近江フィールドワーク

琵琶湖の淡水魚を中心とした、下手の横好き素人ブログ。内容を信ずるなかれ!

NO.62「ビワコガタスジシマドジョウ」 旧スジシマドジョウ小型種琵琶湖型

2009年03月10日 08時11分15秒 | 滋賀県の淡水魚紹介
 閲覧有難う御座います。滋賀県で捕れる淡水魚の紹介、今日の1匹は。この魚、2007年に行った第5回ツアーで採取した個体で御座います。この頃から少なかったのに、今では全く捕れません(バッチリ生息地画像も紹介されてますしね)・・・
※日本淡水魚類愛護会を参考にスジシマドジョウ小型種琵琶湖型の名称をビワコガタスジシマドジョウへ変更致しました。
<データ>
名前:ビワコガタスジシマドジョウ
分布:滋賀県西部と東部
体長:最大で全長70mmくらいの採取経験あり
生息:琵琶湖周辺水路、河川中流の砂礫質~砂泥質底

特徴:
 漢字で書けば「琵琶湖型筋縞泥鰌」ですね。体形は筒状でして、体高がやや高めな為、断面は楕円形ですね。頭部は上から見ると三角形で尖り気味です。体色は淡い茶褐色をベースに、背面には暗色の模様、体側には一本の太い帯が入ります。繁殖期は梅雨頃で、水田に遡上して産卵しています。いわゆるスジシマドジョウの中の旧名で小型種と呼ばれるものですが、その中でも滋賀県に生息する地方種です。滋賀県内の類似種にオオガタスジシマドジョウがいまして、見た目での判断は難しいと思います。滋賀県版レッドリストでは絶滅危惧種に指定されています。
参考・引用文献
私見:
 私では一年の間で僅かなシーズンしか会えない魚でして、数も少ない感じですね。
採取:
 底砂、泥ごと網で掬う。
飼育:
 ①容器:120㎝水槽に成魚飼育数は4,5匹程度
 ②底床:細かい砂と粗めの砂のブレンド
 ③濾過:外部フィルター
 ④設備:ヒーター×、エアーポンプ○、ファンorクラー○
 ⑤水草:ネジレモ、マツモなど
 ⑥餌 :沈水性の人工配合飼料、冷凍赤虫など
 ⑦混泳:ジマドジョウ、アカザ、トゲウオ等と混泳していました。
 ⑧置物:石と流木を入れていました。
 ⑨繁殖:繁殖経験無し。水槽ではほとんど不可能では?
動画:


画像:

採取後、1年以上飼育していた個体でございます。(西村さんより♂個体と教えて頂く)


  ビワコガタスジシマドジョウ(下)とオオガタスジシマドジョウ(上)の比較   
                   
          
 ビワコガタスジシマドジョウ(上)とオオガタスジシマドジョウ(下)の尾鰭及び基底部の斑を比較
           
                   
                   
                   
                   
                   
         

           
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NO.61「フロリダバス」 交雑進む

2009年02月18日 08時14分04秒 | 滋賀県の淡水魚紹介
 閲覧有難う御座います。滋賀県で捕れる淡水魚の紹介、今日の1匹はフロリダバス。この魚、いわゆるブラックバスの中のオオクチバスと呼ばれる種類かと思われます。最近になって、フロリダバスとノーザンバスの交雑の話を知りました(オオクチとコクチ以外が滋賀県に分布している事を知りませんでした)。過去の画像を拡大して側線有孔鱗数?なるものを数えて見ると・・・70ほどある個体を発見。高い体高、不明瞭な縦帯であることから、フロリダバス若しくはフロリダバスとノーザンバスの交雑種ではないでしょうか?最近の記事は、魚ネタから遠ざかっていましたので軌道修正で御座います。
<データ>
名前:フロリダバス
分布:滋賀県全域
体長:最大で全長500mm程度の採取経験あり
生息:河川の中流から下流域、琵琶湖、溜池など

特徴:
 漢字で書くと『福落里得バス』でしょうか?日本では、比較的近年に繁殖が確認されたブラックバスの仲間ですね。体形は体高がやや高めでして、口が大きくて体高の割に尾柄は細いです。体色は濃い(暗い)オリーブ色で不明瞭縦縞があり、腹部の周りはやや白くなっています。従来のオオクチバス(ノーザンバス)に似ていますが、より体高が高いです。現在の琵琶湖ではノーザンバス×フロリダバスの雑種が殖えているようです。
参考・引用文献
私見:
 外来種のブラックバスですら『何時の間に入れ変わってたの?』と言う驚き・・・
採取:
 ルアーフィッシングが最も一般的。動きが速く、タモ網では捕り難いです。滋賀県ではキャッチ&リリース及が禁止されていますので注意です。
飼育:
 特定外来生物なので、生体の移動すらできません。
動画:

画像:
          
          
         フロリダバス?でしょうか・・・         
          
       ノーザンバス×フロリダバス?でしょうか・・・
 
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NO.60「ツチフキ」 カマツカ3兄弟揃う

2008年07月22日 08時21分23秒 | 滋賀県の淡水魚紹介
 滋賀県に生息する淡水魚の紹介、今日の1匹はツチフキ。何時ものトウヨシノボリポイントで捕獲したこの個体、カマツカよりも体が短く、頭が小さい、ゼゼラ程頭が丸くは無い等の特徴からツチフキでは無いかと思います。そして、このツチフキで滋賀県に生息する魚の紹介(カテゴリー:滋賀県の淡水魚)が
60種になりました!
(60種全部を私が捕ったわけではありませんが・・・)
<データ>
名前:ツチフキ
分布:滋賀県全域(特に南部に多い)
体長:最大で全長100mm程度の採取経験あり
生息:河川中流~下流、琵琶湖、内湖沼などの流れの弱い砂泥底

特徴:
 漢字では「土吹」と書く、いわゆる底物と呼ばれる魚の仲間です。体形は円錐状で尾に近いほど細くなっています。頭の形がやや丸くて、1対の口髭を持っています。体色は背面が黄土色で、腹部へ行くほど白くなっていますね。また、体の側面には黒い丸模様が並びます。繁殖期は春頃らしく、この頃には深みから浅瀬に移動しています。勝手な想定では、春は産卵の為に河川へ移動→夏は河川中流辺りまで遡上→秋は琵琶湖に向い河川を下る→冬は琵琶湖の深めの場所で越冬、と言った生活でしょうか。滋賀県で生息しているものは、国内移入種の扱いであるそうです。
類似種との比較
カマツカ:馬面で吻が長く、大きくなる、髭有り
ツチフキ:頭が少し丸め、小柄である、髭有り
ゼゼラ :頭が丸く、小柄である、髭無し

参考・引用文献
私見:
 小型でカマツカよりも飼い易いですね~(スペース的に)。でも滋賀県では国内移入種らしい・・・
採取:
 泥底を掬うようにガサガサ
飼育:
 ①容器:120㎝水槽に成魚飼育数は4匹程度でした
 ②底床:細かい砂と粗めの砂のブレンドでした
 ③濾過:外部フィルターのみ
 ④設備:ヒーター×、エアーポンプ○、ファンorクラー○
 ⑤水草:ネジレモ、マツモなど
 ⑥餌 :沈水性の人工配合飼料、冷凍赤虫など
 ⑦混泳:ジマドジョウ、アカザ、トゲウオ等と混泳していました。
 ⑧置物:石と流木を入れていました。
 ⑨繁殖:繁殖経験無し。水槽ではほとんど不可能では?

 いわゆる底物と言われている魚ですが、カマツカに比べて遥かに中層を泳いでいますね。砂にも余り潜らない感じがします。これと言って飼育が難しいわけではありませんが、餌が行き渡るようにしないと痩せてしまうんじゃなかろうか?
動画:

画像:



         
 08.10.20追加画像。カマツカ(右)とツチフキ(左)

           
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NO.59「カムルチー」 ライギョです!

2008年06月28日 11時50分02秒 | 滋賀県の淡水魚紹介
 滋賀県に生息する淡水魚の紹介、今日の1匹はカムルチー。何時ものオヤニラミポイントで捕獲したこの個体、場所が場所だけに人為放流されたものかも知れません(怪我もしていましたし)。現在は、暗黒水槽の新たな仲間?として過ごしています。後日、琵琶湖付近で70cmくらいの個体も捕れました(画像の個体は約50cm)。
<データ>
名前:カムルチー
分布:滋賀県全域(南側に多い気がします)
体長:最大で全長700mm程度の採取経験あり
生息:琵琶湖岸や溜池、河川中流~下流域の流れの弱い所
    
