ジャンブール博物館入り口
アルマティの街にはジャンブーラという通りがあります。人の名前だということも知らずに過ごしていたのですが、今回、そのジャンブールという人の博物館に行くことになりました。
ジャンブール(1846-1945)は、カザフでも有数の吟唱詩人です。12歳の頃にはもう大人にも負けない詩人として、有名だったそうです。即興詩の競争では幼い頃からどんどん大人を打ち負かし、負けたことがないと言われているそうです。(ちなみに、強い言葉でもって勝敗がつくらしいのですが、イマイチ分かりませんでした。)
ジャンブーラが91歳の時、1937年ですからソ連時代ですが、ロシア最高会議のカザフスタン共和国代理人に選出されたこともあります。
そういった経歴のジャンブーラの家が今は博物館になっているということで、久しぶりにアルマティから離れた村まで行ってきました。その村の名前はジャンブール。ジャンブールというと、タラズという町の旧称ですが、現在はジャンブールの故郷の村の名前になっています。この村まではアルマティ中心地から70km。ビシュケクに向かう道の途中で南に曲がり、ウズナガチという町を通り抜けてさらに奥になります。
ジャンブールの村はとても美しい村です。二階建ての家もたくさんあって、どの家も窓の縁の飾りがとても綺麗。こんな綺麗な村を初めて見ました。
そして、ジャンブールの博物館はというと、建物はロシア式の建物で各部屋にペチカがあります。入り口を入って正面が応接間。廊下が左右に伸びていて、廊下の両側に小部屋が並んでいます。左手はジャンブールが使っていた寝室などがあり、ジャンブール本人が使っていた家具や食器などが展示されています。右手の部屋は写真や資料などが展示されていて、その廊下の奥から増築したカンファレンスルームに入ることが出来ます。このカンファレンスルームはジャンブールの生誕150周年に作られたものだそうで、部屋の周りにある広めの通路も資料の展示室となっています。
応接間
寝室
クムス(馬乳酒)を飲む用具
ジャナン(大きい器)からキシ(小さい器)に
女性が注いで渡します。
書斎のカーペット
ジャンブールが子供のときに使ったドンブラ
即興詩の競争
鷹狩り
アルマティのソビエツカヤ通り(現在のカズベク・ビ通り)
カンファレンスルーム
この博物館は、全ての展示の説明がカザフ語です。博物館の人がついて説明してくれましたが、それもカザフ語。カザフ語-日本語の通訳がいたからカザフ語での説明だったのかもしれませんが、とにかく、カザフ語の分かる人に案内して貰うのが一番良いと思います。
素敵な建物なのに、やっぱりトイレは建物から離れたところにある小さな小屋。結構人が来てましたし、トイレはもうちょっと立派なものを作るほうが良いのじゃないかなあ、と思ってしまいました。もちろん、こんなこともあろうかとトイレットペーパーもウェットティッシュも持ってましたが。
外には庭があり、歩いて行くとジャンブールのお墓がありました。私たちの後から、地元の人たちが来て、バタを受けていました。バタというのは、ことあるごとに行うのですが、よく見かけるのはお墓や聖遺物とされるものがある場所です。一番年長者らしき人が、最初はコーランの一節を歌い上げ、その後にお祈りの言葉を述べます。(うちの運転手もムスリムなので、ちゃんと外で受けていました。)
ジャンブールのお墓
お墓の天井
そして、この庭には同じ村出身の有名な作曲者のお墓もあり、そこでも同じようにバタを行っていました。
博物館を見た後、とても有名なコブスという楽器があるというので、車で5分ほど離れた家へ行きました。本当に普通の家なのですが、隣に新しい地球儀のようなドームが建っていました。何かと思ったらこれもお墓だということです。
ここの家に伝わるコブスは、作られてから300年以上経っています。雨が降らなくて困っているときにこのコブスを弾くと雨が降ったり、病気の人を治したりすることが出来たのだそうです。最後の引き手は戦争で亡くなって、その後は大事にしまってあるのですが、このコブスにお祈りすると願いがかなうということで、今もこの家に訪れる人が沢山います。私たちも少し外で待ってから、これを見せて貰いました。もちろん写真は禁止。300年経っているということで、角がこすれて光っているようなコブスでした。
帰り道、どこかお昼ごはんを食べるのに景色の良いところは無いかなあと思っていると、簡単なアーチがあって、馬を走らせている場所がありました。なんとここが夏の競馬をやる場所。道路から見ると良く見えないので、岡に登ろうと入って行きました。
スタートとゴールを判定する台の所までは道が悪くて入れなかったので、その手前で車を止めて、岡に登ってみると、多分、1周5kmはありそうなトラックでした。
ついでにその辺りを散策して、山を見たりしてから車に戻ってお昼ごはんを食べてから帰途につきました。
彼らの右側の黒っぽいところがトラック。柵も何も無い。
水色の台のところがスタートとゴール地点
南側には山が迫ります
春一番に咲く花(多分サフランの一種)
ちっちゃなアイリスも
ついでに、スペイン旅行(サン・セバスチャン→マドリッド)もアップしました。→こちら
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