【涼宮ハルヒの憂鬱】佐々木ss保管庫

2chの佐々木スレに投稿されたssの保管庫です

佐々木スレ3-396 「自転車」

2007-04-19 | 予備校ss

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 03:47:05 ID:XRVRbRP5
自転車


 夏場の自転車というものはこれはコレで結構な全身運動である。
特に推定50kg前後の荷物を荷台に載せている場合には。
「なるほど、身体が鍛えられて結構なことじゃあないか、くつくつ」
 荷物が日向の猫のような音を立てて笑った。
「もちろん、キミが僕を乗せるのがイヤだというのなら、話は別だ。
そうなら、そのように告げてくれたまえ。キミとの会話の機会が減るのはまったく残念なことだが、
友人を過剰に苦しめてまで、自分の快楽を優先するほど、僕は歪んだ感性を持ち合わせては
いないつもりさ」
 なに別に、この程度どうってことはない。
「そうかい」
 背中ごしにも、皮肉を混ぜた微笑を浮かべているのが、目に浮かぶ。
 たしかに、そんな風に本気で言えるなら、もう少し、ましな人間になっているだろうさ。
だが、お前を乗せて走ることが自堕落な夏休み生活に於いて、いいアクセントになっている
のは否めない事実だ。
 この夏期講習だって、お前がこなけりゃ2~3回はサボったに違いないからな。
「確かに、サボタージュはいただけないな。キミのために決して安くはない講習の代金を
払っている親御さんに失礼というものだ。キミの勉強に僕が些少でも役に立っているの
だとしたら、嬉しい限りだ」
 佐々木はそう言って、咽奥を鳴らした。
 そのセリフにはリアクションを取らずに、気合いを入れて、ペダルを踏み込む。駅前から
塾まではなだらかではある物の坂道だ。ここで、立ち漕ぎせずに登り切れるかどうか、
それが俺がこの夏にかけた勝負のひとつだった。今日は、どうだ?

「キョン、今日もありがとう」
 そう言って、佐々木は荷台から降りた。俺はと言えば、ちょっと息が切れていた。まったく情けない。
機械のように自動的に、自転車を駐輪場に回して、カギをかける。学習塾の入り口に戻ると、佐々木
がまだ立っていた。
 どうした、誰か待ってるのか。
 佐々木は返事の代わりに、口をアヒルのように曲げて右手を俺の頬に当てた。

「キミのささやかな勝利に」

 佐々木の手に握られたスポーツドリンクの缶が俺の頬を冷やしていた。

佐々木スレ3-393 佐々木×キョン

2007-04-19 | その他佐々木×キョン

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 02:11:20 ID:mqQLp+VA
もう何度も出たネタだと思うけど
もし、ハルヒの能力が佐々木に移って
ハルヒがただの人になったら

長門は情報連結解除されて、
みくるは未来に帰るようになるのでしょうか?
(古泉も北高を離れる)


392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 02:18:15 ID:zjfUh5kM
経過観察で数年張り付くんじゃないか
ハルヒ→佐々木→ハルヒということもあるだろうし


