KAORU♪の「気ままなダイアリー」

KAORU♪が見つけたステキな風景、出会ったおもしろいできごと、おいしい料理などを“気が向いた時”にご紹介します。

★アシンメトリー

2006年07月24日 | KAORUの好きなものギャラリー
               【ラハイナのヤシの木】

この週末はマミフラワーデザインスクールの
年に2回の研修会、夏のセミナーに参加した。

土曜日は最新デザインの発表があったり、
外来講師を招いて講演を聞いたり、ひたすら受身なのだが、
日曜日は、「探究科」というレッスンを午前・午後と受講する
イマジネーションと行動力、スピードが要求される1日なのだ。

参加者はマミのお教室を全国で主宰している、
いわば第一線でバリバリ活躍中のトップ集団の集まりで、
約200名ほどの規模である。しかも女性ばかり。

花や自然を通して、またはステキに生きる先輩方を通して
いつもたくさんの刺激を受けることができるので、
毎回楽しみにしている。

花のレッスンはただ単にきれいな形を作るというだけでなく、
世界史や文化、民族性、クリスマスやお正月のように
宗教のことや、人間としての本質などに触れるから奥が深い。
もちろん、カラーのこと、植物学や、ウィンドウディスプレイまで
暮らしのことから、工業デザインまでと幅も広いから、
どんなに勉強しても新鮮なのである。


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昨日の日曜日午後のレッスンテーマは

「アシンメトリー」

左右対称を「シンメトリー」と呼ぶが、
左右非対称は「アシンメトリー」。

その違いを“西洋”と“東洋”で比較していたのがとても
興味深かった。


「シンメトリー」は地中海沿岸性気候から生まれたもの。
穏やかであまり変化のない温暖な環境から、
厳格な規則性、明確さが感じられ、形として“完結”しているのが
大きな特徴なのだそうだ。

それに対する「アシンメトリー」はモンスーン気候に代表される
アジア地域の特色を併せ持っている。
台風やスコール、寒暖の差が激しいアジア地域では
自然の脅威と恵みを享受することで、
ある種の自由さが根底に息づいている。
そして自然の形状に基づく複雑さ。
それも「左右非対称」という表現方法に
つながっているようである。

「シンメトリー」が周囲の世界から独立しているのに対して、
はっきりとした輪郭を持たずに、周囲の世界との
関わりを感じられるのが「アシンメトリー」。

アジアが「植物的で自然」なのに対して、
ヨーロッパが「生き物としての規則性」。

たとえば、日本の生け花は自然を模写することから
生まれたので、左右非対称。
ヨーロッパで生まれたアレンジメントは
幾何学模様(ジオメトリック)のデザインが中心で、
丸や三角、四角など左右対称の形がベースになっている。
盆栽と、ヨーロッパの庭園の刈り込み式の植木(トピアリー)
もまた同じような様式である。

そんな定義をレッスンテーマのレクチャーから教わった。

言葉の概念を、地域や自然風土からひとつの視点として
考えていくのも、とても面白い。

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危なげだけど、発展性が感じられるのが
「アシンメトリー」の特徴のひとつ、なのだとしたら
今回、日本人として生まれた“清水薫”はもっと
アシンメトリー的な生き方に近づいていきたいな、
となんだかそんな気がした。

もっともっと自然でいいのだ。
まだまだ未完成だけれど、心の枠をはずして
周囲との関わりも大切にしながら、
恵みもしっかりと味わいたい。


私が目指しているのは、「しなやかな“柳”」
倒れそうだけど、ゼッタイ倒れない。
しなやかだけど、たくましい。
繊細だけど、大胆。

そんな生き方をしたいと思う。

環境が人間性にも影響を及ぼすとするならば、
私はアジアの「アシンメトリー」から何かを
得られそうである。









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