【涼宮ハルヒの憂鬱】佐々木ss保管庫

2chの佐々木スレに投稿されたssの保管庫です

佐々木スレ4-513 佐々木×キョン(満員電車にて)

2007-04-27 | その他中学時代ss

513 :511:2007/04/27(金) 16:56:27 ID:S9v0jDNk
言うまでもないことではあるが、通勤電車というものは混む。
どれくらい混むかというとそれはもう、滅茶苦茶(もう死語か?)混む。
それこそ人間鮨詰め、聞いてびっくり体から力を抜いても倒れないというより倒れる隙間がないぐらいだ。
ちなみに見てびっくりだが、残念ながら俺は見たことがないのでわからんな。
ああ、だけど関東ならグリーン車ですらぎゅうぎゅう詰めという恐ろしい光景が拝めるそうだ。
年内に二、三人ぐらい電車で窒息死してるんじゃないかという俺の疑問に同意してくれる奴は、
さて、どれくらいいるものかな。

まぁ、違う意味で俺も今窒息死しかけている訳だが。

そう、俺は今電車の中にいる。もちろん通勤電車であり、運動方程式並に当たり前だが混みあっている。
加えて、もちろん佐々木もいる。
俺の眼前に、な。
「キョン、大丈夫かい?」
もちろん平気だ。虚勢だが平気だ。平気ったら平気だ。
少し下をむいている現状において視界は佐々木の柔らかそうな髪が占めており、
しっかり手入れしているのだろう、その綺麗な髪の毛は電車が揺れるたびにさらさら動き、
いいシャンプーを使っているのがよく解る嫌味のない石鹸の香り+佐々木自身の甘いような香りが
俺の嗅覚を刺激する。
がんばれ俺、負けるな俺。ここでジェントルマンでなければいつジェントルマンだというのか!
「どうやら先ほどからかなり圧されているようだが…無理はやめてくれよ」
「ああ、解ってる」
かといって体に入れた力を抜く訳にもいかない。
ここで脱力してしまえば俺は楽だが、佐々木が壁と挟まれてしまう。
それは非常によろしくない訳で、そもそもの立案者である俺ががんばるしかないのだ。
ほら、だってアレだろ?
客観的に見れば佐々木は百人中九十八人が頷くこと間違いなしの美少女であり(残り二人はきっとホモだ)、
そして学校の制服が嫌ってくらい似合っているのだ。
いいところのお嬢さんといった風情であり、俺の主観が付加されているが、佐々木の丁寧な顔を見れば性格の良さも解る。
そんな今時天然記念物のような女子高校生が満員電車の中にいればいかがわしい行為に及ぼうとする連中も
いるに違いない訳で、男として友人として佐々木をそんな目にあわせることなどできるはずもない。
心苦しいが佐々木には車両の端にいってもらい、俺が楯になっているという現状だ。
そこ、注意しておくが俺はその、何だ、下心じみたことはまったく考えてないしする気もないからな。


515 :511:2007/04/27(金) 17:30:23 ID:S9v0jDNk
「キョン、意地を張るのもいいがそろそろ辛いだろう?君の好意もうれしいものではあるが――――
――おっと、失敬。大分揺れ―――」
「……………」
「……………」
あー、あー、あー、何と言うか、もう本当に申し訳ない気持ちで一杯だ。
唐突に某ヒューマノイドインターフェース並の三点リーダ製造機になってしまった俺だが、
それは今俺と佐々木がどんな状態かを説明すれば各位が納得してくれるものと信じている。
穴があったら入ってそのまま掘り進めて地球の反対側まで無限沈降したい気分で、
ちょっと昔のチャイナシンドロームとかそんな感じだ。
くそ、誰かにベレッタM92Fあたりを借りたい。怨むぜ○R。

大きな揺れに耐えられなかった俺の右手は佐々木の横の壁に移動し、
傍からすりゃ間違いなく恋人同士。
佐々木が俺の胸に顔を埋めているようにしか見えんからな。


ヤバイ、アホみたいに甘くしてしまった
誰か俺に佐々木分を支援してくれぇ


518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/27(金) 18:02:44 ID:15MQlC6s
>>515
「しかし、毎朝乗ってるがいっこうに馴れないものだよ。キョン、君は幸いにも
こういう環境で毎日をすごさなくてもいいという選択をしたわけだが、実際に
こうやって毎日乗っていると、僕も北高へ進学するべきだったと思えてくるよ」
佐々木がすぐ目の前で、俺を見上げるようにしながら言う。
「幸いにも、僕が普段利用する電車では、痴漢被害は少ないそうだし、僕も
なるべく自己防衛に努めているせいか、実害にはあったことはない。もっとも、
最近は被害をでっち上げてストレス解消としか思えない行動をする女子生徒
までいるそうでね、防犯意識の高い男性なんかは意識的に制服姿を忌避
しているらしいね。何しろ、冤罪でも一度逮捕されてしまえば、それまでの
経歴が多大なダメージを受けるわけだし、冤罪を立証しようとするだけで、
時間と経費が非常にかかる。そんな状況を回避するために、日々細かい
努力を重ねるのは、費用対効果からいえばかなりお得な対策だよね」
といつもの声を出さない笑い声を上げる。
多分な、佐々木よ、今のお前の発言を聞いて、ちょっとぐらいいいかなと思った
ストレスのたまってるサラリーマンの何人かは、色々と思い直してるぞ。
わざとかね?


519 :511:2007/04/27(金) 18:09:22 ID:S9v0jDNk
「………その、すまんな佐々木。今離れるから……」
「なっ…いや、キョン、それはダメだ。個人で多くスペースを使ってしまうのは
他の乗客の迷惑になる。
どうか僕のことなら気にせずにいてくれ。」
そうか、すまんな。
ところで佐々木よ、何故俺の服をそんなに握りしめているんだ?
「ああ、これかい?何、気にしないでくれ」
ついでに聞くが、何やら震えているようだが大丈夫か?
「大丈夫っ…だ」
語尾が少し上がったが、本当に大丈夫か?
「………









この、にぶちん」



>>518テラサンクス
おk、俺は樹海逝ってくる

佐々木スレ4-501 小ネタ

2007-04-27 | その他

501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/27(金) 13:52:56 ID:XmTBUqDo
しかし、実は佐々木はキョンのことが大嫌いだったらどうしよう。w

「ああ、キョン、何も最初から君のことが嫌いだったわけではないよ。最初の頃は
かなりの好意があったのさ、君のそのガツガツしないところにね。キョン、僕はね、男
というもののあの必死さが大嫌いなんだよ。それが本能に即した生物として正し
い行動であっても、人間という理性によってここまでの文明世界を築いた存在に
しては、あれは下品すぎると言えるよ。もちろん、それが生物として社会としての
活力のひとつになってることまでは否定しないがね、滑稽すぎる」
「しかし君は逆に、あまりにもそちらの方面が希薄すぎる。僕が、あの1年の間に何度
婉曲なアプローチをしたと思っているのかい?最初の頃はすばらしいとさえ思えた
君の紳士ぶりも、いつしか憎しみの対象になってしまうほど、君は淡泊すぎた」
「しかし、それは若さというより幼さのせいでもあると、僕は自分を納得させたよ。
君も僕も、これから長い未来がある。多少の回り道でも、そう高校が別になろう
とも、僕に相応しいのは君だけだし、君の良さが分かるのも僕ぐらいだから、きっと
再会することができると。そのために、漠然とした計画とも言えない計画を考えて
いたのさ。僕はそれだけを楽しみに、高校生活を送っていたんだよ」
「そんな僕の耳に、なにが入って来たと思う?そう、涼宮ハルヒの噂さ。そこには
必ず彼女のパートナーとして、君の名前がもれなく付いていたよ。特に、東中時代
の彼女を知る人にとってはね、君の存在は奇蹟のようなものだと。彼女の変化は
間違いなく、君の影響だとそれはそれは高い評価だった。そして僕はね、自分でも
嫌になるほどの嫉妬を感じた。くっくっ、表面上はいつものように振る舞っていたけど、
僕は自分の精神がおかしくなるんじゃないかと思ったよ。だから、そんなときに僕の
前に現れた橘さんたちを見て、こんなはっきりとした妄想をするなんてと自殺しかけ
たほどさ」
「色々と説明を受けたが、僕にとってもっとも重要だったのは、涼宮ハルヒのパートナー
は君だということだよ。神とかそこに宿る力とか未来人や宇宙人なんてものは、実際
にはどうでもいいことだった。僕が欲しいのは、君だけだったんだよ、キョン。だから、僕
は彼女たちと手を組んだ。橘さんは神の力を涼宮ハルヒから奪うこと、そして僕は
涼宮ハルヒから君を奪うことを目標としてね」
「そして、実際にこうやって神の力は奪うことはできた。でもね、君を、君の心を彼女
から奪うことはできなかった。うん、実に勝手だとは思うがね、キョン、僕のモノに、
僕のパートナーになってくれない君なんて、そしてそんな君がいるこの世界なんて、
僕は大嫌いだよ!」
という佐々木の宣言の後、世界は消滅した。
そう、無になった。
ハルヒが世界を創る創造神だったわけだが、それと対になる存在だった佐々木が、実は
破壊神だったなんて、なんてベタなオチだよ。
やれやれ。

