少し偏った読書日記

エッセーや軽い読み物、SFやファンタジーなどの海外もの、科学系教養書など、少し趣味の偏った読書日記です。

日本人はどこから来たのか?

2022-08-13 07:00:00 | 読書ブログ
日本人はどこから来たのか?(海部陽介/文芸春秋)

拝見しているブログで紹介されていたのを見て読みたくなり、図書館で借りてきた本。著者は人類進化学者。

日本に初めて現れた人類は、ホモ・サピエンス。その起源はアフリカだから、ユーラシア大陸を東へ、はるばる日本にたどり着いたことになる。彼ら(我ら?)は、いつ、どのような経路で日本にやって来たのか。

著者は、世界各地の遺跡の年代調査、DNA分析、石器の比較研究などを通じて、ホモ・サピエンスの東アジアへの移動経路をたどる。そのルートは、ヒマラヤの南北に分かれる。その後の日本への移入は、日本各地に残る多数の旧石器時代遺跡の分析から、3つのルートがあったと考えられる。最初に対馬ルート、次に沖縄ルート、最後に北海道ルート。その年代の特定も極めて明確だ。

日本人の起源については、縄文人と弥生人の起源など多くの本が出版されているらしい。私としては、本書のように、ホモ・サピエンスとしての移動経路を押さえておけば十分な気もする。(もちろん本書でも、日本人の成立について一定の見解を示している。)

なお、著者は、本書発刊(2016年)後、沖縄ルートが、偶然による漂流ではなく意図的な移住であったことを証明するために、台湾から与那国島へ、当時の技術だけで渡航できるかを実証するためのプロジェクトに取り組む。(テレビ番組でも取り上げられていた記憶がある。)その顛末は、同じ著者の『サピエンス日本上陸』に描かれているようだ。(未読)


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