大阪府高槻市の淀川堤防で4月に遺体で見つかった宇野津由子(つゆこ)さん(当時36)が、自分にかけられた三つの共済のうち一つについて、運営法人に「解約したい」と自ら申し入れていたことが、大阪府警への取材でわかった。共済は津由子さんの養父(当時39)=5月に自殺=が経営していた内装会社が契約したもので、府警は、津由子さんが身の危険を感じて解約しようとしたとみている。
府警によると、津由子さんには養父と養子縁組をした約1カ月後の3月、死亡時の受け取りが計約2160万円の三つの共済がかけられていた。津由子さんが解約を求めたのはこのうちの一つで、死亡時の受取額は約1千万円だった。3共済はいずれも死亡時の受取人が指定されていないが、最終的には遺族が受け取る仕組みという。
捜査関係者によると、津由子さんは4月中旬ごろ、自ら運営法人に電話して「自分にかけられている共済の契約をやめたい」と要請した。契約が養父の内装会社名義のため、津由子さんの訴えだけでは解約できなかったが、法人側から津由子さんの解約の意思が養父側に伝えられ、4月27日に解約されたという。
府警の発表によると、津由子さんの遺体は翌28日に遺棄されたとされる。
府警によると、津由子さんは4月上旬ごろ、住み込んでいた養父宅を出て大阪市西成区の実父宅に一時身を寄せた。府警は、津由子さんが自らに共済をかけられたことで身の危険を察知して避難したとみている。また、養父の知人男性(53)は同月16日、津由子さんに「(養父に)命を狙われている」と教えたと府警に説明している。
一方、7月に朝日新聞の取材に応じた入江誠容疑者(37)=死体遺棄容疑で逮捕=によると、養父の妻の宇野ひとみ容疑者(36)=同=は共済解約について「津由子さんが家を出て行ったので、もういいかと思って一つだけ解約した。全部解約する必要はないと思った。受取人を私たちにしていないので、死亡時の金目当てということは絶対にない」と話していたという。
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