という夢を見たんだが、どう思う古泉?
ああ、佐々木の長口上は長門に頼んで書き起こしてもらったんだ。
「ライトノベルの読み過ぎです。そして」
そして?なんだ?
「死んでください、このフラグクラッシャー」
チャンチャン♪

佐々木スレ4-493 「小悪魔ササッキー」

2007-04-27 | 佐々木×キョン×ハルヒ

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/27(金) 11:11:22 ID:ie2oF0lz
小悪魔ササッキー
 サ「やぁ、キョン。昨日はとても気持ちよかったね。久しぶりのことで僕も興奮してしまった」
 ハ「ちょっとキョン、昨日は予備校に行くって言うから帰らせてあげたのに、佐々木さんと何してたの?」
 キ「・・・ゲホッゲホッ!ネクタイを急に引っ張るな、いいか昨日はだな」
 サ「ゴムが破れて中身が漏れ出てしまったときのキョンの慌てっぷりといったらなかったな。かくいう僕も少々狼狽したが。くっくっ」
 ハ「ゴ、ゴムって・・・。あんた、このSOS団団長に嘘ついてそんなことしてたの?完全に失望したわ」
 キ「ま、待て、俺の話を聞け」
 サ「涼宮さん、中学時代のキョンは何度も私を誘ってきたんだよ。最初に誘ってきたのもキョンの方だった。何しろ私も初体験だったから慣れなくてね、彼にしがみついているだけで精一杯だったんだ。今はもう慣れちゃったけどね」
 ハ「そ、そんな・・・」
 サ「ところでキョン、君は少し体力が落ちたんじゃないのか?中学の頃の君はもっとタフでスタミナがあったと記憶しているが」
 ハ「こいつが中学の時からそんな変態破廉恥ドスケベ男だったなんてね。顔を見るのも汚らわしいわ」
 キ「・・・おい、二人ともいい加減にしろ。いいかこれはだな、俺と佐々木が自転車に二人乗りして予備校に行ったってだけの話だ。佐々木が言ったゴム云々は、自転車のタイヤがパンクしちまったことを言ってるんだ。変な誤解をするな」
 ハ「はぁ?自転車二人乗りってどうゆうこと?説明なさい」
 キ「・・・ゲホッゲホッ!く、首が・・・。佐々木も何でこんなことをハルヒに話すんだ?」
 サ「くっくっ」

佐々木スレ4-480 「エンドレスエイト ラストデイ」

2007-04-27 | エンドレスエイトss

480 :エンドレスエイト ラストデイ:2007/04/27(金) 03:13:35 ID:FKsyKU6f
15497回目 夏休み最終日

進学校には夏休みに夏期学習とものを設けている
いわゆる補修授業である
基本的には自主参加であるがこれに出ないと
新学期以降大きく出遅れることになる
その為出席率は高く夏休みという感じはあまりしなかった
とはいえ平常授業とは違い午前中に終わるので午後には自由だ

夏期学習を終えた私はいま駅前にいる
これからまた塾にいかなければならないが
それまでにまだしばらく時間がある
喫茶店にでも入って時間をつぶそうかと思っていたら
見馴れたた背中を発見した
最後に合ってからまだ半年もたってないのにずいぶん久しく感じる
思わず声を掛けていた
「やぁ、キョン」
「うわ」
そんなに驚くこともないだろうに声を上げたキョンはすぐさま振り返った
「なんだ、佐々木か」
「なんだとは、とんだご挨拶だ。卒業式以来合っていないというのに」
振り返ったキョンの顔に懐かしさを感じた
しかし心なしか疲れを見て取れた
「立ち話もなんだ、そこの喫茶店にでもよらないか?積もる話しもあるし」
彼は少し思案したあと
「ああ、そうだな。おそらくもうやることもないしな」
「では早速いくとしよう」
この時点で私は塾を自主欠席することを決めた


「キョン、高校生活はもうなれたかい?
愉快な生活を送れてるかい?」
喫茶店に入ってから私は無難な質問をキョンにぶつけた
「どうだろうな、愉快といよりは忙しいと言ったところだ。
たったの一学期だけでずいぶんと奇怪な体験をしちまったよ
俺としてはもう少しゆっくりしたかったがな」
「なるほど、少なくとも退屈な毎日ではないということだ
僕のところは面白くないわけじゃないけど
キミほど愉快な出来事に遭遇することはなかったからね」
「それはいいことだ。そうそう常識なんてものを壊されたらかなわんからな」
やはりどこか疲れた感で言っている
「お前は市外の私立に行ったんだよな。有名進学校の」
キョンが私のことを知っていてくれたことに喜びを感じながら
「そうだよ。おかげで入学当初から勉強漬けだよ
夏休みだというのに今日も、学校に行って補習授業を受けて来たよ
おかげで夏休みという実感もなかった」
「それは大変だな。俺は早くも定期試験で低空飛行をしているところだ」
相変わらずなキョンの怠け癖にくっくっと私は笑い
「そんなことではまた塾に入れらかねないな
でもそうなるとまたキミと一緒にいることができるのかな?」
キョンは苦い顔をしたあと
「それは勘弁してくれ。それよりもお前はまだ塾にかよっているか?」
「ああ、そうでもしないと授業ついていけないからね
それよりも、」
私は疑問に思っていることに
適当な当たりをつけながら言った


481 :エンドレスエイト ラストデイ:2007/04/27(金) 03:16:29 ID:FKsyKU6f
「キョン、疲れているように見えるけどもしかして
今まで夏休みの課題でもしていたのかい?」
キョンは去年も夏休みの課題をギリギリまでやっていなかったのだ
「え?、あ!しまった!」
その反応を見て私はさすがに呆れた
「まさか、その様子だと失念しているようだが
全く手付かずということはないだろうね」
キョンは頭を掻きながら
「いや、そのまさかだ。全然やってない」
「はぁ、それならすぐに課題に取り掛かった方がいいだろう
今からでは明日には間に合いそうにないがそれでも
全くやってないよりはマシだろう
なんなら僕も手伝ってもいいが」
私は自分の希望も交えて提案した
「あー、でも多分大丈夫だろう。わざわざ佐々木の手を煩わせることもない
…いや、でもそうか!そういうことかもしれない」
なにやら一人で納得しはじめた
「佐々木、感謝する。ありがとう
遅すぎるかもしれないし
それに『次』が上手くいくとはかぎらないがな」
「話しが見えないな。キミは何に対して感謝をのべてるのかわからないし
『次』とはどういうことだい?」
「説明が難しいな、佐々木でも理解出来るか
いや、佐々木だからこそ理解出来ないかもしれないしな
でも言いたかったんだ」
「なんだか分からないがキミの意はもらっておこう」「ああ、そうしてくれ。本当は問題を解決してから
礼を言えればいいが覚えていられないだろいからな」
問題…か
「出来ればその問題やらを詳しく教えてほしいが
キミが話したがらないから無理にはきかないよ」
「すまないな」
本当にすまなさそうにしているキョンを見てると無理強いは出来ない
「いや、いいよ」
それに私はキョンに会えたこと事態行幸だから


