JAZZ from Nishinomiya

V・プレミアリーグのJTマーヴェラスを応援しつつ、日々の出来事や雑感を語ります。ときどき毒づきます。

尻怪獣アスラについていまさら思うこと

2006年06月15日 00時54分52秒 | 映画/ビデオ/テレビ
「尻怪獣アスラ」でブログ検索すると、結構たくさんの人があの映画を見てらっしゃるようです。まあ俺みたいに8週連続で借りた超絶馬鹿はいないだろうけど(えっへん)。

みなさんのレビュー?を拝読していると、評価がきれいに分かれています。面白くないと言っている人は、多分普通の映画好きなんだと思う。じゃあ面白いと言っている人が映画通かといえばそうではなく、こういう映画が好きな人なんでしょう(笑)

ただ、面白くないといっている人にも責任?はあるわけで(笑)、つまりいったいどういう映画だと思って、そしていったい何を期待して借りたんだろうか、ということなんです。唯我独尊のアルバトロス・コアですよ。「アメリ」を配給してしまったのは気の迷いか買い付けミスですよ(笑)

いずれにせよ、普通の映画と思って観たら、多分もの凄くくだらないと思います。だけどあれは、非常によく作られた映画だと思います。日本語訳も素晴らしいです。

そもそもこれはパロディ映画であって、SFパニック映画ではないということ。B級C級Z級映画を愛する人のツボを押さえた作りになっているということ。そしてあの安っぽさは、低予算ムービー好きにとってはたまらないということ。尻とウンコは馬鹿であるということ。なにかが放射能の影響で巨大化するのはモンスター映画の王道パターンであること。ところどころに過去のB級映画に対するオマージュがちりばめられているということ。

例えば、劇中でアスラがビルを登るシーンがありますが、多くの方がご指摘の通り、あれはキングコングのオマージュでもあり、また同時に9.11同時多発テロのパロディ(不謹慎だけど)でもあります。アスラに自爆テロを仕掛けるテロリストの名前がラディンというのもわかりやすい。

しかし、このシーンには、もうひとつ別の味つけが施されています。アスラが登っているビルをよくご覧頂きたい。あれは模型ではなく、おそらく写真だと思います(もしくは静止画の合成か)。



かつてバート・I・ゴードンというオッサンが「The Beginning of the End/終末の兆し」(1957年)という低予算映画で、ビルの写真の上に実物のイナゴを這わせて「巨大バッタによるビル襲撃シーン」を作り上げたことがあるんです。残念ながら写真を見ただけで映画の実物は見たことないんですが、それでもB級映画好きにとっては、結構有名なシーンです。

ですから、この尻のビル登りシーンは、「The Beginning of the End」へのオマージュでもあるのです。俺は勝手にそう思ってます。

余談ですが、「尻のビル登り」は響きが「鯉の滝登り」に似ていますが、もちろんこのアスラに“滝を登って竜になる”といった高尚な志はありません。尻は地上何百メートルにあっても所詮尻です。

ってなわけで、俺がこの映画は「よく作られている」と思うのは、こういうB級映画ファンを喜ばせる仕掛けが満載だからです。こういう映画って、マヌケなマニアックさが楽しいんだから。

その他にも、お約束の「記録フィルム挿入」など、本当によくわかっているなぁと思います。

あと、この映画が意外と良質だと思ったのは、女性のヌードシーンがないことかな。この手の馬鹿映画には、ド派手な銃撃戦、カーチェイス、血を流す人々、そして必ず女性のヌードなどがあって普通?なのに、それがない。錯乱したシポーラ刑事が服を脱ぎかけて黒いブラジャーが見えるくらいだし、ヴァルヴィータ(主人公の奥さん)と不倫相手の黒人のベッドシーンもコミカルだし。

そういうわけで、この映画は小さいお子様にも安心して見せられるため、夕食後の団欒にファミリーで観るには最適の1本です(笑)

その代わり、おっさんの尻はこれでもかというほど映るうえに、出てくる登場人物に尻フェチだとかホモくさいやつが多い(笑)。別にそっちの客をターゲットにしているわけでもなく、まあ小学校高学年の男子がやたら「チンチン」とか言うのが好きだったりするのと同じ理由でしょうね。コサッカ刑事が「俺を罰しろ!」とか言いながらキャビネットに手をついてズボンをずらし、結局自分で自分をスパンキングするシーンなど、迫真の演技だけに、アホの塊です。

いやむしろアホの魂というべきか。









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