393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 02:55:47 ID:XRVRbRP5
>>391
「藤原が言っている通り、力の存在が問題なのであって、力が誰の物で、どのように使用されるかは
それに比べれば、まったく持って些少な問題さ」
 そういうものなのか?
 それは、なんというか、個人とか個性とかに対する重要な挑戦のようにも思えるのだが。
「そうかな、キミはライト兄弟がいなければ、人類は空を飛べなかったと思うかい? 
アインシュタインがいなければ、宇宙の謎に人類が迫ることがなかったと思うのかい。
もし、そうならキミは人類のポテンシャルというものを低く見積もりすぎなのじゃないかな」
 歴史を変える個人なんか存在しないということか?
「それもまた極端な考え方だね。個人の役割は加速にあるのさ」
 加速? つまり、10年後に発見されるような物を明日見つけてしまうということか?
「ふむ、その表現はなかなか的確だね。人類の進歩というものはすべからく加速にある。
世の中のあらゆるものが年々軽量で小さくなっていくのはそれが加速するために必要だからだ」
 なるほど、確かにそうかもしれないな。
「だから、神の力というものが存在したとして、だ。いまさら、言うまでもないが僕はそんなものの
存在を信じていないし、そんな力をくれると言っても、全力で御免被りたい。まぁ、僕の個人的な
感想は置いておこう。力が存在すると仮定した場合、藤原やキミの可愛らしい先輩のようにそれ
を知る人類はその力を利用する方法について考えるだろう。力が完全に個人的な才能だとしても、だ。
たとえばキミが100mを10秒で走れるとして、重要なのは、それを9秒にするための方法、メソッドだ。
それを見つけ、運用することに意味がある。加速するために、ね。才能がたとえ1000万人にひとり
の物だったとしても、この国に限っても、その力は120人が持っていることになる」
 50億人にひとりだとしても、この銀河全体に、地球のような惑星は400だか4000だかあるというしな。
「そう、宇宙レベルにまで視野を広げてしまえば、どんな力、才能だってありふれたものでしかない。
そのくらい、僕ら個人というものはちっぽけで取るに足りない、小さな存在さ」
 厭世観に囚われそうな発言だよ、まったく。
「くつくつ、だから、さ。だから個人は世界だの何だのという巨大な物に囚われる必要などないんだよ」
 俺はお前が何をいいたいのか、よくわからなくなってきたぜ。
「キミは今のキミが思うとおりに、行動するべきだ。世界だとか、未来だとかに責任を感じる必要なぞ
まったくないのだ。地球はキミに関わりなく回り続けるし、人類は加速し続けるだろう」
 そりゃ、そうだ。俺がいなくたって、明日は来るだろう。
「そうだ。だから、個人は自らが思うように生きるべきなのだよ」
 世界に対して、特別な個人なんていない、か。
「そうだ、個人が責任を感じてもいいのは、その周囲にいるほんの一握りの個人に対してだけさ」
 確かに、俺にとってお前の代わりはいない。だが、俺以外の誰かにとってはそうじゃない。
そりゃ当たり前の話か。
「そうだね、僕にとっても、キミはとびきりに特別な存在だ」
 ちょっと、まて。その微笑みは反則だぞ。
「そうかい? 僕としては、僕とキミの関係はもっと特別でもかまわない。
そう、考えているのだけれどね」

佐々木スレ3-386 肉体的数値

2007-04-19 | 胸関連

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 01:15:13 ID:XmUJQpAu
「身体測定を信じるのであれば、肉体的数値はそこそこ変化しているはずなんだが」
そう言って微笑む佐々木のその笑顔には、どことなくウラがありそうな感じだった。
ほんとはもう少し直接的な言葉を使って表現したいものを、
なんとなくそれは気が進まない、言わずとも察してくれよ、とでもいうような。
「・・・…あー……」
すこし間が空いてしまうのはこのさい仕方ないよな。
こちとら超能力者でもなきゃ名探偵でもないんだ。
考える。身体測定。明言したくはない。見た目からは分かりにくい?
……そして、こいつもいちおう女。つまり……

「……まあ、お互い育ち盛りだしな」
潜水艦の探信音のように慎重にうちだしたひとことに、
ピクン、と佐々木の肩がゆれた。どうやらビンゴっぽい。

やれやれ。ほんとにこんなこと、俺が口に出さなきゃならんのか。
佐々木の『そこ』になにげなく目を走らせながら、ついに俺は言った。




「しかたねえよ。俺だってこないだの測定じゃ二キロも増え」
「ちょっと待って欲しい。この状況でその受け答えは明らかにおかしくはないだろうか?
 というかどこを見てるんだどこを!!キミほんとに健全な男子高校生なの!!!???」

なにがそんなに気に入らなかったのか、突然激昂しだす佐々木。
やべえなんか読み違えたか!?…・・・とは思ってももう遅いなこれは……。

貝のように押し黙り、暴風雨のごとく乱打する言葉の鞭から必死で身を守る俺。
女言葉になってんのにも気づかず執拗に俺を糾弾し続ける佐々木のその声は、
もうほとんど悲鳴の域にまで達していた。

佐々木スレ3-382 「価値観」

2007-04-19 | その他佐々木×キョン

382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 00:45:22 ID:USjfBJ2t
価値観

