか受け取る気がしない
佐々木は俺に渡すかわりに俺のカバンにブツを入れてしまった
他にもまだテキストがあったらしく
自分のカバンからなにやら取り出して俺のカバンに入れた
俺は早速余計な苦労を背負い込んだらしい


24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 21:36:56 ID:aswHNgWc
結局今年貰えるチョコは例年と同じく
家族からだけだと思っていたのだが…
「なんだ?」
家に帰って晩飯までの間佐々木からくれたテキストに取り組もうと
カバンを開けたら小包が入っていた
小包には『キョンへ』とだけ書かれカードと
簡素な飾り付けがされたチョコレートが入ってた
俺宛てなのは間違いないだろうが差出人が不明だ
佐々木か?いや、違うだろう
あいつのプレゼントはこのテキストだし
こんな真似するような奴ではない
では誰だろう?
カバンの一番上にあったから佐々木がテキストを入れたより後だろうが
はて?そんな時間があったのだろうか?
あの後佐々木とまだ少し喋っていたからその間にいれたのだろうか?
しかしそれだったら気付かない訳がないし
直接渡してくれても良かったのだが
「分からん」
まぁ、特に凝った作りではないから義理だろうと結論づけた

チョコの差出人は北高に通っている今現在も不明である


『バレンタインと鈍』

佐々木スレ2-990 佐々木×キョン

2007-04-16 | その他佐々木×キョン

990 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 21:09:59 ID:CNYasQ1V
「キョン、僕はね自分の性別というものに由来するアイデンティティが
非常に不安定なのだよ。つまり、女子と話していると自分の中の女
の部分をはっきりと自覚し、男子と話していると男の部分を自覚する。
そのせいかな、話す相手に自称が変化するのは。だけどね、キョン、
君が初めてなんだよ、男子と話しているはずなのに、僕の中の女の
部分を強く自覚したのは・・・・」

佐々木スレ2-920 佐々木とキョンの修学旅行

2007-04-16 | 修学旅行ss

912 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 11:37:51 ID:hv6N442h
中学の修学旅行は当然同じ班だったんでしょ?

うらやましいなー


920 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 16:43:04 ID:GK0Kf289
>>912
彼ら2人と中学時代を過ごした同級生Aさんの証言
「ああ、キョンと佐々木ね。あいつらは修学旅行中もずっと一緒だったな。班別研修でも一緒の班だったし、クラスで回る研修も普通は同性同士で組むはずだろ?なのにあいつらは…」
同級生Bさんの証言
「ホテルは5階から上が女子で、4階から下が男子なの。男子は基本的には5階には来れないですよね?だからキョン君と佐々木さんは4階と5階の階段の踊場でずっと話してたの」
同級生Cさんの証言
「移動中のバスでも隣同士だったぜ!『キョン、少々疲労感があるから肩を貸してくれないか?』な~んて佐々木は言ってたんだぜ!これで付き合ってないって言えるのかよ!」
同級生Dさんの証言
「私は見てしまいました…食事の際も隣同士だった彼らが『そっちのアイスも美味そうだな』『それじゃあ交換しようじゃないか』なんて言いながらスプーンまで交換し合うところを!スプーンまで交換する必要はないじゃないの!」

佐々木スレ2-906 佐々木×キョン

2007-04-16 | その他佐々木×キョン

906 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 03:07:52 ID:OBsTqGTb
>>892
いいね、ずいぶんと昔の春の日を思い出したよ。

