9月の初めに「秋の牛伏川自然観察会」があって参加しました。まだ夏のような日でしたが、自然界は確実に季節が進んでいて、夏の名残の花もありましたが、秋の花も咲き出していました。いつもこの時期に注目の花は「アケボノソウ(曙草)」です。この花はリンドウ科センブリ属で花びらの斑点を夜明けの星空に見立ててつけられた名前だということです。よく見ると素敵な雰囲気の花です。
黄色の蜜腺も可愛らしく、蜜を求めてアリが来ている花もありました。
今年はいつもの場所と違うところにも花が咲いているのを見つけ、そこの草刈りを中止してもらったので、たくさん「アケボノソウ」の観察ができました。
次に気になった花は「ジイソブ(蔓人参)」…根が高麗人参に似るそうです。花は「爺のそばかす」の意味で「バアソブ(婆のそばかす)」に似て、それより大きいところから名づけられたそうです。
この時期に群生している「ツリフネソウ」はちょうど見頃でした。ツリフネソウより先に咲き出す「キツリフネ」も咲いていました。
ここには黄色の花の咲く「オミナエシ(女郎花)」は無いのですが、白い花の咲く「オトコエシ(男郎花)」は咲いています。
もう花は終盤でしたが、「フシグロセンノウ(節黒仙翁)」が咲いていました。秋にたくさん咲く「ミズヒキ(水引)」も繁っていました。
青い花では「ツユクサ(露草)」が夏の名残を留め、「ヤブマメ(藪豆)」がひっそりと咲いていました。
白い花では「イタドリ」、「ウド」、秋の花「アキノカラマツ」、それにこれから咲く「サラシナショウマ(更科升麻)」も伸びていました。和製ホップの「カラハナソウ(唐花草)」の花にも出会いました。
小さな花ではあちこちにたくさん咲いていた「ゲンノショウコ(現の証拠)」…可愛らしい素敵な花姿です。
茎にトゲトゲのあるのは「アキノウナギツカミ(秋の鰻掴み)」です。これで果たして鰻が捕まえられるか疑問ですが…似たような花にかわいそうな名前の「ママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)」がありますが、葉が違います。茎を抱くような細長い葉は「アキノウナギツカミ」で三角形の葉は「ママコノシリヌグイ」です。
他には「アカソ(赤麻)」…茎の皮から繊維が採れるそうです。それに「ガンクビソウ(雁首草)」…キセルの雁首のような形に花がつくので名付けられたようです。
木々の実りの形も見られました。「ブナ(橅)」の実と「ヤマボウシ(山法師)」の赤い実(食べられます)と「コブシ(辛夷)」のこぶし(拳)のような実です。
「イタチササゲ(鼬ささげ)」にも実がついていました。その場所ではハチが巣作りをしていたので遠巻きに見てきました。
前日が雨でしたのでこの日の観察会は長靴で歩きました。葉の先に露を付けた可愛らしい姿の葉に出会いました!
最後にいつもの「フランス式階段工」の姿です。まだまだ夏の名残の青葉の中の階段工です。この日は少し上まで歩きましたので、階段工の他の姿も見て下さい。石造りがとても美しいです。
この谷間に沿った山の斜面には「張石水路」といわれる石積みの水路が造られていて、山の斜面の崩壊を防いでいます。フランス式階段工もですが、コンクリートを使わず石積み技術で築かれた砂防施設です。
毎年この時期に出会う花たちに今年も出合えて良かったです。この日の歩数は7092歩でした。高低差のある場所を歩いたのでかなりの運動になりました…