キョン、かつて僕はキミに恋愛感情は精神病の一種だと言ったね。

でもあの時の僕の解釈は間違っていたようだ。いや、間違いというよりは変容だろう。正にコペルニクス的転回だよ。くっくっ。
恋愛感情がいかに人類にとって粗悪な遮蔽物だとしても、仮に一度でも、少しでもそれを抱いてしまえば最後。どんな理屈も理論も理性も関係ない。ただ本能のままに、強く深くそれを求めてしまう。正に精神病としか言いようが無いよ。
くっくっ。でもかつての僕は言葉通りの意味で恋愛感情を否定していた。勿論誰に対してもそんなものを求めることもなかった。キミと出会い、共に日々を過ごすまではね。
キョン、キミが変えたんだ。僕の恋愛における価値観をね。

佐々木スレ3-376 佐々木×キョン

2007-04-19 | その他佐々木×キョン

376 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 00:16:52 ID:M4P1MvwV
「キョン、僕の顔に何かついてるのかい」
「歯に青海苔ついてるぞ」
「ふむ。例えば交通事故に遭いそうな子供がいるとする。
 そんな状況でも君は車両の接近を忠告し、あくまで当人の判断に委ねるというんだね」
「……ああもう! わかったよ、俺が取ればいいんだろ俺が」
「君がそう解釈したのならそうなんだろう。ただ一つ断っておきたいことがある」
「な、なんだよ」
「……や、優しくしてね?」
「大丈夫だ、今日はツメ延びてないしな。歯の青海苔くらいなら取れるだろう」


377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 00:20:36 ID:MQfOk+hH
「ところでキョン、僕はミントが嫌いなんだ。あのスッとした清涼感と言うものにどうも馴染めなくてね。
二次災害がこれ以上広まらない為にも、僕はキミが使用するリップクリームを別のモノに変える事を提案するよ」


378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 00:24:29 ID:ogw/0zW8
キョン、構うこたない。
佐々木がミント大好きになるまで躾てやるがいい。


379 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 00:29:40 ID:C4g488Vi
>>376
このフラグクラッシャーめw
>>377
佐々木はミント好きになるな


380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/19(木) 00:40:02 ID:MQfOk+hH
「パブロフの犬とは正にこの事か。今や街中でペパーミントカラーが視界に入るだけで、
あの独特な爽の刺激臭を感じるだけで粗雑で無粋な啄みの感触を思い出してしまう。
 だからね、僕は僕なりに対応策を講ずる事にしたよ。
 そう、それがこの甘いバニラの香りがするリップクリームと言う訳さ。
 ああそうだキョン、これは経験者からの老婆心として忠告しておこう。キミがバニラアイスの事を
バニラアイスだと認識できる内に十分バニラアイスを堪能しておくといいだろう。くっくっ」


653 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/21(土) 19:53:14 ID:p9xiJUr6
>>649
>>377
「取り敢えずミントを頼むとしようかな」
「お前、ミント苦手だって言ってなかったか」
「あの清涼感は未だに克服し切れていないのだが、あの香りがとにかく堪らなくてね。
 最近では一分一秒でも長くあの香りを口の中で味わっていたいと思うのだよ」
「そりゃ随分な入れ込みようだな。
 俺なら、いくら好きなもんでも四六時中嗅いでたら頭がおかしくなりそうだぜ」
「………そうかい?僕は自分の気に入った物にはそれなりに愛情を注ぐ方なのでね。
 そうだね、もし勉強机の前に自分の好物がぶら下げられていたとしたら、キミも少しは学業に身を入れるようになるかもしれないね。
 今度キミの家にお邪魔した時は、キミの向かいに座ってみようか」

「俺、お前に好物を教えたことなんてあったか?」
「……………」

(佐々木の言語回路に不正な処理が発生しました。
 続きを読みたい場合はキョンフィルターを除去した上で、もう一度同様の処理を行って下さい)