482 :エンドレスエイト ラストデイ:2007/04/27(金) 03:18:27 ID:FKsyKU6f
その後しばらく他愛のない世間話をしてそれぞれ帰宅と相成るわけだが
別れの間際、私は一つわがままを言った
「キョン、さっきの件だが
解決したならもう一度キミから礼の声が聞きたい」
するとキョンは渋面をつくって
「そうしたいのはやまやまだが、自信がないな覚えていられるかどうか」
今までの私なら「そうか」と
引き下がっていただろうがこの時はしぶとかった
「なら約束しないか?」
「約束?」
「そう、約束だ。約束は教えておくものでなく守るものだろう?
だから…」
私はキョンを見つめた
「…わかった、約束するよ」
「ありがとう」
思わず言ってしまった
「なんだお前が礼を言ってどうする」
「言いたかったのさ」
「そうか」
「ああ、そうだ」
しばらく私達は笑い合ったあと
「それじゃ」
「うん、また」
私達は家路についた

夏休み最終日のことだった
それから数日後…


15498回目 夏休み最終日

進学校には夏休みに夏期学習とものを設けている
いわゆる補修授業である
基本的には自主参加であるがこれに出ないと
新学期以降大きく出遅れることになる
その為出席率は高く夏休みという感じはあまりしなかった
とはいえ平常授業とは違い午前中に終わるので午後には自由だ

夏期学習を終えた私はいま駅前にいる
これからまた塾にいかなければならないが
それまでにまだしばらく時間がある
とはいえ暇潰しをする余裕などないから
塾に行って講習の予習をしなければならない

しかしなにか約束をしていた気がするのだが思い出せない
最近のことだったような気がするが記憶をさらっても
そんな覚えはない
しばらくその場にいたが何かが起こることはない
なんとなくキョンに会える気がしたが…
やはり気のせいか?

結局何も思い出せない私は塾に向かった
明日からは学校が始まるが特に何かが変わることはないだろう
夏休み最終日は何事もなく終わった

END

佐々木スレ4-468 「暗黒天使妹ちゃん」

2007-04-27 | その他中学時代ss

468 :暗黒天使妹ちゃん 1/4:2007/04/27(金) 02:51:22 ID:dmbtsEuw
「暗黒天使妹ちゃん」

 ベッドに寝転がって、携帯電話を開く。クリスマスに憧れの携帯電話を買ってもらって
からもう1ヶ月以上経っている。指は完全に操作を覚えていて、軽快にメイルの文章を
打ち込んでいく。

to:ミヨキチ
subject:今日のキョンくん
大ニュース、今日キョンくんが女の人を連れてきたー(はぁと)

 とりあえず、ここで送信っと。
 あたしは、今日、キョンくんが連れてきた、佐々木さんのことを思い出す。
 綺麗な女(ひと)だったなぁ。

 はい、こっから回想。

「ただいま~っと、早く閉めてくれよ、寒いって」
「あ、ああ。でも、本当に僕ならかまわないのだよ」
「俺がかまうっての、さ、上がった上がった」
 ん? キョンくんが誰か連れてきたのかな。
「おっかえり~、キョンくん」
 あたしはいつものように居間から顔を出して、キョンくんに挨拶をする。習慣半分、お客さん
の顔を見たいのが半分、キョンくんの妹としては不甲斐ない兄に変わって、きちんとご挨拶
しないとね~。ってあれー、あれれー、キョンくん、彼女連れてきたんだ~。受験生なのに~、
イケナイんだぁ。
 スリッパを引っかけて、直接ご挨拶に向かう。知らない女の人、これはよっく観察しないと。
「キョンくん、誰ぁれ?」
 玄関に上がった、キョンくんの袖をつかんで、おねだり。女の素性は確かめておかないとね。
「ああ、まぁお前は初めてだよな、たぶん。佐々木ぃ、コレ、俺の妹。こっちは中学のツレの
佐々木、ほれご挨拶しろ」
 よし、可愛いとご近所でも評判の笑顔を浮かべて先制パンチだ。
「はじめまして~」
 ぺこんとお辞儀でコンボ。
「はじめまして、佐々木と言います。お兄さんには中学と塾の方で、お世話になっています」
 おお~~~、美人だ。美人だよ、肩口で切りそろえられた柔らかそうな髪の毛、つぶら
な瞳は黒い宝石みたいに輝いている。睫毛もなっが~い、肌しろ~い。体つきは今いち
だけど、中学生なら将来に期待でしょ。すっきりと細身で、キョンくんの中学の野暮った
い制服もすらっと着こなしている。それになんと言っても、小柄なのに足がなが~い。
いいなぁ、アコガレちゃうよ~。この人があたしのおねぇさんになるのね~ってそれは
ハヤイ、早すぎる。
「ああ、それじゃ着替えてくるから、居間で待っててくれな。
おい、佐々木にコーヒーでも淹れてやってくれ」
 おいってあんだよ~、まぁお客さんの前でケンカするのはアレだから、後で覚えて
おけよ~、算数ドリルやらせるぞー。
「えっと、じゃあこっちです」
 佐々木さんを居間に通す、出しっぱなしの新聞片づけて~、あ、その辺に座ってくださ
い~、今コーヒー淹れます~。インスタントですけどー。
「あ、ああ、お構いなく」
 佐々木さんは興味深げに周りを見回している。まぁ恥ずかしくなるのはおかーさんだか
ら別にいいやー。え~と、お客さん用カップとお皿、キョンくんのマグカップ、あたしのお気
に入りのカップを取り出す。何も言われなくてもお兄ちゃんの分まで用意するなんて、よく
できた妹ですねー。

 あ、返信来た。
 回想ココまで。


470 :暗黒天使妹ちゃん 2/4:2007/04/27(金) 02:56:14 ID:dmbtsEuw

to:×××××××(プライバシー保護の観点から伏せさせて頂きます)
subject:re:今日のキョンくん
え、どういうこと、なの? 嘘、まさか、お兄さんの彼女さんなの?

 うぷぷ、ぱにくってる~。ミヨキチちゃんはキョンくんが好きなのだ。初恋なのだ。
あたしにだけ教えてくれた。ミヨキチはあたしの一番の親友で、友達の中じゃ一番の美人
さん、まぁ成長したあたしの敵じゃないけどね~。ふふ、ミヨキチめ、そうやって足踏みし
ている間に、キョンくんはどっかに行っちゃうのだぞ。まぁ、あたしはついて行くからいいけど。

to:ミヨキチ
subject:re:今日のキョンくん
それがね、すごい美人のお姉さん♪ 
キョンくんと同じクラスで、優しくて、物静かで、頭いいんだって。

 はい、ここらで送信っと。
 くつくつ、見えないライバルにドキドキするのがよいのさ。

 回想その2ッ

「お砂糖はいくつにしますか~、ミルクは~」
「あ、そのままで、入れなくていいです」
 おお~、ブラック。大人だよお姉さん。
 自分の分にはミルクたっぷり、お砂糖も山盛り三杯、キョンくんのマグにはミルクを少し。
 さてと、キョンくんが降りてくるまで後、5分。この時間で、洗いざらい聞かせて頂きますよ~。

