サフランの英語雑記帳

映画や本で出会った心に残るせりふ、旅先やおつきあいから拾った面白い言い回しなどを書き留めました。

ドナルド・キーンの決心

2011年12月31日 | その他
Renowned expert in Japanese literature and culture donald keene, who recently announced his intention to gain Japanese citizenship and move permanently to Tokyo, wants to "be with the Japanese people."

今年3.11震災の後の4月のニュースでした。


今年コロンビア大学を退職し、震災の後、日本に帰化すると決意したドナルド・キーン。彼から我々日本人は日本文学の素晴らしさについて数多く
学ばせてもらいました。

彼は若い頃松尾芭蕉に強く惹かれたそうです。
例え意味が分からなくても音だけでも好きだった日本語。
平野啓次郎との対談の中で一つ興味深い例を紹介してくれました。

夏草や       natsukusaya
       
つわものどもが  tsuwamonodomoga

夢のあと      yumeno ato

17文字の中に母音の"O"が六つも入っているというのです。
「お」という音は母音の中でも最も悲しい響きを持った音ということです。
「国破れて山河あり」という中国の詩がありますがキーンは年月がたてば
山も木も自然もなくなったり変わったりする。しかし人の言葉は
残ると言っていました。芭蕉の奥の細道を4回も翻訳しまだ満足していないという
89歳になる彼に研究者魂を感じます。