佐々木スレ3-361 「Real-Roman-Relation」

2007-04-19 | 予備校ss

361 :1/2:2007/04/18(水) 22:57:04 ID:LGf3KOt3

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――関係
   
   
    道路の上でヤキソバが焼けるんじゃねぇかってくらいに暑い日だった。
    朝から鳴きっぱなしの蝉たちの継続力には心底から敬意を表したい。昨日友人に
   叱咤を受けて、今日から学校の授業をマジメに聞くことにした俺だが、昼を前にし
   てギブアップ。午後の授業は睡眠欲の充足にあてた次第である。「継続は力なり」
   を鵜呑みにするなら、おそらく俺は妹よりも弱いのではなかろうか。
   「期待はしてなかったけどね。せめて三日は持つと思った」
    背中のやや後ろから聞こえる不満げな声は佐々木のものだ。こいつが俺を叱咤し
   た張本人なのだが、毎日継続して勉強することに関して佐々木の右に出るのは車胤
   か孫康くらいだろう。いや、佐々木なら蛍雪の功も地で行きかねない。
   「キミの評価は過大だよ、キョン。僕はいつも必要最低限の勉強しかしていない」
   「こうして週3で塾に通っててもか?」
   「キミは毎日通ってもいいくらいだと思うけどね」
    そう言って、佐々木はいつものように虚飾のない顔で笑った。
    いや、俺の自転車の後ろに二人乗りしてるわけだから実際には表情は見えないん
   だが、最近見慣れてきたせいか、その顔はいつでも脳裏に浮かぶ。
    新手のサブリミナル効果か。
    俺が視覚と脳の関係についてややなげやり気味に思索していると、
   「そういえばキョン、今朝キミの机に何か落書きがなかったか?」
    などと、妙なことを聞かれた。
   「なんだ?お前が何か書いたのか?」
   「いや、僕の机には落書きがあったからね。もしかしたらと思っただけだよ」
    はてさて。フリーセルの#11982のように難解なことを言う。
   「別に難解じゃないさ。ただ僕の机にあった落書きってのが、キミと僕の名を連ね
    た相合傘だったんだ」
    ……ははぁ、なるほど。そういうことか。
    クラスの連中も毎度毎度飽きないな。
   「ちなみにキョン、フリーセルの#11982は解けないよ」
    はいはい、そう言うと思ったぜ。見たまんま、佐々木はこういうヤツなのだ。こ
   の佐々木が誰かと『つきあう』って?馬鹿馬鹿しい。そんな話を信じるくらいなら、
   某国のUFO研究施設の存在のほうがまだ信じられるね。
   「失礼だなぁ。キミは今、僕の乙女心を大いに侮辱したよ」
    言って、それから、佐々木は自分でくつくつと笑いだす。
   「いや、悪いね。今のは少々無理のあるジョークだった」
    馬鹿野郎。今一瞬、本気で謝ろうかと思った俺に賠償金をよこせ。
   「なんだ、本気にしたのかい?君も随分とロマンチストなんだな」
    悪いがお前ほどリアリストにはなれねぇよ。
   「違いない」
    肩に乗っている佐々木の右手に、やや力が入った気がしたが、多分気のせいだ。
   「だが、クラスの女の子たちのロマンぶりに比べれば、キミは随分と現実を見てい
   ると思うよ。いや、現実にヒネていると言うべきかな」
    背中越しに佐々木の笑い声が響く。
   「キミはロマンチシズムに憧れながら、でも確かなリアルに立脚してるのさ。UFOを
   見たとか、幽霊にあったとか、その手の話を聞くとワクワクするだろ?でもキミ
   は同時に、それらをとても冷めた目で見ている。ありえない、とね」
    佐々木はそこでいったん言葉を切って、続けた。
  「僕らはね、少し似ている」


362 :2/2:2007/04/18(水) 22:57:56 ID:LGf3KOt3
    いつのまにか蝉の声はやんでいた。
   「今日もね、クラスの子たちに聞かれたんだ。キョン、キミとキスしたことがある
   か、ってね。彼女たちは本気で信じてるのさ。唇を重ねるだけで、人間関係が劇
   的に変わるってね」
   「……着いたぞ、佐々木」
    降りろ、と言おうとして、
   「僕はね、彼女たちに憧れるよ」
    ぽつん、と。
   「お前――」
    その声に、なぜか取り返しのつかないものを感じて、振り返った俺の口に、
    ちょん
    と、何かカサついたものが触れた。
   「どうかな?キョン。僕らの関係は、5秒前と比べて何か劇的に変わったかな?」
    すっと離れながら、いたずらな笑みを浮かべる謎人間。
    あっけに取られる俺をよそに、佐々木はさっさと歩いていく。
   「どうした?キョン。遅刻するぞ」
  「佐々木、お前、今の……」
   「なに、ほんの実験だ」
    佐々木の頬が赤く見えるのは、俺のロマンチシズムのせいかもしれん。
   「さしあたって結果判定は……そうだな、今日の帰り、キミがアイスを奢ってくれ
   るかどうか、ってとこか」
    かもしれん、が。
    どうしようもなく上がってる俺の心拍数は、まぎれもなくリアルで。
   「ちなみに僕はハーゲンダッツ党だ」
    初めて見る佐々木の満面の笑顔も、やっぱりリアルなのだった。