 コーヒーを居間のテーブルに運ぶ。
「ご一緒してもいいですか~、お姉さん。はい、どーぞ」
 カップをきちんと佐々木さんの目の前に置く。
「ああ、ありがとう。偉いね、いま幾つ」
「今年、小五、だから10歳です」
「彼も安心だね、こんなにしっかりした、妹さんがいるんだし」
 えへへ~と愛想笑って、さってとどこから切り込もうかなぁ。
「お姉さん、キョンくんの恋人?」
 あ、お姉さん、咳き込んだ。ティッシュ、ティッシュ。こぼれたコーヒーを拭き取る。
「あ、ありがとう。まぁ、女の子の方が早熟なのは、分かっていたけど。キョンは、友人
だね。一番の親友といってもいいかな」
 男と女で一番の親友? なんだよ、それ~、信じらんない。男と女の間に、友情はないんだぞ。
「そうなんですか、あ、そうか。お姉さんが佐々木さん、お母さんが言ってた佐々木さん
がお姉さんなんですね」
 困ったなって感じの顔をした。自分のことが家族の会話になってるなんて思いもしな
いに違いない。ふふ、びっくりするぞ。
「ウチのお母さんね、キョンくんに、“そんなんじゃ、佐々木さんと同じ大学に行けないわよ”
っていつも言ってるんだよ」
「あ、え? そうなの?」
 あ~~、赤くなった。ふ~~ん、やっぱ嘘じゃん。
「お母さんとは会ってるの~?」
「ええ、夏頃かな。やっぱり、こんな風に、お邪魔したことがあるの、その時はあなたは
いなかったみたいね」
 ほほ~、親への紹介はすでに終わっていますか~。やりますなぁ。
「でね、お母さん、言ってたの。こんなんじゃ、佐々木さんに振られちゃうって。
も、もしかして、もうキョンくん、振られちゃった?」
 下を向いて、涙を溜めてっと、うるうるおめめで、見上げれば、どんな大人もイチコロよん。
「いや、振るとか、付き合うとかそういうんじゃなくてね、あ~、どういえばいいのかな。
私と彼は恋人関係じゃないの。いい友人関係を続けさせてもらっているわ」
 なんだ、満更でもない感じ、脈ありだよ、キョンくん。ミヨキチ、ピンチ。あたしはいつだって、
あなたの味方よ。と、泣きそうになっている脳内ミヨキチにエールを送る。

 回想ココまで。
 さっきから、何本か着信してるな~、そろそろ答えてあげましょう。


472 :暗黒天使妹ちゃん 3/4:2007/04/27(金) 02:59:39 ID:dmbtsEuw
>>467
 あ、しまった。投下タイミング被った。
 申し訳ない。あと二つなんで、待ってくれ。
 まじ、すまん。

to:×××××××(プライバシー保護の観点から伏せさせて頂きます)
subject:re:今日のキョンくん
ね~、どういうこと?

to:×××××××(プライバシー保護の観点から伏せさせて頂きます)
subject:re:今日のキョンくん
まさか、ホントに? 彼女さんなの?

to:×××××××(プライバシー保護の観点から伏せさせて頂きます)
subject:re:今日のキョンくん
まだ、告白もしてないのに(;_;)

 余裕あるジャン。まったく、だから、この間のお泊まりの時に、キョンくんをゆーわく
しろってけしかけたのに~。さてと、少しは安心させてあげましょ~。まったくあたしは
イイ友達だよ。幸せだね、ミヨキチ。

to:ミヨキチ
subject:re:今日のキョンくん
ん~、どうも恋人じゃないみたい。友達以上、恋人未満ってヤツ? マンガみたいだよね、
ちょっと憧れちゃうかも。でも、なんかちょっと揺らしたら、あっという間に恋人になっちゃうかもね。

 はい、送信送信。

 回想その3ッ

「お、俺の分もあるんか、ありがとよ」
 履き古して味の出たジーンズにタートルネックのセーター、革のハーフコートに着替えた、キョンくん登場。
「ああ、もう準備はいいのかい?」
「コイツ、なんか失礼なこと言ってなかった?」
 ぷ~、なんだよ~、この可愛い妹ちゃんのことをそんな風に見てるのかよ~。
「いや、いや、キミに関する興味深いお話を聞かせて貰っていた所だよ、キョン」
 ん? あたしの時とキョンくんの時でリアクションの温度、違くない、お姉さん。しゃべりも堅いし。
「それじゃ、キミがコーヒーを飲み終わったら、もうひとつの学舎へ向かうとしようか」
「ん、わりぃな、まぁちっと急げば十分間に合うだろ」
 ほうほう、ふたりは塾も一緒だっけね。
「こっから、直接塾行くんですか?」
 先ほどの疑念を確かめるべく、佐々木のお姉さんに聞く。
「うん、キョンくんの自転車に相乗りさせてもらってるの。バス代が浮いて助かっちゃうな」
 あ、この人、ヘンな人だ。なるほどぅ。キョンくんが興味持つはずだ。
「え~、いいなぁ憧れちゃうなぁ、男の子の後ろで、ふったりっのりっ」
 ど~んと、キョンくんの腰に抱きつく。
「こんな感じ~?」
「こら、熱い物持ってる時にぶつかってくんな危ないだろ」
「横乗りだから、そんな風には抱きつけないのよ。左手だけで掴まる感じ」
 うわ、普通に返された。やばい、兄譲りの好奇心が沸いてくる。この人、面白いかも。
 そんなことを考えてると、キョンくんはごくごくと乱暴にコーヒーを飲み干して、マグをテーブルに置いた。


473 :暗黒天使妹ちゃん 4/4:2007/04/27(金) 03:01:23 ID:dmbtsEuw
「ぷはぁ、うし、佐々木、行こうぜ」
 ゆっくりと、佐々木さんは、カップを置いて微笑んだ。
「ああ、こっちもいいよ、妹さん、コーヒーごちそうさまでした」
 優雅に一礼、う~ん、やっぱ美人はお得だ。何しても格好が付く。
「いえいえ~、おかまいもしませんで、またきてください」
 お母さんのセリフを真似っこしていう。ぺこんとお辞儀。
「そんじゃ、行ってくるな」
「はい、いってらっしゃ~い、きをつけて~」
 こうしてあたしはふたりを見送った。

 回想、全部終わり。

to:×××××××(プライバシー保護の観点から伏せさせて頂きます)
subject:re:今日のキョンくん
え~~~、そんなの、やだようぅ○rz

to:ミヨキチ
subject:re:今日のキョンくん
 ヤダとか行ったって仕方ないジャンさ。行動あるのみだよ、ミヨキチ。キョンくんは鈍い、
犯罪的だね。あんな美人さんと二人乗りで、一年近くも同じ塾に通ってるのに、お友達な
んだよ。チャンスはあるよ。まだ。ほら、来月はバレンタインじゃない。ここできっちりと
意思表示すれば、大丈夫だって。

to:×××××××(プライバシー保護の観点から伏せさせて頂きます)
subject:re:今日のキョンくん
そりゃ、お兄さんにチョコあげようと思ってるけど。でも、その彼女さんも同じかも。

to:ミヨキチ
subject:re:今日のキョンくん
 キョンくんには、なんて言うのかな、普通にやっちゃダメなんだよ。その美人のお姉さん
もやっぱヘンな人だった。そうだな~、たとえばさ、「わたし、あなたのセックスフレンドに
なりたいんです」とかいっちゃうのどう?

to:×××××××(プライバシー保護の観点から伏せさせて頂きます)
subject:re:今日のキョンくん
え? なに、そのせっくすふれんどって? お友達?

to:ミヨキチ
subject:re:今日のキョンくん
え~と、お友達の四段階くらい上の単位かな?

