破李拳竜・日記

ここでは私・破李拳竜が行ってきた仕事やお遊びとかの日記を、つらつらと載せてあります。

またも東宝特撮の職人逝く。

2005年12月26日 00時40分32秒 | Weblog
 
>松本光司
1933(昭和8年)年生まれ、2005年12月20日、肺ガンのため死去、享年73。
新東宝の特機部から61年東宝特殊技術課に移籍、操演技師として活躍。代表作は『モスラ対ゴジラ』『日本沈没』『ゴジラVSモスラ』

 
 有川貞昌特技監督に続き、またもや円谷監督からの伝統の方を失いました。
松本さんは操演技師でしたが、『日本沈没』の勝鬨橋倒壊シーンでは、まるでゴジラのようにその手でつかみ、力技で倒したカットが一部マニア間で有名なシーンとなっています。
 更に、川北監督が無頼漢でしたので、その分、松本さんは厳しいモラリストでした。身内のマナーは当然として、取材マスコミに対してもマナーの悪い者には遠慮なくカミナリを落としていました。
 ああいう現場を引き締める人がまた一人いなくなったのは寂しい限りです。

我々怪獣を演じる者とすれば、尻尾や、特にギドラなどでは三本の首とかを操演でお世話になるので、操演チームとは息を合わせ、仲良くしなければなりません。
 「ゴジラVSキングギドラ」「ゴジラVSモスラ」の現場でお世話になりました。現場では厳しくされましたが、東宝の本のインタビューで「破李拳は動きが良い。」とお褒めの言葉をされていたのが一番の有り難さでした。そして「ゴジラVSモスラ」で私の出番が終わり、代表の松本さんの所へ挨拶に行ったら「良かったねぇ~。」と言いながら初めて見せたその時の笑顔が今も忘れられません。
 ありがとう御座います、親方。心からご冥福をお祈りします。

               合掌。

(C)東宝