   
<"Real-Roman-Relation".>

佐々木スレ3-349 佐々木×キョン

2007-04-19 | その他佐々木×キョン

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/18(水) 21:57:05 ID:zWuF0tMC
「すまん佐々木、俺はハルヒが好きなんだ」


「橘さん、以前から断ってた話だけど全面的に協力させてもらうよ。僕が神になる
ためならあらゆる努力も厭わない。たとえこの瞬間にあなたが涼宮さんを不幸にすような事態を引き起こしても
僕は決して止めることなどしないから安心して行動に移ってくれて構わない。
具体的に言えばいいかい? 例を挙げるとするなら、橘さんが彼女を転校させようが誘拐しようが閉じ込めようが暴漢に襲わせよいが記憶を全て消そうが自殺に追い込もうが凄惨に殺害しようが存在そのものを否定しようが僕は喜んで認めてあげよう。
だから何も気にすることはないんだよ。あなたは”神”に認められたんだからね。
それから、僕の全てはキョンのものだ。だからキョンに何かしらの悪意を向けることは
神に反することと同じ事だから注意しておいてくれ。無論僕にもそれが当てはまることは
言わなくても理解できるよね?
聞いてるのかい橘さん、なぜそんなに怯えているんだい。せっかく僕があなたの申し出を受け入れると言ってるんだよ。もう少し嬉しそうにしてもいいんじゃないのかい。
あぁ、この言葉使いのことかい?そういえば女性に向けて使うのは初めてだったよ。
理由は実に簡単だよ。僕がキョンに"*られた"という僕たちの年代のほとんどが経験する恋愛模様の1コマを"見た"からだよ。
全く、恋愛というものは実に厄介だ。自分が好意を寄せる人の幻覚が見えてしまうんだからね。

―――――え、"アレ"は現実だってイウノカイ?

そうか、橘さんも"アレ"を見てしまったわけか。残念だけどそれは幻覚だよ。
しかし、僕の幻視した光景を橘さんも見るとは中々興味深いことだ。もしかしてあなたも精神病を患っているのかい?
そう、例えばあなたが見た男の人に対する恋心……とかね。


―――――――――ところで橘さん、早く僕を神にしてくれないのかい?




佐々キョンの現実にカッとなって殴り書きした。反省してくるよ


358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/18(水) 22:44:27 ID:oTQ7CmSk
「佐々木さんの仮面が外れたようです」
携帯電話を切ってからそう俺に告げている古泉の顔は、いつに
なく真剣だ。
「そうか・・・」
やっぱりというか、これも俺のせいなのかね。
「おや、驚かないようですね。彼女が常に仮面をかぶっていることに
気付いてようですね。いつですか?」
そうだな、中3の夏ぐらいからかね、気付いたのは。
「あいつはな、わざと演じていたんだ。理性という仮面をな」
一度だけ、尋ねたことがある。
「なあ、佐々木。なんでお前は演じているんだ?」
「それはね、キョン。僕の本性がどうしようもないことを、僕の
知性は自覚していて、僕の理性もそれは決して表に出すて
いいものではないと、声高に主張しているからだよ」
その時の佐々木は、笑ってはいたが、どこか寂しそうだったな。

あいつはな古泉、仮面をかぶって、その仮面が本体であって
欲しいとずっと願っていた。ああ、ミイラ取りがミイラになることを
望んでいたんだよ。
「だけど、彼らは違ったようですね」
ああ、そうだ。あいつらが欲しかったのは、仮面の下の佐々木だ。
本当の佐々木はそっちなのかもしれないが、俺の知っている
佐々木はそっちじゃない。
知性と理性の固まりのように小難しいことをいつも話してる奴で
あって、決して本能の赴くままに行動するやつなんかじゃない。
「では、取り返しに行きますか?」
いいのか?
「僕としても、彼女との会話は楽しかったですからね。機関の仕事
を抜きにして、もう一度あの佐々木さんに会いたいですし」
いつの間にか、いつものニヤケ面に戻ってやがる。
「よし、なんとかしてやろうじゃないか」