to:×××××××(プライバシー保護の観点から伏せさせて頂きます)
subject:re:今日のキョンくん
それ、いいかも☆

 通った。真に受けたよ、この娘。この子も純だな~。あたしゃ、親友として、あんたの
将来が心配だよ。悪い大人に騙されないようにあたしが気を付けてあげるね。感謝し
てよね、ミヨキチ。バレンタインまであと二週間ちょっと、この間に、きっちりとミヨキチ
の気分を盛り上げてあげなければなるまい。そう、決意するあたしなのだった。

 でも、その間にあのふたりに何もないといいねぇ。
 あたしゃ神さんじゃないから、そればっかりはわかんないのよ。

佐々木スレ4-438 佐々木vsハルヒ

2007-04-27 | 佐々木 vs ハルヒ

438 :小ネタ:2007/04/26(木) 22:28:35 ID:WuA2JLsh
佐々木「僕のターン!修学旅行のキョンの写真を攻撃表示!」
ハルヒ「うぁ、なかなかいいの持ってるわね!あたしのターン!
フェリーで居眠りするキョンの写真を攻撃表示よ!」
佐々木「こ、これは…やるね、涼宮さん」


キョン「ナニをやっとるんだ?あの二人は……」
古泉「どちらがあなたとの思い出が多いか勝負らしいですよ」
キョン「何でそんな……俺にたいする拷問にしか見えんのだが……」


佐々木「では僕はキョンが使っていた参考書をセット。
ここの線は図書館で二人で勉強した時にキョンが引いたんだよ。」
ハルヒ「図書館で二人!くっ…それは効いたわ…
ならあたしは、SOS団機関誌をセット!
キョンが書いた恋愛小説が載っているわ!」
佐々木「キョンの……恋愛小説だって……」
………
……



キョン「古泉……首吊り用のロープ……」
古泉「気持ちはわかりますが……今は耐えて下さい」



終われ

佐々木スレ4-429 フラグデストロイヤーk

2007-04-27 | フラグクラッシャーk

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 21:46:55 ID:7TM0t9Vq
もう、フラグデストロイヤーキョンでいいよ


430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 22:01:34 ID:4eM4Orhb
とうとうデストロイヤーか。
その調子だと死亡フラグか恋愛フラグまで、ありとあらゆるフラグを壊せるな。


431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 22:02:26 ID:crlFrAOz
フラグブレイカーぐらいでいいんじゃない?w


432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 22:04:22 ID:4eM4Orhb
>>431
むしろかっこよくなったぞそれw


433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 22:10:24 ID:VJJfTxaf
>>431
それはあらゆるフラグを無効にする
右手をもっているということですか?


「そのフラグをぶち殺す」


434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 22:12:12 ID:2nUppsR0
「佐々木どいてくれ そのフラグ壊せない」


435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 22:16:17 ID:v+u92nTZ
「そこにフラグがあるから」


436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 22:21:12 ID:ujQLBSab
「急にフラグが立ったので」


440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 22:44:22 ID:bIQjIvWT
>>436
QFTwww

佐々木スレ4-426 佐々木×キョン

2007-04-27 | 予備校ss

426 :小ネタ:2007/04/26(木) 21:35:55 ID:mzrvgsfJ
ある日自転車に乗りながら

「キョン、これから背中に漢字を書くから当ててみてくれ」
書き書き
「えーっと、スキ?」

「正解。じゃあ次。」
書き書き
「あー、これはコイ、だな?」

「正解、さすがだねえ、キョン。では、最後。」
書き書き
「うーん、これは・・・アイ、か?」
「正解!いや、全くキミのこの才能には感服するばかりだよ!」
「ははは、実は俺の隠れた特技なのだ!」

(にしても鍬、鯉、藍ってわかりにくい字を書くのが佐々木らしいな。)
(こんなしょうもない特技は持っているのに、肝心なところがわからないのがキョンらしいな…)

佐々木スレ4-399 「佐々木さんの憂鬱と暴走と失敗」

2007-04-27 | その他中学時代ss

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 20:28:31 ID:kJiNhmln
ちょっと長いの書いてみた。

「閉鎖空間に引きずりこめ!」てな感じの中学時代。


400 :399:2007/04/26(木) 20:30:07 ID:kJiNhmln
佐々木さんの憂鬱と暴走と失敗

明日の始業式を迎えるにあたっての準備を早々に終え、ベッドの上でなぜ夏休
みには登校日があるのかという謎について一通りの考察を続けているうちに、
俺はいつの間にか眠りに落ちていた。
「・・・キョン?起きてくれるかな、キョン?」
聞き慣れた声に目を覚ますと、これも見慣れた笑顔が見えた。
「佐々木?」
「ああ、良かった起きてくれて」
ベッドに寝ている俺をのぞき込んでいるのは、間違いなくクラスメイトの佐々木だ。
待て、どうして佐々木が俺の部屋に居る?
昼間ならまだしも、こんな時間に俺の部屋に居るような間柄では無いはずだが?
だいたい、玄関だって夜はきちんと戸締まりしてたはずだが、呼び鈴を押されて
起こされた誰かが開けたのか?
「鍵は開いてるし、誰もいないから勝手に入らせてもらったよ」
なにを言ってやがる、と言いながら起きあがった俺の目に入ったのは、窓から見
える外の風景だ。デジタル時計の表示を信じるなら、今は午前3時13分。どん
なに夏の夜明けが早いとはいえ、こんなに明るいはずがない。その明るさもどこ
か不自然で、原因はセピア調のモノトーンの空が外に広がっているためのようだ。
そのおかしな空全体が一様に光っているようで、その明るさで、部屋の中や、ベッ
ドの脇に立っている佐々木の姿も細部まではっきりと見えている。
なんだこりゃ?と思ったが、俺はすぐに合理的な考えに至った。
「なんだ、夢か」
それにしてはやけにリアルな夢だな。
特に目の前に居る制服姿の佐々木は、いつも見慣れている本物そのままの質感に
見えるし・・・おいおい、佐々木がいつも使ってるのと同じシャンプーの匂いま
でしやがる。
「くっくっ、そう、夢と考えるのが合理的だね。深夜にもかかわらず空は不自然
に明るく、さらには僕がこんな時刻に君の部屋に居るなんてことは、現実ではま
ずあり得ない。そんな状況を端的に説明するなら、夢と解釈するのが自然だろうね」
夢の中でも佐々木はいつものように、押し殺した笑い声を上げた。
これが夢なら佐々木のボキャブラリーは俺の脳味噌に依存するであろうから、い
つもよりは平易な言い回しになったりするのだろうかね?
「やけに冷静だね、キョン。僕はそうでもないんだがね」
「夢だろ?夢の中で慌ててもしょうがないと思うが」
そもそも何で俺の夢に佐々木が出てくるんだ?
この夏休みも毎日のように塾で顔を合わせていたわけだし、朝になって学校に
行けばかなりの高確率で会える相手だ。
夢の中でまで会う必要は無いと思うぞ?
「冷たいな、キョン。せっかく会いに来た友人にそれは無いだろ」
そりゃあ普通の状況なら佐々木のアポ無し訪問を歓迎することに異存は無いが、
今はちょっとそんな気分にはなれそうもない。
「会いに来たということは、何か用があるのか?」
自分の夢だというのに、俺にはまったく思い当たる節がない。せいぜい夏休み
の宿題を片付けるように何度も言われたことぐらいだが、いちおう寝る前に終
えており、明日は堂々と登校できる状態にしてある。
そのことによる安堵感が生み出した夢なのだろうか?
「ああ、宿題は全部終えたようだね、感心感心。もっとも、僕としてはお盆前
あたりまでに終わらせてくれると期待していたんだがね。だが今回の訪問はそ
れが理由ではないよ」
じゃあ、なんだ?
夢の中とはいえこんな時間だ、手短に頼む。
「うん、僕もなるべく手短にすませたい。率直に言おう、キョン、君は一夏の
アバンチュールというものをどう思う?」
いつの間にか、佐々木から笑顔が消えていた。
おい、なんのつもりだ、その真剣な顔は?
「・・・すまん、何だって?」


