“もう一度だけ・・・”
翔太は、もう随分と前からそこにたたずみ、やっとの思いでと言うくらい重く
そして低く声を絞り出した
“もう一度だけ私に栄光を・・・もう一度だけ”
声に更なる力が篭るが、応える者の反応はない
流れる沈黙の中、どこかで“ぎぎぎぃ”と言う摩擦音がした
それはまるで、数百年も人間にも時にも忘れられたドアが開くような響きがあった
翔太はゆっくりと瞼を開けた この瞬間まで何時間も頑なに、強く閉じていた瞼を
“契約は一回だよ 君との契約は既に遠い時と共に過ぎたのだ”
機械仕掛けの様なと言う表現が合うだろうか
冷たく、そして返す言葉さえ無くしてしまう様な断固たる厳言が翔太を刺す
“人は欲深い生き物だ しかし契約は守られる為にあるのだ”
“解っています だけどたった一度の過ちで全てを失うなんて・・・だから”
闇の中、ぼやけていた視界が少し開き、翔太は広大な敷地の中に立っていると気が付いた
しかし、相手は何処にいるのか、声を頼りに目を凝らしても見つからない
“君は一度、魂を売ったのだ 既に私の手元には君の魂が届けられている”
高校一年生だった翔太は、今にも壊れそうな街角の古い本屋で、ある本とであった
中学校から続く虐めの毎日に、その日も疲れ果てた帰り道の事だった
普段なら立ち寄った事もないその本屋の店頭に、思わず目を魅かれる文字が見えた
≪貴方の心を救う本があります 一人一冊欲しいものを差し上げています≫
トレーカートに数十冊の本が雑におかれていて、その中に翔太の眼を止めるタイトルが
☆Cross road☆願いの契約
思わず手に取って店内に入ると、薄暗い店の中に正にこの店の店主と言うべき老人が
『お兄さん 良い本を選んだね きっと良い事があります様に』
そう言われた言葉も記憶のどこかに、ほんの少しだけ引っ掛かった程度だった
家に帰って、ベッドに身体を投げて鞄の中の本を取り出した
表紙を捲ってから最後の裏表紙を閉じるまで、明るかった部屋の中がいつの間にか
真っ暗になっている事に気が着かなかった
真っ暗な中で活字が読めた不思議こそ気になったが、読み終わってから本の
内容を殆ど覚えていない事は、全く不思議とは思わなかった
記憶の中に在ったのは、暗示の様な数行の文章だけだった
『私との契約は簡単だよ 今宵、真夜中の12時の鐘と共に、汝はベッドに深く横たわり
固く目を閉じたら、大きく穏やかに呼吸を繰り返し、頭の中にCross roadを想い浮かべ
契約を致しますと繰り返しイメージしなさい 私が迎えに行くまで繰り返され、汝が
私を見つけると共に、富も栄誉も名誉さえも想いのままに与えられるだろう』
翔太は、この本に対する疑問や疑念等なく、ただ夜が更ける事への期待に
胸が苦しくなるほどの時を過ごすのだ
あの日から全てが始まり、全てが終わっていたのだと気付いたのは、一体何時の事だろう
翔太は今、広大な敷地の草原の中で真っすぐに繋がる道と、左右に繋がる道に立っている
そう Cross road の真ん中に・・・
あの日と同じ場所
自分で自分の人生を“契約”した そして・・・
魂を売った場所に
私がこのブログを始めた時にも書いたけど、皆さんに楽しんで貰いたいと言う
テーマがありました
この小説は、私の大好きな映画をモチーフしていますが、私なりに楽しんで貰える
内容にして皆様にお届けしたいと思ってオリジナル作品にして書き始めました
被災地にて、『携帯は見れるので元気になれるブログにして下さい』と言われ
大好きなSORAをテーマに毎日書いていますが、娯楽も良いかなと・・・
そこで小説書いてみたって言うのが本当の所かな
さっき、2時30分頃 福島県でまた震度5の地震があった
“負けるな”って気持ちも込めて書いて行こう
まぁ良かったら、楽しんでやって下さい
では・・・次回をお楽しみに
テーマがありました
この小説は、私の大好きな映画をモチーフしていますが、私なりに楽しんで貰える
内容にして皆様にお届けしたいと思ってオリジナル作品にして書き始めました
被災地にて、『携帯は見れるので元気になれるブログにして下さい』と言われ
大好きなSORAをテーマに毎日書いていますが、娯楽も良いかなと・・・
そこで小説書いてみたって言うのが本当の所かな
さっき、2時30分頃 福島県でまた震度5の地震があった
“負けるな”って気持ちも込めて書いて行こう
まぁ良かったら、楽しんでやって下さい
では・・・次回をお楽しみに