という感じの電波を>>349から受信した。

佐々木スレ3-271 「橘京子の陰謀」

2007-04-19 | その他佐々木×キョン

271 :橘京子の陰謀:2007/04/18(水) 04:43:27 ID:Rkvkmz1Z
もうこうなったら、強硬手段に出るしかありません。
九曜さんにお願いして、キョン君と佐々木さんを擬似閉鎖空間に閉じ込めてもらっちゃいました。

ごめんなさい佐々木さん、わたしとしても決して本意ではないのだけれど
シャイすぎるあなたとキョン君が結ばれるためには
もうこんな手段しか残されていなかったの……!!

「ただいまー」

ああ!なんて罪深いわたし……って、ええ!?な、なんで佐々木さん!!!???
まだ二分も経ってな……!!

「……まあ、だいたいの話は事前に教えてもらってたから。
 脱出方法がたぶん『あれ』だろうな、くらいのことは、なんとなく分かってたの」

そ、それにしたって!
どーやってあれに至るまでの葛藤とかあれやこれやをクリアしたと言うの?
こんな短時間で!あの最凶のフラグクラッシャーを相手に!!





「いや。彼寝てたから。目を覚ますまえに済ませてきた」





そう言って、なにげなくくちびるを指で撫でている彼女を。
わたしは、初めて『怖い』と思いました。


272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/18(水) 04:45:13 ID:BuqoLCmM
なるほど。
そして誰もいなくなった後で、枕を抱きしめてベッドの上で転げ回るわけだ。

佐々木スレ3-261 「佐々木の趣味」

2007-04-19 | その他佐々木×キョン

261 :佐々木の趣味1/3:2007/04/18(水) 02:49:59 ID:QjTBnNm1

とある妄想を受信したので、投下。


 誰にだって人に自慢できない、あるいはする気のない趣味のようなものがある。
 私にとってのソレは、B級あるいはC級に分類されるいわゆるダメ映画の鑑賞だった。
 先日、中学校を卒業し、高校への入学準備も滞りなく進んでいたある春の日。
 私はひとり、市外の映画館に来ていた。この劇場で単館ロードショウに掛かっている
ホラー映画を鑑賞するためだ。もちろん、B級作品である。
 この映画を撮った監督は、B級映画好きの間でも定評のある人物で、かくいう私も、
公開前から楽しみにしていたのだ。もちろん、前売りチケットを購入した。受験を終えた
後の自分に対するご褒美、そんなつもりだったのだ。

 映画について語るのはこの程度でいいだろう。ちなみに、実に期待通りの出来映えだった。
本格派のB級スプラッタ映画を久々に堪能した。
 ところで、あなたはスタッフロールは最後まで見る人だろうか、それとも劇場内に明かりが
点り次第、足早に席を立つ人だろうか。かくいう私は、最後まで座っている人間である。
幕が下りても、幕の上にエンドクレジットが写されるまで見ている。もちろん、理由はある。
とある映画で、映画本編をダイナシにするようなカットがエンドクレジットの直前に挿入され
ていたことがあったのだ。それをうっかりと見逃して以来、エンドクレジットが出るまでは、
油断しないという癖がついたのだ。だが、今回はこの癖が仇になった。
 最後まで座っていたから、“彼”に気がついてしまった。入館した時には気がつかなかった。

そして-----。

 声を掛けようかと口を開いた瞬間に、“彼女”にも気がついた。
そう、彼には連れがいたのだった。

 あなたには、定型化された休日の過ごし方というものはあるだろうか。
私の場合、あの劇場で、午前中に映画を鑑賞した後は、近くにある小洒落た
喫茶店で、アフタヌーンティーをたしなむというものである。そして、映画の
余韻を楽しんだり、小説や雑誌などを読んだりしてその日の午後を過ごす。
当然のことながら、今回もそのパターンを踏襲した。

