十六夜の SORA から 夢が降ってくる

いつも全快で 愛と笑い 届けます
 ☆You'll never walk alone☆
~ RYO,IWAI ~

時の扉を開いて

2011-05-24 03:38:19 | SORAからの贈り物☆日記☆


キーン キーンと、金属音の様な響きが遠くで聞こえるような気がした

360°ぐるりを見廻してみたけど、音が聞こえてくる場所は解らない

春から夏に向けて、SORAにはこの季節によく似合う分厚い雨雲が泳いでいる


『今日も雨・・・あぁ~あ 明日辺り晴れてくれないかなぁ』


願いの様な重さが混じった言い方に、なんとなく気になって聞く様な声が重なる


『明日って何かあるの?』


少し沈黙の後、諦めた様な声でこう返ってきた


『閻魔がね、間違えて心根の良い奴を地獄に落としちゃってさ』

『うんうん それで?』

『俺にさ 迎えに来いって言うんだよ だから雨の日は行きたくないよね』


閻魔?閻魔って地獄で悪い奴を懲らしめる大王様?


また遠くで金属音が“キーン キーン”と響いてきた


『ははははは、お前も付いてないなぁ まぁちょっと面倒だけど行って来いよ』

『またまた 人事だと思って・・・閻魔の奴の尻拭いに人間界に降りるんだよ』

『仕方ないさ 頼まれちまったんだからさ』


おかしな会話がどこから聞こえて来るのか解らないまま、でも耳は聞きたがっている


『人間界に行ったついでにさ、少し雲の奴をどけて夕焼けでも眺めてくれば?』

『おぅ そりゃ良い考えだ そのぐらいの特権ないとつまらないだけだもんな』


突然、突風が吹いて飛ばされそうになった 

遠くの金属音が“キーン”から“ぎぃぃぃぃぃ”に変わった


“お前はついているぞ人間 俺のお陰で良い物が見れる”


頭の中に誰かの太い声が聞こえたと思ったら、周りの景色が一瞬にして変わった

どんよりした雲が一気に流されて、西のSORAにはもの凄く奇麗な夕日が・・・


“時の扉を開けた音を聴き、この俺様が大好きな夕日を見た人間よ お前は幸福だ”


もう一度遠くで“ぎぃぃぃぃぃぃ”と聞こえて、それからまったく静かになった


良く分からない展開だったけど、多分俺はついているんだろう

だって、こんなきれいな夕陽 見た事ないもんなぁ


時の扉が開いたからなのか 私はとても幸せな気持ちになる夕陽をもう一度見上げた


今日もSORAは、私に優しい