少し偏った読書日記

エッセーや軽い読み物、SFやファンタジーなどの海外もの、科学系教養書など、少し趣味の偏った読書日記です。

着物始末暦

2023-12-08 21:39:59 | 読書ブログ
着物始末暦(中島要/ハルキ文庫)

中島要氏の着物始末暦。10巻まで読み終わった。

9月に紹介した3冊をのぞいた残りの7冊は次のとおり。
4 雪とけ柳
5 なみだ縮緬
6 錦の松
7 なでしこ日和
8 異国の花
9 白に染まる
10 結び布

主要登場人物の余一、お糸、綾太郎、お玉、おみつのほか、吉原のおいらんの唐橋、陰間上がりの千吉。そして、敵役である井筒屋の店主、愁介も含めて、それぞれの宿命的な「つらさ」が、物語が進むにつれて、少しづつ解きほぐされていく。そして、主人公のさまざまな着物始末の工夫が、解決の糸口になっていく。

巻が進むにつれて、章ごとに視点が変わるというスタイルが、物語を多層的に語る効果を深めていく。

髙田郁氏の『みをつくし料理帖』は、全10巻で、職人としての生き方が描かれている、という共通点がある。(終盤で花魁の引退が取り上げられる点も。)料理帖はドラマのほか、漫画や映画にもなったが、私の印象としては、上質な漫画のような作品かと。(もちろん、誉め言葉として使っています。)

こちらの作品も、ドラマ化くらいされてもいいのに、と思うが、料理に比べて、着物の始末は映像化しにくいのだろうか。

いずれにしても、時代小説の中では、圧倒的に私好み。

画像は、版元ドットコムで「利用可」となっていたものから。


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