 目当ての喫茶店は最近、どこかの情報誌に掲載されたらしく、そこそこ
混んでいた。だが、入れないほどではなかった。席に着き、お冷やを置き
に来た店員に、ダージリンをアフタヌーンティーセットで注文する。
 お手ふきで手をしめらせたところで、我知らずため息が漏れた。
 おいおい、どうしたというのだ、キミ。
ずいぶんとさっき目にしたシーンを気にしているようじゃあないか。
 自虐的な笑みが浮かぶ。
 キミは常に理性的で論理的な人間を目指しているのではなかったかな。
感情はノイズに過ぎず、恋愛感情なんて一時的な精神の病に過ぎないのだろう。 
 僕は彼にそう告げたじゃないか。
 止めろ、ペルソナを被れ。
 私を取り戻すんだ。
 深くため息をついた。
 春は心を不安定にする。それを実感したのは生まれて初めてだった。
いいさ、長い人生、こんな日もあるだろう。私は彼のことを思い出していた。


262 :佐々木の趣味2/3:2007/04/18(水) 02:52:53 ID:QjTBnNm1
 彼との付き合いは1年にも満たなかったが、14年弱の人生の中で、もっとも深くまで、
私の中に踏み込んだ、あるいは、踏み込ませたひとりだった。
 彼とは、いろいろなことを話した。これまで、誰にも話せなかったこと、話したかったこと、
語りたかったこと、聞きたかったこと。人生観、宗教観、歴史観、日々のさまざまな出来事、
受験、学生生活、夢、恋愛観、などなど。
 周囲のクラスメイトたちは、私と彼がいわゆる恋人関係にあるものだと決めてかかっていた。
否定した所で、黙殺されるだけだったから、後半は無視することに決めた。
それに“そんな些末なこと“で彼を失いたくはなかったのだ。
 もっとも、彼は最後まで否定し続けた。
「アイツとはそんなんじゃあない」
 ずっと、そう言い続けてくれた。それは僕(彼だけではなく、男子生徒の前では、
私は敢えて中性的な口調で喋っていた、その時の一人称が“僕“だった)にとって、
とても嬉しいことだった。

 振り返って見れば、当時の私は恋愛という物を必要とはしていなかった。
いや、積極的に不要な物としていた。それは中学に入学して初めて告白という物を
受けた時から感じていたことだ。相手の人には申し訳ないが、他人から好意を、恋愛
感情を向けられるということが私には理解できなかったのだ。
 相手は自分を理解していないし、理解が必要とも感じていないようだ。相手に好意を
持たれるようなことも、好意を向けるようなこともしなかったのに、一方的に向けられる
感情、そしてそれを受け入れて貰えると思っている相手、“これ”は何なのだろう。
 これが恋愛だというのなら、私にはそのような理解不能な、ものは必要ない。そう断じた。
 “僕“のペルソナを用意したのはそれからだ。もって回した、ちょっと古風なしゃべり口調、
理性的で論理的な思考と態度、3年もそれを続ければ、僕と私の使い分けはうまくなる。
周囲の覚えもめでたく、私は望みの位置をクラス内、あるいは学年内に得ることに成功した。
かつてのクラスメイトたちに私のことを聞いたら、二言目には“変な女“あるいは“変わり者“、
“変人“というリアクションを得られるはずだ。
 だから、彼との間には恋愛めいたやりとりはなかったし、恋愛感情の交歓もなかった。
友情ならあったと思う。というより、今だって無条件に友情は感じている。

「じゃあ、俺は……そうだな、ナポリタンとアイスコーヒーで」
 思考の海から引き上げられたのは、そんな一言が耳に入ったからだった。
何ともはや、今日の私は物語の登場人物のようじゃないか。アフタヌーンティーセットに
付属してきたナイフを陽光にかざす。見慣れた彼の背中と彼女がそこに映った。