401 :399:2007/04/26(木) 20:31:18 ID:kJiNhmln
「青少年なら一夏の経験という表現の方がいいかな?つまりだ、頭の中で性欲
と妄想がほどよい具合に熟成されている青少年が、夏休みに機会を得てそれを
実行してしまうという行為についてだよ。キョン、君はそれを経験したいと思
わないかね?」
もう一回言おう。
「・・・すまん、何だって?」
「僕が何を言ってるのか、何を言いたいのか、君はすでに察してくれていると
思うが、君の肥大している理性や常識が理解の邪魔している可能性もあるだろ
うから、あえて説明するとだね」
そこで一旦言葉を切る。
佐々木よ、その幼馴染みが今までの関係を一歩乗り越えようとしてなけなしの
勇気を振り絞ってるような真剣な表情は、いったい何のつもりだ?
「一度くらい、経験しておく方が精神な安定が得られると僕は考えたんだ。未
経験であることによる不安感よりも、経験することによって得られる充足感と、
周りへの精神的優位は、これからの受験への追い込み時期にかけて有利になる
んじゃないかとね。僕にも、年相応の好奇心や、その・・・性欲を自覚するこ
ともある。それで、この間のお盆に会ったちょっと年上の親戚の姉さん方と色
々と話してだね、刹那的機械的に行うべきものではないが、後生大事に持って
おくものでもない。適切な相手が居るなら、早いうちにすましておくべきでは
ないかという結論に至ったのだよ。というわけで、キョン」
待て、佐々木、それ以上は口にするな。というか、この場合は夢なんだから俺
が止めるべきなんだろうが、この夢は俺の意見を聞いてくれないようだ。
「僕と、・・・セックスしてくれないか?」
くそ、言いやがった。
できれば、もうちょっと恥じらいとか、婉曲な表現でして欲しいが、これも佐
々木らしいと言えばらしいと言えるか。
「なぜそうなる!というか、なぜ俺なんだ?」
「キョン、君は僕が他に親しくしている異性について、心当たりがあるかい?」
「いや・・無いが」
「僕のこと、嫌いかい?」
「いや、そんなことは無いが・・・」
「僕は同性愛に興味は無いが、君はあるのかい?」
「そんなものは無い!」
「なら、それで十分だよ」
まてまて、どういう論理的帰結だ?いつものお前らしくない。というか、お前の
その行動はどっちかというと、本能に即したもののような気がするぞ?
「それに、君は何も心配することない。例えばだ」
とポケットからなにやら折りたたまれた紙を出して広げた。なにやら、グラフら
しきものが書かれているが、まさか、これは、
「これは僕の基礎体温票だ。幸いにも僕の生理は非常に順調でね、ほら、この通
り、今日は俗に言う安全日というものの真っ最中だ」
中学生がそんなものつけないでくれ。
「さらに」
またポケットに手を突っ込むと、見たことはあるが使ったことはない物体を取り
出した。
「この通り、コンドームもきちんと用意してある。買ったばかりで劣化などして
いない、日本製の高級品だ。少し値段は張ったが、夏休みに特にお金が必要なイ
ベントは無かったから、お小遣いの残高に余裕があったから問題ない。事前に実
習をするわけにはいかなかったが、使い方に関しても十分に予習してある」
・・・準備の良い奴だ。
何かの冗談だと思いたいが、ここまでの佐々木の表情は真剣さの固まりだ。ひと
つ笑顔でも見せてくれれば、冗談にできるかもしれないが、どうやら佐々木は本
気らしい。
が、その行動にはどうもいつもの余裕が感じられない。なんというか、時間にせ
き立てられているというか、そんな焦りのようなものを感じる。
「ちょっと数字はど忘れしたが、バチカンルーレットとコンドームの併用による
避妊の失敗率は、ほぼ無視して構わない数値だったたはずだ。理性的な男性が性
交を拒否するのは、EDなどの機能的な問題をのぞけば、社会的経済的な準備無
くことに及び、その結果女性が妊娠する事態を想像して、」


402 :399:2007/04/26(木) 20:32:14 ID:kJiNhmln
佐々木の冷静に見えるわりに、どこか熱を帯びた言葉が続いている。
・・・待て、これは夢のはずだ。
ということは、これは俺の願望なのか?
俺は佐々木とそういう関係になりたいと、心のどこかで思っているのか?
俺からアプローチする勇気も度胸もないから、こうやって佐々木の方からアプロー
チしてくる状況を夢で作り上げたのか?
しかも、コトにいたっても問題が無いと佐々木に言わせてまで。
・・・どこの最低野郎だ、俺は。
「さらにだ、キョン。これは夢だ。夢の中で何をしようが、現実には何の影響も
無い。よって、君と僕がここで一線を越えたところで、現実世界には何の影響も
ないのだよ!」
俺の中の何かがブチ切れた。
理性の方向へ、だが。
「キョン?」
俺は無言でベッドから立ち上がり、ポスターも何も無い壁へと相対すると、大き
く上半身を反らし、思いっきり頭を壁に叩き付けた。
「くそっ!痛えなこの野郎!!」
夢のくせに、痛いぞこれ。
一瞬、気が遠くなったが、覚醒の気配は無い。夢のくせにやけにはっきりと感じ
る痛みに、思わずその場にしゃがみ込む。頬をつねって痛くないなら夢だ、とい
う古今東西の物語はどうやら嘘だったようだ。
「・・・何をしているのか、合理的な説明をしてくれるかな、キョン?」
佐々木が俺の突然の行動に驚いている。まあ、そりゃあそうだ、無言で壁にヘッ
ドバッド繰り出す人間が目の前にいたら、そいつの正気を疑うのが自然だ。
「目を覚まそうとしてるんだよ!」
額をおさえつつ立ち上がり二発目を壁に叩き込もうとした俺の視界に、今にも泣
き出しそうな佐々木の顔が見えた。
「・・・そんなに、僕とするのが嫌なのかい?」
泣き出しそうじゃなくて、泣いてやがる。
「あの、その、だな」
佐々木の泣き顔なんて見るのは初めてだし、というか俺の脳味噌はこうも想像力
豊かだったのかね?思わず、抱きしめたくなっちまうだけの威力があった。
「僕には、それほど魅力が無いのかい?」
頼むから、泣きながら問いつめないでくれ。
そんな顔で見つめられたら、その気がなくてもその気になりかねん。
・・・単純だよな、俺。
「友人として、僕の願いを聞き入れてはくれないのかい?」
「すまんが、できない」
言い訳してやる。
誰にだ?
自分自身にだな。
「ええとだな、これは夢なんだろ?」
「・・・そういうことになってるようだね」
ちょっと歯切れ悪く佐々木が答える。
「つまり、ここにあるのは、俺の願望や妄想てことだ。佐々木の意思はない。自
分勝手な考えで、夢の中でことに至るなんてのは、まるで・・・」
「まるで、何だい?」
「まるで強姦してるような居心地の悪さでな、俺のなけなしのプライドがそんな
無法は許さんと、さっきからわめいてるんだよ」
俺のプライドよ、そんなに騒ぐなら夢を見ないように事前工作をして欲しかったな。
「自覚はあんまり無いが俺も年頃だ。さっきのお前の言葉じゃないが、俺もお前
以外に親しくしている異性なんてのは、他に心当たりが無い。そのせいで登場人
物はお前で、シチュエーションもお前がやりかねないようなものになっちまった
んだろうな。ほんとうに、すまん」
夢の中の登場人物に謝ってもしょうがない気もするが、目が覚めてから本物の佐
々木に謝るわけにはいかないだろうし、ここで機会を逃すと後悔しそうだから謝っ
ておく。