>>895
そうだね、佐々木とキョンの話は、良くも悪くも
終わってしまった昔の話なんだ。


 うららかな春の午後、俺はちょっとした買い物帰りに、なんとはなしに土手を散歩していた。
一年に二度目の満開を終えたソメイヨシノは、緑の葉を目立たせ始めており、時折おくれて
落ちる花びらが桜の季節がもう終わろうとしていることを主張していた。
「やぁ、キョン。散歩かい」
 呼ぶ声に振り向くと、佐々木が自転車から降りた所だった。
「奇遇だね。すこし、同行してもいいかな? 今日は、何となく散歩を
するにはとてもよい気候だからね」
 そう言う佐々木の自転車のカゴには大きめのトートバックが詰められていた、
予備校の帰りか?
「ご明察だ。なかなかの推理力だね、キョン」
 そういって、佐々木は咽奥で名状しがたい音を立てた。
「そろそろ、桜も見納めだろうと思ってね、足を伸ばしてみたんだ。キミに出会
えたのは僥倖だった。桜を一人で見るのもオツな物だが、気の合う友人と散歩
するのはそれ以上によいものだ。それが一年以上ぶりに再会した親友である
場合は特に」
 まぁ、確かにな。そぞろ歩きも悪くはないが、お前の講釈をBGMにするのも
悪くはない。
「キミの同意が得られて、僕も嬉しいよ」
 桜並木を見上げながら、ふたりで歩く。午後の陽光が川面を輝かせていた。
佐々木との共通の話題はそう多くはない。時勢の話、気候の話、経済の話を
過ぎて、話題は中学三年の時の思い出話に移っていた。
 佐々木との最大の接点は学習塾であったから、話は自然と、受験期の春の
話、そして卒業式前後の話になっていた。
「僕が思うに……」
 沈黙を破り、佐々木は前置きから話し始めた。最初jは回りくどい話し方をする
ヤツだなと思っていたが、佐々木と付き合ううちに、これが癖なのだということに
気がついた。佐々木は引用をよく使うヤツだったから、自分の意見を言う時は、
こんな風にこれが自分の意見であるということを示してから入るのだ。
「……あの頃の僕たちは、恋なんか必要としていなかった。ああ、今は
どうなのか、なんて野暮なツッコミはなしにしてくれたまえ」
 まぁコイツが今でも、精神病の一種なんて言っているであろうことは想像に難くない。
瞬間的に同じことをいうアヒル口を思い出したが、即座に意識から消し去る。
「いま、振り返って見たならば、中学三年の春の日、僕は病を患っていたのだな」
 風邪でも引いてたのか?
「ひどいなキョン」
 佐々木はそう言って、小鳩のようにのどの奥で、くくくと音を立てた。
「キミがそんなヤツだから、そしてそれがとても自然だったから、僕は
あれが“恋”だなんて、気がつかなかったのだ」
 ……もしかして俺は、今かなり貴重な体験をしているのか。
「そうだね、キョン。貴重な体験であってくれると嬉しい」
 そう言って、佐々木は視線を合わせてきた。春の川面のような輝く
瞳は、中学生でも高校生でもなかったあの春の日を思い出させた。
「振り返って思い出すと、とても輝かしい日々だった。そんな風に感じられる。
そんな関係というのは、とても、素敵なことなのだろうね」
 ああ、受験生に戻りたいとはまったく持って思わないが、お前と歩いた夜の道
は悪くはなかった。本当に、悪くなかった。
「ああ、いい返事だキョン。キミのそう言う所は、とてもいい。そうとても」
 そう言って、佐々木は長い睫毛を伏せた。散る桜が佐々木の顔に陰を落とす。
ああ、なるほど。そうなのか。
「……ん、すまないキョン、何か言ったかい」
 いいや。なに、ファウスト博士の気持ちがわかったのさ。

佐々木スレ2-891 佐々木×キョン

2007-04-16 | 中学卒業ss

891 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 02:04:24 ID:iIVsEP39
小学六年生の頃、三年前といえばかなり昔のことだったのだが、
中学三年になった今、振り返ると三年前の入学式がつい最近のことのように思える。
誰が言っていたのか知らないが、年を取るごとに体感時間は短くなっていくらしい。
年を取るごとに月日の過ぎるのを早く感じることを考えると、人間二十で人生の半分は終わったようなものらしい。
「ほぅ、君も最初に出会ったときと比べればなかなか博識になったものだね。
 君は物事を理解できるほどの知識はあるのに、こっちの話を知らない程度に無知というのが僕の認識だったのだが、
 いつの間にか僕を感心させるほどの知識がついていたとは。今度から認識を改めなければならないな」
そりゃ一年間もお前と付き合っていればそれなりに博識にもなる。
って言うか、お前それは褒めてるのか貶してるのかどっちだ?
「褒めているのさ。僕にとって君は最高の聞き手だったからね。
 君という最高の聞き手を失うと考えると、やはり残念な気分だよ」
俺と佐々木は校庭の隅で卒業式の余韻に浸るみんなを眺めていた。
抱き合いながら涙を流す女子、部活の後輩に胴上げされる男子、
後輩に迫られて第二どころか袖口のボタンまでむしりとられている奴……羨ましくはないぞ。断じて。
桜舞い散る校庭で、それぞれ思い思いの時間を過ごしている。
今日が三年間過ごしてきたこの学校との、この仲間たちとの別れの日。
俺のこの学校最後の瞬間を佐々木とともに、桜舞う卒業風景を眺めて過ごしている。