264 :佐々木の趣味3/3:2007/04/18(水) 02:57:47 ID:QjTBnNm1
 どうやら、またしても互いの存在に気がつかなかったと見える。
もっとも、この場合は気がついた所で、敢えて無視するのも友情という物だろうか。
 彼の対面に座っている彼女は春物の花柄ブラウスに薄手の水色のカーディガン
というファッション、お下げにしたセミロングの髪と相まって、清楚という形容が
ぴったりな可愛らしいお嬢さんだった。
 とても、年上には見えないから、後輩という所だろうか。だが、学校で見かけた
覚えはない。彼に接触する後輩の可愛い少女がいるなら、私の耳にその存在が
入らないわけはない(クラスメイトの女子たちがその手の噂やゴシップに目がな
いのはわざわざ説明するまでもないだろう)ので、他校の生徒ということになる。
……彼女の存在を彼から聞いたことはない。
 彼女は所在なげに周囲を見回し、彼と目線が会うと、真っ赤になって目を伏せる。
そんなことを繰り返していた。初々しく可愛らしい仕草だった。とても私には真似できない。
もちろん、する気もないのだが。
 切れ切れにふたりの会話が耳に届く。浅ましくイヤらしい行為だと思いつつも、
私の神経は耳に集中していた。

「それだけじゃ腹がすかないか?」
「いえ、だいじょうぶです。わたし、小食なんです」
 こらこら、キミは何を言っているんだ。ああ~、彼女が泣きそうじゃないか。
「あ、あ~いや、そういう意味で言ったんじゃないんだ」
 慌ててフォローに入る様が、背中越しでもよくわかった。
「ウチのヤツだったら、ケーキセットにパフェとサンドイッチくらい言うさ。
でも、女の子はそれくらいの方が可愛いよね」
「そう、ですか」
 そういうものなのだろうか。サンドイッチに、スコーン、ジャムとクリームが
満載されたアフタヌーンティーセットを見ながら、益体もない感想を得た。
「うん、もっとも、キミは可愛いというより、綺麗だけどね」
 彼もデートをするような間柄の女の子の前では、このようなことを言える
人間ということか。私の前では決して見せたことのない顔をしているのだろう。
それを覗き込みたい誘惑に駆られたが、デートの邪魔をするのはあまりにも
ゲスな行為だ。自重しろ、私。

「…………」

 沈黙と同時に、彼女は熟れたリンゴのように真っ赤になった。
歯が浮くとはまさにこのことだが、一定の効果はあったようだね。
「大丈夫。キミは綺麗だって、クラスの男子の内、半分くらいはキミに惚れてるよ、
馬の鞍を賭けてもいいね」
 そのネタは通じないぞ、間違いなく。と、その前にそのセリフは逆効果だぞ。
クラスの男子の気持ちなんてキミの気持ちに比べたら、彼女にはどうでもいいんだ、
そこをわかってあげないと……。

 もしかして、わかっていないのか。そうだ。彼はわかっていないのだ。
 空気が冷えた。

 平静に戻ったのか、顔を上げた彼女には強ばった愛想笑いが張り付いていた。
そうか、彼女には彼が“わかっていないこと”がわかったのだ。
 緊張の解けた気配を背中で感じた。彼はわかっていない。 彼女の高揚の意味も、
彼女の浮かべた微笑の意味も、彼はわかっていない。朴念仁、唐変木、鈍感、など
という単語が私の脳内を駆けめぐった。だが、彼らしいといえば、まったくもって彼らしい。
苦笑が顔に浮かんだ。

 そうして、私は自分が“安心”していることに気がついたのだった。

 後のことは、別にどうだっていいことだ。ふたりは何か、適当な会話を途切れつつ
もしていたようだが、気にはならなかった。それよりも気になったのは、私の中に駆
けめぐる雑音の嵐だ。その日一日、この嵐について考えてみたが答えは出なかった。
ああ、これは正確でもないし、正直ではない。
 その答えに気がつくためには、いや、私がその答えを認めるためには、もう一度春
が来なければならなかっただけの話だった。


265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/18(水) 02:59:14 ID:QjTBnNm1
ミヨキチとキョンのデートを目撃する佐々木がwktkする話のはずだったんだがなぁ。
フラグクラッシャーKの話になっていた。

佐々木スレ3-255 佐々木×キョン

2007-04-19 | その他佐々木×キョン

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/18(水) 02:06:32 ID:hvrEGX+/
佐々木は俺に覆い被さるように体を密着してくる。

って、何してんだ佐々木。止めろ。恋愛感情は精神病の一種だって言ってたじゃないか。あれはハルヒみたいに捻くれてただけなのか?

「違うね。僕がキョン、キミを求めるのは恋愛感情なんて陳腐で粗悪な感情じゃない。」

じゃあ何だっていうんだ?

「本能さ」









という電波を受信した。
批判は受け付けない。