野田首相が政治生命をかける社会保障・税一体改革関連法案が８日午後、衆院本会議で審議入りし、首相は今国会成立を目指す決意を明言した。
民主党が党員資格停止処分を１０日付で解除すると正式決定した小沢一郎代表は消費増税への反対姿勢を強める構えで、首相の強い思いとは裏腹に、関連法案成立への道のりは険しい。法案修正を巡る与野党の駆け引きが当面の焦点となる。
８日の衆院本会議での野田首相と自民党の大島理森副総裁による質疑は、一体改革関連法案の修正をにらんだ与野党攻防の「第１ラウンド」となった。
大島氏は「政党間ルールを確立し、新たな政策決定プロセスを構築することが現下の政治状況において求められている」と述べ、法案を巡る与野党協議に応じることもやぶさかではないとの考えを示した。
これに対し、首相は「胸襟を開き、国民の立場に立って協議に応じていただくようお願いする」「大局的視点に立って建設的な提案をいただき、物事を決める政治を（野党と）ともに実現させたい」と応じ、野党側の主張に柔軟に対応する考えを繰り返し強調した。「ねじれ国会」の下、法案成立には野党の協力が不可欠なためだ。
また、「何としても今国会での成立をお願いしたい」と今国会で関連法案成立を目指す考えを改めて強調。その実現に「政治生命をかける」とした自身の発言については「言葉に掛け値はない」と言い切った。
（2012年5月9日01時44分
読売新聞）
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