403 :399:2007/04/26(木) 20:33:04 ID:kJiNhmln
「・・・キョン、夢の中でも君は真面目だね。いや、こういう場合は堅物と言う
べきかな?」
佐々木はちょっと笑っていた。
迫ったり泣いたり笑ったり、忙しい奴だな。
だが、どうやらいつもの佐々木の感じが戻って来た感じだ。
「くっくっ、僕は分かってるようで、分かって無かったようだ。君相手には、こ
ういう方法は良くなかったようだね。僕は、どうやら君をあなどっていたのかも
しれない。これは僕の焦りによるミスと言えるね。僕も謝ろう、すまない、キョン」
何のことだ?と聞こうとした俺の視界に飛び込んできたのは、腰の入った綺麗な
右のフックを笑顔で繰り出す佐々木だった。
「え?」
佐々木の奴は武道とかやってたかどうか記憶を探るヒマもなく、俺は吹き飛ばさ
れながら流れていく風景を眺めている。
「じゃあ、キョン、学校で会おう」
そんな声を聞きながら、俺の意識は暗転した。


「うあ?!」
俺は飛び起きる。
「えっ?あいててっ!」
意識はすぐに覚醒したが、同時に額と左の頬のあたりに何か妙な痛みがあること
に気付いた。どうやら寝ぼけてベッドの角にでもぶつけ、その痛みで目が覚めた
らしい。
やれやれ。
デジタル時計を見ると午前3時45分。
夏の夜明けがいくら早いとはいえ、さすがにまだ外は暗いし、起き出すにはいく
ら何でも早すぎる。
ベッドの角に額をぶつけるほど暴れたり寝ぼけたりしたんだから、見た夢はやは
り悪夢なんだろうか?ぶつけたショックのせいか、夢の内容については一切覚え
てない。
俺はしばらくの間、夢の残滓を探そうとあがいていたが、結局断片すら見つける
ことは出来なかった。
その行為は俺が思っていた以上に長時間に及んでいたんだろうな。
2学期が始まる日に、遅刻ギリギリに教室に飛び込むハメになった。
今朝に限って、いつもなら休みの日ですら起こしに来る妹は何かの当番らしく、
いつもより早く登校したそうで俺の所には来なかった。
そのせいにするのは大人げないから、絶対にしない。
「やあキョン、寝坊かい?」
「ああ、ちょっとな」
呼吸を整えながらだから、ちょっとぶっきらぼうに席がすぐそばの国木田と夏休
み明けの挨拶を二言三言してる間に、始業式のため体育館へと移動となる。体育
館に移動する間にも、何人かと挨拶を交わしたが、どうも調子が悪くて会話が続
かない。やはり飯抜きでは、元々たいして良くない頭は、うまく回らないようだ。
そんな状態で校長その他の話を聞くのはかなり苦行であったが、幸いにも俺を含
めて誰も倒れることは無かった。
とはいえ、朝食抜きだけならまだしもダッシュで登校したせいもあり、式が終わっ
てるころには、さすがに疲れと空腹で少々ふらついてきた。
「大丈夫なのかい、キョン?」
と心配そうに体育館を出たあたりで声をかけて来たのは、佐々木だった。
大丈夫だ。
心配してくれるのは非常にありがたいが、これは空腹と俺の体力の無さのせいで
あってだな、そんな顔をされたら、俺の方が申し訳ない気持ちになっちまうだろ
うが。
「ギリギリに登校してたようだが、寝坊でもしたのかな?」
夜明け前に悪夢を見たらしく飛び起きて、二度寝に失敗したんだよ。ま、他にも
不運が重なって、飯抜きでの登校になったのさ。
「へえ、悪夢ね。どんな悪夢だい?」
俺なんかの見た夢に興味を持ってくれるとは光栄だな。覚えていればお前に説明
できるんだが、残念ながらまったく覚えてないから無理だ。


404 :399:2007/04/26(木) 20:34:02 ID:kJiNhmln
「なんだ、覚えてないのか。・・・それなのに、なぜ悪夢なんだ?」
ああ、正確に言えば「悪夢らしい」という疑問系だな。あちこちぶつけて痛いか
らそう思っただけで、実は勇者となって世界を救うとか、あるいは人気アイドル
になってファンに揉みくちゃにされている夢だったかもな。
「僕はてっきり夏休みの宿題を片付けるのに、徹夜でもしたのかと思ったよ」
「宿題は昨日の昼にできてるよ。お前が夏休みの間中、せっついてくれたおかげかな」
例年だと、始業式が始まっても一部は出来てなかったり、結局は提出しなかった
りもあったから、それに比べれば劇的な成果だな。
「僕としては、お盆前あたりまでには終わらせてくれると期待していたんだがね」
おいおい、無茶を言わないでくれ。
「それほど無茶ではないよ。僕は8月に入る前に終わらせていたわけだし。キョン、
君は自分で思ってるほど能力がないわけではないと、僕は評価してるんだがね?」
勝手に俺を評価するな。
お前が早めに片付ければそれなりに良いことがあるものだよ、てな感じで何度か
促してくれても最終日までもつれ込むぐらいだぞ?だいたい、夏休みが終わるま
でに仕上げればよいものを何でそう急いでやる必要があるんだよ。
「別の勉強をするなり、遊んだり趣味の時間ができるじゃないか。僕としては、
君が早めに宿題を片付けたなら、海かプールにでも招待しようかと計画してたん
だがね」
・・・佐々木よ、そういうご褒美は事前に言っておけ。
塾の夏期特別講習とやらのおかげで、例年の母親の実家への避暑と先祖供養の期
間が短縮され、今年の夏はどうもあまり遊んだ記憶が無い。まあ俺にも受験生だ
という自覚があったから、自然と遊びは控えたんだが、そういうご褒美があると
分かってりゃ、もう少しモチベーションを高く維持できたかもしれないぜ。
「劇的なサプライズ効果を狙って黙っていたんだよ。どうやら君にはきちんと人
参を見せないとならなかったようだね、すまない。今度、そんな機会があれば気
をつけるよ」
いくら美味しそうな人参でも、クリアするべき目標は俺の身の丈に合ったものに
してくれよ?例えば、成績をお前と同じぐらいに引き上げるとか、やる前からや
る気を失うような目標は、せっかく上がった成績の低下とかの逆効果しかなさそ
うだからな。
「重ねて気をつけよう、くっくっ」
分かればよろしいと頷いた俺の腹が、ぐぅとなった。それが佐々木のツボにはまっ
たのか、しばらく声を出さずに笑ってやがる。
「いや、すまない、キョン。これを腹の足しにでもしてくれ」
と制服のスカートのポケットから飴をひとつ取り出し、俺に差し出した。そういや
いつだったか、脳に必要な糖分についての短い講義をこいつから受けたことがあっ
たな。そのせいか、こいつが常備してる飴はノンカロリーのど飴とかじゃなくて、
昔ながらの懐かしい味のものが多いんだよな。
「お、すまんな、佐々木」
ありがたく受け取ることにする。人の好意は大切にするもんだ。
しかし、俺の空腹はけっこう酷いもんだったんだろうな。差し出された飴を受け取
ろうとするまで、佐々木の右手に巻かれた包帯に気付かなかったんだから。
「どうしたんだ、それ?」
「ああ、これかい?ちょっと部屋の中でぶつけたんだ。たいしたことはないが、ま
あ念のためにと湿布を貼ってるだけだよ」
おいおい、気をつけろよ。
利き腕なんてケガしたら、学生の本分たる勉強に差し障りがあるからな。