特徴:
 漢字で「雷魚」と書く外来種。体形は円筒型で、尾に近くなるほど幅が平たいです。また背鰭は、頭部後ろから尾柄の辺りまで続いています。体色は淡い黄土色に、茶褐色の斑紋が並んでいます。酸欠になると、水面から口を出して空気を直接吸い込む事ができるようです(それでも、これだけでは長期生存できない)。産卵期は梅雨から夏で、雄は水面に水草(ショウブ系の葉)でドーナツ状の巣を作っていました。一応食べられるようです。しかし寄生虫(顎口虫)の宿主であるため、十分に加熱してから食べなくては危険です(味は美味しいそうですが・・・)。アジア原産の外来魚ですが、日本では生息数が減少傾向にありますね。
類似種との比較
カムルチー   :斑紋が大きめ、体長も大きめ
タイワンドジョウ:斑紋が細かめ、体長もやや小ぶり
参考・引用文献
私見:
 子供の頃、カムルチーが捕れると英雄でした~(子供の頃は雷魚と呼んでいましたが)。今では、当時のため池などが埋め立てられていて、殆ど見掛け無くなりましたね。
採取:
 ルアーフィッシングかカエルを使った餌釣り
※歯が鋭くなっていますし、切れも硬いので取り扱い注意です!
飼育:
 ①容器:120㎝水槽に成魚飼育数は1匹くらい
  (これでも厳しいですから、180×90cmが良いかと)
 ②底床:砂と砂利の混合
 ③濾過:飛び出し防止の為に、上部濾過
 ④設備:ヒーター△、エアーポンプ○、ファンorクラー×
 ⑤水草:なし
 ⑥餌 :主に生きた魚でした
 ⑦混泳:ナマズ、ギギ、大型カワムツと混泳していましたが捕食しました
 ⑧置物:石などを入れていましたが、邪魔になりました。
 ⑨繁殖:繁殖経験無し。水槽では極めて難しい? 

小さな魚には興味がないようで、10cm以上の魚をガッツリと食べたいようです。先日の夜中に、600の上部式フィルターを破壊されました・・・恐らくガラス蓋ごときでは破壊されるでしょうね。
動画:
     
画像:
          
         
   顔に傷がありますが、如何にか元気に旋回しています。 


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NO.58「ウナギ」 放流起源

2008年06月21日 10時37分19秒 | 滋賀県の淡水魚紹介
 今日の1匹はウナギ。滋賀県では1906年の南郷洗堰完成により、繁殖活動が阻害されたよう(海に行くのが困難)で漁獲高は激減。それによって放流が毎年行われるようになったようです。近年に捕獲されている個体の殆どが、この放流起源のウナギではないでしょうか?
<データ>
名前:ウナギ
分布:滋賀県全域
体長:最大で全長380㎜程度の採取経験あり
生息:河川の上流~下流域、琵琶湖など。

特徴:
 漢字で「鰻」と書く魚類です。体型は円筒状で細長く、大きな口の三角形頭が付いています。体色は背中が青黒く、腹部は白色~黄色。体表はよく滑る粘膜に覆われているので、素手では中々掴めませんね。繁殖期は夏頃で、瀬田川洗堰ができるまでは、海との往来があり繁殖していたようです。現在では琵琶湖まで上がって来れない為、自然繁殖は無いと考えた方が良いでしょうね。日本の夏の風物詩?土用の丑の日に食べる事で有名ですね。滋賀県では、滋賀県漁業調整規則第36条により、35cm以下の個体はリリースしましょうね。
類似種との比較
ウナギ  :口が大きく、おおきくなる
ドジョウ :口が小さく、比較的細め
スナヤツメ:口の形状が吸盤状でグロテスク、魚類じゃ無い
参考・引用文献
私見:
 飼っていても普段は砂に潜っているので、飼ってる気がしませんね
餌の時は俊敏に動き顔を出しますし、意外と獰猛な魚なんですよね・・・
捕獲:
 ウナギ釣り、筒などを仕掛ける。
飼育:
 ①容器:120㎝水槽に成魚飼育数は1匹
 ②底床:砂と砂利の混合
 ③濾過:脱走対策に、上部式ろ過採用
 ④設備:ヒーター×、エアーポンプ○、ファンorクラー×
 ⑤水草:無し
 ⑥餌 :沈水性人工配合飼料、エビ、ザリガニなど
 ⑦混泳:オヤニラミ、ドンコ、タナゴと混泳してました。
 ⑧置物:石を入れていましたが、砂に潜るので不用でした
 ⑨繁殖:繁殖経験無し。水槽では無理!

小さいウナギと言えども、タナゴなどに噛みつき殺してしまうことがあります。混泳には不向きです。脱走名人なので蓋は必須でして、隙間が無いように気を付けて下さい。成長すると蓋を抉じ開けますので、蓋に重石が必要です。夜行性なので、日中に日差しから隠れる事ができる場所を設けて下さい。 
動画:


画像:
         
         
 頂き物の仔ウナギ、このサイズが一番良い時ですね(すみませんきつねさん、この記事作った後にスナヤツメと共に捕食されてしまいした・・・)。

         
         
 08.11.14追加画像。こちらも静岡の竜馬さんより頂いた個体です。
         
         
 09.06.01追加画像。滋賀県内で、自らが採取した個体。


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