892 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 02:05:35 ID:iIVsEP39
「そういえばキョン。卒業文集は見たかい?」
卒業文集ってアレか? たしか須藤たちが中心になって作っていた奴。
「将来の夢を書け」と渡された原稿用紙には適当なことを書いて出した記憶しかないが。
「君の将来の夢というのもなかなか気になる案件だが、僕が気になったのは19ページのところだよ」
卒業記念品やその他いろいろが詰まった鞄の中から、卒業文集を引っ張り出す。
19ページね……ぺらぺらとめくった先は、クラスのアンケートを集計したものだった。
クラスで一番かっこいいのは?とか、無人島に連れられていって最後まで生き残りそうなのは?とか、
そういった類のアンケート結果ががずらりと並んでいる。
そういえばそんなアンケートもあったな。
俺の名前がどこかに入っていないかと、ペラペラ目を通していると、
「げ……」
まさか、と予想外のところに俺の名前が入っていた……佐々木の名前とともに。
「クラスのベストカップル!?」
「そうだ、惜しくも一位は逃したが、堂々の二位に輝いたみたいだ」
ちょっと待て。いつの間に俺と佐々木が付き合っていることになっているんだ?
確かにクラス内では佐々木と話す機会が多かったし、一番仲がいい女子といえば佐々木だろう。
だが、佐々木と俺がベストカップル? Why? 何故?
「この場合、当人同士が付き合っているかどうかは瑣末な問題だ。用は周りから見て、
 どれだけ二人がベストカップルに見えたかどうかを問う質問だろ?
 僕たちが周囲にどのように思われていたかを問う、実に興味深いアンケートじゃないか」
佐々木はいつものようにくっくっくと笑う。
おい、佐々木。この結果について不満には思わないのか? 当人の知らぬ間に、カップルにされてるんだぜ?
「では逆に聞くけど、キョン。僕と君が付き合ってると思われるのは、嫌かい?」
佐々木がついっと一歩踏み出て、俺の顔を下から覗き込む。
いつも意識していなかったから気づかなかったけれど、ほんのりと香る髪の香りは女の子のもの。
今まで気づかなかった佐々木の女の子らしさに、ドクッと鼓動が鳴る。
「キョンさえよければ、僕は……」
クラスの美人ランキングの方でも上位入賞していた整った顔が、俺の目の前にある。
すっと近づく顔、そのまま……
「なんてね」
ぴょん、と佐々木は一歩後ろに引いた。やわらかい髪の残り香を残して。
「確かに君と僕とは何の関係もない、ただの友達さ。だけれども、あまり男子に近づかない僕が珍しくキョンと仲良くしてるもんだから、

 周囲の気をひくのだろう。特に女子はそういった面が気になるからね」
お前も女子だろう、と言いかけた目の前を、ひらりと一枚の桜が舞う。
気がつけばまだ残っている生徒もまばらになり、在校生たちも教室に戻りはじめている。
そろそろ、ここにいるのも潮時だろう。
「さて、僕もそろそろおさらばするよ。君と次に出会えるのはいつになるか分からないが、
 できれば忘れないでいて欲しい。まあ町で見かけたら声でもかけてくれ」
「あ、ああ。もちろんさ。親友のことを忘れるわけないだろう」
佐々木は一瞬、畑を耕していたら古代の金印を発掘してしまった農家のように目を丸くし、
「くっくっくっ、そうか、その通りだ。君と僕の関係を示す最適な言葉が見つかったよ。ああ、そうか、親友か。悪くない」
いつものように喉の奥で笑った。
なかなかツボに入ったようで、目にはうっすら涙まで浮かんでいる。
おい、佐々木。そこまで笑うことじゃないだろ。
「いや、すまない。まさか君の口から親友って言葉を聞けるとは思わなくてね」
佐々木は制服の袖で涙を拭う。
袖で拭った佐々木の目は赤くなっていた。そこまで笑えることを言った覚えはないのだが……
「それじゃ、キョン。今度こそさよならだ」
コツンと卒業証書の筒を合わせて、佐々木はすたすたと歩き出した。
校門を通り抜け、佐々木が角を曲がり見えなくなるまで、
佐々木は一度も振り返らなかった。


