~Candle Night Christmas Carol ~
先週の23日、英国人の友人と企画してDickensのクリスマスキャロルのチャリティ朗読会を行いました。
ちょうどクリスマスを二日後に控え、最高の日程でのイベントでした。我が家にたくさんの友人たちと盲導犬のクロスくんが来てくれました。
語り手はイギリス人のStuart Varnam-Atkinをゲストに迎えマジカルでぜいたくなひと時を共有いたしました。
CCC at CCC
Candle Christmas Carol at Cross Cultural Cooking Salon !
今回はお話に合わせて飲み物、食べ物全てイギリススタイルにしました。
Welcome Teaをいただきながら、、、
Dickensの紹介
朗読の前にDickensとその時代背景についての説明がありました。Dickens自身が自分の作品を朗読していたということ、そのため彼の作品は声に出して読むと
よさがもっとわかると話してくれました。不遇だった子供時代が作品にも反映されていますね。原作をそのまま読むと3時間もかかる上、修辞も多く難解な英語のため
Atkinがリライトした本をもとに今日のために少し原書を付け加えた内容のものを朗読してくれました。
ところでイギリスの作品はなぜ小公子やジェイン・エア、ハリーポッターなどかわいそうななみなしごの話が多いのでしょうか?
また幽霊の季節はイギリスは夏、日本はぞっとして涼しくなるため夏という話も出ておもしろかったですね。
Christmas Carol
時間は5時半を回りすっかり暗くなりました。キャンドルに火をともしました。いよいよcandle light Dickensの始まりです。
いったん席を外して現れたのはすでにAtkinではなくシルクハットをかぶり黒の外套、黒手袋、黒の皮靴に身を包んだDickensでした。
皆さんから“わ~!”と声があがりました!
quill(羽ペン)を使って前書きをしたため、スクルージの話が始まりました。It was just after three o’clock in the afternoon on December 24, 1843……
登場人物によって声や英語を使い分けて彼の語りはよどむことなく続きました。我々もすっかり惹き込まれてしまいました。
Intermission
Mulled wine
クリスマスの季節、あちらでよく飲まれている飲み物とお菓子を用意いたしました。mulled wineとはスパイスを入れたホットワインのことです。ちょうど一年前にこの時期カフェで毎晩のように飲んでいましたので
割とうまく再現できたかと思います。香りがよくちょっと甘くて体が温まります。
この時期イギリスではとにかくミンスパイだそうです。日本のクリスマスケーキのようなものはあちらにはありません。
イギリスではChristmas pudding, アメリカではFruit cake.それぞれ作るのに時間と手間暇がかかります。フルーツケーキは昔から食べたり作ったり
慣れているのですが、ミンスパイは今回は作るのは初めてでした。ちょうどひと月前にこの企画が決まったので(ぎりぎり!)中に入れるミンスミートの準備をまず始めました。
レシピは簡単なものからややこしいものまでいろいろあり試行錯誤していたのですが、ヴィクトリア時代に料理やマナーなどで活躍したMrs. Beetonのクリスマス料理の本を一冊手渡され私のスイッチが入りました。それでも最後までトライ&エラー状態。パイの皮は伝統的なshort crustとパリッとしたpie crustと二種類ご用意しましたがいかがでしたでしょうか?
FinaleはBucks Fizzでthank you !!
後半のお話も大変ダイナミックでした。段々に追い詰められ、改心していくスクルージ、そして幽霊や他たくさんの登場人物!
時を告げるベルの音も効果的でした。皆さん、最後まで楽しんでいただけたようでした。
お話が終わり、乾杯のひとときです。Buck’s Fizz という華やかなカクテルをお出ししました。これはもともとはロンドンのバックス・クラブというところで1921年に生まれて
以来クリスマスや結婚式の時などにイギリスの人たちに親しまれているとのこと。彼もよくあちらでよく飲んだということでリクエストしてくれました。
このカクテルはオレンジジュースをシャンパンで割ります。友人の一人Yが差し入れてくれたボトルをAtkinの再登場と共にポン!とよい音!!
朗読のお礼と今月彼の本がたまたま二冊出版されましたのでそのお祝いも兼ねました。Yが味わいのある乾杯のスピーチをしてくれました。
集まった寄付金を盲導犬と一緒にここまで来てくれたM(ムッシュー)に
預けました。彼から盲導犬協会に渡していただきます。ムッシューのスピーチも嬉しかったです。
最後にお礼の言葉を皆様に申し上げます。
まず何と言ってもStuart。
仕事の撮影中も夜ホテルでキャロルの準備をしていたということです。二日前の日曜日にはわが家までリハーサルに来てくれ、照明や座る位置、本や小物を置く場所、控室のこと、
羽ペンの音の調整、全体の流れなどもろもろ打ち合わせいたしました。学生時代の演劇部にちょっと戻ったような気分になり楽しかったです。
皆さんにも駅までのお迎えや、キッチンのお手伝い、カメラの設置や編集、差し入れなどたくさんの方に協力して頂きました。
お陰様で150年前のロンドンにタイムスリップしたようなDickensの世界に浸ることができました。一週間たった今もまだ余韻が残っています。