11月23日、遠野市で開催された「三陸エコビジョン・プレフォーラム・パート2~三陸の復興と自然エネルギーの未来~」に行ってきました。
今回、「六カ所ラプソディー」、「ミツバチの羽音と地球の回転」などの監督の鎌仲ひとみさんと、「ミスターエネルギーシフト」とまで言われる飯田哲也さんが講演し、さらに対談も企画されているというので、ちょっと無理をしてでも行ってみました。
鎌仲さんは、原子力を扱うきっかけになったエピソードを話していました。
フリーで、NHKの番組をとるため、湾岸戦争から7年後のイラクへ取材に行ったら、子供達が病院で白血病やガンで簡単に死んでいく現実に直面。
「大量破壊兵器を作るかもしれない」という理由で、国連が抗ガン剤も医療情報もイラクへ与えてはいけないとストップしていたからです。
そして、鎌仲さんはこれらの子供達の病気が劣化ウラン弾使用による人災であることを知ってしまいます。
その劣化ウラン弾は原発の廃棄物で作られていることも知りました。
子供達は、劣化ウラン弾が使用された砂漠で遊ぶだけで低線量放射線被曝にさらされているのです。
自分達が電気の恩恵を受けている一方、そこからでた廃棄物が子供達を殺していることにとてもショックを受け、原子力産業に疑問を持つようになったそうです。
紆余曲折あって、それでもNHKでこの番組は放映されたそうです。
強い反響がくると思っていたら、全くの無反応。
鎌仲さんは失望し、口コミで真実を伝えていこうと現在のような上映スタイルをとるようになったということです。
この劣化ウラン弾の話は映画「ヒバクシャ~世界のおわりに~」になっています。
六カ所再処理工場のことについても触れてくれました。
2006年9月から2009年6月にかけて行われたアクティブ試験により、工場周辺に放射能汚染がもたらされたこと、農業者が食事で取り込んだヨウ素129の量が平均の27.4倍にもなったこと、現在貯まっている240立方メートルの高レベル廃液が1%でも漏れたら北半球がダメになることなど話してくれました。
●ミツバチの羽音と地球の回転の舞台になっている上関原発は、どさくさにまぎれて中電は工事続けているそうです。
●教科書作る際には電力会社の検閲をうけるそうで、原子力施設の危険性だとかマイナスになるような記述は消されるそうです。
●市民が社会参加しながら社会を変えていくにはどうしたらいいか?100%変えようとしなくてもいい。変化への臨界点は意外と近い。2~3%変えるだけでいい。そうすると、ドミノ倒しで変わってくる。
●なぜミツバチの羽音か? ブーンは英語で口コミという意味がある。身近なところでみんなでブンブン言いながら知る人を増やしていくのがいい。お茶会が特におすすめ。
子供連れのお母さんとかでも、気軽に参加できてお菓子とお茶をいただきながら楽しく真実を知っていくっていうようなサロンができたらいいですね。
仙台ではぶんぶんカフェ、函館ではそのものずばりの原発カフェ、岩手の「森と風のがっこう」でもアトミックカフェなんて名前で気軽な勉強会をやっています。
講演会のあと、「ミツバチの羽音・・・」の十和田上映会がきっかけで結成された私達「もりもりAOMORI」で発行しているミニコミ誌「もりもり新聞」を、鎌仲さんに手渡ししてきました。すごくよろこんでくれました。
鎌仲さん、とっても元気で、パワフル、フレンドリーな人でした。
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