893 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 02:06:31 ID:iIVsEP39
「それ、誰?」
「ああ、こいつは俺の……」
「親友」
キョンが答える前に、僕が勝手に回答を出していた。
自分の回答権を僕に奪われてしまったキョンはビックリまなこで僕のことを見つめている。
君と最後に出会ったあの日を、まだ僕は鮮明に覚えているよ。
なんたって、僕は君の”親友”だからね。

佐々木スレ2-876 佐々木×キョン

2007-04-16 | 佐々木視点のss

876 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 00:01:02 ID:VtVRaile
投下。中学時代の何てことない話。


「キョン。たわいもない世間話にもならないくらいのどうでもいいような話なんだが、キミはサンタ
クロースの存在をいつまで信じていた?」
中学三年の初夏の事だったろうか。僕がこんな季節外れな質問を”彼”にしたのは。
彼―キョンという変わったニックネームで呼ばれている―はしばし考えるような素振りを見せた
後、どこか寂しげな顔をしてこう答えた。
「…最初からだ」
「最初から、というと?」
「俺がサンタっつー赤服じーさんがどういう存在で何をする人なのかを理解した時、からだな」

僕がこんな質問をしたのには勿論理由がある―という訳でもない。僕ら二人は文字通り”たわ
いもない世間話にもならないくらいのどうでもいいような話”をしては休み時間を無為に過ごす
のが専らとなっていた。
キョンと僕が同じ学習塾に通っている誼で話すようになったのは四月中頃の事。彼が高校進学
を危ぶんだご母堂によって半ば強制的に塾へ叩き込まれたというのは後で聞いた話さ。
「幼稚園のクリスマス会に出てきたサンタさんは園長先生か誰かだと思ってたし、オフクロがサ
ンタにキスをする場面を目撃したわけでもねぇしな」
「"ママがサンタにキッスした”かい?僕が初めてその歌を聞いた時は、母親とサンタの不倫劇
を幼心ながらに想像したものさ」
僕がまだあどけない子供だった頃、”ふりん”だの”りこん”だの負のイメージを持つ言葉、それ
も決まって男女間の軋轢に関する言葉について異様に詳しかったのは何故だろうと思案して
いると、
「お前は?」
いつまで信じてたんだ?という論旨の問い掛けが返ってきた。
「僕は、そうだね…。幼稚園の年長組になる頃には信じてはいなかったと思う。くく、一体何が
どうして信じられなくなってしまったのか」


877 ::2007/04/16(月) 00:02:47 ID:VtVRaile
友達同士の実りの無い話。そんな会話の出来る相手とは実に貴重なものだ。僕とってはキョン
がその人物に当たる。
僕とキョンは話が合う、というか僕が一方的に喋り、キョンが時折相槌を入れながら静かに聞い
てくれるというパターンの方が多い。気付くと自分のみが意見を発しており、また一人で語って
しまったと悔いてしまう事も多々あるのだが、彼は別段嫌がる事もなく黙って耳を傾けてくれる
。彼と、もとい、彼に話していると心なし落ち着くような気がする。

「何ていうか、悲しいもんだよな。サンタ然り、アニメ的特撮的マンガ的ヒーロー然り。超能力だ
のUFOだの、そういうものを信じられなくなっちまうってのはさ」
その日キョンは珍しく饒舌になり、アニメ的特撮的マンガ的物語とやらに描かれる世界がとても
魅力的に思えた事、自分もそんな世界に生まれたかったという事、そして世界の命運を分ける
出来事に遭遇したいと本気で考えていた時期があったという事などを話した。