405 :399:2007/04/26(木) 20:34:51 ID:kJiNhmln
俺は飴を口に放りこんでその甘さを舌と脳で味わい、佐々木とたわいない会話をしな
がら教室へと戻った。かなりのんびりした歩みだったせいで、俺と佐々木が一番最
後だったが、まだ担任がやってくる気配はなく、みんな好き勝手に会話に興じている。
「ああ、良かった。仲直りしたみたいね」
俺と佐々木が教室に入るなり、クラスで一番の世話好き女子が俺たちに声をかけてきた。
なんのことだ?
「二学期初日から普段仲良しの二人が喧嘩してるなんて、クラスの雰囲気が悪くな
るかもって心配してたのよ?ほーんと、良かったわ」
佐々木の方も見ると、こいつも何のことを言われているか分かってないようだな。
「だから、なんの話をしてるんだ?俺と佐々木がいつ喧嘩したんだよ?」
俺の言葉に、相手は「え?」という顔をしている。
ふと気付けば、教室内のかなりの人数がこちらに注目している。
おい、まさかお前ら全員、そう思ってたのか?
どうして?
「だって、キョン君の赤くなってるほっぺた、佐々木さんに殴られたんじゃないの?」
再び笑いのツボに入ったのか、何を言われているのかに気付いた佐々木は先ほどよ
りも長く声を出さすに笑い続けた。

俺は朝の慌ただしさのせいでまったく気付かなかったのだが、左の頬に蚊に刺され
たにしては大きすぎ、男同士の喧嘩の結果にしては小さな赤い痕跡があったのだ。
そう、丁度女性にでもはたかれたよう後が。
そして佐々木の右手の包帯。
ついでに言えば、登校直後の俺は普段とは違って不機嫌そうに見え、そこから想像
力豊かなクラスメイトたちは、ファンタジーを作り上げたのだ。
俺が佐々木にグーで殴られたのだと。
なぜそうなる?
俺は必死に説明し、しばらく笑い続けていた佐々木もそれを支持したので、何とか
クラス内の誤解を解くことはできた。
が、すでに問題は3年生の物見高い連中の間に広まったらしい。やだねえ、ITの発
達という奴は。後で聞いた話では、始業式の間中にかなりの頻度でメールがやりと
りされたそうだ。そのせいか、広まった噂が担任の耳にまで入り、その日のうちに
俺だけ呼び出されて弁明する羽目になっちまった。
なんで殴られたはずの俺だけが呼び出されるのかと疑問に思ったが、噂というやつ
は広まる間に変形するらしい。
俺が佐々木を押し倒そうとして殴られた、というストーリーが完成していたのだ。
やれやれ。
幸い、呼び出した担任も「まさかとは思うが」と事実確認をしただけで、すぐに解
放された。こういう時は普段の行いがものをいうわけだが、できればこんなイベン
トは二度とあって欲しくないね。
俺なんかと、こんなくだらん噂の種になるなんて、佐々木が可哀想じゃないか。




佐々木スレ4-391 意外に少女漫画好きな佐々木

2007-04-27 | その他

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 18:36:10 ID:E634kv3k
佐々木みたいな子が読んでそうな少女漫画ってどんなのだろう
それともデスノートとかが好きなのかな


387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 18:41:35 ID:3zlBA5Tt
ジョジョとかを読んで
なんかキャラの分析とかしてそうだ


388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 18:59:30 ID:cqYPIrHL
僕としたことがね、エンターテインメント症候群に陥ってしまったのさ


391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 19:32:49 ID:KKt5JVZ+
>>385
意外に少女漫画好きだったりして


キョン「佐々木は少女漫画とか読むのか?」
佐々木「僕は読まないな。キミは読むのかい?(ほんとは読んでるんだけどネ)」
キョン「あぁ、妹が読むからな。ちょっと読ませてもらったら意外におもしろくてな」
佐々木「え!あ、あぁ、そうなんだ…読むんだ…少女漫画(い、今なら間にあうよね?カミングアウトしちゃおう)
     じ、実は僕m」
キョン「まぁ、たしかに佐々木が少女漫画読んでる姿って想像できないな、ははは」
佐々木「え…そ、その通りだよ。くっくっ(あぁぁ、またしてもあたしのキャラが邪魔を!)」


394 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 19:41:47 ID:6rDlPLyY
>>385
何故かわからんけど田村由美読者なイメージはあるな


395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 19:54:40 ID:cMvGydo2
少女漫画は新條まゆ(だっけ?)しかわからん俺が来ましたよ。
その綺麗な顔を吹っ飛ばry


396 :小ネタ・少女漫画 :2007/04/26(木) 20:14:15 ID:jwtDNjsl
>>391に便乗

 「佐々木は少女漫画とかって読むのか?」
 「キョンはどっちだと思うんだい?」
 だから質問に質問で返すなよ。どっちねぇ、そうだなぁ……


αー1
 「いや、なんかその様子が想像できないな」
 「それはつまり僕は少女漫画を読まないだろうということかな?」
 「まあそうだな」
 「じゃあそういうことにしておこうか。くっくっ……」
 いや佐々木よ、それは結局どっちなんだ?

βー1
 「うーん、あんまり想像できなんだがパラパラとは読んでいるんじゃないかと」
 「それはつまり僕が実は少女漫画を読んでいるだろうということだね」
 「なんとなくだけどな」
 「なるほど……そうか、キョンにはそう見えているのか」
 「違ったか?」
 「さて?」
 くつくつと咽喉を鳴らしながらはぐらかす佐々木。
 いや佐々木よ、結局どっちなんだよ。
 「さすがはキョンだ。僕のことを良く見ている、とだけ言っておくよ」
 それだけ言って踵を返した佐々木を呆然と見送る俺。
 鼻歌でも口ずさみそうな調子の軽い足取りに見えたのは俺の目の錯覚だろう。


397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 20:16:07 ID:6vE4iaa5
(キョンと(手が)つながったまま街を歩いている……頭がフットーしてしまいそうだ……)

いや、少コミ愛読者のムッツリ佐々木たんってのもアレだな……


398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 20:27:45 ID:GN/FjFgQ
女も結構ムッツリだからね
佐々木も少女マンガ読んで性行為について勉強してたりしてな

佐々木スレ4-375 風邪を引いた佐々木

2007-04-27 | その他中学時代ss

375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/26(木) 16:14:05 ID:Hc6NX2wW
「すまないねキョン。わざわざ来させてしまって」
 いいって事よこのくらい。しかし風邪とはついていないな。病院行かなくて大丈夫なのか?
「そこまで大げさにすることではないよ。1日安静にしていれば問題はない。それにキミが来てくれた」
「オレが、というよりこの頼まれものが。じゃないのか?」
 近所のスーパーのビニール袋を上げてみせる。まったく、メーカーまで指定されるとは思っていなかったぞ。
「すまない。しかし僕はここのプリンが大好物なんだ」
 袋からプリンとプラスチック製のスプーンを取り出して佐々木に差し出す。
 プリンを受け取った佐々木はそれをなぜかオレに差し出してきた。
「さぁキョン、僕に食べさせてくれ」
 ……すまない。今なんと言った?
「僕は見ての通り病人だ。キミの前だからこそ強がって見せているが、
 本当は睡眠を取って体力を回復させた方がいいのだよ」
 じゃあ寝ろ。今すぐだ。オレと会話しているだけでも疲れるんじゃないのかそれだと。
 そういってオレはまだプリン数個入ったままのビニール袋を机の上に置いて部屋から出ていこうとしたのだが
「本当に帰ってしまうのかい?」
 挨拶をしようと振り返ったオレの視界に入ってきたよく見慣れた女友達の表情は、
 風邪をひいているからか頬に赤みが増していてその……なんだ。
「わかったわかった。これ1つだけだからな。食ったら寝ろ」
「判っているよ。僕も長引かせて学校でキョンに会うという楽しみを失いたくはないからね」
「ほら。あーん」
「んっ。いつもより美味しく感じるよ。ありがとうキョン」


 翌日オレはうつされたのか風邪を引き、今度は佐々木がオレの部屋に見舞いに来てくれることになったのだが、
それはまた別の話だ