「しかし現実ってのは意外と厳しい。もっと世界がイロイロと面白けりゃ、勉強だってはかどりそ
うなもんなんだけどな」
「ないものは仕方がない。詰まる所、人間はそこにあるもののみで満足しなければならないの
さ。言うなれば、それを出来ない人間が己の欲望を満たさんが為に発明、発見等をして文明を
発達させてきたのだよ。大空を自由に飛びたいと考えたから飛行機を作ったし、快適に移動し
たいと考えたから自動車や列車を産み出したんだ。でもそれは一部の人間の才覚や発想によ
って始めて生じたものなんだ。天才と呼ばれる者たちが、それを可能にしたわけだね。凡人た
る我々は、人生を凡庸に過ごすのが一番なのさ。身分不相応な冒険心など出さない方が身の
ためだと思いたまえ」

「………」
この三点リーダは僕とキョンのぶんだ。僕たちは今互いに見つめ合っているのに気付き、少し
気まずくなったという心境にあった。キョンは興味深そうな瞳で僕を見ている。はて、こんな表情
のキョンは前にも見たことがあるような。そうそう、あれは確か理科の問題の解説を頼まれた時
だった。その時のキョンもこんな感心したような顔をしていたっけ。
キョンは鼻から息が漏れたような笑いをしてから言った。
「何ていうか、佐々木。お前はかなり達観した考えを持ってんだな」

達観?そうだろうか。僕だってキョンと同じように、世界がもっと面白ければいいのにと考えた
事がないわけじゃない。例えば、ある日突然、初対面の女の子から「実はあなたは神のごとき
力を持った存在なのです!」というトンデモ告白をされたり、人間に擬態したちょっとキュアーな
地球外知性体と友人になったり、過去を変えようとしている未来人に出会ったり、とかね。
しかし、そのような事は十数年程度の人生しかおくっていない僕にすら、ある筈がないと断言
できる代物である。せいぜい昔の恋人と街中で偶然の再会を果たす程の事しか起こらないで
あろう。いや、そんなのもいかにも小説的過ぎる。キョンの言う通り、現実とは厳しいものだ。

「そうだよな。普通が一番だよな…」
キョンはどこかしみじみとした雰囲気でそうつぶやくと、窓の外に目を向けた。僕も窓から景色
を眺める事にする。校庭の桜の樹は春の面影をすっかり失くし、枝に青々しい葉を携え、今日
もせっせと光合成に勤しんでいた。

平和だ…。

退屈、などと言うてくれるな。何一つ起こらないからこそ、僕たちは平穏無事に暮らしていける
のだからね。まぁ、たまには衝撃的な事があってもいいかなとは思うが。

終わり。続きは多分書かない。

佐々木スレ2-797 佐々木×キョン

2007-04-16 | その他佐々木×キョン

794 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/15(日) 15:50:19 ID:EgbcFcHb
佐々木に影響されてエラリー・クイーンの文庫本読み始めてしまったよ(´・ω・`)


795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/15(日) 15:56:20 ID:tsmfgx3Z
>>794
どうせなら面白おかしい佐々木の要約を聞いてみたいものだが
まあやむを得まい。


797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/15(日) 16:41:26 ID:7y0vsBEk
>>795

「ダイイングメッセージに付いては否定派だね。アレはフィクションだよ。
キョン、何なら君自分で考えてみるといい。殺されて今にも死にそうな君が
犯人の名前を残そうと果たして考えるかな? 僕の知る君ならおそらく
そんな事よりどうやって生き続けるか、生き残って犯人を殴り返そうかと
もがき続けると思っている。君はそう簡単に生を諦めない人間だよ」
 ならお前はどうなんだ、佐々木。
「僕も無理だね。もしそんな状況になったなら僕は犯人に怨恨を残すより
最期に君に逢いたいと考え続けるだろう。今際の時に心許せる者にいて欲しい……とね」
 なら俺が居たらどうだ? 敵を討てと思うんじゃないか?
「君が考えている僕は、親友をわざわざ殺人鬼に向かわせる危険を冒させようと
する奴なのかい? だったら僕はこれから君とこうして共にいる時間全てを掛けて
そのイメージを払拭する事に努めて厭わないのだが。それに──」
 ああすまん、すまない、悪かった。
 俺は本気で抗議の色を示す佐々木に頭をさげた。
 佐々木はそこで一息だけ言葉を止めると、


「それに今際の時に君がいるのに、なぜ第三者の話題を君と話さなければならないんだい。
 そうなったら僕は息を引き取るその瞬間まで君だけを見つめ、君の事だけを考え、
そして君と僕との話題だけを語り明かす事だろう。それが僕が君に贈る遺品だ、約束する」